「VDA6.3で監査します。」そんな話を自動車産業顧客から聞いたことはありませんか?
2018年頃からIATF16949取得推進が盛んになり、日本全国でも必死になってIATF16949の構築を進めている企業様も多いはず!
そんな中更に「VDA6.3で監査します」って、マジ大変!
でも具体的にVDA6.3で監査するって言っても何を準備すれいいのかイマイチ分かりませんよね?
今回はそんな今流行りのVDA6.3についてわかりやすく解説いたします。
知識・経験を活かし、品質マネジメントシステムの規格を幅広い方々に理解いただき、各規格の普及のお手伝いができればという思いで立ち上げました!難解な内容も、知識と経験でわかりやすく解説していきますので、これからもよろしくお願いします!あくまでも個人の見解となりますので、ご理解いただき是非参考にしていただければ幸いです★
P1 | ポテンシャル分析 |
P2 | プロジェクトマネジメント |
P3 | 製品及びプロセス開発の計画 |
P4 | 製品及びプロセス開発の実施 |
P5 | サプライヤー管理 |
P6 | 生産プロセス分析 |
P7 | 顧客ケア・顧客満足度とサービス |
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目次
VDAは「ドイツ自動車工業会」が母体
VDA6.3の規格の理解の前に、まずはVDA6.3の母体について解説します。
VDAはドイツ自動車工業会:Verband der Automobilindustrieのドイツ語の頭文字の単純な略語です。
規格のイメージとしては、IATF16949の内容とほぼほぼ一緒のような規格なのですが、中身の奥深さが異なるため、IATF16949よりも更に構築が難しいと言われています。
VDA6.3の「6.3」とは何?
「VDA6.3で監査します」ということは、監査の要求事項であることはわかると思います。しかし「6.3」というのがいまいちわかりませんよね?
この「6.3」とは、VDA要求事項の一部の規格を意味し、そのなかの6.3が「プロセス監査」を意味しています。
つまり、「VDA6.3で監査します」と言われたらプロセス監査を意味すると覚えておきましょう。
VDA6.3=プロセス監査ですが、他にはどんなものがあるのか下記になります。
VDA6.3のプロセス監査の特徴
では、VDA6.3のプロセス監査の特徴はどういったところがIATF16949との違いなのか具体的に解説していきます。
プロセス監査というとIATF16949取得企業では「製造工程監査」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、VDA6.3は、「引き合いから市場アフターフォロー全て」をプロセスとして捉えています。
なので、APQPフロー全てを監査すると考えるとわかりやすいかもしれません。
①VDA6.3は専門の監査チェックシート「質問表」がある
「VDA6.3で監査します」と言われたら十中八九「質問表」といわれる監査チェックシートが渡されます。
このプロセス監査チェックシートは、58項目の質問から構成されており、製品設計/工程設計開発プロセスと量産(連続生産)プロセスの2つの段階に別れているのが特徴です。
②ポテンシャル分析(P1)とは何?
欧州自動車産業顧客とはじめての取引を開始しようとしたとき、「ポテンシャル監査」「ポテンシャル分析」という言葉を耳にしたことありませんか?
