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クリーンルーム設計・運用の完全ガイド:基礎と管理の全知識

クリーンルームは製造業や科学研究の品質を左右する重要な役割を担います。この記事では、クリーンルームの基本概念から構造設計、入退出方法、入室ルール、さらには温湿度管理や清浄度測定まで、その設計と運用全体について解説します。


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製造業でよく聞く「クリーンルーム」とは何?

クリーンルーム設計・運用の完全ガイド:基礎と管理の全知識①

クリーンルームとは、製造業や科学研究などで、空気中の塵埃、微生物、化学蒸気、エアロゾル粒子などの汚染物質を制御した環境を提供するために設計された特別な部屋またはエリアのことを指します

このような環境は、半導体製造、製薬、バイオテクノロジー、生命科学の研究、およびその他の分野での精密な製品や研究活動に不可欠です。

クリーンルーム内の空気品質は、特別な空調システムによって厳格に管理されます。これには、HEPA(高効率粒子捕集)フィルターやULPA(超低侵入性粒子捕集)フィルターを使用して、入室する空気を浄化し、室内の汚染レベルを特定の標準またはクラスに保つことが含まれます。

クリーンルームのクラスは、空気中の特定サイズの粒子数によって定義され、ISO 14644-1などの国際標準によって分類されます。

クリーンルーム内で働く人々は、汚染を最小限に抑えるために、特別な衣服(クリーンルームスーツ、フード、グローブなど)を着用する必要があります。また、クリーンルームに入る前には、空気シャワーで汚染物質を除去するなど、厳格な手順に従う必要があります。

参考:ISO 14644-1とは?

ISO 14644-1は、クリーンルームや関連制御環境の空気清浄度を分類するための国際規格です。この規格は、空気中の粒子数に基づいてクリーンルームのクラスを定義し、製造業や医療施設などの環境で微粒子汚染を管理する基準となります。
ISO 14644-1は、クリーンルームの設計、運用、維持管理において重要な指標を提供し、特定の環境での品質管理を確保します。各クリーンルームのクラスは、粒子サイズと数量に応じて決定され、最も厳しいクラスは、非常に小さな粒子の数が厳密に制限されています。

クリーンルームを作ろう!

クリーンルーム設計・運用の完全ガイド:基礎と管理の全知識②

クリーンルームの構造設計は非常に重要ですが、クリーンルームを使用する上でのルールも設計の一つです。次に、設計方法について解説します。

構造設計

クリーンルームの構造設計は、汚染を最小限に抑えつつ、所定の清浄度レベルを維持するために最も重要です

設計は、空気の流れ、圧力、温度、湿度の制御を最適化するように行われます。壁、床、天井は滑らかで清掃が容易な材料で作られ、隙間がなく、塵や微生物が溜まりにくい構造になっています。

高効率の空気清浄フィルター(HEPAまたはULPAフィルター)が設置され、室内の空気を連続的に浄化します。

空気循環システムは、汚染された空気が製品や作業エリアに戻らないように、一定の方向(たとえば、天井から床への垂直流)に空気を送ります。

また、クリーンルームは通常、正の圧力を維持して外部からの汚染の侵入を防ぎます。

入退出方法

クリーンルーム設計・運用の完全ガイド:基礎と管理の全知識③

クリーンルームへの入退出方法は、外部からの汚染を防ぐために極めて重要です。

入室する前には、従業員は更衣室で通常の衣服を専用のクリーンルームウェア(クリーンスーツ、フード、マスク、手袋など)に着替えます。

このプロセスでは、個人から発生する粒子や繊維の放出を最小限に抑えます。更衣後、従業員は空気シャワーを通過して室内に入ります。

空気シャワーは、人や物から剥がれ落ちる可能性のある微粒子を吹き飛ばし、クリーンルーム内への持ち込みを防ぎます。

退出時も同様の手順を踏み、クリーンルーム内で使用した衣類や装備を適切に処理または清掃します。

入室のルール

クリーンルーム内の作業には、厳格なルールとプロトコルがあります。従業員は、クリーンルーム内での動きを最小限に抑え、急激な動作や不必要な活動を避けることで、空気中の粒子の発生を抑制する必要があります。

使用する材料やツールは、クリーンルームの環境に適合している必要があり、事前に適切に清掃または滅菌されていることが求められます。

作業スペースは常に整頓され、不要なアイテムは持ち込まないようにします。また、定期的な清掃スケジュールを設定し、作業エリアや装置を常に清潔に保つことが重要です。

これらのルールとプロトコルは、クリーンルーム内の汚染を防ぎ、製品の品質と安全性を保証するために不可欠です。

温湿度管理

クリーンルームの温湿度管理は、製造プロセスや実験の精度に直接影響を及ぼす重要な要素です。

温度と湿度は、製品の品質や精度、作業環境の快適性を維持するために、特定の範囲内で厳格に制御されます。適切な温湿度の維持は、材料の膨張や収縮、静電気の発生、化学反応の速度など、多くの要因に影響を与えるため、特に半導体や精密機器の製造において不可欠です。

高度な空調システムと湿度制御装置がこの目的のために設置され、連続的に環境を監視し、必要に応じて自動的に調整します。温湿度は定期的に記録され、運用基準の範囲内に保たれるように管理されます。

清浄度測定

クリーンルームの清浄度を保証するためには、定期的な清浄度測定が不可欠です。この測定は、空気中の粒子のサイズと数を特定し、クリーンルームが設定された清浄度クラス(例えばISO 14644-1標準に準拠)を満たしていることを保証するために行われます

粒子カウンターという特殊な装置を使用して、特定の体積の空気中に存在する特定サイズの粒子の数を計測します。

このデータは、クリーンルームの空気清浄システムの性能を評価し、必要に応じてフィルターの交換やシステムの調整を行うための基礎となります。

清浄度測定は、クリーンルームの設置時、大幅な変更後、および定期的なメンテナンスの一環として実施され、継続的な運用の品質保証に不可欠です。

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クリーンルームのクラスとは?

クリーンルームのクラスは、ISO 14644-1によって定義され、空気中の粒子数に基づいて分類されます。これらのクラスは、製造業や医療施設などで微粒子汚染を制御するために使用され、特定の環境に応じた清浄度レベルを維持することが求められます。

クリーンルームのクラスは、粒子の大きさとその数に基づいて(個/m³)、0.1ミクロンから5ミクロンまでの範囲で評価され、クラス番号が小さいほど厳密な制御が必要となります。以下は各クラスの内容を示します。

清浄度と個/m³の関係

清浄度
ISOクラス
0.1μm 0.2μm 0.3μm 0.5μm 1.0um 5.0um
1 10 2
2 100 24 10 4
3 1,000 237 102 35 8
4 10,000 2,370 1020 352 83
5 100,000 23,700 10200 3,520 832 29
6 1,000,000 237,000 102000 35,200 8,320 293
7 352,000 83,200 2930
8 3,520,000 832,000 29300
9 35,200,000 8,320,000 293000

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クリーンルームとは?まとめ

クリーンルーム設計・運用の完全ガイド:基礎と管理の全知識④

クリーンルームは、製造業や研究分野において、最高品質の製品や成果を生み出すために不可欠な環境です。

構造設計や入退出方法、入室ルール、温湿度管理、清浄度測定を徹底することで、汚染を極限まで排除し、精密な作業が可能となります。

この高度な技術を理解し、適切に活用することで、企業の事業や研究を次のレベルへと引き上げることができ、製造業においてクリーンルームの原理と機能を深く理解することは、競争力を維持・向上させるために重要です。

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