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【ISO9001攻略】7.2:力量の要求事項徹底解説!

ISO9001:7.2項の力量の要求事項は、品質マネジメントシステムの管理下における従業員の方のスキルとそのレベルを明確にすることを意図しています。この要求事項を体系的に行うことで、組織の底上げにもつながるで、しっかり構築してみましょう!

今回の記事は、ISO9001:7.2項の力量の要求事項の意味と構築ポイントについて解説します。


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ISO9001:7.2項の力量の意図

ISO9001:7.2項の力量①

ISO9001:7.2項の力量の要求事項は、ISO9001を取得する上で超重要な要求事項であり、内部監査や顧客監査そして、審査機関の監査においても必ず見られる要求事項です。

そしてこの要求事項には大きなメリットがあり、うまく利用することで組織の底上げにも繋がります。

「力量がある人」とはどのような人かというと、「スキルが高い・技量がある人」ですよね!

でも言葉ではスキルが高いというのは簡単ですが、人によって評価はばらつきがありますよね?

レベルが高い人が評価すると正確かもしれませんが、新入社員が評価したら意味不明な結果になるかもしれません。

そして、どんなスキル(力量)を持っている人が組織にとって優秀な人なのかも重要です。

それらを体系的に評価できる仕組みを構築することで、プロセスに従事できる人かどうかや、教育の必要性そして、昇格人事条件などにも利用できるのがこの力量の要求事項なんです。

次に、ISO9001:7.2項の力量についての構築ポイントについて解説いたします。

プロセス従事者の必要な力量項目の洗い出し

ISO9001:7.2項の力量の要求事項は、以下のようなことが大事です。

7.2項の条文a)
a)品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性に影響を与える業務をその管理下で行う人(又は人々)に必要な力量を明確にする。

プロセス・部門・担当のレベルで必要な力量を明確にすることがまずは重要です。例えば、品質管理部の担当者であればどんなスキルが必要か考えてみましょう。

品質管理部の力量例
・出荷検査ができる
・受入検査ができる
・クレーム解析ができる
・顧客対応ができる
・仕入先対応ができる
・異常品質会議の開催
・・・

様々な力量が必要ですよね!

この項目は、ISO9001:5.3項の組織の役割・責任及び権限の要求事項とも深く関連しています。

社員・係長・課長・次長・部長と求められる要求レベル高くなるので、業務分掌に書かれた項目と一致させなければなりません。

この点をうまく構築できていない企業は、力量の要求事項をうまく使いこなせていない典型的組織といえます。

ISO9001:7.2項の力量②

力量評価表を作成する

ISO9001:7.2項の力量の要求事項は、以下のようなことが大事です。

7.2項の条文b)c)
b)適切な教育,訓練又は経験に基づいて,それらの人々が力量を備えていることを確実にする。
c)該当する場合には,必ず,必要な力量を身に付けるための処置をとり,とった処置の有効性を評価する。
d)力量の証拠として,適切な文書化した情報を保持する。
注記適用される処置には,例えば,現在雇用している人々に対する,教育訓練の提供,指導の実施,配置転換の実施などがあり,また,力量を備えた人々の雇用,そうした人々との契約締結などもあり得る。

この要求事項の意味は、力量評価項目を明確にしたら、プロセスに従事する人の力量評価表作成することを要求しています。

作成にはポイントがあるので、ひとつずつ見ていきましょう。

結論については、以下の画像が力量評価表です。a)~d)は要求事項にリンクしているの、次に解説します。

ISO9001:7.2項の力量③

a):プロセス従事者に必要な力量項目

プロセス従事者に必要な力量項目は、現場レベルの項目は絶対に必要です。それ以外にも、以下の内容をプラスしておくことがポイントです。

必要な力量評価項目と関連要求事項と連動が取れるので、ISO9001運用の中で組織レベルアップが図れるようになります。

力量評価項目のポイント
①現場レベルに必要な力量
例:出荷検査ができる
②管理職に必要な力量
例:幹部会議の取りまとめができる
関連要求事項
ISO9001:5.3項の組織役割・責任及び権限
③プロセスに必要な知識や資格
例:品質管理検定3級:係長2級:課長など
関連要求事項
ISO9001:7.1.6項の組織の知識
④教育のニーズ
例:〇〇検査機の操作
関連要求事項

b):力量項目に対しての現在の評価を権限者が評価!

