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受入検査とは何?目的・基準などわかりやすく解説

製造業に従事する皆さん、こんにちは。製造現場での品質保持のために行われる「受入検査」について、具体的にどのような目的・基準で行われるのか、疑問に思っていませんか?この記事では、製造業での検査の一つである受入検査を中心に、その概要から実施方法、基準に至るまで詳しく解説します。


IATF16949/ISO9001/VDA6.3

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受入検査とは何?目的・基準などわかりやすく解説①

製造業では、品質の確保のためにさまざまな検査が行われます。これらは製品のライフサイクルの異なる段階で実施されるもので、それぞれの目的と特徴があります。

①受入検査

受入検査は、供給者から受け取った部材や材料が、事前に定められた品質基準を満たしているかを確認するためのものです。

この段階で不良品を発見し、排除することで、後続の工程でのトラブルを防ぐことができます。さらに、受入検査を適切に行うことで、供給者との関係や製品の全体的な品質を向上させる効果もあります。

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②工程内検査

工程内検査は、生産の各ステップで行われるものです。

例えば、溶接や組み立てなど、一つ一つの工程が終わるごとに行われる検査がこれに該当します。

これにより、生産途中での問題点や改善点を早期に発見し、即座に修正することが可能となります。

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③最終検査

最終検査は、製品が完成した後、出荷前に行われるものです。

ここでの検査は、製品全体の品質を総合的に評価するもので、顧客への納品前の最終チェックとなります。

④出荷検査

出荷検査は、最終的に製品が出荷基準を満たしているかを確認するものです。顧客の要求を正確に満たすための最後のゲートとなります。

受入検査とは何?その目的は?

受入検査とは何?目的・基準などわかりやすく解説②

受入検査の定義

受入検査は、供給者や外部から購入・受け取った部材、材料、半製品、または完成品が、定められた品質基準や仕様を満たしているかを確認する検査活動のことを指します。

この検査は、製品が生産工程に入る前の初期段階で行われるもので、その品質を評価する重要なプロセスとなります。

受入検査の目的

受入検査にはいくつかの主要な目的があります。以下に主なものを列挙します。

  1. 品質の確保:受入検査は、不良品や仕様と異なる部材・材料を発見し、生産工程に導入される前に排除することを目的としています。これにより、後続の工程での不具合や再作業を減少させ、品質の確保が可能となります。
  2. コスト削減:早期に不良品を発見・排除することで、後の工程での不具合に起因するコスト増や再作業、クレーム処理などの追加コストを防ぐことができます。
  3. 供給者との関係の強化:定期的に受入検査を行うことで、供給者との間にフィードバックのループが構築されます。このフィードバックを元に、供給者は品質の向上や改善活動を進めることが可能となり、双方の関係強化に寄与します。
  4. 顧客への信頼の確保:適切な受入検査によって、一貫した品質の製品を提供することができるため、顧客からの信頼を獲得・維持することができます。

受入検査は、製造業における品質管理の基盤となる活動の一つです。

製品の品質を維持・向上させるためには、この検査活動をしっかりと実施し、その結果をもとに継続的な改善活動を進めることが重要となります。

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受入検査と「仕入先の出荷検査成績表」の重要性

受入検査とは何?目的・基準などわかりやすく解説③

仕入先の出荷検査成績表とは?

仕入先の出荷検査成績表は、供給者が提供する製品や部材の品質検査の結果をまとめた書類です。

この成績表には、製品の仕様、検査項目、検査の結果、合格・不合格の判定など、品質に関する詳細な情報が記載されています。

購入仕様書とは?

購入仕様書は、購入する製品や部材の品質や性能、寸法、材質などの詳細な仕様を記述した文書です。受入検査時には、この購入仕様書が基準として使用され、供給された製品が仕様に適合しているかを判断します。

なぜ「仕入先の出荷検査成績表」が重要なのか?

  1. 確認の迅速化:出荷検査成績表には、供給者が行った品質検査の結果が詳細に記載されているため、受け入れ先での検査が迅速に行えます。特に、多くの品目や検査項目が存在する場合、この成績表が有効に活用できます。
  2. 信頼性の確保:供給者が出荷前に適切な検査を行い、その結果を成績表に記載することで、受け入れ先は供給者の品質管理体制への信頼を持つことができます。
  3. コミュニケーションの円滑化:何らかの品質の問題や不具合が発見された際、出荷検査成績表をもとに供給者との間でのコミュニケーションが円滑に行えます。
  4. 品質のトレーサビリティの確保:出荷検査成績表には検査日、検査者、検査機器の情報なども記載されることが多く、品質情報のトレーサビリティを確保するために重要です。

供給者から提供される「出荷検査成績表」は、受入検査の基準としての購入仕様書と合わせ、製品の品質を確保する上で非常に重要な役割を果たします。

このため、受け入れ先はこの成績表を適切に活用し、品質の確保を図る必要があります。

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受入検査の実施方法とは?

受入検査とは何?目的・基準などわかりやすく解説④

受入検査は、製品や部材が所定の仕様や品質基準に適合しているかを確認するための検査手法です。この検査には、様々な実施方法があり、それぞれの方法にはその特徴と適用シーンがあります。

①全数検査とは?

