EAR規制とは何?対象品目・国などもわかりやすく解説

製造業に従事する皆さん、EAR規制の名前を聞いたことはありますか?EAR規制は、多くの製造業に影響を及ぼす重要なものです。

この記事では、難しい言葉はできるだけ使わず、EAR規制について詳しく解説します。


この記事を書いた人

所属:QMS認証パートナー専属コンサルタント
年齢:40代
経験:製造業にて25年従事(内自動車業界15年以上)
得意:工場品質改善・プロジェクトマネジメント
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※難解な規格を簡単に解説がモットー!

Hiroaki.M

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IATF16949構築の初期段階で迷いやすいポイント

IATF16949の構築を始める際には、「何から着手すればよいのか」「要求事項をどのように展開すればよいのか」といった初期段階特有の迷いが生じやすくなります。規格の全体像を把握しないまま進めてしまうと、後工程で手戻りが発生することも少なくありません。

まずは構築の流れや必要となる資料の考え方を整理し、段階的に準備を進めていくことが重要になります。

EAR規制とは何?

EAR規制とは何?対象品目・国などもわかりやすく解説①

EAR規制Export Administration Regulations)は、アメリカ合衆国が制定した輸出管理規則で、製品や技術の輸出に関する制限や許可要件を詳細に定めています。

この規則は、国家安全保障や外交政策の観点から、特定の技術や製品が不適切な国や組織に渡るのを防ぐことを目的としています。

EARは、商務省の産業安全保障局(BIS)が管轄しており、輸出者は規制対象となる製品や技術を事前に確認し、必要に応じて輸出許可を取得する義務があります。

EAR規制の対象国はどこ?

EAR規制とは何?対象品目・国などもわかりやすく解説②

EAR規制の対象国は、アメリカ合衆国が安全保障上のリスクがあると判断した国々や組織に対して、輸出制限が設けられています。

これには、テロ支援国家や軍事的脅威とされる国々が含まれます。

具体的な対象国リストは、EARの公式文書や商務省の産業安全保障局(BIS)によって公開されており、規制対象は国際情勢や政策に応じて更新されることがあります。

そのため、輸出者は常に最新のリストを確認し、規制遵守を徹底することが求められます。

EAR規制の対象品目は何?

EAR規制とは何?対象品目・国などもわかりやすく解説③

EAR規制は、特定の製品や技術を対象としています。「対象品目」は、EARのCCL(Commerce Control List)に記載されており、高度な技術を持つ製品や、軍事的な利用が考えられる製品などが多く含まれています。

次に、EARのCCL(Commerce Control List)についての基本的な情報を提供いたします。

CCL(Commerce Control List)とは?

CCLCommerce Control List)は、アメリカ合衆国の輸出管理規則(EAR)に基づく商務管理リストで、輸出が規制される製品、技術、ソフトウェアを分類・リスト化したものです。

CCLには、先端技術や軍事関連品、デュアルユース(軍民両用)品目が含まれ、各品目には特定の分類番号(ECCN: Export Control Classification Number)が割り当てられています。

ECCNは、品目の技術的特性や用途に基づいて分類されており、輸出に際して必要な許可の有無や制限内容が明示されています。

CCLは国家安全保障や外交政策の目的で活用されており、輸出者は対象品目を適切に分類し、輸出前に許可が必要かどうかを確認する必要があります。

CCLの構成

CCLは、10のカテゴリに分けられています。それぞれのカテゴリは、さらに5つのグループに分類されます。以下は、それぞれのカテゴリとグループの概要です。

カテゴリー

カテゴリー 項目 内容
0 核関連品目 核材料、施設、装置など。
1 特殊材料と関連装置 化学製品、微生物、トキシン、合成材料など。
2 材料加工 材料加工装置やテスト、測定装置。
3 電子機器 半導体、集積回路、エレクトロニクス部品。
4 コンピュータ コンピュータ、ソフトウェア、関連機器。
5 通信と「情報セキュリティ」 電子機器、通信装置、暗号技術。
6 センサーとレーザー センサー技術、レーザー、画像装置。
7 航法と航空電子機器 航空電子装置、航法システム。
8 海洋装置 海洋装置、潜水艦技術。
9 航空宇宙と推進装置 航空機、ロケットシステム、推進技術。

グループ

グループ 項目 内容
A 装置・装置 機器や装置に関する規制。
B 試験・検査・生産装置 生産やテスト、検査に用いる装置。
C 材料 原材料や素材に関する規制。
D ソフトウェア ソフトウェアの開発、製造に関する規制。
E 技術 技術データや技術支援に関する規制。

