
AIによる品質検査やデータ分析が急速に進み、製造業の現場でも「AIが最適条件を自動で導き出す」時代が現実になりつつあります。その一方で、品質管理に携わる人の多くが、「この仕事は将来AIに置き換えられるのではないか」という不安を感じているのも事実です。
しかし、AIがどれほど進化しても、品質管理の仕事が完全になくなることはありません。なぜなら、品質管理には“数値だけでは決められない判断”が必ず存在するからです。
本記事では、AIが得意な領域と人間にしかできない判断の違いを整理し、AI時代において品質管理者が果たすべき役割を解説します。

この記事を書いた人
所属:QMS認証パートナー専属コンサルタント
年齢:40代
経験:製造業にて25年従事(内自動車業界15年以上)
得意:工場品質改善・プロジェクトマネジメント
目標:ちょっとの相談でも頼りにされるコンサルタント
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ISO9001・ISO14001構築でつまずきやすい点
ISO9001やISO14001は、「何を決めるべきか」「どう見える化するか」といった判断事項が多く、構築の初期段階で迷いやすい規格です。要求事項は理解できても、実際の規定や帳票をどう整えるかで手が止まってしまうケースも少なくありません。
そのため、実務で使われている規定や帳票の考え方を参考にしながら、自社のペースで整理していくことが重要になります。
この記事の目次
AIができること、品質管理で任せられること
AIは大量のデータを高速で処理し、異常検知や傾向分析を行うことが得意です。画像検査による外観不良の検出や、工程データからのばらつき分析などは、すでに多くの現場で実用化されています。過去データが十分に蓄積されている工程においては、AIの判断は人よりも安定し、再現性も高いと言えます。
ただし、AIが行っているのはあくまで「過去データに基づく確率的な判定」です。この前提を理解せずにAIを使うと、判断を誤るリスクが高まりますので注意が必要です。
AIが苦手なこと
近年、AIを活用した品質データ分析が注目され、不良率低減や異常検知への期待が高まっています。しかし、現場ではAI分析を導入したものの、思うような成果が出ないケースも少なくありません。その理由の一つは、AIがデータの「意味」や「背景」を理解していない点にあります。
AIは因果関係を判断できない
AIは傾向を見つけることは得意ですが、なぜその結果になったのかという因果関係までは判断できません。また、入力されるデータの質が低ければ、分析精度も当然下がります。測定ばらつきや記録ミスが含まれたデータを基にした分析は、誤った結論を導くだけです。さらに、匂いや音、触感といった数値化できない現場の違和感は、AIでは捉えられません。
品質管理におけるAIは自動化の道具ではなく、あくまで判断を支援する存在です。AIの結果を正しく解釈し、現場の感覚と組み合わせて最終判断を下すことこそが、人にしかできない品質管理の役割だと言えるでしょう。
AI検査は完ぺきではない!
AI検査は外観不良の自動判定に有効な手段ですが、すべての不良を正確に見分けられるわけではありません。特に、微小なキズや浅い凹みは、光の当たり方や表面反射の影響を受けやすく、正常品との境界が曖昧になりがちです。また、照明条件がわずかに変わるだけでも画像の見え方が変化し、学習した判定結果が再現されないこともあります。
汚れと欠陥のように判断基準が人によって分かれる不良では、AIも迷いやすく誤判定が増えます。さらに、組立ズレなど規則性のない形状変化や、これまでに発生していない新種の不良は、十分な学習データがない限り対応できません。
AI検査は万能ではなく、適用範囲を見極め、人の判断と組み合わせて使うことが重要です。
データの全体を見る力は人にしかない!
品質管理の現場では、常に想定外の事象が発生します。新素材の採用、設計変更直後の初期流動、設備の微妙な劣化など、過去データが十分に存在しない状況は珍しくありません。
異常値が出たとき、それが測定ミスなのか、本当の不良なのかを見極める判断や、顧客クレームが製品起因かどうかを判断する場面では、データだけでは答えが出ないことが多くあります。皆さんの会社ではどうですか?
