RACIチャート完全ガイド|責任分担マトリクスのルール・例・PMBOKでの活用法

プロジェクト管理では、役割と責任を明確にしないまま進めると、タスクの抜け漏れや責任の押し付け合いが発生し、成果物の品質や納期に悪影響を及ぼすこともありませんか?

こうしたリスクを防ぐ有効な手法の一つが「RACIチャート(RACIマトリクス)」です。RACIチャートは、責任分担マトリクスの代表的な形式で、タスクごとに「誰が実行し、誰が最終責任を持ち、誰に相談し、誰に報告するのか」を明確にします。

本記事では、RACIチャートの意味やルール、作り方、活用例に加え、PMBOKやPMP試験での位置づけまで、実務に直結する形で解説します。


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RACIチャートとは?意味と基本構造

RACIチャート(レイシーチャート)は、プロジェクトのタスクごとに関係者の役割と責任を整理する「責任分担マトリクス」の一種です(RACIマトリクスともいいます)。ここでいうマトリクスとは、縦軸にタスク、横軸に関係者(役割)を並べ、その交差部分に責任の種類を記号で示す表を指します。

RACIは4つの英単語の頭文字で、構成されています。

・Responsible(実行責任者)
・Accountable(最終責任者)
・Consulted(助言者・協力者)
・Informed(報告先)

この形式により、誰がどの立場で関与するのかが一目でわかり、責任の重複や抜け漏れを防ぎます。PMBOKでも推奨される手法であり、PMP試験でも出題対象となる重要な概念です。

RACIチャートのメリットと限界

RACIチャート(RACIマトリクス)を導入する最大のメリットは、責任の所在を明確にし、チーム間の認識齟齬を防げることです。タスクごとの担当や最終責任者が明確になることで、意思決定が迅速になり、作業の重複や抜け漏れも減少します。また、コミュニケーションの流れが整理されるため、情報共有がスムーズになり、プロジェクト全体の効率向上につながります。

一方で、複雑なプロジェクトでは「役割が固定化されすぎて柔軟に対応できない」という限界があります。この場合、RACIを拡張したRASCIやCAIROモデルなどの応用型マトリクスを使うことが有効です。

補足:RACIの拡張版「RASCI」「CAIRO」について

①RASCI
RACIに「Support(支援者)」を追加した形式。実行責任者を補助する立場を明確化できます。
②CAIRO
Consultedを「Agree(同意者)」と「Informed」に分け、意思決定への関与度をさらに細かく示すモデルです。

いずれも複雑なプロジェクトや役割が多い場合に有効で、RACIチャート作成時に応用できます。

RACIチャートの作り方【ステップごと解説】

RACIチャートは、以下の手順で作成するとスムーズです。
ステップ1は、プロジェクト内のすべてのタスクを洗い出すこと。細かすぎず、管理しやすい粒度でまとめます。
ステップ2では、関係者や役割(例:プロジェクトマネージャー、開発担当、品質管理担当など)を特定します。
ステップ3で、タスクと役割の交差点にR/A/C/Iを割り当て、責任分担を明確化します。
ステップ4では、作成したマトリクスを関係者全員で確認し、理解・合意を得たうえで共有します。このプロセスにより、実務に即した効果的なRACIチャートが完成します。

タスク プロジェクト
マネージャー
開発担当 品質管理担当 営業担当
要件定義 A C I R
設計 C A I R
開発 I R C I
テスト I C A I
納品 A R C I

凡例:R=Responsible(実行責任者)、A=Accountable(最終責任者)、C=Consulted(助言者・協力者)、I=Informed(報告先)

RACIチャートのルールと注意点

RACIチャートを効果的に運用するには、いくつかの基本ルールがあります。まず、1つのタスクにAccountable(最終責任者)は必ず1人とすること。複数人にすると責任が分散し、判断が遅れます。Responsible(実行責任者)は複数でも構いませんが、役割の範囲を明確にしましょう。また、Consulted(助言者)とInformed(報告先)の設定は多すぎると情報過多となり、効率が落ちます。

注意点として、プロジェクト途中で役割が変わることもあるため、定期的な見直しが必要です。特にPMBOKやPMP試験でも強調されるように、RACIは静的ではなく、状況に応じて更新することが重要です。

PMBOKとPMP試験におけるRACIチャートの位置づけ

PMBOK(Project Management Body of Knowledge)では、RACIチャートは「責任分担マトリクス(Responsibility Assignment Matrix:RAM)」の代表例として紹介されています。特にコミュニケーション計画や役割定義のプロセスで活用され、タスクごとの責任者と情報フローを明確化する役割を担います。

PMP試験でも、RACIチャートやRAMの構造、Accountableが1人であるべき理由などが出題されることがあります。そのため、プロジェクトマネージャーを目指す方は、実務経験に基づいた作成・運用方法とともに、試験対策としても理解を深めておくことが重要です。

【補足】PMBOKとPMP試験

PMBOK(ピンボック)
プロジェクトマネジメントの国際的な標準ガイド。プロジェクトを成功させるための知識や手法を体系的にまとめた「教科書」のような存在です。RACIチャートは、この中で「責任分担マトリクス」の例として紹介されています。
PMBOKとは?プロジェクト管理の手法をわかりやすく解説

PMP試験
PMI(プロジェクトマネジメント協会)が実施する、世界的に認められたプロジェクトマネージャー資格試験。PMBOKの内容をベースに出題され、RACIチャートのような実務ツールの理解も問われます。
▶【外部リンク】PMP®資格について

RACIチャートと類似モデルの比較(RAM・RASCIなど)

RACIチャートは責任分担マトリクス(RAM)の代表例ですが、他にも類似モデルがあります。RAMはタスクと役割を表で整理する仕組み全般を指し、その一つの形式がRACIです。より詳細な管理を行いたい場合は、助言者の重要度を区別する「RASCI」や、確認・承認などの追加要素を盛り込んだ「CAIROモデル」などが活用されます。

プロジェクト規模や業務特性によって使い分けることで、役割分担をより明確かつ柔軟に設定できます。特に多部署が関わる案件では、RACIだけでなく応用型マトリクスの導入が有効です。

RACIチャートとISO9001・IATF16949・VDA6.3の関連

RACIチャートは、品質マネジメントシステム(QMS)規格の運用にも有効です。ISO9001では「役割・責任・権限の明確化」が要求されており、RACIチャートはこの要求事項を具体的に示す手段となります。

ISO9001の要求事項一覧!シンプルにまとめてみました!

IATF16949では、自動車産業特有のプロセス管理や顧客要求への対応において、部門横断的な責任分担の可視化に活用できます。

IATF16949の要求事項一覧!シンプルにまとめてみました!

VDA6.3のプロセス監査でも、各工程での責任者や情報共有ルートを明確にすることが監査適合のポイントとなるため、RACIチャートは実務と監査対策の両面で役立ちます。

【VDA6.3攻略】要求事項をシンプルにまとめてみました!

まとめ

RACIチャートは、プロジェクトにおける役割と責任を明確化し、コミュニケーションの効率化や作業の重複防止に大きく貢献します。PMBOKでも推奨される責任分担マトリクスの代表例であり、PMP試験の出題範囲にも含まれるため、実務と資格対策の両面で役立ちます。

本記事では、意味やルール、作り方、事例、類似モデルまで解説しました。

実際に活用する際は、Excelテンプレートなどを用いて定期的に見直し、状況に応じて柔軟に更新することが重要です。RACIチャートを効果的に運用すれば、プロジェクトの成功確率は確実に高まります。

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