IATFの取得は、品質管理のレベルを大幅に向上させ、競争力を強化するための重要なステップです。しかし、その導入には計画的なアプローチと綿密な準備が不可欠です。
この記事では、IATFの取得を目指す企業が3〜11ヶ月目で行うべき具体的なステップを詳しく解説します。
導入前の自己診断から、推進プロジェクトの設立・キックオフ説明会、コアツールの研修まで、各ステップの詳細な内容とその重要性を理解し、スムーズな認証取得を実現するためのヒントとなるはず!
これらの実践的なアドバイスを参考に、自社の品質管理体制を強化し、成功に向けた第一歩を踏み出しましょう。
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目次
導入前自己診断と認証取得推進体制の構築
導入:3〜4ヶ月目
IATFの導入前には、まず企業内で自己診断を行い、認証取得推進体制を整えることが不可欠です。自己診断では、自社の品質管理システムやプロセスの現状を詳細に把握し、IATFの要求事項に対してどの程度適合しているかを評価します。この評価を基に、ギャップ分析を行い、必要な改善点を特定します。
ギャップ分析はどうやるの?
手順 | 内容 |
①現状評価 | 自社の品質管理システムやプロセスの現状を詳細に評価します。これは、既存のISO9001やその他の品質管理基準に基づいた文書や記録を確認することを含みます。 |
②IATFの要求事項の理解 | IATFの規格要求事項を詳細に理解し、自社の品質管理システムやプロセスと比較します。具体的な要求事項には、顧客要求事項の管理、製品安全、リスク管理、サプライヤー管理などが含まれます。 |
③ギャップの特定 | 現在のシステムとIATFの要求事項との間に存在する差異を特定します。例えば、顧客要求事項の管理方法が不十分であったり、リスク管理のプロセスが不足している場合などが考えられます。 |
次に、認証取得に向けた推進体制の構築が重要です。推進プロジェクトを設置し、メンバーには適切な教育を施します。
プロジェクトチームリーダーは、プロジェクトの進捗を監視し、各部署との連携を強化する役割を担います。また、ワーキンググループのリーダー(各プロセスにおける推進者)を選定し、各部門での具体的な改善活動をリードします。この段階での準備が、後のプロセスをスムーズに進めるための基盤となります。
しっかりとした自己診断と推進体制の構築により、IATFの認証取得に向けた第一歩を確実に踏み出すことができます。この準備段階での努力が、最終的な認証取得の成功に大きく寄与するのでしっかり準備しましょう。
推進委員会メンバー及びワーキングGRリーダー教育
導入:3〜4ヶ月目
次のステップとして、推進プロジェクトのメンバーおよびワーキンググループ(GR)リーダーに対する教育を実施します。推進プロジェクトは、IATFの取得プロジェクトを主導する重要な役割を担います。
この推進プロジェクトのメンバーには、各部門の代表者や品質管理の専門家が含まれ、プロジェクト全体の進捗を監視し、調整を行います。
ワーキングGRリーダーは、具体的なタスクや改善活動を現場でリードする役割を持っています。リーダーたちがIATFの規格要求事項を深く理解し、実践できるようにするための教育が不可欠です。この教育には、規格の詳細な説明や実際の適用方法、改善のためのツールやテクニックの習得が含まれます。
教育プログラムでは、講義形式のセミナーだけでなく、ワークショップや実地訓練も行います。これにより、理論と実践の両面から深い理解を促進し、各リーダーが自信を持ってチームを導けるようになります。
また、メンバー間のコミュニケーションを強化し、チーム全体が一丸となってIATFの取得に向けた具体的なアクションを取る体制を構築します。
各セミナーの費用は、提供するコンサルタントやトレーニング機関によって異なりますが、一般的な相場として以下のような価格帯が考えられます。これは、通常の企業内トレーニングやコンサルタント主催のセミナーの参考価格です。
①規格要求事項セミナー(2日)
費用:10万円程度
②内部監査セミナー(2日)
費用:10万円程度
③APQP&PPAPセミナー(2日)
費用:10万円程度
④FMEAセミナー(1日)
費用:5万円程度
⑤MSAセミナー(1日)
費用:5万円程度
⑥SPCセミナー(1日)
費用:5万円程度
これらの価格は、講師の経験やセミナーの内容、提供するサービスの範囲(例えば、教材の提供、個別のフォローアップなど)によって変動することがあります。
また、企業内でのグループトレーニングの場合、参加者の人数に応じて割引が適用されることもあります。具体的な費用については、各コンサルタントやトレーニング機関に直接問い合わせることをお勧めします。
これにより、推進委員会とワーキングGRリーダーは、IATFの認証取得に向けて効果的に連携し、組織全体の品質管理体制を強化することができます。
IATF取得プロジェクトについての説明会開催
導入:3〜4ヶ月目
