
ISO9001:6.2項の品質目標及びそれを達成するための計画策定では、品質方針によって掲げられた内容を基に、各プロセスに対して品質目標を策定することを求めています。
今回の記事は、ISO9001:6.2項の品質目標及びそれを達成するための計画策定についての意味と構築ポイントについて解説します。

所属:QMS認証パートナー専属コンサルタント
年齢:40代
経験:製造業にて25年従事(内自動車業界15年以上)
得意:工場品質改善・プロジェクトマネジメント
目標:ちょっとの相談でも頼りにされるコンサルタント
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| 条項 | 題目 | ISO9001 | IATF |
| 第4章 | 組織の状況 | 〇 | 〇 |
| 第5章 | リーダーシップ | 〇 | 〇 |
| 第6章 | 計画 | 〇 | 〇 |
| 第7章 | 支援 | 〇 | 〇 |
| 第8章 | 運用 | 〇 | 〇 |
| 第9章 | パフォーマンス評価 | 〇 | 〇 |
| 第10章 | 改善 | 〇 | 〇 |
| 条項 | 題目 | ISO 9001 |
重要 帳票 |
IATF 16949 |
重要 帳票 |
| 6.1 6.1.1 6.1.2 |
リスク及び機会への取組み | ○ | ● | ○ | |
| 6.1.2.1 | リスク分析 | ○ | ● | ||
| 6.1.2.2 | 予防処置 | ○ | |||
| 6.1.2.3 | 緊急事態対応計画 | ○ | ● | ||
| 6.2 6.2.1 6.2.2 |
品質目標及びそれを達成するための計画策定 | ○ | ○ | ||
| 6.2.2.1 | 品質目標及びそれを達成するための計画策定-補足 | ○ | ● | ||
| 6.3 | 変更の計画 | ○ | ○ |
当サイトの情報提供スタンスについて
当サイトでは、ISO9001およびIATF16949について、規格要求の解説にとどまらず、実務でどのようにルールや記録へ落とし込むかを重視して情報を整理しています。
規格の理解とあわせて、「現状とのギャップをどう捉えるか」「どこから手を付けるべきか」といった判断に迷いやすい点を、現場目線で分かりやすく解説することを目的としています。
記事内容を自社へ当てはめる際の考え方や、判断に迷うポイントについては、別ページで整理した情報も用意しています。
この記事の目次
ISO9001:6.2項の品質目標及びそれを達成するための計画策定の意図

ISO9001:6.2項の品質目標及びそれを達成するための計画策定で大事なことは、5.2.1項の品質方針の確立で定められた枠組みを基に、品質目標を確立することです。
特に着目していただきたいのは、6.2.1項で記載されている条文の前半です。
ここでいう機能・階層とは一言でいうと「部門」「課」です。そしてプロセスといったことを考慮して品質目標の策定が必要になります。
そしてもう一つ大事なことは、品質目標を策定したらその目標に対してのPDCAサイクルを回しながらアクションを行っていくことです。
審査や顧客監査の際は、この品質目標に対してPDCAがきちんと回っているかがポイントなるので、品質目標策定及びそれを達成するためのPDCAサイクルの仕組みを構築する必要があります。
次にその構築ポイントについて解説します。
規格を理解するうえで、よくある「つまずき」とは?
ISO9001やIATF16949、VDA6.3の要求事項は、条文を読むだけでは自社業務への当てはめ方が分かりにくい場面が少なくありません。理解したつもりでも、文書化や運用判断で迷いが生じることは多く、その違和感こそが改善ポイントになる場合もあります!
※ 個別ケースでの考え方整理が必要な場合は、補足的な確認も可能です。
タートル図がポイント!
ISO9001:6.2項の品質目標及びそれを達成するための計画策定の6.2.1項では、5.2.1項の品質方針の確立で定められた枠組みをもとに、品質目標を確立すること!
この品質方針をもとに策定された各プロセスの評価指標がタートル図に書かれています。それが右下の⑦のKPI指標(評価指標)です。この内容は最低限品質目標に入れるようにしましょう!

