【ISO9001攻略】8.6:製品及びサービスのリリースの要求事項徹底解説!

ISO9001:8.6項の製品及びサービスのリリースの要求事項は、リリース=検査合格と解釈し、合否判定をする権限者によって許可された証拠の記録の保持を要求しています。

今回の記事は、ISO9001:8.6項の製品及びサービスのリリースの要求事項の意味と構築ポイントについて解説します。


この記事の実務解説
QMS認証パートナー
専属コンサルタント

H.Minamino

製造業25年・自動車業界15年以上の実務経験

IATF16949・ISO9001・VDA6.3を、現場で使える形に落とし込む視点で解説しています。

規格要求事項の解釈だけでなく、審査で説明できる規定づくり、現場で使える帳票、内部監査・顧客監査への対応まで、実務で迷いやすいポイントを中心に整理しています。特に多くの企業様が知りたい「審査機関・顧客はどこを見るのか」の勘所も徹底解説していますので、是非ご活用ください。

専門領域
IATF16949・ISO9001・VDA6.3。初期段階の構築から認証後まですべて対応可能。
得意分野
規定・帳票・監査対応の実務化。大企業・中小企業問わず支援実績多数。
支援内容
教材提供・メール相談・個別コンサル。特に24時間対応可能なメール相談がおすすめ。

「この解釈でよいのか」「自社の規定や帳票にどう反映すればよいのか」と迷った場合は、QMS認証パートナーの教材・相談メニューもご活用ください。ご用途に合わせて提案させていただきます。


相談メニューを見る

第8章:運用(8.5~8.7.2)についての「要求事項リスト」はこちら
ISO・IATF 8章
※IATF運用には、ISO9001の要求事項の運用が必須です。
条項 題目 ISO9001 IATF
第4章 組織の状況
第5章 リーダーシップ
第6章 計画
第7章 支援
第8章 運用
第9章 パフォーマンス評価
第10章 改善

※8.5項~8.7.2項は主に、①製造プロセス②生産管理プロセス③品質管理プロセスが関係します。

条項 題目 ISO
9001
重要
帳票
IATF
16949
重要
帳票
8.5
8.5.1
製造及びサービス提供 〇注記
8.5.1.1 コントロールプラン
8.5.1.2 標準作業-作業者指示書及び目視標準
8.5.1.3 作業の段取り替え検証
8.5.1.4 シャットダウン後の検証
8.5.1.5 TPM
8.5.1.6 生産治工具並びに製造・試験・検査の治工具及び設備の運用管理
8.5.1.7 生産計画
8.5.2 識別及びトレーサビリティ 〇注記
8.5.2.1 識別及びトレーサビリティ-補足
8.5.3 顧客又は外部提供者の所有物
8.5.4 保存
8.5.4.1 保存-補足
8.5.5 引き渡し後の活動
8.5.5.1 サービスからの情報のフィードバック
8.5.5.2 顧客とのサービス契約
8.5.6 変更の管理
8.5.6.1 変更の管理-補足
8.5.6.1.1 工程管理の一時的変更
8.6 製品及びサービスのリリース
8.6.1 製品及びサービスのリリース-補足
8.6.2 レイアウト検査及び機能試験
8.6.3 外観品目
8.6.4 外部から提供される製品及びサービスの検証および受入れ
8.6.5 法令・規制への適合
8.6.6 合否判定基準
8.7
8.7.1
不適合なアウトプットの管理
8.7.1.1 特別採用に対する顧客の正式許可
8.7.1.2 不適合製品の管理-顧客規定のプロセス
8.7.1.3 疑わしい製品の管理
8.7.1.4 手直し製品の管理
8.7.1.5 修理製品の管理
8.7.1.6 顧客への通知
8.7.1.7 不適合製品の廃棄
8.7.2 (不適合製品関連の記録保持)

当サイトの情報提供スタンスについて

当サイトでは、ISO9001およびIATF16949について、規格要求の解説にとどまらず、実務でどのようにルールや記録へ落とし込むかを重視して情報を整理しています

規格の理解とあわせて、「現状とのギャップをどう捉えるか」「どこから手を付けるべきか」といった判断に迷いやすい点を、現場目線で分かりやすく解説することを目的としています。

記事内容を自社へ当てはめる際の考え方や、判断に迷うポイントについては、別ページで整理した情報も用意しています。

ISO9001:8.6項の製品及びサービスのリリースの意味

ISO9001:8.6項の製品及びサービスのリリースの要求事項は、若干解釈が難しい要求事項となっているのが特徴です。本要求事項の前文でつまずいてしまう企業様も多いのではないでしょうか?

