品質マネジメントシステムの成功は、効果的なレビュープロセスにかかっているといっても過言ではありません。
この記事では、どのようにして組織全体の品質を向上させるためのレビュープロセスを計画的に構築し、実施するかを解説します。
明確な目的設定から、実施、改善、そして継続的な評価に至るまで、実践的なステップを通じて品質管理の鍵となるレビュープロセスの重要性について見ていきましょう。
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この記事の目次
品質マネジメントシステムでよく出てくる「レビュー」とは何?
品質マネジメントシステムにおける「レビュー」とは、プロセスや製品の品質を評価し、改善のための機会を識別する活動です。このプロセスをきちんと構築することで品質マネジメントシステム全体的な品質向上を目指すことが可能となります。
レビューは以下のような特徴を持ちます。
- 計画的な評価:特定のスケジュールに基づいて実施され、プロジェクトの異なる段階で行われます。
- 目的:プロセス、製品、またはサービスの品質を評価し、準拠性、効率性、および有効性を確保することです。
- 参加者:関連するステークホルダーや品質保証チームが参加し、客観的な視点から評価を行います。
- 方法:文書のレビュー、プロセスの監査、製品の検査など、様々な方法が用いられます。
- フィードバックと改善:レビューの結果は、問題の特定、リスクの評価、改善策の提案に使用されます。
- 継続的なプロセス:品質マネジメントシステムは継続的な改善を目指すため、レビューは定期的に行われます。
このようなレビューを通じて、組織は製品やサービスの品質を継続的に向上させ、顧客満足度を高めることができます。また、ISO 9001などの国際的な品質マネジメント規格は、このようなレビュー活動を重要視しています。
審査で「レビューがされていない」と指摘された!原因は何?
品質マネジメントシステムの審査で「レビューがされていない」と判断された場合、いくつかの原因が考えられます。ここで挙げるのは一般的な原因であり、具体的な状況に応じて異なる可能性がありますが、以下の点を確認することが重要です。
レビュープロセスが無いまたは不十分な文書化
品質マネジメントシステムの審査で「レビューがされていない」と指摘される理由の一つに、レビュープロセスがない、もしくは十分に文書化されていないことが挙げられます。レビュープロセスが組織内で定められていない場合、計画や実施ができないため、当然ながらレビュー活動が行われていないと判断されることになります。
また、プロセス自体は存在していても、それが文書化されておらず、審査員が確認できない状態も問題です。文書化が不十分だと、実際にレビューが行われていても、その証拠を適切に提出できないため、審査では不備とみなされてしまいます。
レビューの手順や責任者、実施時期などを明確にし、適切な文書管理システムに基づいて記録を残すことが重要です。さらに、その文書が関係者全員に周知され、従業員がそのプロセスに従うように訓練されているかどうかも確認すべきポイントです。
実施されていない、または不十分なレビュー活動
審査で「レビューがされていない」と指摘されるもう一つの原因は、実際にレビューが計画通りに行われていない、またはその実施頻度が不十分であることです。品質管理システムでは、定期的なレビュー活動が求められますが、計画があってもそれが実行に移されていないケースが多く見られます。
たとえば、レビューの実施頻度が年に1回と設定されている場合でも、実際にはそれが守られていない、もしくはレビューが表面的に行われ、品質の重要な要素に深く踏み込んでいないことも問題です。このような状況では、審査員はレビュー活動が不十分であると判断します。
レビューは、単なる形式的な作業ではなく、業務の品質向上に直結するため、適切なタイミングと深さで実施される必要があります。これを改善するためには、定期的な実施計画を立て、それが確実に行われるように管理する仕組みが求められます。
レビューを行う人が不適切
レビューに必要な専門知識やスキルを持った人材が参加していない場合も、審査で「レビューがされていない」と判断されることがあります。品質レビューには、技術的な知識やプロセスに精通したメンバーが必要不可欠です。しかし、適切な関係者やステークホルダーがレビューに関与していない場合、重要な課題が見逃され、品質管理の目的が達成されない可能性があります。
たとえば、製品開発における品質レビューにおいて、製造部門や品質管理部門の代表が参加していないと、実際の生産現場での問題点や改善点が考慮されないまま進行してしまいます。これを防ぐためには、各部門から適切なメンバーを選出し、レビューに参加させる仕組みを構築することが重要です。また、レビューに参加するメンバーには、適切なトレーニングや教育を施し、プロセス全体を理解させることも効果的です。
フィードバックや改善策の不足
審査でレビューの不備が指摘される背景には、レビューから得られるフィードバックが不十分である、もしくは改善策が適切に実施されていないことも考えられます。レビュー活動は単に問題を指摘するだけではなく、その結果として有効な改善策が提案され、実行に移されることが求められます。
しかし、レビューのフィードバックが表面的であったり、改善策が実際の業務に反映されていなかったりするケースでは、審査で「レビューが実質的に行われていない」と判断されることがあります。フィードバックを基にしたアクションプランを策定し、その実施状況を定期的に確認するプロセスが必要です。