このように、CCLはカテゴリとグループを組み合わせて、製品や技術がどのように規制されるかを体系的に管理しています。

ECCNコード構造

各商品や技術は、ECCN(Export Control Classification Number)と呼ばれる固有の5桁のコードで識別されます。

ECCNは、CCL(Commerce Control List)のカテゴリとグループに基づいて、商品や技術の技術的特性や用途に応じた分類を行うために使用されます。ECCNコードの構造は以下のようになっています。

  • 第1桁:
    最初の数字は、CCLの10個のカテゴリのどれに属するかを示します。例えば、「3」であれば電子機器、「5」であれば通信と情報セキュリティを意味します。
  • 第2桁:
    次のアルファベットは、どのグループに属するかを示します。グループAからEまであり、それぞれが装置・装置(A)、試験・検査・生産装置(B)、材料(C)、ソフトウェア(D)、技術(E)に対応します。
  • 第3~5桁:
    最後の3桁の数字は、特定の商品や技術をさらに細かく識別するための固有の識別番号です。この部分で、同じカテゴリとグループ内の異なる製品や技術を区別します。
    ECCNコードはこれでわかる!

    例えば、ECCN「5A002」は以下のように解釈されます。

    5:カテゴリ5「通信と情報セキュリティ」
    A:グループA「装置・装置」
    002:特定の暗号化装置

    このように、ECCNは商品や技術がどのように分類され、どの規制が適用されるかを明確に示すための重要な識別コードとして機能します。輸出者は、製品や技術のECCNを確認し、必要な許可を取得するために使用します。

    規格を理解するうえで、よくある「つまずき」とは?

    ISO9001やIATF16949、VDA6.3の要求事項は、条文を読むだけでは自社業務への当てはめ方が分かりにくい場面が少なくありません。理解したつもりでも、文書化や運用判断で迷いが生じることは多く、その違和感こそが改善ポイントになる場合もあります!

    ※ 個別ケースでの考え方整理が必要な場合は、補足的な確認も可能です。

    どのようにCCLを使用するのか?

    CCL(Commerce Control List)は、輸出者が自らの商品や技術がどのような規制を受けるかを判断するための重要なツールです。

    商品や技術がCCLにリストされている場合、特定の国や地域への輸出が国家安全保障や外交政策上の理由から制限されることがあります。輸出者は、まず商品や技術をECCN(Export Control Classification Number)で分類し、そのECCNに基づき、輸出ライセンスの取得が必要かどうかを判断します。

    CCLを使用することで、輸出者は適切な輸出管理を行い、法規制を遵守しながらビジネスを進めることができます。詳細な規定や最新情報は、米国商務省の公式ウェブサイトで確認することを推奨します。

    EAR規制対象か否かの判断と各ステップ

    ここが大事!

    ▶製品のECCN
    ECCNは、EARのCCLに記載されている5文字のコードです。このコードにより、製品がEAR規制の対象かどうかを判断します。

    ▶輸出先の国
    すでに触れた通り、対象国によって輸出の許可や制限が異なります。

    ▶輸出の目的
    製品の輸出がどのような目的で行われるかも重要です。例えば、民間用としての輸出や、軍事的利用が目的の輸出など、目的によって規制が異なることがあります。

    もし皆さんの製品がEAR規制の対象であると判断された場合、以下のステップを踏む必要があります。参考にしてみてくださいね!

    1. ライセンスの必要性を確認:すべての製品がライセンスを必要とするわけではありませんが、必要な場合、US Department of Commerceから取得する必要があります。
    2. 輸出先の国や組織を再確認:既に述べたように、輸出先の国や組織によっては、特定の製品の輸出が許可されていない場合があります。
    3. 輸出時の文書を整備:輸出の際には、EAR規制に関する文書や許可書を整備することが求められます。

    規格対応で不安・悩むポイント

    ISO9001やIATF16949、VDA6.3といった規格対応では、「どこから手を付ければよいか分からない」「社内だけで判断を進めることに不安がある」と感じるケースが少なくありません。

    品質マネジメントの構築は、一度に完成させる必要はなく、考え方やサンプルを参考にしながら、少しずつ自社に合った形へ整えていくことも可能です。

    EAR規制とは何?:まとめ

    EAR規制とは何?対象品目・国などもわかりやすく解説⑥

    EAR規制は、製造業にとって避けて通れない存在です。最新の情報を常にチェックし、適切な手続きを行うことで、無駄なトラブルを避けることができます。

    この記事が、EAR規制に関する基本的な知識の習得に役立ったことを願っています。

    注意:実際のEAR規制の内容とは異なる場合がありますので、常に最新の情報を入手するようにしてくださいね!

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