
こんにちは、IATF16949を取得したいあなたの企業の一員の皆さん。この記事では、IATF16949の取得に絶対に欠かせない要素、"PPAP"について、その重要性と具体的な内容を詳しく解説します。親しみやすく、そして具体的に進めていきましょう。
PPAPとは何か?
まずは基本から。「PPAP」は「Production Part Approval Process」の略で、直訳すると「生産部品承認プロセス」を意味します。
これは自動車産業で広く使われているもので、新しい部品の設計や改訂が承認されるためのプロセスを定めています。
このプロセスには5つのフェーズがあり、それぞれが要求する事項もあります。それらを具体的に見ていくと、PPAPの重要性がより理解しやすくなるでしょう。
IATF16949とPPAPの関連性
IATF16949は、自動車産業の品質マネジメントシステムの国際規格で、その中でもPPAPは特に重要な位置を占めています。
IATF16949の要求事項の中でPPAPが関わる章は8.3章「製品設計と開発」です。
PPAPは新しい部品や改訂部品の品質を保証するための手段として位置付けられており、IATF16949の取得には絶対に欠かせない要素となっています。
超重要記事
PPAPの18項目とは
PPAPの18項目は以下の通りです
設計文書
「設計文書」は、製品の設計に関するすべての重要な情報を記録したものを指します。設計文書は、製品が設計仕様を満たすことを示すために使用されます。
これには以下のような具体的な文書が含まれることが一般的です:
①設計図
製品の設計と機能を示す図面。図面には、製品の全体的な形状、寸法、材料、表面仕上げなどの詳細な情報が含まれます。
②材料仕様書
製品に使用される材料の種類、グレード、特性などを明記したもの。
③パフォーマンステスト要件
製品が満たすべき機能や性能の基準を示すもの。
設計文書は主に「8.3設計と開発の製品」の節と強く関連しています。特に、「8.3.2設計と開発の計画」、「8.3.3設計と開発のインプット」、「8.3.4設計と開発の管理」、「8.3.5設計と開発のアウトプット」などの要求事項に直接関連します。
これらの要求事項は製品の設計と開発プロセスを管理し、製品が顧客の要求と法規制を満たすことを確認するためのものです。
技術変更文書
「技術変更文書」はPPAP (Production Part Approval Process)の一部として必要とされる文書で、製品の設計や製造プロセスに生じた変更を記録して追跡するためのものです。
これは、製品の性能や品質に影響を及ぼす可能性がある変更が正確に管理され、適切に承認されることを確認するための重要な手段です。
技術変更文書は、以下のような情報を含むことが一般的です:
①変更の詳細説明
何が変更され、なぜ変更が必要だったのか
②変更の影響
製品の性能、品質、または製造プロセスにどのような影響があるのか
③承認
変更が適切にレビューされ、承認されたことを示す証拠
IATF16949の要求事項においては、技術変更文書は特に「8.3.6設計及び開発の変更」に関連しています。
このセクションでは、すべての設計および開発の変更を適切に識別、文書化し、レビュー、承認、および検証/検証を通じて管理することが要求されています。
ただし、具体的な技術変更文書の形式や内容は、企業によって異なり、具体的な要求は顧客や製品の具体的な要求によるところが大きいです。
そのため、特定の状況に適した技術変更文書を作成するためには、具体的な要求やガイドラインを理解することが重要です。
顧客設計承認
製品の設計が顧客の要件を満たしていることを確認するプロセスです。
具体的には、顧客設計承認は、製造業者が顧客から得た設計の承認を示す文書です。これは通常、製造業者が提出する設計図や仕様が顧客によってレビューされ、問題がないと判断されたときに発行されます。
この文書は、製品が顧客の期待や要件を満たしていることを示す重要な証拠です。
これらは、製品の設計と開発を確認し、その結果を文書化することに関連しています。ただし、具体的な要求事項は、組織の特定の状況や顧客の具体的な要求によります。
設計FMEA
製品設計や製造プロセスにおける潜在的な問題を特定、評価、優先順位を付けるためのシステマティックな手法です。
設計FMEA (DFMEA)は、製品設計フェーズに特化したFMEAで、設計上の欠陥や不具合が製品の品質や信頼性に及ぼす可能性のある影響を予測します。
設計FMEAの文書は、一般的に以下の項目を含むスプレッドシートまたはテンプレート形式で提出されます。
機能または要求
潜在的な故障モード