IATF取得に向けたプロジェクトの立ち上げとオリエンテーションを実施します。まず、プロジェクトの目標を明確に定め、組織全体で共有することが重要です。
IATFの取得により達成したい具体的な成果や改善点を明示し、全員が同じ方向を向いて取り組む基盤を築きます。
オリエンテーションでは、プロジェクトの進行方法について詳細に説明します。プロジェクトのスケジュール、各フェーズでの具体的なタスク、責任者の役割分担を明確にし、全員が自分の役割と責任を理解します。
これにより、プロジェクトの進行がスムーズに行われ、遅延や混乱を防ぐことができます。
また、IATFの基本的な概念や要求事項についての初歩的な教育も行います。
これにより、プロジェクトチームのメンバー全員が規格の重要性を理解し、その適用に向けた準備が整います。さらに、質疑応答の時間を設けることで、メンバーが疑問や不安を解消し、積極的にプロジェクトに参加できる環境を作ります。
このオリエンテーションを通じて、プロジェクトの目標達成に向けた具体的なアクションプランが共有され、チーム全体が一致団結してIATFの取得に向けた取り組みを開始します。
このオリエンテーションには経営層に参加をお願いしましょう!プロジェクト概要や最終的な到達点など、お金を出してもらう経営層の理解が不可欠です。
プロジェクトリーダーとなる方(主に事務局の責任者)は、自ら進んで行うことが求められるので「実行力がある方」が事務局責任者になることがおすすめです。
プロジェクト実行計画(詳細計画)の作成と展開
導入:3〜4ヶ月目
IATF取得プロジェクトの成功には、詳細な実行計画の作成が不可欠です。
この計画には、プロジェクトの具体的なスケジュール、担当者の役割分担、必要なリソース、リスク管理の方針などが含まれます。まず、取得までの全体的なタイムラインを設定し、各フェーズのマイルストーンを明確にします。
これにより、進捗状況を随時確認し、必要な調整を迅速に行うことができます。
次に、各タスクの担当者を明確にし、役割分担を詳細に定めます。各部門やチームのリーダーには、それぞれの責任と権限を持たせ、タスクの遂行に必要なサポートを提供します。
これにより、各担当者が自分の役割に集中し、効率的に作業を進めることができます。
各プロセスオーナーの方は、実行担当になることが多いので、同時にタートル図の作成も進めましょう。例えば・・・
購買プロセス:購買部長
設計開発プロセス:設計部部長
・・・
など、担当者を含めて各プロセスのタートル図を作っていくことが時間短縮の鍵です!
また、プロジェクトの実行には適切なリソースが必要です。予算、人的リソース、必要な設備やツールなどをリストアップし、確保します。リソースの適切な配分と管理を行うことで、プロジェクトの円滑な進行を支えます。
さらに、リスク管理も計画に組み込みます。潜在的なリスクを事前に特定し、その対応策を準備します。リスク発生時には迅速に対処できる体制を整えることで、プロジェクトの中断や遅延を最小限に抑えることができます。
このようにして詳細に作成されたプロジェクト実行計画に基づき、全員が一致団結してIATF取得に向けた具体的な行動を起こすことが可能となります。
IATF規格解釈説明会の開催
導入:8〜11ヶ月目
IATFの規格を正しく理解し、企業内で共有するためには、規格の解釈と説明が重要です。
まず、IATFの基本的な要求事項を詳細に解説し、各部署がそれぞれの業務にどう関連しているかを具体的に説明します。
これにより、全員が規格の目的と重要性を理解し、適切な対応が取れるようになります。
規格の細部まで理解するためには、規格の条文ごとに具体的な解釈を提供します。例えば、品質マネジメントシステムの要件や顧客満足度の向上、リスクマネジメントのプロセスなど、それぞれの要求事項が企業の実務にどのように適用されるかを明確にします。
このプロセスには、専門的な知識を持つコンサルタントの支援が有効です。また、各部署やチームが理解しやすい形で情報を提供することも重要です。
セミナーやワークショップ、文書や図解を用いた説明など、多様な方法を活用して情報を共有します。特に、実際の業務フローやプロセスに即した事例を交えて説明することで、理解が深まりやすくなります。
さらに、質問や疑問に対して丁寧に対応することで、社員全員が規格について確信を持ち、自信を持って取り組むことができる環境を整えます。
こうした詳細な解釈と説明を通じて、企業全体がIATFの規格に完全に適合し、スムーズな認証取得を実現できるようになります。
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コアツール研修の実施
導入:8〜11ヶ月目
IATFの認証取得に必要なコアツールの研修を実施します。
・APQP(先行製品品質計画)
・PPAP(生産部品承認プロセス)
・FMEA(故障モード影響分析)
・MSA(測定システム解析)
・SPC(統計的工程管理)
などを指します。これらのツールを適切に使用することにより、品質管理のレベルを大幅に向上させることができます。もちろんIATFの認証には必須です!