これは、初めて取引する仕入先に対して適切な技術力・品質力・リスクマネジメント力などがあるかをポテンシャル監査を通じて確認するための監査を指します。
そのポテンシャル監査の点数によって、契約を結ぶかどうかの意思決定を行うことが多いので、VDA6.3ポテンシャル監査をクリアーできないと次のステップへとは進めないことが多いです。
ポテンシャル分析の点数評価は、赤色・黄色・緑色で各要求事項を評価し、総合判定を行います。
また、ポテンシャル分析対象項目は、58項目の質問よりも少なく、36項目となっているのが特徴です。
新規仕入先と初めての契約で、注文内容を新規開発するような場合は、類似製品がVDA6.3要求を満たしているかがポテンシャル監査対象製品になるので、監査前にしっかり準備しないと100%不合格になります。
ただし!世界で1社しかないといった場合なんかは、赤点でも契約する場合がありますが、契約したあとは顧客と一緒に品質レベルアップを行っていくことになります(辛い・・・)。
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③プロセス監査は本監査とも言われる
無事にポテンシャル分析も完了し、製品設計段階・工程設計段階を通過、量産試作段階に行くと本格的な58項目全てを監査するプロセス監査へと移行します。
単純に質問表の58項目を見るのではなく、その質問に対してかなり深く突っ込む質問及び、顧客から渡されるSQM(仕入先品質マニュアル)や契約内容(要求仕様書)に対して問題なく取り組まれているかを徹底的に監査します。
特に、リスク分析についてはタートル図によるリスク分析などの考え方を徹底して監査に取り入れられているのが特徴です。
④VDA6.3監査員資格保持者が監査に来る
IATF16949では、大手企業であればSAC(IATF16949サプライヤー監査員資格)を保持していない監査員が来ることも多いのでぶっちゃけ「ゆるっとした感じ」があるかもしれませんが、VDA6.3で監査をする場合、専門の監査員が必ずきます。
つまり、VDA6.3監査員資格保持者です。
VDA6.3監査員資格は、VDA-QMC公式の監査員資格試験を合格したツワモノなので、めちゃくちゃ詳しい人が来るため、付け焼き刃の対応ではすぐに見破られるのと、かなり厳しく言われるのでしっかり準備しないといけません。
ちなみに私はVDA6.3監査員なので、監査経験が何度もあります(笑)。
⑤VDA6.3の監査員は厳しく評価してくる!
前述したように、VDA6.3で貴社を監査しに来る監査員は、十中八九VDA6.3の監査員資格保持者です。その為、厳しい研修と試験に合格したVDA-QMC認定監査員なので、厳しい評価をしてきます。
IATF16949の審査員よりもぶっちゃけ厳しいと思います。監査員試験は合格率も低いですし、問題も難しいのですし、研修も厳しいので・・・
では、どのように評価してくるのか簡単に言いうとリスクを評価されます。そのリスクの中身は3つの観点で点数をつけていくのがポイントです。
リスク項目 | 内容 |
プロセス | プロセス・プロセス段階の実行度・達成度におけるリスク |
製品 | 顧客に影響する製品リスク |
システム | 品質マネジメントシステム全体のリスク |
特にプロセスと製品リスクは、かなり厳しく見るので注意が必要です。
プロセス(P2~P7の要求)と製品固有のリスク(不良品が作られる)の悪い方が採用されるので、要求事項ができていても、製品固有のリスクがあると判断された場合、悪い方の点数が採用されます。
要求事項の理解はかなり難しいので、当サイトで販売しているVDA6.3:ノウハウ教材などをご活用いただければ幸いです。
VDA6.3とIATF16949対比させて構築するのが鍵!
VDA6.3で監査を行うとIATF16949取得メーカーでさえ監査不合格になることが山程あります。
実際に私が監査した部品メーカーもIATF16949を取得していましたが、監査で不合格を出しています。
この原因の多くは、「VDA6.3方式の監査慣れ」という点でも大きな差が出るので、社内にVDA6.3監査員資格保持者がいないと構築に結構苦労します。
そのときのコツとして、VDA6.3の質問事項(要求事項)とIATF16949の要求事項がどのようにリンクしているのかを理解することが大事です。
例えば「プロジェクト計画」と言われたらIATF16949ではどの要求事項になりますか?
関連要求事項となると8.2.3項や8.3.2.1項などが該当しますよね!
このように、IATF16949と対比させて構築させていくのがコツです。
私の作ったIATF16949とのリンク集を用いれば、VDA6.3の質問表の規格解釈が非常に楽になるので、是非参考にしていただければ幸いです。
\VDA6.3とIATF16949の対比で楽々理解/
VDA6.3をISO9001だけ取得している企業で戦えるのか?
