
自動車業界における品質マネジメントシステムの標準であるIATF16949は、2024年4月に大きな更新が行われました。2025年1月から適用される第6版ルール(ルール6)は、審査および認証プロセスに対する重要な変更点を含んでいます。本記事では、その主な変更点とその影響について詳しく解説します。

この記事を書いた人
所属:QMS認証パートナー専属コンサルタント
年齢:40代
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IATF16949構築で整理しておきたい視点
IATF16949(自動車産業のQMS)の構築や運用では、規格要求の理解だけでなく、それをどのようなルールや記録に落とし込むかが重要になります。ISO9001との違いや不足点を把握できていないと、構築途中で手が止まってしまうことも少なくありません。
まずは全体像を整理し、必要な知識や帳票の考え方を段階的に確認していくことが、無理のない対応につながります。
この記事の目次
ルール6変更点①:拡張製造事業所(EMS)の再定義

IATFのルール6において、拡張製造事業所(EMS)の定義が明確化されています。この新しい定義は、審査の一貫性と透明性を向上させるために導入されました。
メイン拠点からの距離が10マイル(約16キロ)以内であり、自動車での移動時間が60分以内であることが求められます。
この基準を満たさないEMSは、独立した製造サイトとして扱われ、初回審査からの認証が必要となります。この変更により、EMSがメイン拠点からどの程度離れているかが曖昧だった従来の基準が廃止され、審査の一貫性が確保されることが期待されます。
また、認証を取得しようとする企業は、これらの新しい基準に従うことで、審査過程での混乱や誤解を避けることができます。この変更は、自動車産業のサプライチェーン全体における品質管理を強化し、各拠点の役割と責任を明確にするための重要なステップといえます。
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ルール6変更点②:定期審査の間隔の変更

ルール6では、定期審査の間隔が12ヶ月ごとに統一されました。従来のルール5では、定期審査の間隔が6ヶ月または9ヶ月ごとに設定されていましたが、新しいルールではこれが一律に12ヶ月ごととなっています。
この変更は、審査機関と認証取得組織の両方にとって効率的な審査プロセスを実現するためのものです。2025年1月以降に既存の契約が更新される際には、新しい間隔に準拠する必要があります。
この変更により、審査の準備や実施にかかるコストと時間が最適化され、組織は計画的に審査を受けることができます。また、12ヶ月ごとの審査間隔により、認証の維持に必要なリソースが一貫して割り当てられるため、組織全体の品質管理が強化されます。
この変更は、組織が長期的な品質向上計画を立てやすくするための重要な一歩です。
規格を理解するうえで、よくある「つまずき」とは?
ISO9001やIATF16949、VDA6.3の要求事項は、条文を読むだけでは自社業務への当てはめ方が分かりにくい場面が少なくありません。理解したつもりでも、文書化や運用判断で迷いが生じることは多く、その違和感こそが改善ポイントになる場合もあります!
※ 個別ケースでの考え方整理が必要な場合は、補足的な確認も可能です。
ルール6変更点③:審査期間の確保

ルール6では、審査期間に関する規定が見直され、主要製造サイトの定期訪問には最低1.5日間が必要となりました。このうち、少なくとも30%の時間が顧客の製造工程の審査に充てられることが求められます。
また、不適合の検証や翻訳、重要な変更の調査などの活動に必要な追加時間も確保されるようになりました。この変更は、審査がより詳細かつ包括的に行われることを保証するためのものです。
従来の規定では、審査時間が限られているために重要な工程が十分に評価されない場合がありましたが、新しいルールではそのリスクが軽減されます。この改訂により、組織は審査の準備に十分な時間を確保し、審査員が現地での実際の製造工程をより詳細に評価できるようになります。
これにより、審査の質が向上し、結果として組織全体の品質管理システムの強化につながります。
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ルール6変更点④:不適合マネジメントの厳格化

