
ISO9001の社内教育をしっかり遂行するには、社内で共有出来る専門のマニュアル、明確な目標設定、入念な段取りが欠かせません。一つでも欠けてしまうと外注に頼らざるを得なくなり、膨大なコストが発生してしまいます。
しかし裏を返せば、上記の必須課題をしっかり対策することができていれば、自社での教育は円滑に行えます。では、具体的に何に注意すれば良いのか?コツはないのか?こちらの記事で紹介していきます。それではみていきましょう。

この記事を書いた人
所属:QMS認証パートナー専属コンサルタント
年齢:40代
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ISO9001構築で整理しておきたい基本的な視点
ISO9001の構築や運用では、要求事項を理解するだけでなく、それを自社のルールや記録としてどう形にするかが重要になります。規格の意図は分かっていても、文書化や運用方法の判断で迷い、対応が止まってしまうケースも少なくありません。
まずは全体像を整理し、必要な文書や帳票の考え方を把握したうえで、自社に合った形へ段階的に落とし込んでいくことが、無理のないISO9001対応につながります。
この記事の目次
理想と現実のギャップを埋める為に欠かせない社内教育
社内教育とは、会社が社員に対して行う教育を指し、社員の理想と会社の理念や経営戦略とのギャップを埋めるために重要です。特にISO9001においては、126項目の要求事項を理解し、品質マニュアルや規定内容、手順書に関する教育が求められます。
ISO9001の運用を円滑に進めるためには「内部監査員の養成」が効果的な手段となります。内部監査員を増やし、品質マネジメントシステムの運用を社内で進めることで、社内教育を同時に進行させることができるため、この取り組みは非常に重要です。今後は、どのような教育が効果的かを具体的に見ていきましょう。
ISO9001の理解を深める社内教育は「内部監査員養成」がコツ

内部監査員を教育する目的は、社内の独自手順や業務を効率的に習得することにあります。外部に研修を依頼すると、費用や時間がかかるため、社内に専門担当者(その力量を明確にする)がいると、内部監査員教育を効率よく進めることが可能です。
また、内部監査員養成を社内教育に切り替えることで、社内独自の手順や業務を中心にした研修を行え、社員の意見を反映しやすくなり、仕事の効率化が期待できます。次に、内部監査員トレーナーや内部監査員教育に求められる内容について、具体的に見ていきましょう。
①力量を明確にする

力量とは、業務に必要な技能、知識、資格、経験などの能力を指し、これを明確にすることでISO9001の運用や人材育成、社員の質の向上が期待できます。特に内部監査員を養成するトレーナーや監査員自身の力量を明確にすることが、効果的な教育の鍵となります。
①ISO9001の要求事項の理解
②ISO19011の監査手法の理解
③監査経験
などが挙げられます。
これらを力量評価表やスキルマップに取り入れることで、社内全体のレベル向上を図ることができます。内部監査員の力量を正しく評価し、必要な訓練を行うことが品質マネジメントシステムの効果的な運用に繋がるため、非常に重要な要素となります。
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②適切な教育訓練プログラムを準備する
社内の力量を正確に把握し、それに基づいた教育・訓練を行うことで、企業活動や社員個々の能力にプラスの効果をもたらします。そのためには、監査員養成プログラムが欠かせません。
このプログラムを受講し、内部監査員として認定されることで、監査員の数を増やし、品質マネジメントシステムの浸透を促進できます。また、教育プログラムはPDCA(計画・実行・確認・改善)のサイクルを回しながら進めることが推奨されます。
教育年度ごとのプログラム計画や教育内容の充実が、社員のスキル向上や内部監査の質の向上に大きく寄与します。こうした継続的な訓練により、社内全体の品質管理が強化されます。
力量評価で整理する教育訓練管理の考え方
ISO9001やIATF16949では、業務に必要な力量を明確にし、教育訓練を通じて維持・向上させることが求められます。個人ごとのスキルや目標を整理することで、組織として必要な能力とのギャップを把握しやすくなります。力量と業務内容を結び付けて管理することが重要です。
一方で、教育記録だけが残り、力量の評価や育成計画と連動していないケースも少なくありません。そのため、評価基準や育成目標を整理したうえで運用することが重要になります。こうした整理を進める方法の一つとして、力量評価と教育訓練管理の進め方をまとめた資料を参考にする方法もあります。
③社内教育を実施したら都度「有効性」を評価する
社内教育を実施した後は、その「有効性」を都度評価することが重要です。教育を受けた社員がどの程度スキルを習得し、実際に業務で活用できているかを確認することで、教育の効果を測ることができます。ISO9001では、有効性の確認が非常に重視されており、教育が規格要求事項に対して適切に行われたかを評価することが求められます。
①ペーパーテスト
②ISO19011に基づく監査手法を用いた実績
②内部監査時の報告書の内容
などを基に、社員の理解度を確認することが可能です。
こうした評価プロセスを取り入れることで、教育の成果を次の段階へと繋げることができ、さらなる成長が期待できます。
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④社内教育を実施したら記録を保持する
社内教育が行われた場合、その内容や進捗を記録として保持することが重要です。記録とは、社員が業務に必要なスキルや知識を習得したことを証明するためのものです。研修報告書や業務日報、社員が書き込んだノートなど、教育の過程を示す文書は全て記録として扱うことが可能です。
ISO9001では、「維持」や「保持」という概念が非常に重要であり、適切な記録を残すことで教育の履歴や進捗を確認しやすくなります。これにより、企業は長期的な教育効果を維持し、社員のスキル向上を確実なものにすることができます。
審査では、教育完了後の教育についての記録があるかを尋ねられます。
・社内教育を行った日付
・社内教育対象者
・社内教育内容
・社内教育方法
・社内教育の有効性評価
について確認されるのですぐにわかるように記載して保管しておくといいでしょう。
⑤部署内のISO9001の教育のコツは各部署に内部監査員を置く
ISO9001の推進を効果的に行うためには、各部署に内部監査員を配置することが有効です。内部監査員を配置することで、部署ごとの特性に合わせた教育を行い、品質マネジメントシステムを深く浸透させることができます。
また、定期的な部署内教育を通じて、内部監査員がその部署の教育係として役割を担うことで、ISO9001の理解が進みやすくなります。
単に事務局が推進するだけでは定着が難しいため、各部署に1名以上の内部監査員を配置することで、効率的な教育推進が実現され、品質管理の向上が期待できます。
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規格を理解するうえで、よくある「つまずき」とは?
ISO9001やIATF16949、VDA6.3の要求事項は、条文を読むだけでは自社業務への当てはめ方が分かりにくい場面が少なくありません。理解したつもりでも、文書化や運用判断で迷いが生じることは多く、その違和感こそが改善ポイントになる場合もあります!
※ 個別ケースでの考え方整理が必要な場合は、補足的な確認も可能です。
養成した内部監査員を活用してISO9001を浸透させていく方法

