
ISO9001の審査は、組織の品質マネジメントシステムの効果を証明する重要なプロセスです。この記事では、審査日に特に焦点を当てられる重要文書類の10選を詳しく解説し、それぞれの文書がなぜ重要であり、どのように管理されるべきかについて解説します。
効率的な文書管理のベストプラクティスを採用することで、審査をスムーズに進め、ISO9001の基準を満たすことができるようになります。

この記事を書いた人
所属:QMS認証パートナー専属コンサルタント
年齢:40代
経験:製造業にて25年従事(内自動車業界15年以上)
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ISO9001構築で整理しておきたい基本的な視点
ISO9001の構築や運用では、要求事項を理解するだけでなく、それを自社のルールや記録としてどう形にするかが重要になります。規格の意図は分かっていても、文書化や運用方法の判断で迷い、対応が止まってしまうケースも少なくありません。
まずは全体像を整理し、必要な文書や帳票の考え方を把握したうえで、自社に合った形へ段階的に落とし込んでいくことが、無理のないISO9001対応につながります。
この記事の目次
ISO9001審査の基本

ISO9001審査は、組織の品質マネジメントシステムがISO9001規格の要求事項を満たしているかを評価するプロセスです。
この審査は通常、文書のレビュー、従業員へのインタビュー、プロセスの観察を含むいくつかのステップで構成されています。
審査員は、組織が顧客満足を高め、継続的改善を実施しているかどうかを特に重視します。一般的な評価基準には、品質方針と目標の適切な設定、プロセスの有効性、不適合の管理、リスクの評価と管理が含まれます。
審査の合格には、適切な文書化、従業員の意識とトレーニング、上層部からのコミットメントが不可欠です。組織がこれらの要素をしっかりと管理している場合、ISO9001審査を成功させ、その品質マネジメントシステムの効果を証明することができます。
ISO9001審査の際の重要文書類10選

ISO9001審査では、組織が品質マネジメントシステムの要求事項をどのように満たしているかを証明するために、文書管理が極めて重要です。
審査では、組織のプロセス、方針、および手順が適切に文書化され、実施されているかを確認します。特に注目される文書のカテゴリーには以下が含まれます。
①品質方針と品質目標

| 概要 | 組織の品質に関する全体的な方針と、それを支える具体的な目標。 |
| 目的 | 組織の品質に対する全体的な取り組みとコミットメントを示す。 |
| 内容 | 組織の品質目標、顧客満足への取り組み、継続的改善の約束。 |
| 管理方法 | 全従業員がアクセス可能な場所に掲示し、定期的にレビューと更新を行う。 |
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②プロセスマップおよび手順

| 概要 | 組織の主要なプロセスと、それらを運用するための手順書。 |
| 目的 | 組織の主要なプロセスとその相互作用を明確にする。 |
| 内容 | 各プロセスの入力と出力、関連する手順と責任者。 |
| 管理方法 | プロセスの変更時に更新を行い、関係者に通知する。 |
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タートル図で整理するプロセス定義の考え方
IATF16949やISO9001では、各プロセスの目的や責任、インプット・アウトプット、指標などを明確に定義することが求められます。その整理方法の一つがタートル図(タートルチャート)です。プロセスを俯瞰して可視化できるため、役割や管理項目の抜け漏れを確認しやすくなります。
一方で、どの項目をどこまで記載すべきかで迷うケースも少なくありません。そのため、プロセス定義の視点を整理したうえでタートル図を活用することが重要になります。こうした整理を進める方法の一つとして、タートル図を用いたプロセス定義の進め方を分かりやすくまとめた資料を参考にする方法もあります。
③作業指示書
| 概要 | 特定のタスクや活動の実施方法を詳細に記述した文書。 |
| 目的 | 特定の作業や活動の実施方法を明確に指示する。 |
| 内容 | 具体的な作業手順、使用する設備や材料、安全措置。 |
| 管理方法 | 作業現場や関連部門での利用を容易にし、変更があった場合は迅速に更新する。 |
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④品質マニュアル