ルール6では、不適合マネジメントの規定が厳格化されました。重大な不適合に対する対応期限が明確化され、是正処置を15日以内に提出し、60日以内にシステム的是正処置を完了する必要があります。
マイナーな不適合についても、60日以内に是正処置を提出する義務があるので注意してください。これらの期限を守らなかった場合、直近の審査は無効となり、認証が取り消される可能性があります。
この変更により、不適合が迅速かつ効果的に対応されることが期待されます。従来のルールでは、不適合の対応が遅れることが多く、品質管理システム全体の改善が滞るリスクがありましたが、新しいルールではそのリスクが軽減されます。
この改訂により、組織は不適合の発生を早期に発見し、迅速に対応するための体制を整える必要があります。結果として、品質管理の一貫性が向上し、製品の品質と顧客満足度が向上することが期待されます。
ルール6変更点⑤:リモート審査の条件

ルール6では、リモート審査は特定の条件下でのみ許可されるようになりました。主要製造サイトでは引き続き現地審査が必須であり、リモートワークの設定にかかわらず、審査の一貫性と信頼性が維持されます。
リモート審査は、特定の条件を満たす場合に限り、独立したリモートサイトに対してのみ適用されます。この変更により、リモート審査が濫用されるリスクが軽減され、審査の質が確保されます。リモート審査は、特定の状況下で効率的な手段となり得ますが、主要製造サイトの現地審査を完全に代替するものではありません。
| ワンポイントアドバイス リモート審査の特定の条件とは? リモート審査の適用条件について具体的な詳細は、IATFルール6の文書に記載されています。一般的に、リモート審査の適用条件には以下のような要素が含まれることが考えられますので参考にしてみてくださいね! ①リモートサイトの特性 リモート審査が適用されるサイトが、製造工程や重要な品質管理活動を含まない管理、設計、支援業務のみを行っている場合。 ②ITインフラの整備 リモート審査を実施するために必要なITインフラ(高品質なビデオ会議システム、データセキュリティの確保など)が整備されていること。 ③審査の準備 リモート審査を実施するために必要なドキュメント、データ、証拠が事前に準備され、オンラインでアクセス可能であること。 ④過去の審査結果 対象のリモートサイトが過去に適切な審査を受けており、重大な不適合が指摘されていないこと。 ⑤法的・規制要件の遵守 リモート審査が法的・規制要件に準拠していること。これらの条件はあくまで一般的なものであり、具体的な条件はIATFルール6の文書を参照する必要があります。リモート審査を実施する際には、審査機関と組織がこれらの条件を満たしていることを確認し、適切な準備を行うことが重要です。 |
現地審査は、実際の製造環境を直接評価するための重要な手段であり、その重要性は引き続き強調されています。この改訂により、リモートワーク環境での品質管理が強化され、組織はより柔軟かつ効率的に審査プロセスを実施できるようになります。
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ルール6変更点⑥:全社登録への影響

ルール6では、全社登録に対する審査日数の削減率が一律15%に統一され、従来の計算日数の削減は廃止されました。
この変更により、審査プロセスが簡素化され、組織全体の登録審査がより効率的になります。全社登録に対する審査日数の削減率が一律15%に統一され、従来の計算日数の削減は廃止されました。これにより、組織は審査の計画と実施にかかるリソースを最適化し、効率的な審査プロセスを維持することができます。
また、この改訂により、全社登録審査の一貫性が向上し、異なる組織間での審査結果の比較が容易になります。これにより、品質管理のベストプラクティスがより広範に共有され、自動車業界全体の品質基準が向上することが期待されます。
規格対応で不安・悩むポイント
ISO9001やIATF16949、VDA6.3といった規格対応では、「どこから手を付ければよいか分からない」「社内だけで判断を進めることに不安がある」と感じるケースが少なくありません。
品質マネジメントの構築は、一度に完成させる必要はなく、考え方やサンプルを参考にしながら、少しずつ自社に合った形へ整えていくことも可能です。
IATFのルール6変更点:まとめ

今回のIATFのルール6への更新は、自動車業界の品質マネジメントに対する審査および認証プロセスの透明性と一貫性を高めるものです。新しいルール6は、組織が高品質な製品を提供し続けるための枠組みを提供し、グローバル市場での競争力を維持するのに役立ちます。
これらの変更点を理解し、適切に対応することで、組織はIATF認証の維持および取得において優位に立つことができるでしょう。
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QMS認証パートナー:https://partner.iatf-iso.net/
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