関連要求事項:5.2.1項の品質方針の確立
それ以外に組織・部門・プロセスの中で品質目標と定めるべき内容があれば追加することが必要です。個別目標ついては年度別に発表される会社方針を基に作成すると比較的容易に作成できます。
①市場クレームに対して、再発防止対策を100%実施し、同一クレームをゼロにする
②社内不良率を前年比10%以上削減。特定不良に対して過去トラを用いた予防策を立案
③月次納期遵守率を98%以上に維持。遅延発生時は要因分析と改善報告を翌営業日までに提出
④全現場作業者に対し、年2回のQCサークル発表会参加を義務化。スキルマップ到達度90%以上
など
タートル図で整理するプロセス定義の考え方
IATF16949やISO9001では、各プロセスの目的や責任、インプット・アウトプット、指標などを明確に定義することが求められます。その整理方法の一つがタートル図(タートルチャート)です。プロセスを俯瞰して可視化できるため、役割や管理項目の抜け漏れを確認しやすくなります。
一方で、どの項目をどこまで記載すべきかで迷うケースも少なくありません。そのため、プロセス定義の視点を整理したうえでタートル図を活用することが重要になります。こうした整理を進める方法の一つとして、タートル図を用いたプロセス定義の進め方を分かりやすくまとめた資料を参考にする方法もあります。
品質目標は「顧客満足の追及」が肝

ISO9001:6.2項の品質目標及びそれを達成するための計画策定の6.2.1項に述べられている「b)測定可能である」というのは、必ずしも「数値目標」である必要はありませんが、可能な限り数値目標にすることがおすすめです。例えば、「Aライン工程内不良率0.5%以下」という目標であれば対策から有効性を数値化して監視できます。
「c)要求事項を考慮」とは、品質マネジメントシステムに関する規格や法令・規制要求事項・顧客要求事項などを考慮して品質目標を立てることを意図しています。
「d)」は、製品及びサービスを提供する顧客が満足すること=顧客満足向上を考慮した目標である必要があります。例えば、「製品販売価格UP5%」という目標だと顧客は満足しませんが、「製品価格DOWN及び利益率5%UP」であれば、顧客にもメリットが大きい目標です。
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顧客満足度を把握・活用する際に迷いやすいポイント
ISO9001やIATF16949では、顧客満足度を定期的に把握し、その結果を改善につなげていくことが求められます。一方で、どのような項目で調査を行い、得られた結果をどこまで分析・活用すべきかについて判断に迷うケースも少なくありません。
調査を実施すること自体が目的にならないよう、結果をどのように品質改善へ結び付けるかをあらかじめ整理しておくことが重要になります。こうした整理を進める方法の一つとして、顧客満足度の確認項目や結果整理の考え方を帳票やルールの形でまとめた資料を参考にする方法もあります。
品質目に対してPDCAを回す仕組み
ISO9001:6.2項の品質目標及びそれを達成するための計画策定の6.2.1項では、品質目標を策定したら必ず従業員に伝達し、理解させることを要求しています。伝達手段は口頭ではなく、文書化された手段が必要です。
一般的な方法としては以下のようなやり方です。
②従業員居室・現場に掲示
③携帯個人カード(社員証ケース内)
など
「監視方法」とは、例えば工程内不良率低減目標であれば、工程内不良率の記録をもとに毎月のデータを算出して結果を月一のマネジメントレビューなどで報告することが求められます。
g)の必要に応じて更新するというのは、二つのタイミングがあります。
1つ目は、毎年のマネジメントレビューの結果からの見直し・更新。2つ目は、目標があまりにも高すぎた場合の変更です。品質目標を策定した際に、明らかに高すぎる目標だったり、達成できないことがわかってしまったりすることはあります。その際は、必要に応じて更新することが大事です。
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品質目標は詳細計画が大事!
ISO9001:6.2項の品質目標及びそれを達成するための計画策定の6.2.2項の対応では、品質方針の枠組みを基に策定された品質方針は、あくまでも「測定可能な目標」であることを意図しています。その目標が与えられた部門・階層・プロセスは、達成に向けての詳細計画を立てる必要があります。
下記の画像のように、品質目標から詳細計画の立て方を参考に実施しましょう。また、その詳細計画書をもとにマネジメントレビューへのインプットにすることが重要です。