| 概要 | 組織の品質マネジメントシステムの枠組みと要求事項を概説した文書。 |
| 目的 | 組織の品質マネジメントシステムの概要と構造を示す。 |
| 内容 | 品質マネジメントシステムの範囲、プロセスの記述、品質方針と目標。 |
| 管理方法 | 適宜更新を行い、従業員が容易に参照できるようにする。 |
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⑤品質記録
| 概要 | プロセスの実施結果や品質管理活動の証拠となる文書やデータ。 |
| 目的 | 実施された活動と達成された結果の証拠を提供する。 |
| 内容 | ミーティングの記録、検査結果、顧客フィードバックなど。 |
| 管理方法 | セキュアな保存、適切な分類、容易な検索が可能なシステムを使用する。 |
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⑥内部監査報告書

| 概要 | 組織内で行われた品質マネジメントシステムの監査結果を記録した文書。 |
| 目的 | 品質マネジメントシステムの有効性を評価する。 |
| 内容 | 監査対象、発見された不適合、推奨される改善点。 |
| 管理方法 | 監査の結果を追跡し、是正措置の完了を確認する。 |
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内部監査を運用する際に迷いやすいポイント
内部監査は、単にチェックリストを回すだけではなく、監査計画の立て方や監査結果のまとめ方によって、QMS全体の改善につながるかどうかが大きく変わります。監査員の力量評価や、工程・製品まで含めた監査範囲の整理で判断に迷うケースも少なくありません。
そのため、内部監査を一連の流れとして捉え、必要な帳票や記録の考え方を整理しておくことが重要になります。こうした整理を進める方法の一つとして、内部監査の各場面で必要となる帳票や記録の考え方をまとめた資料を参考にする方法もあります。
⑦不適合報告書

| 概要 | 品質要求事項を満たしていない事項や、プロセスの問題点を記録した文書。 |
| 目的 | 要求事項を満たさない製品やプロセスを記録し、対処する。 |
| 内容 | 不適合の詳細、原因分析、是正措置。 |
| 管理方法 | 不適合とその後の是正措置を追跡し、継続的改善につなげる。 |
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不適合や異常が発生した際に迷いやすい対応ポイント
不適合や異常が発生した場合には、応急対応だけでなく、原因の整理や再発防止までを見据えた対応が求められます。しかし実際には、どの段階で何を記録し、どこまで是正処置につなげるべきかについて判断に迷うケースも少なくありません。
そのため、不適合や異常対応を一連の流れとして整理し、対応内容や判断結果を適切に記録できるようにしておくことが重要になります。こうした整理を進める方法の一つとして、不適合や異常対応の考え方を帳票やルールの形でまとめた資料を参考にする方法もあります。
⑧是正措置および予防措置の記録

| 概要 | 問題を是正し、将来的な問題を予防するための活動の記録。 |
| 目的 | 問題を是正し、再発防止のための措置を文書化する。 |
| 内容 | 是正措置の計画と実施、効果の検証。 |
| 管理方法 | 実施状況と結果を定期的にレビューし、改善活動に反映する。 |
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⑨リスク評価文書