潜在的な故障原因
潜在的な故障影響
Severity(重大度)、Occurrence(発生頻度)、Detection(検出可能性)の評価
Risk Priority Number(RPN)またはその他のリスク評価
推奨される行動
行動の状態や結果
IATF16949の要求事項と関連して、「8.3.3設計・開発からのインプット」、「8.3.5.1設計開発のアウトプット補足」のセクションにおいて、設計FMEAの役割と使用が強調されています。
ただし、設計FMEAは、製品ライフサイクル全体でのリスク評価の一部であるため、他のセクションや要求事項とも関連性を持つ可能性があります。
組織の具体的な状況やリスク評価プロセスによります。
工程フロー図
「工程フロー図」は、製品の製造工程をステップごとに視覚的に表示した図です。
これは製品の開発、生産、及び検査の各段階を理解しやすくするためのもので、各工程やその工程間の流れ、使用される装置や材料、検査ポイントなどを明示します。
これにより、品質管理の観点から各工程でのリスクや問題点を把握し、適切な対策を立てることが可能となります。
具体的な文書としては、「工程フロー図」そのものが存在します。
この図は通常、製品の製造ラインを横断的に捉え、機械、作業手順、材料の流れ、検査点、運送等の情報を包括的に示す図面です。特に複雑な製造プロセスでは、この工程フロー図が不可欠となります。
IATF16949の要求事項として、工程フロー図は主にセクション「8.3.5.2製造工程設計からのアウトプット-補足」と関連しています。
このセクションは、製品設計や開発のプロセスを計画し、その実施と管理に関する要求事項を規定しています。
工程フロー図は、製品の製造工程を理解し、品質管理を適切に実施するための重要なツールとして、このセクションで要求されています。
工程FMEA
「工程FMEA」は「Failure Mode and Effects Analysis」(失敗モード及び効果分析)の略で、製造プロセス中に発生可能な問題を予測し、それらが製品の品質や信頼性にどのように影響するかを評価するための分析手法です。
工程FMEAは、あらかじめリスクを識別し、問題を予防するためのアクションを計画するための重要なツールとなります。
具体的な文書としては、「工程FMEA」は一般的にはチャートや表の形で表現され、次の要素を含みます
適用するプロセスステップ
可能な失敗モード
失敗の影響
失敗の原因
現行の制御策
リスク優先度番号(RPN)
推奨されるアクション
アクションの実施状況
これらの要素はすべて、特定の失敗モードが実際に発生した場合の影響を評価し、それを予防または軽減するためのアクションを計画するためのものです。
そして、工程FMEAはIATF 16949の要求事項として「6.1.2.1リスク分析」・「6.1.2.2予防処置」と関連しています。
これらの節は、組織が製造プロセスのリスクを理解し、それを管理するための適切なプロセスを設計および実施することを求めています。
コントロールプラン
「コントロールプラン」は、製品の製造プロセスを管理し、製品の品質を維持するための計画を指します。
これは、製品設計や製造プロセスの各段階において品質が一貫していることを保証するために用いられます。コントロールプランは、品質管理の方法、使用する装置や道具、検査頻度、そして品質レベルを特定し、記録するための計画を提供します。
PPAP(Production Part Approval Process)のコントロールプランは、その製品の生産のすべての段階(すなわち、原材料の購入、製造工程、検査、出荷など)における品質管理活動を詳細に説明したものです。
これは、製造業者が製品の品質を一貫して維持し、顧客の要求を満たすことができることを示すための重要な文書です。
コントロールプランは、文書としては標準的なフォーマットを持っており、以下のような情報が含まれます。
製品情報:製品名、製品番号、製品の仕様など
製造プロセス:製造工程の流れ図、各工程での主要な操作、使用する機器や道具など
品質管理活動:各工程での検査項目、検査方法、検査頻度、品質レベルなど
緊急時対策:品質に問題が発生した場合の対策など
IATF 16949は、自動車業界の品質マネジメントシステムの国際規格であり、その規格には品質管理活動を実施するための要求事項が定められています。
その中で「コントロールプラン」は、特にセクションの「8.5.1生産とサービスの提供」及び、「8.5.1.1コントロールプラン」に関連しています。
これは、組織がプロセスを適切にコントロールし、プロダクトとサービスが要求事項を満たすことを確実にするための規定です。