力量評価項目が確定したら、次はその従事者の評価をします。ここで大事なルールを設ける必要があり、それらを「教育管理規定」などにルール化するようにしてください。

力量評価で重要なルール
①評価をする人を明確にする
※一般的には部長職
関連要求事項
ISO9001:5.3項の組織役割・責任及び権限
②評価点の意味(以下例)
・0点:作業できない
・1点:指導の下作業できる
・2点:一人で作業可能
・3点:指導ができる
・4点:その作業全体を取りまとめることができる
③評価を行う時期
例:一年に一回再評価を行うなど

c):足りない力量があれば教育計画を立てて実施する

力量評価の結果、「山田さんにはもっと活躍してほしいから教育しよう!」と思ったらその計画を立てて実施するようにしてください。

計画作成時期は、年度末(3月)に来期の計画を立てて実施するとよいでしょう。

もし計画に遅れが発生したり、実施できない場合はすぐに計画変更を実施してください。

それらを変更せずに監査を受けると指摘事項になるので要注意です。

d):教育を実施したら教育の記録を作成し、力量を再評価

教育を実施したらその教育の記録を作成しましょう。

教育の記録の帳票作成ポイントは、以下の項目を入れることが重要です。

項目 記載例
教育実施日 例:2022年5月20日
教育を受けた人の名前 例:山田太郎
教育テーマ 例:ISO9001規格要求事項解説セミナー
教育実施場所 例:〇〇ビル2F
講師・教育者など 例:田中洋一(株式会社〇〇)
教育を受けた目的 例:ISO9001規格を理解し、内部監査員登録を行うため
教育を受けた人の感想(所感) ※受けた本人に記入してもらいましょう
教育の有効性の確認方法 例:セミナー内での確認テスト(70点以上合格)
教育の有効性確認結果 例:セミナー合格証入手済

ここで重要なことは、最後の「有効性確認結果」です。

力量評価項目に基づき、教育訓練を実施した結果、現状の力量評価点からレベルアップすることが基本です。

その力量評価点アップを結論づけるのに、その教育の有効性を判断する証拠が重要。

証拠なく力量評価点アップをすると監査や審査で不適合になる可能性が高いです。なぜその人の力量がアップできたのかの証拠で有効なのが「テスト・試験」といった、数値的・客観的に理解できる証拠が重要となります。

これは必ずしもペーパーテストである必要はなく、口頭試問というのも一つの手なので、その口頭試問を行った場合は、その内容についてメモや記録を残すようにしてください。

IATF16949_ISO9001_VDA6.3

スキルマップを作成する

プロセス従事者の力量評価を一人ひとり行うことは大事ですが、プロセス従事者が多いと一枚一枚力量評価表を確認するのは大変です。

それらを一括で見れるように一枚のシートにまとめたものを「スキルマップ」といいます。

スキルマップを作成しなさいという具体的な要求事項はありませんが、このスキルマップを作成しないと顧客監査や審査で指摘される可能性があるのと、第一に管理する側(部長さんなど)が大変です。

スキルマップは、プロセス従事者全体を一枚のエクセルシートにまとめたものを指し、そのまとめ方は以下を参考に作成されることをおすすめします。

ISO9001:7.2項の力量④

ISO9001:7.2項の力量の要求事項はどこに記載すればいい?

ISO9001:7.2項の力量の要求事項は、教育管理規定を作成し取り組むことが求められます。

教育管理規定の内容に基づききちんと実施されていることはもちろん、大事なことは力量評価表と教育の計画及び教育の記録です。

審査や監査では、力量評価が漏れていた、評価すべき従事者が足りない、教育計画に遅れがある、記録が残っていないまたは、有効性の確認が不十分など様々な指摘がされやすいのがISO9001:7.2項の力量の要求事項です。

以下の4点セットは必ず作成し、社内で構築するようにしましょう!

力量評価4点セット
①教育管理規定
②力量評価表
③教育計画
④教育記録

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ISO9001:7.2に関するFAQ

IATF メールコンサルティングサービス

ISO9001のメールコンサルティングでよくある質問をFAQ形式で3つご紹介致します!もっと詳しく質問したい場合は、是非メールコンサルティングサービスをご活用くださいね!

7.2項の「力量」とは具体的に何ですか?

「力量」は、従業員が職務を効果的に遂行するために必要な知識、技能、経験を指します。ISO 9001では、業務品質に影響を与える役割を持つ人々の力量を明確にし、必要に応じて教育やトレーニングを実施することが求められます。

力量の評価はどのように行うべきですか?

力量の評価は、業務内容や顧客要求に対する適合性を基準に行います。具体例として、スキルマップやパフォーマンス評価表、資格の有無の確認が挙げられます。定期的な見直しも求められ、特に工程や技術の変化に対応する必要があります。

力量が不足していると判断された場合、どう対応すべきですか?

不足が認められた場合、教育、トレーニング、OJT(On-the-Job Training)などを通じてスキルアップを行います。さらに、必要に応じて外部から専門家を招くことも検討とよいでしょう。これにより、力量を維持し、顧客満足と製品・サービスの品質向上を図っていきます(力量がないから駄目ではないく、スキルアップを目指すことが目的です)。

ISO9001:7.2項の力量:まとめ

ISO9001:7.2項の力量⑤

ISO9001:7.2項の力量の規格解釈および構築ポイントは如何でしたでしょうか?

組織の知識や責任と権限、そして教育のニーズをとらえるための認識の要求事項など、様々な条項とリンクしているのがISO9001:7.2項の力量です。

監査や審査でも指摘されやすい項目だからこそ、きちんとした構築が求められます。

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弊社サービスについてのよくあるご質問Q&A:まとめ
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