| 概要 | 組織のリスク管理プロセスと、特定されたリスクへの対応策を記述した文書。 |
| 目的 | リスクを特定、評価し、管理するためのアプローチを文書化する。 |
| 内容 | 特定されたリスク、その影響の評価、リスク対策、及びリスク管理のプロセス。 |
| 管理方法 | 特定されたリスク、その影響の評価、リスク対策、及びリスク管理のプロセス。 |
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リスク及び機会で整理するISO9001の考え方
ISO9001では、組織の目的達成に影響を与えるリスク及び機会を特定し、適切な対応を計画することが求められます。単にリスクを洗い出すだけでなく、機会も含めて整理することで、マネジメントシステムの有効性を高めることができます。日常業務と結び付けて考えることが重要です。
一方で、抽象的な議論にとどまり、具体的な対応策まで落とし込めないケースも少なくありません。そのため、評価基準や対応方法を整理したうえで運用することが重要になります。こうした整理を進める方法の一つとして、リスク及び機会の管理方法をまとめた資料を参考にする方法もあります。
⑩顧客要求関連文書
| 概要 | 顧客からの要求事項、フィードバック、苦情処理のプロセスを記述した文書。 |
| 目的 | 顧客の要求と満足度を理解し、管理するためのプロセスを記録する。 |
| 内容 | 顧客の要求仕様、注文、フィードバック及び苦情処理の手順。 |
| 管理方法 | 顧客からのフィードバックや苦情を追跡し、顧客満足度向上のための措置を文書化する。 |
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これらの文書は、組織がISO9001の要求事項に沿って効果的に運営されていることを示す証拠となります。したがって、これらの文書を正確に管理し、常に最新の状態に保つことが、審査成功の鍵となります。
規格を理解するうえで、よくある「つまずき」とは?
ISO9001やIATF16949、VDA6.3の要求事項は、条文を読むだけでは自社業務への当てはめ方が分かりにくい場面が少なくありません。理解したつもりでも、文書化や運用判断で迷いが生じることは多く、その違和感こそが改善ポイントになる場合もあります!
※ 個別ケースでの考え方整理が必要な場合は、補足的な確認も可能です。
審査当日も焦らない!効果的な文書管理方法

効果的な文書管理はISO9001審査の成功に不可欠です。以下は、文書管理のベストプラクティスに関する推奨事項です。
- 文書の整理:文書を論理的かつ一貫性のある方法で分類し、簡単に識別できる命名規則を使用します。これにより、必要な文書を迅速に見つけることができます。
- 電子的保管:紙の文書に依存するのではなく、電子的な文書管理システムを活用して文書を保管します。これにより、セキュリティが強化され、アクセスとバックアップが容易になります。
- アクセス権の管理:文書へのアクセスを適切に制御し、権限を持つ従業員のみが重要文書にアクセスできるようにします。これは、情報のセキュリティを保つために重要です。
- 定期的な更新とレビュー:文書が現在のプロセスと一致していることを確認するために、定期的に文書をレビューし、必要に応じて更新します。変更管理プロセスを確立し、文書の改訂履歴を保持することが重要です。
- トレーニングと意識向上:従業員が文書管理システムの使用方法を理解し、文書管理の重要性を認識していることを確認するために、定期的なトレーニングを提供します。
効果的な文書管理は、組織がISO9001の要求事項に準拠していることを証明し、品質マネジメントシステムの有効性を維持するための基盤となります。
これらのベストプラクティスを実践することで、文書の整理、保管、アクセス、および更新プロセスが効率化され、ISO9001審査の成功に貢献します。
ISO9001・ISO14001構築でつまずきやすい点
ISO9001やISO14001は、「何を決めるべきか」「どう見える化するか」といった判断事項が多く、構築の初期段階で迷いやすい規格です。要求事項は理解できても、実際の規定や帳票をどう整えるかで手が止まってしまうケースも少なくありません。
そのため、実務で使われている規定や帳票の考え方を参考にしながら、自社のペースで整理していくことが重要になります。
ISO9001:審査当日に見られる重要な文書類:まとめ

ISO9001審査の成功には、適切な文書管理が不可欠です。審査は、組織の品質マネジメントシステムがISO9001の要求事項を満たしているかを確認するプロセスで、品質方針やプロセスマップ、内部監査報告書、不適合報告書など、複数の重要文書が審査対象となります。
文書の整理・保管やアクセス権の管理、定期的なレビューと更新、従業員へのトレーニングを実施することで、ISO9001審査に備えることが可能です。
電子的な文書管理システムを活用することで効率的な管理ができ、組織の品質向上と審査の成功に大きく貢献します。継続的な文書管理の改善は、企業の品質マネジメントシステムを維持・強化するための重要なステップです。



