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研修では、各コアツールの基本的な概念と具体的な適用方法について説明し、学んでいただきます。
例えば・・・
①APQP:製品開発プロセスの初期段階から品質を確保するための計画方法について。
②PPAP:生産部品の承認手続きを通じて供給者の品質保証を確実にする方法について。
③FMEA:潜在的な故障モードを特定し、その影響を評価し、対策を講じる方法について。
研修は理論だけでなく、実際の業務に即した実践的な内容も含まれるようにします。
ワークショップ形式での演習を通じて、各ツールの具体的な使用方法を体験し、実務に適用するスキルを身につけます。これにより、社員全員が日常業務でコアツールを効果的に活用し、品質管理プロセスの改善を推進することが可能となります。
また、研修後も継続的なサポートやフォローアップを行うことで、学んだ内容を定着させ、実務での適用を支援します。このコアツール研修を通じて、組織全体の品質管理能力が向上し、IATFの認証取得が確実に達成される基盤を築くことができるので超重要です。
ISO9001:既存文書・記録の統合化
導入:5〜7ヶ月目
既存のISO9001に基づく文書や記録を統合し、現状を把握する作業は、IATFの要求事項に適合させるための重要な準備段階です。
まず、現行のISO9001システムに基づく全ての文書、手順書、記録を収集し、詳細にレビューします。これにより、現在の品質管理システムの強みと改善点を明確にします。
次に、IATFの要求事項と現行のISO9001システムとの間に存在するギャップを特定します。
例えば、サプライヤー管理やリスクマネジメントの強化が必要な場合、そのための具体的な改善策を検討します。このプロセスでは、各部署がそれぞれの役割においてどのようにIATFの規格に適合するかを具体的に理解することが求められます。
文書や記録の統合化では、既存のISO9001文書をIATFの要求に合わせて更新・修正します。この際、重複する文書の整理や不必要な文書の削除、必要な新規文書の作成を行います。
また、統合された文書体系を全社的に共有し、社員全員がアクセスできるようにします。
さらに、統合化された文書や記録が実際の業務にどのように適用されるかを確認するためのトレーニングやワークショップを実施します。
これにより、全社員が新しい文書体系に慣れ、日常業務で適切に活用できるようになります。こうした準備作業を通じて、IATFの認証取得に向けた基盤が確立され、スムーズな移行が実現します。
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ドキュメントの ・レビュー ・フィードバック |
具体的な改善点や修正案を詳細にフィードバックし、必要な文書の再構築や調整をサポート致します。 |
テンプレートの提供 ※テンプレートは有料 |
プロジェクトの各フェーズに合わせたテンプレートを提供し、貴社が必要な文書や記録を効率的に作成できるようにします。 |
進捗レビューとアドバイス | 進捗報告をメールで受け取り、それに基づいて具体的な改善策や次のステップの提案を行います。 |
これらのアプローチにより、弊社のメールコンサルティングサービスは、企業がIATFの認証取得に向けた具体的な行動を効率的に進めるのを強力にサポートします。
従来の現場でのコンサルティングと比べて、柔軟性と迅速性を兼ね備えた画期的なサービスを提供します。
教育体制と文書類の作成編:まとめ
IATFの取得は、企業の品質管理体制を強化し、グローバルな競争力を向上させるための重要なステップです。
最初の1〜2ヶ月間は、準備と体制づくりが重要ですが、3〜4ヶ月目からは、具体的な導入ステップ入っていきます。
計画 | 内容 |
1〜2ヶ月目 | 前回記事:IATF認証取得の第一歩:準備と体制づくりの重要ポイント解説 |
3〜4ヶ月目 | 自己診断や認証取得推進体制の構築 |
3〜4ヶ月目 | リーダーメンバーの教育 |
3〜4ヶ月目 | 詳細な認証プロジェクト計画 |
5〜7ヶ月目 | 既存のISO9001文書の統合 |
8〜11ヶ月目 | 社内教育の推進 |
このように、組織全体がIATFの要求事項に適合できるようにすることが求められます。これらのステップをしっかりと踏むことで、企業はIATFの認証取得に向けた確固たる基盤を築くことができます。
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