実は本文中にある「計画した取り決めを実施」の要求事項が曲者です。

この意味は、量産段階で適切な監視・管理することを意味します。ちょっと難しいですよね?かみ砕いていうと、要するに必要な段階で検査をし確認する品質活動を行うことを意味しています。

製造業でいう「保証」を工程内検査や出荷検査できちんと実施することを求めています。

検査に合格しない製品・サービスは出荷(リリース)してはならない!

検査に合格しない製品・仕掛品は、出荷及び次工程に流してはいけないことを意味しています。ただし、権限者(例えば品質部長など)や顧客が認めた場合はOK。

この権限者というのは、職務・業務分掌で定められた適切な権限を持つ人物(主に品質部長クラス)です。この方が合格(特別に合格な場合も含む)と判断し、リリースを許可した証拠(押印・サインが必要)を残すことが重要です。

また、不適合品を出荷するような(せざる得ない)こともあるかもしれません。そういった場合は、顧客の承認を得ることが重要です。

それらの特別許可つまり、「特別採用」のプロセスを踏むことが重要なので、リリース前の対応記録をきちんと残すようにしてください。

責任と権限の要求事項は、分掌表が実務と乖離しやすく、業務内容と責任範囲を具体的に対応づけられていないケースが多いです。役割分担の整理は〔業務・職位分掌表(責任と権限表)〕で進められます。

リリースが行われた記録はしっかり保持しよう!

ISO9001:8.6項の製品及びサービスのリリースの要求事項のポイントは3つです。この3つを理解することができれば簡単に構築が可能です。

①合否判断基準を明確にする

正しく合否判断をするためには、その検査が正しく行われているかどうかがポイントです。工程チェックリストに合格の数値範囲などを記載したり、検査手順書内に合否判定基準を記載することも求められます。

特に官能検査(目視・聴感・触感など)を行う場合は、マスターサンプルや限度サンプルを準備して対応しないと不適合になる場合があるので注意してください。

②合否判定の記録を保持

検査に合格してリリースした場合は、その記録を保持してください。抜き取り検査でN=5を実施した場合などは、その数値記録を保持しましょう。主に「出荷検査成績書」などで担保可能です。

③合否判定した人を明確にする

いわゆる検査成績書を作成し、正式にリリースを許可した場合、だれが許可したのかを明確にするようにしてください。また、トレーサビリティがとれるように、検査者・確認者・承認者を明確に記載することで本要求事項は担保できます。

ISO9001・IATF16949・VDA6.3は、条文の理解と「自社業務への落とし込み」は別物です。文書化や運用判断で生じる迷いを、内部監査・仕入先監査の抱負な実務経験をもつ立場から個別に整理することが可能です!
〔初回メール相談はこちら〕

リリースは出荷だけではない!

ISO9001:8.6項の製品及びサービスのリリースの要求事項の本質を理解すれば、リリース=検査だけではないことがわかります。例えば、変更からの量産リリースや、初期流動管理解除による本生産へのリリース、品質是正からの再リリースなど様々です。

リリースされるつまり、投入・出荷など様々な場面を想定された要求事項なので、きちんと権限者がリリースを許可したことを証明した記録を保持することが重要です。

ISO9001:8.6項の製品及びサービスのリリースはどこに記載すればいい?

