
こんにちは!製造業における品質管理の道具として、よく知られているDRBFMとFMEA、どちらも聞いたことがあるけれど、詳しい違いや使い方について知りたい方も多いのではないでしょうか?
本記事では、両者の違いから活用方法までを詳しくわかりやすく解説します。
どちらもISO9001やIATF16949を取得している企業の方にとって非常に重要なツールです。それでは、早速見ていきましょう!
目次
DRBFMとは?基本の考え方と活動
DRBFM(Design Review Based on Failure Mode)は、「未然に問題を発見し防止する」という目的で開発された手法です。
主に、製品設計段階で行われるレビュー活動の一部として、これを実施することで未知の問題を防ぐことができます。
元々はトヨタ自動車が開発した方法で、製品設計の変更点に着目し、その変更がもたらす可能性のある不具合を議論し、未然に対策を講じるというものです。
この手法の特徴は、経験と技術を活用した討論を重視する点にあります。
つまり、DRBFMは品質向上に必要な「人の力」を重要視しています。
FMEAとは?基本の考え方と手順
一方、FMEA(Failure Mode and Effects Analysis)は、製品設計や製造工程で潜在的に存在する問題を事前に予測し、それが製品やプロセスに及ぼす影響を評価するための分析手法です。
FMEAは事前に「何が起こるか」を考え、それに対する対策を立てることを目指しています。
FMEAはシートに基づく手法で、手順としてはまず、製品やプロセスのFailure Mode(失敗モード)を抽出します。
次に、そのFailure Modeが発生した場合に想定される影響やその重要度、対策などを詳細に分析し、それをもとに改善を行います。
DRBFMとFMEAの違い
さて、ここからが本記事のメインテーマ、「DRBFMとFMEAの違い」についてです。要点をまとめると次の通りです。
- 活動の焦点: DRBFMはデザインの変更点に着目します。対してFMEAは製品やプロセス全体を対象に事前の検討を行います。
- 活動の形式: DRBFMは議論と経験を重視した討論形式、FMEAはシートに基づく評価と分析を行います。
- 問題の抽出: DRBFMは設計変更により生じる可能性のある問題を事前に予想します。対してFMEAはFailure Mode(失敗モード)とその影響を抽出します。
この違いから、DRBFMとFMEAは同時並行で活用することで、より効果的な問題の発見と対策が可能となります。
DRBFMとFMEAの活用事例
まず、実際の製品開発プロジェクトにおけるDRBFMとFMEAの活用事例を一つご紹介します。
ある自動車部品製造企業が新製品の開発を行う際に、これらの手法を組み合わせて使用しました。具体的には、開発初期段階の設計変更時にはDRBFMを、製品全体のFailure Modeを特定し、リスク評価を行う際にはFMEAを使用しました。
DRBFMの活用
DRBFMは、主に設計変更時に活用されました。新製品開発に当たり、企業は既存の部品デザインを大幅に改良することを決定。
ここで、設計変更がもたらす潜在的な問題を発見するために、DRBFMが使用されました。DRBFMは、経験豊富なエンジニアと設計者が集まり、設計変更がもたらす可能性のある問題を洗い出し、事前に対策を立てました。
この結果、企業は新製品の初期不良率を大幅に削減することができ、品質向上と生産効率の向上につながりました。
FMEAの活用
一方、FMEAは製品全体のFailure Modeの特定とリスク評価に使用されました。
設計変更後の新製品に対して、一体どの部分がどのようなFailure Modeを持つのか、その影響度や発生頻度、検出可能性を評価し、リスク優先度を決定しました。
その結果、重要なリスク要因を事前に特定し、それに対する予防策を立てることができました。
これにより、企業はリスク管理の精度を高め、より安全性の高い製品を市場に提供することが可能となりました。
このように、DRBFMとFMEAを適切に使い分けることで、新製品の初期不良率を削減し、製品の安全性を向上させることができました。
また、これらの手法を活用することで、製品開発プロセス自体も改善され、次回の製品開発にも活かすことができるというメリットがありました。
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DRBFMとFMEAの効果的な使い方
以上のような事例からもわかるように、DRBFMとFMEAは、それぞれの特性を活かして使い分けることで効果的です。
DRBFMは、新製品の開発や設計変更の際に、設計者自身や経験豊富な技術者たちと共に、潜在的な問題を探り出すために活用します。
一方、FMEAは新製品や新工程の開発において、それぞれのFailure Modeとその影響を具体的に抽出・分析し、その結果を元に改善を行うために使用します。
どちらも、新製品開発や設計変更などの事前審査、事後のレビュー、不具合の追加対策などに活用できます。
DRBFMとFMEAの信頼性向上への貢献
DRBFMとFMEAは、それぞれ製品設計や製造工程で潜在的に存在する問題を発見し、それに対応するための分析手法として広く活用されています。
これらの手法は、製品やプロセスの信頼性を向上させるとともに、品質管理活動を効果的に行うための強力なツールです。
これらの手法が製品やプロセスの信頼性を向上させるためには、実際の使用経験と組み合わせることが重要です。
DRBFMは設計者や技術者の経験と知識を活用して、設計変更がもたらす問題を事前に抽出します。
一方、FMEAは製品やプロセス全体のFailure Modeとその影響を具体的に分析し、それに対する対策を講じます。
実践のコツと注意点
これまでに述べたように、DRBFMとFMEAは、それぞれが持つ特性を活かして使い分けることが重要です。
しかし、ただ単に使い分けるだけでなく、実践におけるいくつかのコツと注意点を心に留めておくことも重要です。
- DRBFM:デザインの変更点に集中して、それがもたらす問題を事前に予測します。しかし、変更点だけでなく、製品全体の視点からも問題を探ることが重要です。また、経験と知識を活用して問題を発見するため、経験豊富な技術者の意見を尊重することが重要です。
- FMEA:製品やプロセス全体のFailure Modeとその影響を具体的に分析します。しかし、分析は理論的なものであり、現場の実情に基づいたものでなければなりません。現場の声を取り入れ、現実に即した分析を心がけることが重要です。
DRBFMとFMEAを活用したISO9001とIATF16949への対応
最後に、ISO9001やIATF16949を取得している企業にとって、DRBFMとFMEAの活用は欠かせません。
これらの手法は、品質マネジメントシステムの基本要素である「予防的アプローチ」を具体化するもので、ISOやIATFの要求を満たすためには大いに役立ちます。
具体的には、ISO9001の要求である「リスクベースの思考」やIATF16949の「製品安全」などに直結します。
関連要求事項
これらの手法を活用すれば、リスクを事前に評価し、製品安全に関連する問題を予防することが可能です。
また、DRBFMとFMEAを組み合わせることで、全体的なリスクマネジメントを強化し、さらに高い品質を実現できます。
まとめ
今回の記事では、製造業で広く活用されるDRBFMとFMEAの基本的な考え方、使い方、違いについて詳しく解説しました。
どちらも製品やプロセスの信頼性を向上させ、品質管理を効果的に行うための重要なツールです。
また、ISO9001やIATF16949を取得している企業にとっては、これらの手法を活用することで、より効果的な品質管理を行い、それらの要求を満たすことが可能です。
これらの手法を適切に活用し、日々の業務に役立てていきましょう。今後も最新の情報をお届けしますので、是非お楽しみに!
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