MSA
「MSA」は「Measurement System Analysis」の略語で、計測システム分析を意味します。
これは、製造プロセスにおける計測システムの信頼性を評価するための一連の手順です。MSAの目的は、計測システムが必要な精度と精度を持つことを確認し、製品の品質を確保するためです。
MSAは以下の要素を評価します。
バイアス:計測器が統計的に有意な誤差を持つかどうか。
再現性:同じ測定器が同じ結果を繰り返し生成するかどうか。
反復性:同じ操作者が同じ部品を同じ装置で複数回測定したときの結果の一貫性。
安定性:時間の経過とともに測定システムの性能が変化するかどうか。
能力:測定器が特定の要求を満たす能力。
具体的な文書としては、MSAの結果を示す報告書やデータシートがあります。これらの文書は、バイアス、再現性、反復性、安定性、能力などの各項目の評価結果を含んでいます。
MSAは、IATF16949の品質管理システム標準の一部として要求されます。
特にIATF16949の「7.1.5.1.1(測定システム分析)」の節に該当します。
この節は、組織が測定器の適用範囲、頻度、方法を定義し、統計的な手法を使用して測定器のバイアス、再現性、反復性を評価することを要求しています。
これにより、測定システムが製品とプロセス要件を適切に満たすことができるか確認することができます。
寸法測定結果
「寸法測定結果」は、PPAP(Production Part Approval Process、製造部品承認プロセス)の一部として、製造された部品の寸法的特性を測定し、その結果を詳細に記録したものを指します。
これは製品設計図に記載されている寸法と一致しているかどうかを確認するために行われます。
寸法測定結果は、通常、部品の形状、サイズ、位置等の特性を正確に測定するための専門的な計測器具を使用して得られます。
この「寸法測定結果」は、通常「寸法結果レポート」や「寸法検査報告書」などと呼ばれる文書にまとめられます。
それぞれの部品の各寸法について、設計要件(設計図に基づく)と実際の測定結果が記載され、設計要件を満たしているかどうかが評価されます。
IATF16949における「寸法測定結果」の要求は、特に「8.6.2レイアウト検査及び機能試験」に関連しています。
これらのセクションでは、新製品または変更製品の設計と開発プロセス中に行われる検証と検証について述べられており、寸法測定結果はその一部として扱われます。
設計要件が適切に製品に反映されていることを確認するために、これらの測定と評価が重要となります。
材料/性能試験結果
「材料/性能試験結果」は、PPAP(Production Part Approval Process)の18項目の一部で、特定の部品が指定された材料および/または性能要件を満たしていることを示す証拠を提供します。
具体的な文書については、この項目には通常、以下のものが含まれます。
材料証明書:これは、特定の部品を製造するために使用される材料の化学的および物理的特性を示します。これは通常、材料の製造元から提供されます。
性能試験報告:これは、部品が指定された性能基準を満たすことを証明します。試験は、通常、内部または外部の試験施設で行われ、結果は公式の報告書として提出されます。
IATF16949の要求事項との関連性については、「材料/性能試験結果」は主にセクション「8.3.4.2設計開発の妥当性確認」に関連しています。
これらのセクションは、製品とプロセスの設計、開発、検証の一部として材料と性能の試験を要求します。
初期工程分析
「初期工程分析」は、製造プロセスの設計と開発の初期段階で行われる分析で、そのプロセスが製品の設計要件を満たすことができるかを評価します。
これは、製品の製造における可能性のある問題や欠陥を予防し、製品の品質を向上させるための重要なステップです。
具体的な文書としては、初期工程研究報告書や工程フローチャートが挙げられます。
初期工程研究報告書では、製品の製造プロセスがどのように計画され、実行されるかについて詳細に記述されます。特に工程能力指数の評価を各工程で分析され対策された証拠が求められるのが特徴です。
IATF 16949の要求事項との関連については、特に、セクション「9.1.1.1製造工程の監視及び測定」製品と製造工程の開発出力"において、開発プロセスの分析とその結果の評価が求められます。
認証試験機関の関連書類
「認証試験機関の関連書類」は、自動車産業における品質管理システムであるIATF 16949の一部として用いられるPPAP(生産部品承認プロセス)の18項目の一部です。