さらに、改善策が組織全体に広がるよう、情報共有のメカニズムを強化することも効果的です。レビューは単なる確認作業ではなく、組織の改善サイクルの一環として位置づけるとよいでしょう。
記録の不足
レビューが適切に実施されていたとしても、その記録が不十分であれば審査では「レビューがされていない」と判断される場合があります。品質管理システムでは、すべての活動に対して適切な証拠を残すことが求められます。
レビューの実施記録がなければ、審査員はその活動が行われたことを確認することができません。例えば、レビューの日時、参加者、議事録、提案された改善策、そしてそれがどのように実行されたかを記録し、それを適切に保存・管理することが必要です。文書化された証拠があることで、審査時にスムーズにレビューの実施を証明できます。
また、これらの記録は、将来の審査や内部監査においても活用されるため、組織全体のプロセス改善に役立ちます。レビュー記録の適切な管理ができていない場合、記録システムの改善が急務となります。
コミュニケーションの欠如
品質レビューがうまく機能しない場合、その原因の一つにコミュニケーションの欠如が挙げられます。レビュー活動の結果や改善策が、関連する部門や個人に適切に伝達されていないと、組織全体での改善が進まないだけでなく、審査でもその活動が評価されないことがあります。
レビューで指摘された事項やフィードバックが実際の現場で共有されなければ、改善活動が局所的に留まり、組織全体で品質向上を実現することが難しくなります。効果的なコミュニケーションを実現するためには、レビュー結果を関係者に迅速かつ明確に伝達し、改善策の実施状況を定期的に確認・報告するシステムが必要です。
また、社内のコミュニケーションツールや定期的なミーティングを活用し、全員が同じ方向に向かって改善活動を進められるようにすることが重要です。
これらの問題を解決するためには、レビュープロセスの見直し、文書化の改善、適切な人材の参加、フィードバックメカニズムの強化、記録管理の改善などが必要です。また、組織全体で品質マネジメントシステムの重要性を認識し、関連するすべてのスタッフがプロセスに参加する文化を醸成することも大切です。
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【おすすめ】レビュープロセスの構築方法
品質マネジメントシステムにおけるレビュープロセスの構築には、計画的で体系的なアプローチが必要です。以下に、効果的なレビュープロセスを構築するための推奨手順を挙げます。
- 目的と範囲の定義:
- レビューの目的(品質向上、顧客満足度の向上、リスクの低減など)を明確に定義します。
- レビューの範囲を特定し、どのプロセス、製品、またはサービスがレビューの対象であるかを決定します。
- 方針と手順の文書化:
- レビューの方針と手順を文書化し、全ての関係者がアクセスできるようにします。
- これには、レビューの方法、頻度、責任者、関与するステークホルダー、記録の保持方法などを含めます。
- 適切なリソースの確保:
- レビューを実施するための適切な人材、時間、および必要な技術的リソースを確保します。
- 適切なトレーニングと教育を提供し、関係者がレビュープロセスを理解し、効果的に実施できるようにします。
- 関係者の関与:
- レビューには、関連部門の代表者や必要に応じて外部の専門家も含めます。
- ステークホルダーの期待と要件を理解し、プロセスに反映させます。
- パフォーマンス指標の設定:
- レビュープロセスの効果を測定するためのパフォーマンス指標を設定します。
- これには、品質改善の程度、顧客満足度の向上、プロセス効率の改善などが含まれる場合があります。
- レビューの実施と記録:
- 定められたスケジュールに従ってレビューを実施し、結果を記録します。
- 記録には、レビューの日付、参加者、議論された内容、識別された問題、提案された改善策などを含めます。
- フィードバックと改善:
- レビューの結果を基に、必要な改善策を計画し、実行します。
- フィードバックループを確立し、レビュープロセス自体の改善を継続的に行います。
- コミュニケーションとレビュー:
- レビューの結果と改善策を関係者に適切にコミュニケートします。
- 定期的にレビュープロセス自体をレビューし、必要に応じて改善します。
このように、レビュープロセスの構築は、組織の特定のニーズに合わせて調整されるべきです。組織全体で品質へのコミットメントを持ち、プロセスに関与するすべて関係者とのレビューが行えることが必須です。
レビューとは何?:まとめ
品質マネジメントシステムにおける「レビュー」とは、プロセスや製品の品質を評価し、改善の機会を見つけるための活動です。計画的に実施され、ステークホルダーが参加し、フィードバックや改善策を通じて品質向上を図ります。
審査で「レビューがされていない」と指摘される主な原因は、プロセスの文書化不足、実施頻度の不十分、適切な人材の不参加、フィードバックや改善策の欠如、そして記録管理の不備などです。これらの問題を解決するためには、適切なプロセスの文書化や実施、関係者の参加、記録管理の強化が重要です。
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