ISO9001:8.6項の製品及びサービスのリリース②

ISO9001:8.6項の製品及びサービスのリリースの要求事項は、製造管理規定に記載し、権限については、業務・職位分掌を参照させるようすることがポイントです。

検査管理規定や変更管理規定及び不適合品処理規定など様々なプロセス管理規定とリンクするので、全てに記載することは大変です。

想定される場面での権限者を、職位と権限込みで業務・職位分掌でリリース権限を明記するようにしましょう。

品質マネジメントシステム:おすすめ教材

販売中:教材・サンプル 区分 ISO9001 IATF16949
ISO9001_現状ギャップ分析表 チェック表 ×
ISO9001向け_教育推進体制チェック表 チェック表 ×
ISO9001:オンラインメール相談プラン コンサル ×

ISO9001:8.6に関するFAQ

【注目】お知らせ
規格対応で迷ったら、メールで確認できますFAQで一般的な考え方を確認できますが、自社の規定・帳票・審査対応へどう反映するかは、会社ごとに判断が変わる場合があります。
解釈
この要求事項の考え方でよいか確認したい
反映
規定・帳票にどう落とし込むか相談したい
審査
審査指摘や回答方針に不安がある

個別事情がある場合は、メールコンサルで実務目線の確認ができます。

メールコンサルを見る

製品やサービスのリリース時に必要な記録は何ですか?

ISO 9001:8.6では、製品およびサービスがリリースされる前に「受け入れ基準への適合」が確認され、その証拠が記録されることが求められます。記録には検査報告書、試験データ、顧客承認、社内チェックリストなどが含まれます。これにより、品質不備の防止とトレーサビリティが確保されます。また出荷フェーズでは、出荷検査記録などが該当します。

製品やサービスのリリースにおける責任者は誰ですか?

リリースの最終承認は、組織が指定する責任者または権限のある担当者が行います。通常、品質管理部門やプロジェクト責任者が担当します。ISO 9001は、適切な権限が与えられた人物が確認・承認することを求めています。また、顧客が承認を必要とする場合は、顧客からの正式な確認も必要です。

不適合品が見つかった場合の対応はどうなりますか?

リリース前に不適合が見つかった場合、その製品やサービスはリリースが保留されます。不適合の原因を調査し、必要に応じて修正措置を講じます。ISO 9001では、リリース条件を満たさない製品が顧客に渡らないよう、管理プロセスを徹底することが求められます。

ISO9001:8.6項の製品及びサービスのリリース:まとめ

ISO9001:8.6項の製品及びサービスのリリース③

ISO9001:8.6項の製品及びサービスのリリースの要求事項の規格解釈はいかがでしたでしょうか?

本要求事項はわかりずらい部分もあったと思いますが、リリース=検査合格そして権限者によってリリースされると解釈すれば簡単ですよね?

あとはルール化です。

リリースの方法は、製造管理規定にリール化し、権限は業務・職位分掌に記載すればOK。

ルールを徹底するように社内教育も忘れずに!

それではまた!


本記事の内容を、自社の規定・帳票・教育に落とし込む!

IATF16949・ISO9001・VDA6.3は、要求事項を理解するだけでなく、現場で説明できる仕組みにすることが重要です。判断に迷う部分は個別相談で、資料を整えたい場合は教材・サンプルをご活用ください。

まず相談したい方へ
メール相談・個別コンサル監査対応、規格解釈、規定・帳票の考え方を実務目線で確認できます。


サービスを見る

自社で整備したい方はこちら学習教材、社内教育資料、規定サンプル、帳票サンプルを目的別にまとめています。


規格理解
IATF・ISO教材


社内教育
実践教材


規定作成
規定サンプル


記録整備
帳票サンプル


5大ツール
コアツール教材


VDA6.3
VDA6.3教材

品質マネジメントシステム構築・学習支援
QMS認証パートナー
ISO9001・IATF16949・VDA6.3 実務支援
規格理解で終わらせず、監査で説明できる仕組みへ。
記事で規格の考え方を理解しても、自社の規定・帳票・教育・監査対応に落とし込む段階で迷うことは少なくありません。QMS認証パートナーでは、規格解釈から仕組みづくり、社内教育、審査対応までを実務目線で支援しています。
迷ったら、実務者に相談できます
「この解釈でよいのか」「自社の帳票や規定にどう反映すればよいのか」と迷った場合は、目的に合わせて相談方法を選べます。