これは一般的に、製品が規格や仕様に適合していることを証明するための第三者機関からの認証または試験結果を示す文書を指します。
具体的な文書は機関や製品、試験の種類によりますが、例えば次のようなものがあります。
- 試験報告書
- 試験証明書
- 試験結果の概要
- 機関からの適合性確認書
これらの文書は、製品が安全規格、性能規格、環境規格などに準拠していることを証明します。
IATF 16949の要求事項との関連性については、特に「7.1.5.3.1内部試験所」「7.1.5.3.2外部試験所」が関連しています。
これらの要求事項は製品設計の適合性とその検証に関連しており、認証試験機関の関連書類はこれらの適合性を証明する一部となります。
AAR(Appearance Approval Report、外観承認報告書)
AAR(Appearance Approval Report)は、PPAP(Production Part Approval Process)の一部として提出される文書で、製品の外観(色、質感、光沢など)が顧客の要求を満たしていることを証明するものです。
具体的には、サンプル部品の外観を評価し、それが設計要件や顧客の期待に適合しているかどうかを評価する報告書となります。
これは主に視覚的、触覚的な評価を含むことが多く、評価基準は製品の種類や顧客の要求によります。
AARは通常、サンプル部品と共に提出され、顧客が外観の承認を行うことを可能にします。
この報告書は、製品の色、質感、光沢などの視覚的な特性を文書化するため、明確な写真や説明が含まれることが一般的です。
IATF 16949の要求事項との関連については、IATF 16949は自動車産業の品質管理システムの国際規格で、その中で顧客要求事項の理解と満足度を確保することが求められています。
これには、顧客が要求する品質、製品の安全性、信頼性などが含まれます。AARはこれらの要求を満たすための一つの手段と言えます。
生産部品(顧客評価)サンプル
「生産部品(顧客評価)サンプル」は、PPAPの一部として、サプライヤーが顧客(大抵は自動車メーカー)に提出する、実際に生産ラインから出てきた部品のサンプルです。
これは、生産プロセスが設計仕様を満たすことを証明するためのもので、顧客はこのサンプルを検査して承認するか否定するかを決定します。
具体的な文書は顧客とサプライヤー間で交わされるもので、それ自体が文書化されるわけではありませんが、サンプルの承認または否認は、通常、「承認レポート」または「PPAPレポート」などと呼ばれる文書に記録されます。
マスター(標準)サンプル
「マスターサンプル」は、製品の承認プロセス中に、製造者が客観的な品質基準を証明するための具体的な製品サンプルを指します。
このマスターサンプルは製品の目視評価や比較用途などに使用され、製品が満足すべき品質基準や規格を満たしているかを判断するための基準となります。
マスターサンプルに関連する具体的な文書は、一般的にはマスターサンプルの詳細な説明やその使用方法、評価基準などを含む「マスターサンプル承認書」や「マスターサンプル評価レポート」などが存在します。
この中で、マスターサンプルのような具体的なサンプルを用いて製品の品質を評価し、それが設計要件を満たしていることを確認することが求められています。
検査補助具
「検査補助具」は、製品の品質を確認するために使用されるツールや装置を指します。これは、特定の測定を可能にするか、または製品が設計仕様に適合していることを確認するために使用されます。
検査補助具は、ゲージ、テンプレート、ピン、ジグ、治具など、製品の寸法や形状を測定するためのツールを含む可能性があります。
PPAP(Production Part Approval Process)の文書要件における「検査補助具」は、通常、検査補助具のリスト、それらのツールのキャリブレーション記録、そしてそれらが正確に測定を行い、製品が設計要件を満たしていることを確認するための証明となります。
IATF16949は自動車産業の品質管理システムの規格であり、その中には測定装置管理に関する要求事項が含まれています。
この要求事項は、「8.3.5.2製造工程設計からのアウトプット」に関連しており、ここでは組織が必要な監視及び測定資源を決定し、それらを管理することを要求しています。
この要求は、検査補助具が適切に選択され、維持され、使用され、そして定期的にキャリブレーションまたは検証が行われることを含みます。これにより、検査補助具が製品の品質要件を満たすための正確な測定を提供できることが確認されます。