必要な資源と責任者に関しては、詳細計画の一部として記入します。例えば治具製作費予算:50万円(担当:田中)などの記載を行うことが重要です。また、詳細計画には実施担当を記載することはもちろん、計画遂行責任者(一般的には部門長)の方のお名前を記入しておくようにしましょう。
品質方針と目標で整理する方針管理の考え方
ISO9001やIATF16949では、品質方針を組織の方向性として明確にし、それを具体的な品質目標へ展開することが求められます。方針と目標が連動していることで、日常業務と経営方針の一貫性が保たれます。数値目標や達成状況を定期的に確認することも重要です。
一方で、方針が抽象的な表現にとどまり、目標とのつながりが不明確になるケースも少なくありません。そのため、方針から目標への展開方法を整理したうえで運用することが重要になります。こうした整理を進める方法の一つとして、品質方針と目標設定の進め方をまとめた資料を参考にする方法もあります。
ISO9001:6.2項の品質目標及びそれを達成するための計画策定はどこに記載すればいい?
ISO9001:6.2項の品質目標及びそれを達成するための計画策定は規定化されている企業もありますが、品質マニュアルの中で対応されている企業もあります。この要求事項は、文書化した情報の維持が求められているので、帳票が重要となります。
そのため、策定ルールについては、以下のように品質マニュアルに記載しておけばOKです。
②事務局より発行される品質目標を基に、各部門・階層・プロセスにおける品質目標詳細計画を策定する。
③各部門責任者は、詳細計画を策定後、経営層の承認後に目標達成に向け実施する。
④詳細計画は、各部門内で教育され、必要に応じて関連部門にも伝達しなくてはならない。
⑤品質目標に必要な資源が追加で必要な場合は、詳細計画の進捗報告会で上申しなくてはならない。
ISO9001・ISO14001構築でつまずきやすい点
ISO9001やISO14001は、「何を決めるべきか」「どう見える化するか」といった判断事項が多く、構築の初期段階で迷いやすい規格です。要求事項は理解できても、実際の規定や帳票をどう整えるかで手が止まってしまうケースも少なくありません。
そのため、実務で使われている規定や帳票の考え方を参考にしながら、自社のペースで整理していくことが重要になります。
ISO9001:6.2に関するFAQ
規格対応でよく聞かれる悩み
ISO9001やIATF16949、VDA6.3に取り組む中で、「審査対策として何を優先すべきか分からない」「要求事項に対する構築の考え方が整理できない」といった声は少なくありません。
また、社内にQMSを体系的に理解している担当者がいない場合や、外部コンサルの費用面で継続的な支援が難しいと感じるケースもあります。こうした悩みは、特定の企業に限らず、多くの現場で共通して見られるものとなっています。
品質目標は、組織の戦略目標と整合し、具体的かつ測定可能である必要があります。SMART原則(具体的、測定可能、達成可能、関連性がある、期限が明確)を用いると効果的です。たとえば、「次年度末までに顧客満足度を85%以上にする」など、具体的な指標を含めましょう。
達成計画には、必要なリソース、担当者、期限、進捗の測定方法が含まれます。さらに、リスクや機会を考慮し、必要に応じて見直しや改善を行うプロセスも盛り込むことが推奨されます。PDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを活用するのが効果的です。
進捗管理は定期的なモニタリングとレビューが重要です。例えば、月次または四半期ごとにKPIを評価し、進捗が遅れている場合は是正措置を検討します。内部監査やマネジメントレビューの際にも進捗状況を確認し、必要に応じて目標や計画を調整しましょう。
ISO9001:6.2項の品質目標及びそれを達成するための計画策定:まとめ

ISO9001:6.2項の品質目標及びそれを達成するための計画策定の規格解釈および構築ポイントは如何でしたでしょうか?品質目標の策定は、5.2.1項及び5.2.2項の品質方針の確立と伝達の要求事項と非常にリンクした要求事項です。
品質目標の枠組みはトップマネジメントが作成することが多いですが、その目標についての実行は、各部門及びプロセスです。
トップマネジメントから与えられた目標を遂行するために品質目標詳細計画を立て、月一会議や年度末に行われるマネジメントレビューなどで結果のインプットを行うようにしましょう。
これらは審査や顧客監査で確認される項目なので、しっかりPDCAを回しながら進めることがポイントです。
それではまた!











