
ISO9001:8.4.2項の管理の方式及び程度の要求事項では、外注加工業者・製品・サービスを提供する仕入先の管理方式とその程度を要求しています。
今回の記事は、ISO9001:8.4.2項の管理の方式及び程度の要求事項の意味と構築ポイントについて解説します。

条項 | 題目 | ISO9001 | IATF16949 |
8.4 8.4.1 |
一般(外部から提供されるプロセス,製品及びサービスの管理) | ○ | ○ |
8.4.1.1 | 一般(外部から提供されるプロセス,製品及びサービスの管理)-補足 | ○ | |
8.4.1.2 | 供給者選定プロセス | ○ | |
8.4.1.3 | 顧客指定の供給者 | ○ | |
8.4.2 | 管理の方式及び程度 | ○ | ○ |
8.4.2.1 | 管理の方式及び程度-補足 | ○ | |
8.4.2.2 | 法令・規制要求事項 | ○ | |
8.4.2.3 | 供給者の品質マネジメントシステム開発 | ○ | |
8.4.2.3.1 | 自動車製品に関係するソフトウェア又は組込みソフトウェアをもつ製品 | ○ | |
8.4.2.4 | 供給者の監視 | ○ | |
8.4.2.4.1 | 第二者監査 | ○ | |
8.4.2.5 | 供給者の開発 | ○ | |
8.4.3 | 外部提供者に対する情報 | ○ | ○ |
8.4.3.1 | 外部提供者に対する情報-補足 | ○ |
目次
ISO9001:8.4.2項の管理の方式及び程度は重要度によって変更できる
ISO9001:8.4.2項の管理の方式及び程度の要求事項を読むと、一見すべての外部提供者を同じ程度で管理する必要があるように読み取れます。
しかし、組織の中で重要な部品やサービスは大きく異なりますよね?例えば、製品の心臓部にあたる部品もあれば、段ボールなど様々です。
それらを同じ管理方式で同じ程度に管理していては、管理工数がかかって大変です。
組織・製品・顧客への影響度を考えて管理する方式を決定することを要求しているのが本要求事項です。
次に、ISO9001:8.4.2項の管理の方式及び程度の意味と構築ポイントについて解説していきます。
①仕入先リストを作成する
ISO9001:8.4.2項の管理の方式及び程度の要求事項には、以下のように記載されています。
「管理下にとどめることを確実にする」という観点からまず重要なのが、「仕入先リスト」の作成です。
どの仕入先が品質マネジメントシステムの範囲で管理しなければならないのかを明確に示すことができます。
またそこには、外部から提供されるプロセス(焼き入れや一部アッセンブリを行う業者さんなど)を含む外注先管理が求められます。
②部品の重要性から管理方式を定める
ISO9001:8.4.2項の管理の方式及び程度の要求事項には、以下のように記載されています。
品質要求の厳しい部品によって管理方式を変えることがポイントです。
例えば、自動車用部品・非車載部品などで受入検査の頻度を変更したり、管理図管理・全数検査などの対応も分けることができます。
重要な部品によって管理方式を検討しましょう。
③法令規・制要求事項の管理は外部提供者にも適用する
ISO9001:8.4.2項の管理の方式及び程度の要求事項には、以下のように記載されています。
特に適用される法令・規制要求事項は、自社の管理だけではなく、必要に応じて外部提供者へ伝達されなくてはなりません。
最近では環境物質の使用について厳しい要求があるため、それらの管理をきちんと仕入先にも要求することまた、証拠となる資料の提出などの要求も必要です。
④管理の有効性を確認する
ISO9001:8.4.2項の管理の方式及び程度の要求事項には、以下のように記載されています。
管理方法が確定し実施したあと、その有効性によって継続するか否かをきちんと判断することが重要です。
例えば、受入検査を抜き取り検査で行っている場合、抜き取り検査の有効性(検査サンプル数の妥当性など)は、その結果から次のステップを検討することがこれにあたります。
必要に応じて全数検査に移行など、管理の有効性について確認された結果により判断することが求められます。
⑤必要に応じた検証活動を実施
ISO9001:8.4.2項の管理の方式及び程度の要求事項には、以下のように記載されています。
外注加工品や部品・サービスなどがきちんと行われていることを検証するための活動を要求しています。
代表的な検証活動としては、受入検査です。
要求仕様や図面通りのものが納品されているかを検証することで、後工程への流出リスクを低減させることができます。
ISO9001:8.4.2項の管理の方式及び程度の要求事項はどこに記載すればいい?
ISO9001:8.4.2項の管理の方式及び程度の要求事項は、購買管理規定にそのルールを記載する必要があります。
どのようなものが受入対象になるのかを記載し、検証活動においては受入検査規定に飛ばして具体的な対応を行うようにしてください。
ISO9001:8.4.2項の管理の方式及び程度:まとめ
ISO9001:8.4.2項の管理の方式及び程度の要求事項の規格解釈は、いかがでしたでしょうか?
外部提から提供されるプロセスや製品は、自社に納品されたものすべてが良品とは限りません。
それらを前提に、外部提から提供されるプロセスや製品・サービスの管理方式を決定する必要があります。
この管理の一つに検証活動があり、受入検査などが該当します。
それらを理解したうえでISO9001:8.4.2項の管理の方式及び程度の要求事項の構築を行いましょう!
それではまた!
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