ISO9001の第5章「リーダーシップ」は、審査において非常に注目される章です。なぜなら、この章はトップマネジメントが本当にQMSに関与しているかを判断する根拠になるからです。

規定や帳票が整っていても、トップの関与が弱いと判断されれば、「形だけのISO運用」と見なされます。第5章は精神論ではなく、具体的な行動・役割・責任の明確化が求められる章です。

本記事では、ISO9001第5章の要求事項を整理し、審査で説明できる実務的なポイントとしてまとめます。


この記事を書いた人

所属:QMS認証パートナー専属コンサルタント
年齢:40代
経験:製造業にて25年従事(内自動車業界15年以上)
得意:工場品質改善・プロジェクトマネジメント
目標:ちょっとの相談でも頼りにされるコンサルタント
※難解な規格を簡単に解説がモットー!

Hiroaki.M

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第5章:リーダーシップ及びコミットメント「要求事項リスト
ISO・IATF 5章
※IATF運用には、ISO9001の要求事項の運用が必須です。
条項 題目 ISO9001 IATF
第4章 組織の状況
第5章 リーダーシップ
第6章 計画
第7章 支援
第8章 運用
第9章 パフォーマンス評価
第10章 改善
条項 題目 ISO
9001
重要
帳票
IATF
16949
重要
帳票
5.1.1 一般(リーダーシップ)  
5.1.1.1 企業責任  
5.1.1.2 プロセスの有効性及び効率  
5.1.1.3 プロセスオーナー
5.1.2 顧客重視  
5.2.1 品質方針の確立
5.2.2 品質方針の伝達
5.3 組織の役割・責任及び権限
5.3.1 組織の役割・責任及び権限ー補足
5.3.2 製品要求事項及び是正処置に対する責任及び権限

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当サイトでは、ISO9001およびIATF16949について、規格要求の解説にとどまらず、実務でどのようにルールや記録へ落とし込むかを重視して情報を整理しています

規格の理解とあわせて、「現状とのギャップをどう捉えるか」「どこから手を付けるべきか」といった判断に迷いやすい点を、現場目線で分かりやすく解説することを目的としています。

記事内容を自社へ当てはめる際の考え方や、判断に迷うポイントについては、別ページで整理した情報も用意しています。

5.1リーダーシップ及びコミットメント|「関与している証拠」が必要

ISO9001:5.1.1項リーダーシップ

5.1では、トップマネジメントが品質マネジメントシステムに対して主体的に関与していることが求められます。ここで重要なのは、「関心を持っている」では不十分という点です。

例えば、品質方針の策定、品質目標のレビュー、マネジメントレビューへの参加、是正処置の方向性判断など、意思決定に関わっている事実が求められます。審査では、「トップは何を判断し、何を指示したのか」を具体的に説明できることが重要です。

5.1.2顧客重視|顧客満足は現場任せではない

ISO9001:5.1.2項の顧客重視

顧客重視は、営業や品質部門だけの役割ではありません。5.1.2では、トップマネジメントが顧客要求事項や顧客満足の重要性を組織全体に浸透させることが求められています。

クレーム対応や顧客満足度の分析結果を、トップが確認し、必要な改善を指示しているかどうかがポイント。「現場で対応しています」という説明だけでは、審査では弱くなります。

5.2品質方針|掲示して終わりでは意味がない

ISO9001:5.2.1項の品質方針の確立

品質方針は、ISO9001の中でも形骸化しやすい要求事項の一つです。5.2では、品質方針が組織の目的・方向性と整合し、理解され、活用されていることが求められます

単に壁に貼ってあるだけでは不十分で、品質目標や日常業務とどう結びついているのかを説明できる必要があります。トップが自分の言葉で品質方針を説明できるかどうかも、審査ではよく見られます。

5.3組織の役割、責任及び権限|「誰が何を決めるのか」を明確に

IATF16949:5.3.1項の組織の役割・責任及び権限-補足

5.3では、QMSに関する役割・責任・権限を明確にし、周知することが求められています。特に重要なのは、「品質に関する最終判断は誰が行うのか」という点です。

品質責任者を置いていても、実際の権限が曖昧な場合、審査で指摘されやすくなります。組織図や職務分掌を用いて、判断権限が明確になっていることが重要です。

ISO9001第5章まとめ|トップの関与がQMSの強さを決める

ISO9001第5章は、QMSが「組織として本気で運用されているか」を示す章です。トップマネジメントの関与が明確であれば、6章以降のリスク管理や目標管理も自然に機能します。

逆に、第5章が弱いと、内部監査や外部審査で「仕組みはあるが、運用が弱い」という評価になりがちです。ISO9001を単なる認証維持ではなく、経営ツールとして活かすためにも、第5章の整理は欠かせません。

第5章でよくある悩み

「トップが忙しくてISOに関われない」「品質方針が現場に浸透していない」「責任と権限の切り分けが曖昧」こうした悩みは、多くの企業が共通して抱えています。メールコンサルティングでは、自社の実情に合わせて、審査で説明できる第5章の作り方を具体的にアドバイスしています。
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