
ISO9001を導入する際に発生する取得費用は、大別すると「必ず発生する費用」と、「削減できる費用」の2つに分けることが可能です。
今回の記事は、この2種類の費用についての詳しい解説と、ISO9001を実際に新規で導入した企業様の事例を参考に、想定されるおおむねの相場をご紹介していきたいと思います。
目次
ISO9001導入時に必ず発生する取得費用
ISO9001を導入する際に必ず発生する取得費用が審査費用です。審理費用は
・審査料
・ISO登録料
・審査員の交通宿泊費
の3種類からなり、審査時にISOの審査機関に支払う必要があります。以下で審査料・ISO登録料・審委員の交通宿泊費についてくわしく説明していきます。
①審査料
文字通り審査を受けるのに必要となる費用です。
従業員の人数等による組織の規模、業種、審査対象になる支店や拠点などの数、依頼するISO審査機関によって金額は変動します。
例えば、事業所が1か所、従業員が30人の企業であれば、第一段階・第二段階の審査でおおよそ70万~90万ほどの相場となっています。
ISO審査機関は数箇所に見積りを出して比較するのがベストです。概算見積りが3日~1週間ほど、正式見積りが現地訪問後になるので、スケジュールにゆとりを持って見積りを依頼することをおすすめします。
②ISO登録料
ISO9001に登録する際に発生する費用です。
①の審査料の一部として請求しているケースもあるため、審査料に含まれているのか、ISO登録料は審査料と別で請求されるのか、見積りの時点でよく確認しておくことが必要です。
③審査員の交通宿泊費
ISO審査機関から自社のある現地までの交通宿泊費も、審査費用の一部として請求されます。
審査機関が近辺にある場合は交通費のみで済みますが、遠方である場合は審査員の宿泊費も発生するケースもあるため、見積りの時点で必ず把握しておく必要があります。
ISO9001導入時に削減できる取得費用
ISO9001導入時には、審査費用という必ず発生する取得費用とは別に
・マネジメントシステム構築費用
・整備投資・諸経費
という削減できる費用もあります。以下でマネジメントシステム構築費用と、整備投資・諸経費についてくわしく説明していきます。
①マネジメントシステム構築費用
ISO9001の審査を受けるには、組織の品質管理システムであるマネジメントシステムを構築することが求められます。
マネジメントシステムは、組織が提供する製品やサービスのクオリティを維持するために、品質管理に関して細かい規定を定める必要があります。
構築するのに膨大な時間と手間を必要とするうえに専門的な知識も求められるため、外注する組織や企業も少なくありません。
外注する専門の会社が提供しているコンサルタントの内容により、発生する費用は異なるため、数箇所の会社に見積りを依頼し、自社に合う会社を探すことをおすすめします。
外注せずに組織のみでマネジメントシステムの構築を行う場合は、担当者の業務に追加してマネジメントシステム構築の業務が発生するため、人件費の考慮が必要になることも忘れないでおきましょう。
②整備投資・諸経費
ISO9001の導入に特別な設備は必要ありません。
規定を紙ベースで保管・管理する場合は、印刷代や倉庫などのスペースが必要になりますが、データで確認できる場合は印刷代の節約や省スペースの実現が可能になります。
ただし、審査で設備に関して指摘があった場合、費用をかけ対応しているケースもあります。
ISO9001を導入した企業様の取得費用事例
実際に新規でISO9001を導入した取得費用の事例を以下で紹介していきます。
実際の費用は組織ごとに異なるため、あくまでも一例としてご参照ください。
・事例1 製造業-従業員数80名(神奈川県)
審査費用 | 70万円 |
マネジメントシステム構築費用 | 80万円 |
設備投資、諸経費 | 10万円 |
総費用 | 160万円 |
・事例2 製造業-従業員数4名(兵庫県)
審査費用 | 50万円 |
マネジメントシステム構築費用 | 35万円 |
設備投資、諸経費 | 5万円 |
総費用 | 90万円 |
ISO9001導入までの取得費用について:まとめ
ISO9001を新規で導入する際に発生する取得費用は組識によって異なるため、自身で得られる情報のみでは明確な値段の把握は難しいです。
ISO審査機関と、マネジメントシステム構築を外注する場合は、マネジメントシステム構築の専門機関の両社に見積りを出して費用を確認し、明確な値段を把握することが重要です。
組織のみでマネジメントシステムを構築する場合も、担当者の業務量や人件費をよく考慮しておくことが大切です。
この記事がISO9001の導入を考えている企業や組織の皆様にとって、参考になる記事であれば幸いです。
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