顧客固有要求事項
「顧客固有要求事項」は、製品の品質を確保するためのPPAP (Production Part Approval Process)の一部として、特定の顧客が供給業者に対して設ける独自の要求事項を指します。これらは、一般的な品質管理の枠組みを超えて特定の製品やプロセスに対する追加の要求を含む可能性があります。
具体的な文書は顧客から供給業者へ提供され、それらの要求事項が明示的に記述されています。この文書は、製品仕様、テスト手順、検査基準、パッケージング要求、配送スケジュールなど、顧客が特定の製品に求める具体的な要求を詳細にリストアップしています。
顧客固有要求事項は、IATF16949の標準の一部である「4.3.2顧客固有要求事項」に直接関連しています。この節は、組織が顧客固有の要求を理解し、それらを満たすためのシステムを確立し維持することを要求しています。
顧客固有要求事項は、特定の顧客と供給業者の間の契約に基づいて変化する可能性があるため、それらは通常、サプライヤーが各顧客から直接受け取る必要があります。これにより、供給業者は製品が顧客の要求を満たすことを確認し、必要な改善を行うことができます。
PSW(Part Submission Warrant、部品提出保証書)
「PSW」または「Part Submission Warrant(部品提出保証書)」は、PPAP(Production Part Approval Process、製造部品承認プロセス)の一部として、自動車供給業界において用いられる文書です。
これは製造者が製造した部品が顧客の要件を満たしていることを証明するための文書で、部品の詳細情報、その製造過程、そして部品が設計要件と一致することを示すテスト結果などを含みます。
具体的な文書内容としては以下の項目が含まれます:
- 部品番号
- 部品名称
- 図面番号と改訂番号
- 顧客名と顧客コード
- 製造者の名前と住所
- 材料や部品の詳細
- 量産地点
- 顧客からの承認記録
PSWは、顧客が部品を受け取る前に、製造者が部品が設計要件と一致し、製造過程が一貫していることを証明するための重要な手段となります。
以上の18項目は、PPAPの一部であり、新しい部品や改訂部品が設計図通りに製造され、要求される品質を満たしていることを証明するための手段となります。
これらは、IATF16949の対応する要求事項と連携して、製品の品質を確保する役割を果たします。
これらの要求事項を遵守することで、自社の製品が国際規格に準拠していることを証明し、顧客からの信頼を獲得することができます。
PPAPが要求する事項
PPAPは以下の5つのフェーズから成り立っています。
- 企画と実現可能性の評価:ここでは新たな部品の製造が実現可能かどうかを評価します。
- 製品設計と開発:ここでは設計の承認と仕様の設定が行われます。
- 製程設計と開発:ここでは製造プロセスの設計とその承認が行われます。
- 製品と製程の確認:ここでは製品と製造プロセスの品質が確認されます。
- 製品と製程の改善:ここでは製品と製造プロセスの継続的な改善が行われます。
これらのフェーズは相互に関連しており、一つ一つが製品の品質を確保するために重要な役割を果たしています。
企画と実現可能性の評価
このフェーズでは、新たな部品の製造が現実的に可能かどうかを評価します。ここでの要求事項としては、製品の企画、要求される品質と性能の明確化、製造設備や技術の評価などがあります。
製品設計と開発
次に、新たな部品の設計を承認し、仕様を設定します。これは、設計図や材料仕様、製品の性能要求などを定めることで、製品の品質を確保します。
製程設計と開発
製品設計後、製造プロセスの設計とその承認が行われます。これには、製造工程の流れ図、プロセスFMEA(Failure Mode and Effects Analysis:失敗モードと影響分析)、制御計画などが含まれます。
製品と製程の確認
製品と製造プロセスの品質が確認されます。具体的には、初期生産試作品の検査、製程能力の評価、測定システム分析(MSA)などが行われます。
製品と製程の改善
最後に、製品と製造プロセスの継続的な改善が行われます。これは、製品やプロセスの問題点を特定し、それを改善することで、製品の品質を維持し、向上させることを目指しています。
まとめ
以上が、IATF16949で重要なPPAPについての解説です。PPAPは自動車産業で必須の品質保証プロセスであり、その理解と実践はIATF16949の取得に向けて不可欠です。PPAPの各フェーズと要求事項を理解し、その適用を通じて、自社の製品の品質を維持し、向上させましょう。