養成した内部監査員を活用してISO9001を社内に定着させるための次のステップは、以下のような具体的な取り組みを行うことが効果的です。
1. 定期的な内部監査の実施
内部監査員が育成された後、定期的に内部監査を実施することで、ISO9001の要求事項が確実に遵守されているかをチェックします。内部監査は、各部署ごとの実施計画を立て、現場での運用状況や手順の順守状況を確認し、是正が必要な点があれば早期に改善を促します。このサイクルを回すことで、組織全体が常にISO9001に沿った活動を行う習慣が定着します。
2. 是正・予防措置の実行
内部監査で指摘された不適合や改善点に対して、迅速かつ効果的な是正措置と予防措置を講じることが重要です。これにより、同じ問題が再発することを防ぎ、社内全体の品質意識が向上します。是正・予防措置を計画・実行し、結果を評価するPDCAサイクルを取り入れることで、品質マネジメントの改善が進みます。
3. 教育とトレーニングの継続
内部監査員のスキルアップや新規の監査員育成のため、継続的な教育とトレーニングを行います。特にISO9001の最新情報や規格改定があった際には、その内容を理解し、社内で共有することが重要です。また、定期的なトレーニングを通じて監査スキルの向上を図り、社内全体で高い品質基準を維持できるようにします。
4. 部門間での情報共有とベストプラクティスの導入
各部署での内部監査結果や改善事例を共有することで、他部署でも活用できるベストプラクティスを導入し、組織全体の品質向上を促進します。これにより、部門間の連携が強まり、ISO9001の要求事項に対する理解と実践がさらに広がります。
5. マネジメントレビューへのフィードバック
内部監査の結果や是正措置の状況を、定期的にマネジメントレビューで報告し、経営層と共有します。経営層が監査結果や改善点に基づいて方針を見直し、リソースの配分やサポートを強化することで、ISO9001の運用がさらに強化され、企業全体の品質管理体制が向上します。
これらのステップを踏むことで、養成された内部監査員を活用し、ISO9001を社内に深く定着させ、長期的な品質向上を実現することができます。
IATF16949構築の初期段階で迷いやすいポイント
IATF16949の構築を始める際には、「何から着手すればよいのか」「要求事項をどのように展開すればよいのか」といった初期段階特有の迷いが生じやすくなります。規格の全体像を把握しないまま進めてしまうと、後工程で手戻りが発生することも少なくありません。
まずは構築の流れや必要となる資料の考え方を整理し、段階的に準備を進めていくことが重要になります。
ISO9001社内教育推進のコツ:まとめ
ISO9001の社内教育をしっかり遂行するということは、業務上必要な能力や知識を身につけるということです。
そのためにも内部監査員は必要であり、内部監査員を養成することで社内にISO9001を浸透させることにもつながる活動といえます。自社の仕組みを社員がより理解でき、会社の発展にもつながっていくのです。
上記の仕組みを社内でしっかり確立する事ができれば、社内教育の環境で悩むことはなくなり、自社でしっかりとした基盤が作れるようになります。
自社でしっかりとした基盤が作れるようになると言うことは、他社から社内教育の相談や、セミナーの開催等により得た顧客の獲得等、大きなビジネスチャンスに繋がります。
まずは、自社の社内教育環境をしっかり作りましょう。











