なぜなぜ分析の正しい使い方とは?トヨタ流問題解決で再発を防ぐ考え方

なぜなぜ分析を実施しているにもかかわらず、同じ不具合やトラブルが現場で繰り返されるケースは少なくありません。その多くは、「作業者の注意不足」「確認が足りなかった」といった結論で分析が終わってしまっている点にあります。

こうしたなぜなぜ分析に、違和感を覚えたことがある方も多いのではないでしょうか?

トヨタ流では、なぜなぜ分析を単なる原因追究の手法ではなく、再発を防ぐための考え方として位置づけています。

本記事では、トヨタ流問題解決の視点から、なぜなぜ分析が再発防止につながらない理由を整理し、仕組みに原因を求める思考法をわかりやすく解説します。

トヨタは凄い

トヨタが評価され続けている理由は、特別な技術や一部の優秀な人材に頼らず、誰が関わっても同じ考え方で改善が進む仕組みを築いている点にあります。私はこれまで独自でトヨタ流の考え方を学び、製造現場での改善支援を行ってきましたが、成果を出す現場ほど基本を丁寧に積み重ねています。トヨタ流は真似をするものではなく、製造業が自社に合わせて取り入れるべき「考え方の型」です。


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なぜなぜ分析とは何か【目的の再確認】

なぜなぜ分析の本来の役割

なぜなぜ分析は、問題が発生したときに原因を一つに決めつけるための手法ではありません。本来の役割は、目に見えている現象に対して安易な結論を出さず、論理的につながる原因を掘り下げることにあります。

特に製造業では、結果だけを見て対策を打つと、条件が変わった途端に同じ問題が再発します。なぜなぜ分析は、その再発を防ぐために「考える順序」を整えるための道具です。

「5回のなぜ」は回数が目的ではない

「なぜを5回繰り返す」という言葉だけが独り歩きし、回数をこなすこと自体が目的になっているケースも多く見られます。しかし、トヨタ流では回数に意味はありません。

重要なのは、前の「なぜ」と次の「なぜ」が事実に基づき、論理的につながっているかどうかです。無理に回数を重ねるよりも、一つ一つの問いが適切かを確認することが、正しいなぜなぜ分析につながります。

なぜなぜ分析が形骸化する理由

人に原因を求めてしまう思考パターン

なぜなぜ分析が形骸化する最大の原因は、原因を人に求めてしまうことです。「作業者の注意不足」「教育が不十分だった」といった結論は、一見もっともらしく見えますが、再発防止にはつながりません。

人は必ずミスをする存在であり、個人の意識や能力に原因を置く限り、同じ問題は形を変えて繰り返されます。トヨタ流では、人ではなく、作業条件や管理方法、仕組みに目を向けることを重視します。

現象と原因を混同しているケース

もう一つ多いのが、現象そのものを原因として扱ってしまうケースです。「不良が発生した」「設備が停止した」といった事実は結果であり、原因ではありません。しかし、ここを深掘りせずに対策に進んでしまうと、本質的な改善にはなりません。

トヨタ流のなぜなぜ分析では、条件や環境、標準の有無などを丁寧に確認し、現象の裏にある構造的な要因を探ります。この視点が欠けると、なぜなぜ分析は単なる報告作業になってしまいます。

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トヨタ流なぜなぜ分析の考え方

なぜなぜ分析の正しい使い方とは?トヨタ流問題解決で再発を防ぐ考え方①

仕組みに原因があるという前提

トヨタ流なぜなぜ分析の根底には、「問題は仕組みから生まれる」という考え方があります。作業者がミスをしたとしても、そのミスが起きやすい作業条件や設備構造、標準の不備がなかったかを必ず確認します。

人を責めるのではなく、誰が作業しても同じ結果になる仕組みを作ることが目的です。この前提に立つことで、なぜなぜ分析は再発防止に直結するものになります。

事実に基づいて問いを立てる重要性

なぜなぜ分析では、推測や思い込みを排除し、事実に基づいて問いを立てることが重要です。「たぶんこうだろう」「経験上こうなるはずだ」といった仮定が入り込むと、論理のつながりが崩れます。