こうした「データ全体」を読む力は、経験や知識、現場理解を持つ人間にしか備わらない判断力です。
規格を理解するうえで、よくある「つまずき」とは?
ISO9001やIATF16949、VDA6.3の要求事項は、条文を読むだけでは自社業務への当てはめ方が分かりにくい場面が少なくありません。理解したつもりでも、文書化や運用判断で迷いが生じることは多く、その違和感こそが改善ポイントになる場合もあります!
※ 個別ケースでの考え方整理が必要な場合は、補足的な確認も可能です。
リスクという品質管理の価値観
AIはコストや効率を最適化する判断を得意とします。しかし、品質管理では確率的に問題が少なくても、「万が一のリスク」を理由に止める判断が求められる場面が多くあります。管理職はこのリスクから物事を判断することは多いのではないでしょうか?
たとえAIが「問題なし」と判定しても、不良流出の可能性が少しでもあれば出荷を止める。このリスク判断は、倫理観や社会的責任に基づくものであり、アルゴリズムだけで決められるものではありません。
IATF16949やISO9001が求めているのも、まさにこの判断姿勢です!
ISO9001・ISO14001構築でつまずきやすい点
ISO9001やISO14001は、「何を決めるべきか」「どう見える化するか」といった判断事項が多く、構築の初期段階で迷いやすい規格です。要求事項は理解できても、実際の規定や帳票をどう整えるかで手が止まってしまうケースも少なくありません。
そのため、実務で使われている規定や帳票の考え方を参考にしながら、自社のペースで整理していくことが重要になります。
全ては数値化できない!感覚も大事
現場の作業者が発する「今日は何かおかしい」「いつもと音が違う」といった感覚は、データとして記録されないことがほとんどです。AIはこうした情報を扱えません。
品質管理者はそこから異常の兆しを感じ取ることができる力をもっているはずです。特にこの完成は女性の方が強い傾向にあります。
この違和感を無視せず、確認や一時停止といった行動につなげる勇気こそが、品質事故を未然に防ぐ力になります。AI時代において、こうした人間的な感覚はむしろ重要性を増していくものと思われます。
判断=責任を忘れてはいけない!
AIが出した結論を採用した結果、問題が発生した場合、最終的に責任を負うのは全て人間であり管理職です。だからこそ、「AIがそう言ったから」という理由だけで判断を委ねることは絶対にできません。しかしこのAI時代の無能な管理者の多くは、AIの判断をあたかも「常に正しい」と判断し、それを部下に押し付けている場面も少なくありません。
品質管理者には、AIの結果を理解したうえで、自分の判断として決断する姿勢が求められます。「自分がこの判断をした」と説明できること。それが品質管理における本当の判断力だと私は思っています。
AI時代に求められる品質管理者のあるべき姿
これからの品質管理者に求められるのは、単にデータを読むスキルではありません。AIが導き出した最適解を参考にしつつ、それが本当に安全か、信頼できるか、人として正しい判断かを見極める力です。AIを使いこなしながらも、最終判断を担う存在。それこそが、AI時代にも必要とされ続ける品質管理者の姿だと言えるでしょう。
規格対応で不安・悩むポイント
ISO9001やIATF16949、VDA6.3といった規格対応では、「どこから手を付ければよいか分からない」「社内だけで判断を進めることに不安がある」と感じるケースが少なくありません。
品質マネジメントの構築は、一度に完成させる必要はなく、考え方やサンプルを参考にしながら、少しずつ自社に合った形へ整えていくことも可能です。
まとめ|AIを使うのは人、判断するのも人
AIは品質管理を支える強力なツールですが、判断そのものを代替する存在ではありません。品質管理の本質は、数値の裏にあるリスクや責任を理解し、最終的にどう行動するかを決めることです。AIと人が役割を分担し、人が判断を担う。この関係を正しく理解することが、これからの品質管理において最も重要なポイントですので、今後もAIを活用しつつより高い品質管理者を目指していきましょう!