全数検査は、製品や部材のすべてを検査する方法です。

  • 特徴:全ての製品や部材を対象に検査を行うため、欠陥や不具合を見逃すリスクが非常に低い。そのため、品質の確実性が非常に高まります。
  • 適用シーン:製品の安全性や信頼性が非常に高い要求される場合(例:航空機の部品、医療機器など)、小ロットの製品の場合、新しい製品の初回受入れの場合などに適しています。

②抜き取り検査とは?

抜き取り検査は、製品や部材の一部のみを無作為に選び出して検査する方法です。

  • 特徴:全数検査と比べて、検査にかかる時間やコストを大幅に削減できる。しかし、全ての製品や部材を検査しないため、欠陥品が混入するリスクがある。
  • 適用シーン:大量生産される製品の場合、以前の検査で高い合格率が確認されている場合、一定の品質が保証されている場合などに適しています。

③関節検査とは?

関節検査は、製品や部材の特定の部分や結合部を中心に検査する方法です。

  • 特徴:以前から問題が指摘されている部分や、特に品質が求められる部分を重点的に検査することができる。全数検査や抜き取り検査と組み合わせて実施することも多い。
  • 適用シーン:特定の部位に関するクレームが多い場合、特定の部位が製品の性能を大きく左右する場合、結合部や接合部が多い製品の場合などに適しています。

受入検査の実施方法を選択する際は、製品の特性や品質要求、製造数量などを考慮して、最も適切な方法を選択することが重要です。

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抜取検査基準は「JIS Z 9015による抜き取り検査水準とAQL」が重要

受入検査とは何?目的・基準などわかりやすく解説⑤

製造業界における品質保証とは、顧客が期待する品質基準を確実に満たすことを意味します。

このためには、製造過程での品質検査が欠かせません。特に大量生産を行う場合、全ての製品を検査することは現実的ではないため、抜取検査が行われることが多いです。

この抜取検査を効果的に行うための基準として「JIS Z 9015」と「AQL」が存在します。

JIS Z 9015とは?

JIS Z 9015は、日本の工業規格(JIS)として定められている、抜取検査のための基準を示す規格です。この規格には、サンプルの抽出方法や判定基準、検査水準などが具体的に記載されています。

  • サンプルの抽出方法:どのようにして、どのくらいの数量を抜き取るかという基準が示されています。
  • 判定基準:サンプル内の不良品の数に基づいて、全体の品質をどのように判断するかの基準が示されています。

AQL(許容品質水準)とは?

AQLは、「Acceptable Quality Level」の略で、許容品質水準を意味します。これは、検査を行う際の品質の許容範囲を示す指標で、AQLが示す値よりも不良品の割合が低ければ、そのロットは合格とされます。

例えば、AQLが1.0%であれば、抜取検査での不良品の割合が1.0%以下であれば合格とされ、それを超えれば不合格と判断されます。

なぜJIS Z 9015とAQLが重要なのか?

これらの基準を用いることで、以下の利点が得られます。

重要な利点3つ

公平性:明確な基準があるため、検査結果の公平性が保たれます。
効率性:全数検査よりもコストや時間を節約しながら、適切な品質管理が可能となります。
信頼性:国際的にも認知されている基準を用いることで、顧客や取引先からの信頼を得ることができます。

結論として、JIS Z 9015とAQLは、製造業における品質管理の効率と信頼性を確保するための重要な基準となっています。適切にこれらの基準を活用することで、製品の品質を高く保ちつつ、生産効率も向上させることができるのです。

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受入検査の目的・基準:まとめ

受入検査とは何?目的・基準などわかりやすく解説⑥

受入検査は、製造業における不可欠なプロセスの一つとして、多くの企業で実施されています。この検査を正確かつ効果的に行うための基準や目的を、以下に簡潔にまとめます。

目的:

  1. 品質の確認:製品が要求された品質基準を満たしているかを確認し、その結果に基づいて適切な対応をとることができます。
  2. リスクの低減:不良品や問題がある製品を早期に検出し、その影響を最小限に抑えることができます。
  3. コストの削減:不良品の再製造や返品の手間とコストを削減することができます。
  4. 顧客の信頼獲得:一貫して高品質な製品を提供することで、顧客の信頼を獲得し、ビジネスの拡大につなげることができます。

基準:

  1. JIS Z 9015:抜取検査の基準を示す国内規格。サンプルの抽出方法や判定基準などを具体的に定めています。
  2. AQL(許容品質水準):検査を行う際の品質の許容範囲を示す指標。AQLに基づいて、品質の合否を判断します。
  3. 仕入先の出荷検査成績表:受入検査時の基準として重要。供給元が提供する出荷検査の結果が記載されており、その情報を基に受入検査を実施します。

結論:

受入検査は、製品の品質を確保し、企業の信頼性を高めるための重要な手段です。明確な目的と基準を持って実施することで、製造業における品質管理の効率と効果性を大幅に向上させることができます。

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