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メールマガジンバックナンバー:第5回目コラム_改善とは何か
2024年12月16日公開
※一部の文面はリライトしています。
ISO9001、IATF16949、VDA6.3といった品質管理規格では、「継続的改善」が重要な要求事項として掲げられています。しかし、多くの企業様を監査や支援させていただく中で、「改善」と「是正」の違いを正しく理解していないケースが少なくないことに気付かされます。
この2つの概念を混同すると、厳しい審査機関では不適合と判断される可能性があるため、正確に理解し運用することが重要です。そこで今回は、「是正」と「改善」の違いを解説し、どのように取り組むべきかをお伝えします。

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まずは「是正」の理解から

「是正」とは、不適合の原因を特定し、それを除去することです。これは多くの企業様でしっかりと実施されている領域です。
例えば、製造工程内で不適合品(要求事項を満たさない製品や部品)が発生した場合、その不適合品に対して適切な処置を行います。そして、不適合が発生した原因を特定し、それを排除することで再発を防ぎます。このプロセスが「是正」と呼ばれるものです。
①工程で異物混入が発生→異物を取り除く処置を実施。
②異物混入の原因を特定→原因を排除する仕組みを導入。
このように、「是正」とは問題を解決し、同じ問題が再発しないようにするための活動です。
「改善」の意味とは?
一方で、「改善」とは、「現在の状況をさらに良くする活動」を指します。不適合の発生が前提となる是正とは異なり、現在のパフォーマンスや状態を引き上げることが目標です。
顧客満足度調査で「B判定以上を目標」とした場合、重要顧客がB判定を獲得していれば目標は達成されています。しかし、さらなる新規受注を目指してA判定に引き上げるための取り組みを行う場合、これは「改善」に該当します。
「C判定をB判定に引き上げる」→是正
「B判定をA判定に引き上げる」→改善
このように、改善は目標以上の成果を目指して行う活動です。
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是正と改善の違いを見極める事例
では、以下のようなケースではどちらに該当するでしょうか?
「不良率を10%から5%に下げる」これは状況によって是正にも改善にもなります。
- 是正の場合:
不良率10%の原因が特定可能であり、不適合の原因を排除して5%まで低下させる場合は「是正」となります。 - 改善の場合:
10%の不良率が定常的に発生しており、現状を受け入れている状態から、さらなる効率化や革新を目指して不良率を5%に下げる場合は「改善」となります。
審査での注意点と活動の進め方
「是正」と「改善」の違いを理解しないと、改善活動のつもりが是正処置の実施にとどまってしまう場合があります。審査機関はこうした混同を見逃さず、指摘を行うことがあります。
また、是正処置と改善活動では取り組み方も大きく異なります。是正は短期的な問題解決に焦点を当てますが、改善は長期的な視点での継続的な取り組みが必要です。
まとめ

ISO9001やIATF16949では、是正と改善の両方を適切に実施することが求められます。本コラムを参考にしていただき、是正と改善の違いを正しく理解し、貴社の品質マネジメントシステム(QMS)をさらに向上させる活動にお役立ていただければ幸いです。
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最終的には「自社で回せる品質マネジメントシステム」を目指して、継続的な改善・運用が可能な体制の構築を目指します!












