高品質な製品を安定して提供するためには、どのような手法が必要でしょうか?本記事では、ISO 9001とIATFの要求事項に基づく「文書化したプロセス」の重要性とその効果的な運用方法について詳しく解説します。
文書化されたプロセスがどのように品質を向上させ、企業の競争力を高めるのか、その具体的な方法を学びましょう。
知識・経験を活かし、品質マネジメントシステムの規格を幅広い方々に理解いただき、各規格の普及のお手伝いができればという思いで立ち上げました!難解な内容も、知識と経験でわかりやすく解説していきますので、これからもよろしくお願いします!あくまでも個人の見解(公式に認められたものではない)となりますので、ご理解いただき是非参考にしていただければ幸いです★
目次
文書化したプロセスとは?
「文書化したプロセス」とは、企業の業務や手順を文書として明確にし、それを管理・運用するための一連の仕組みです。これは単なる手順書や規程を作成するだけではなく、それらを活用して業務プロセスを体系的に管理し、改善することを目的としています。
単なる手順書や規程では、業務の流れや役割分担が曖昧になりがちです。しかし、「文書化したプロセス」では、具体的な手順や責任範囲を明確にし、それに基づいて業務を実行することで、一貫性と効率を確保します。また、プロセスの見える化を図り、関係者全員が共通の理解を持つことで、コミュニケーションの向上やミスの防止にもつながります。
このように、「文書化したプロセス」は、組織の運営を効果的にし、品質向上と継続的な改善を推進するための重要な要素です。
文書化したプロセスの必要性
ISO9001及び自動車産業セクターにおけるIATFといった品質マネジメントシステムの構築には、その複雑さと高い要求基準から、「文書化したプロセス」が極めて重要です。
このセクションでは、「文書化したプロセス」が何を意味し、その目的が何であるかを明確にします。
文書化したプロセスの定義とその目的
文書化したプロセスの一部としては、皆さんがご存じのように以下のような文書があります。
・品質マニュアル
・〇〇規定(例:製品設計規定)
・〇〇作業手順書(例:設計手順書)
「文書化したプロセス」とは、前述したように単なる手順書や規程を作成するだけでなく、これらを適切に管理し、継続的に改善していくことを指します。
目的は、プロセスの透明性を高め、効率的かつ効果的に運用することです。これにより、品質の一貫性を保ち、顧客満足度を向上させることができるからです。
文書化したプロセス=タートル図作成要求!
手順書や規程は「文書化したプロセス」の一部ですが、それだけでは不十分です。これらの文書は、あくまでプロセスを管理・改善するためのツールであり、目的ではありません。実際の運用において、これらの文書をどう活用し、プロセスをどのように最適化するかが重要です。
この答えがタートル図の作成です!
タートル図(Turtle Diagram)は、プロセスの視覚的な管理ツールであり、プロセスの各要素を明確に示すための図表です。名前の由来は、その形が亀(タートル)に似ていることからきています。この図は、プロセスの全体像を簡潔に把握できるため、品質管理や業務改善に広く利用されています。
タートル図プロセス運用の要素
タートル図は、以下のような要素で構成されています。上図と比較しながら確認していきましょう!
①プロセスの名称と目的(中央)
プロセスの名称と、そのプロセスが何を達成するのかを記載します。
③⑧インプット(左側)
プロセスを開始するために必要なリソースや情報を示します。例えば、原材料、情報、設備などが含まれます。
⑥⑨アウトプット(右側)
プロセスの結果として得られる成果物や記録を示します。これは完成品やサービス、または報告書などです。
②物的資源(左上)
プロセスに必要な機械、設備、ツールなどの物的資源を示します。
⑤人的資源(右上)
プロセスを運用するための人員、スキル、役割、責任などの人的資源を示します。
④方法、マニュアル、手順書(左下)
プロセスを実行するための具体的な方法や手順、ガイドライン、マニュアルなどを示します。
⑦評価基準と指標(右下)
プロセスのパフォーマンスを評価するための基準や指標(KPIやPIなど)を示します。
タートル図は、これらの要素を一つの図にまとめることで、プロセスの全体像を簡潔に把握できるようにします。これにより、プロセスの強化点や改善点を迅速に特定し、効率的な運用が可能となります。特にIATFやISO 9001などの品質マネジメントシステムにおいて、プロセスの見える化は非常に重要であり、タートル図はそのための有力なツールとなります。
プロセスの評価と改善
品質マネジメントシステムの効果を最大化するためには、プロセスのパフォーマンスを継続的に監視し、測定・分析することが不可欠です。
具体的には、設定したKPIやPIを用いてプロセスの成果を評価し、その結果に基づいて改善アクションを実行します。これにより、プロセスの効率と効果を向上させることができます。
PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)を実践することで、計画の立案、実行、評価、改善を繰り返し行い、継続的な改善を図ります。継続的改善は、品質向上の鍵であり、文書化したプロセスの導入は、長期的に見て業務の安定性と効率性を高める効果をもたらします。
これにより、自動車産業の品質基準を維持しつつ、顧客満足度を向上させることが可能です。
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文書化したプロセス:まとめ
品質マネジメントシステムは、IATFとISO 9001の基準に基づく「文書化したプロセス」の導入が不可欠です。これは単なる手順書や規程を超え、プロセスの全体像を見える化し、効果的かつ効率的に運用するための管理手法です。
具体的には、タートル図を用いてプロセスのインプット、アウトプット、物的資源、人的資源、方法、評価基準を明確にし、PDCAサイクルを実践することで継続的な改善を図ります。
これにより、品質の一貫性と顧客満足度を高め、長期的な業務の安定性と効率性を実現します。文書化したプロセスの重要性を理解し、適切に管理・運用することが、自動車産業の品質向上に大いに寄与します。
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