無理です。
100%とは言えませんが、無理です。
刃が立たないほど要求事項は厳しいですし、IATF16949取得とISO9001取得では雲泥の差があるので、ISO9001しか取得していない企業は、よっぽで自動車産業顧客と密な取引をしていない限り無理なので、欧州自動車顧客向け製品とは取引しないほうがいいですね。
実際私が監査したISO9001取得企業は、きっぱり取引しませんとお断りしています。
なぜなら、量産後に品質トラブルを起こしてしまうと欧州自動車産業顧客からどえらい費用請求が来るからです(笑)。なので、仕入先様のためを思ってお断りしていますm(_ _)m。
VDA6.3の監査頻度はどれくらい?
VDA6.3の監査を無事に通過し、顧客のベンダーリストに登録され量産移行した後は、通常1年~3年以内に監査が実施されます。
その為、VDA6.3の監査に合格してもその結果の有効期限は1~3年と考えとおけばOK。ただし、証書などを顧客からもらえるわけではないので、そのあたりがIATF16949やISO9001と大きな違いとも言えます。
VDA6.3/IATF16949との違いに関するFAQ
VDA6.3のメールコンサルティングでよくある質問をFAQ形式で3つご紹介致します!もっと詳しく質問したい場合は、是非メールコンサルティングサービスをご活用くださいね!
VDA6.3は主にプロセス監査に焦点を当てており、製品実現プロセス全体のリスクを評価します。一方、IATF16949は品質マネジメントシステム全体をカバーしており、要求事項が異なります。特にVDA6.3では、APQPフロー全体や、引き合いからアフターフォローまで「注文する商品に焦点をあてて」広く監査が行われるのが特徴です。
VDA6.3監査では、プロセス監査の質問表(チェックシート)が渡されます。この質問表には58項目が含まれており、製品設計や量産プロセスについての深い質問に答える必要があります。監査前に、社内のプロセスが質問表に沿って適切に管理されているかを確認し、リスク分析やタートル図を用いた準備をすることが重要です。
特に質問内容を理解できないと対応できないので、弊社販売中の構築ノウハウ電子書籍と質問票を照らし合わせながら確認していくことがポイントです。
⇒【人気教材】VDA6.3:第4版_規格徹底解説!全プロセス完全網羅版
欧州自動車業界の顧客との取引においては、VDA6.3監査に合格することが求められる場合が多いです。特に新規取引先の場合、ポテンシャル分析による初期評価が行われ、合格しなければ次のステップに進むことは難しいです。しかし、例外として特定の理由で契約が結ばれる場合もありますが、品質向上の取り組みが求められます。
VDA6.3とは何?まとめ
VDA6.3の概要をざっくりご紹介いたしましたがいかがでしたでしょうか?
ヨーロッパのお客さんと取引をするのであれば、間違いなくVDA6.3の監査方式で監査を受けます!
VDA6.3方式の監査とIATF16949方式の監査で決定的に違うのが、プロセス(工程)管理に特化した監査が行われること。
IATF16949の品質マネジメントシステム構築はもちろんのこと、VDA6.3専門の質問表(監査チェックシート)の内容をしっかり確認し対応しないと間違いなく赤点になります!
そうならないためにも、IATF16949とVDA6.3の規格対応表(質問とIATF16949規格比較)を作成してくださいね!
私の作ったリンク集も役立つこと間違いなし!
それではまた!
【ここがポイント】
・質問票のNo.とIATFの条項No.が対比してわかる
・IATFの条文検索をする必要がなく直ぐ探せる
・各質問内容の要約がわかる
・おすすめ)VDA6.3監査をこれからの受ける企業様
・おすすめ)事務局/品質保証室の方
【ご購入について】
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・クレジットカード/銀行振込対応可能です。
・請求書/領収書発行可能です!
VDA6.3構築に大事なのが「IATFとの関連した要求の理解」を行い、社内構築・教育を進めていくのが基本。IATFをしっかり構築していれば、VDA6.3の監査を受けても不合格になることはほぼ間違いなくありません。「VDA6.3第3版とIATFとの対比表」を使えば楽々理解が可能です!