トヨタ流では、現地・現物・現実を確認し、データや状況をもとに「なぜそうなったのか」を問い続けます。この姿勢が、表面的ではない原因追究につながります。

正しいなぜなぜ分析の進め方【基本ステップ】

なぜなぜ分析の正しい使い方とは?トヨタ流問題解決で再発を防ぐ考え方②

現象を正確に捉える

なぜなぜ分析を始める際に最も重要なのは、最初の現象を正確に捉えることです。「不良が出た」「設備が止まった」といった曖昧な表現では、問いの方向性が定まりません。

いつ、どこで、どの条件で、どのような結果が出たのかを事実として整理します。

トヨタ流では、この現象の定義が曖昧なまま次の「なぜ」に進むことを避けます。出発点が正確であればあるほど、その後のなぜなぜ分析は論理的につながりやすくなります。

論理がつながっているかを確認する

なぜを重ねる過程では、一つ前の答えに対して、次の「なぜ」が自然につながっているかを常に確認します。問いと答えの関係が飛躍している場合、それは推測や思い込みが入り込んでいる可能性があります

トヨタ流なぜなぜ分析では、「それは事実か」「別の要因はないか」と立ち止まりながら進めます。この確認を怠ると、回数だけを重ねた浅い分析になり、再発防止には結びつきません。

再発防止につながらないなぜなぜ分析の例

よくあるNG例とその問題点

現場でよく見られるのが、「なぜ不良が出たのか」「作業者が注意していなかったから」「なぜ注意しなかったのか」「教育が不足していたから」といった流れです。一見すると論理的に見えますが、ここには再発防止の視点が欠けています。

教育を実施しても、人が関わる以上、同じ条件で同じミスが起きる可能性は残ります。このようななぜなぜ分析は、原因を個人に押し付けるだけで、仕組みの改善につながりません。

どこで考え直すべきか

このようなケースでは、「なぜその作業者は注意しなければならなかったのか」という視点に立ち返る必要があります。作業が分かりにくかった、確認しづらい構造だった、標準が曖昧だったなど、仕組み側に原因が隠れていることが多くあります。

トヨタ流では、ここで問いを止めず、条件や環境を一つずつ確認します。考え直すポイントを見誤らなければ、なぜなぜ分析は再発防止に直結する武器になります。

なぜなぜ分析を現場に定着させるポイント

管理監督者が見るべき視点

なぜなぜ分析を現場に定着させるためには、管理監督者の関わり方が重要です。分析内容の正解・不正解を判断するのではなく、「問いと答えが事実につながっているか」「人に原因を押し付けていないか」といった視点で確認します。

途中で結論を与えてしまうと、担当者は考えることをやめてしまいます

問いの立て方や考え方を修正しながら伴走することが、改善力を育てるマネジメントにつながります。

QCストーリーとの正しい関係

なぜなぜ分析は、QCストーリーの一部として位置づけることで力を発揮します。単独で実施すると、原因追究が目的化しがちですが、現状把握や対策、効果確認とつなげることで、問題解決の流れが明確になります。

トヨタ流では、なぜなぜ分析を「考えを整理する道具」として活用し、資料作成が目的にならないよう注意します。この関係性を理解することで、なぜなぜ分析は現場に根付きやすくなります。

まとめ:なぜなぜ分析を再発防止につなげるために

なぜなぜ分析は、回数を重ねることや原因を書き出すことが目的ではありません。本質は、現象を正しく捉え、事実に基づいて論理的につながる原因を見極めることにあります。特にトヨタ流問題解決では、人に原因を求めず、仕組みや条件に目を向けることで再発を防ぎます。

なぜなぜ分析が形骸化する現場ほど、この前提が抜け落ちています。正しい問いの立て方と考える順序を守ることで、なぜなぜ分析は一時的な対策ではなく、改善力を高める武器になります。トヨタ流の考え方を理解し、日常の問題解決に落とし込むことが、現場のレベルアップにつながります。

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