
VDA6.3という言葉は、近年自動車産業で当たり前のワードになりつつある中、欧州顧客から「VDA6.3で監査します」と伝えられた企業様も多いのではないでしょうか?
更に!「まずはポテンシャル監査なので、質問表に基づき、内部監査を実施してください。」と言われ、「ポテンシャルってなんだ?」と思ったことありませんか?
ここでポテンシャル分析・監査といきなり言われてどう対応していいのかわからず、社内で悩んで先に進めることもできていない企業様も多いハズ!
今回の記事は、このポテンシャル分析について何を行う必要があるのか、どう監査に対応すればよいのかについて解説いたします。
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P1 | ポテンシャル分析 |
P2 | プロジェクトマネジメント |
P3 | 製品及びプロセス開発の計画 |
P4 | 製品及びプロセス開発の実施 |
P5 | サプライヤー管理 |
P6 | 生産プロセス分析 |
P7 | 顧客ケア・顧客満足度とサービス |
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この記事の目次
P1:ポテンシャル分析・監査の意味
ポテンシャル=潜在能力という意味なので、その仕入先の潜在能力を調べる監査を実施するのがVDA6.3のP1:ポテンシャル分析(監査)の意味です。
仕入先を新規で取引することはやはりリスクがあります。
与信・品質能力・技術力・緊急事態対応など、様々な側面から確認をしないと、取引を開始してから問題が発覚しては遅いですよね?
特に、取引を開始したのはいいけど開発能力が低く、納品された製品が要求を満たしていないため自社製品に組み込めないなんてこともありえます。
こういったことが起きないように、「取引を開始する前に(契約を結ぶ前に)」VDA6.3質問表に基づきポテンシャル(潜在能力)監査を実施し、分析した結果で取引の判断を行うのがポテンシャル監査の意味です。
VDA6.3:ポテンシャル分析前に「質問表」が渡される
欧州顧客からポテンシャル分析を実施しますと言われたとき、十中八九「専用の質問表」を渡されたと思います。
※社内にない場合は、顧客から質問表をもらってください。
この質問表の中には35項目の質問があり、その質問内容に基づきVDA6.3のポテンシャル分析が行われます。
35項目の質問は、P2からP7の内容に別れており、それら一つずつに対して細かい質問記載されており、それに基づき監査が実施されます。
VDA6.3:ポテンシャル監査の前に「自己監査」を実施
ポテンシャル監査を実施する旨を欧州顧客から連絡があった後は、自己監査を先に実施する必要があります。
自己監査が終わったら仕入先窓口の監査員または購買担当者に結果を送付して、その後顧客よりポテンシャル監査の詳細が送られてくるはずです。
質問表に基づき監査を実施するのですが、この質問内容は非常に抽象的な質問が多いため、質問内容を理解し自己監査ができないと、顧客からのポテンシャル分析を行わても確実に不合格になります。
そのため、VDA6.3規格とIATF16949との要求事項の対比及び、VDA6.3細かい規格の勉強が必要です。
これらのまとめた構築ノウハウを販売しておりますので、それらを用いて社内構築を進めると顧客監査で何を言われているのかがスッキリ理解出来るのでおすすめです。
わかりにくい言葉や、VDA6.3独特の内容なども解説しているので、是非この機会にご検討いただければ幸いです。
ISO9001/IATF16949/VDA6.3
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VDA6.3:ポテンシャル分析は最大3日間で行われる
VDA6.3監査におけるポテンシャル分析は、最大で3日間行われます。3日目は予備日となることが多いですが、企業規模によっては3日間実施されるので、しっかり準備しておきましょう。
私がVDA6.3で仕入先を監査する場合、以下のようなスケジュールを組むことが多いです。
【1日目】
★オープニングミーティング
★与信などの質問
<主に会議室で確認>
P2:プロジェクトマネジメントの仕組み
P3・4:プロジェクト詳細計画と実施状況
P5:サプライヤー管理
P6:工程管理(工程監査・製品監査)
P7:顧客ケア(市場故障分析と緊急事態対応)
【2日目】
<全て現場で確認>
・規格に基づく工程における対応状況(製造工程監査)
・製品が持つ固有のリスク把握(製品監査)
【3日目】
★AM:全体で質問が足りなかった内容について追加確認
★PM:まとめ会議
かなりしっかり確認するのはもちろんですが、特にリスク分析がしっかり行われ対応されているか、それらが工程・仕入先まできちんと対応・展開されているかを徹底的に監査します。
IATF16949の内容をしっかり行っている企業であれば、規格の内容をきちんと理解すれば落ちることはありませんが、監査対応する人はVDA6.3の質問を理解していないと監査員の質問の意図が理解できず「品質能力なし」と判断されることもあるので注意してください。
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VDA6.3:ポテンシャル分析に来る監査員はプロ!
顧客から来社する監査員は、VDA6.3監査員資格を保持するプロが来ます。
VDA6.3監査員資格は、要求事項の完全理解を確認する筆記試験、応用力が問われる面接試験も合格したツワモノが来るので、その企業の能力を分析する能力がきちんと備わっています。
また、企業の仕入先監査員の中でもトップクラスの方が多いので、しっかりと準備しないとかなり辛い結果がでると思ったほうがいいです。
日本企業のIATF16949の監査とは比べ物にならないほど厳しい監査になる(平気で不合格になり取引不可の判定が出る)ことが多いので、監査員にきちんと説明できるようにしましょう!
特に、FMEA及びコントロールプラントとの整合やコアツールの活用は徹底的に見られます。
これらはIATF16949でも構築されていると思うので、それらの内容をしっかり説明できるようにしてください。
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ポテンシャル分析は「専門家」が出席して対応するのがコツ
VDA6.3監査員は、専門家の方が来るので、自社の対応も各部門の専門家が監査対応をするようにしてください。
事務局だけで対応していた顧客監査では対応が難しいです。
私がVDA6.3で仕入先を監査するときも必ず技術専門家や購買専門家を同席していただくようにしています。
これは、専門的な質問をしているのに事務局担当が答えられないと「不合格」に直結してしまい、後から「やっていた」」と連絡があっても現場確認で確認できなかったことから「再度監査を実施する」ことができないからです。
現場で説明できない/現場で証拠を確認できないというのは、仕組みとして「できていない」と判断するため、必ず専門家が出席するようにしましょう。
VDA6.3:ポテンシャル分析に関してのFAQ
メールコンサルティングでよくある質問をFAQ形式で3つご紹介致します!もっと詳しく質問したい場合は、是非「メールコンサルティングサービス」をご活用くださいね!どんな疑問についても丁重にお答えします!
VDA6.3ポテンシャル分析は、新規取引を開始する際に顧客から求められることが多い監査です。この監査は、仕入先の潜在能力を事前に評価し、リスクを最小限に抑えるために実施されます。取引の前に要求される場合は、基本的には実施が必要です。監査結果に基づいて、取引を進めるかどうかを判断するため、適切な準備が重要です。
ポテンシャル分析に向けた準備として、まずVDA6.3に基づいた内部監査を実施し、自己評価を行うことが求められます。監査対象となる質問表は顧客から提供されることが多く、これに基づき、プロジェクト管理、工程管理、リスク分析などの分野での準備を行います。また、技術専門家や購買専門家など、各部門の専門知識を持つ担当者を監査対応に参加させることが成功の鍵です。
VDA6.3とIATF16949は共に自動車産業における品質管理規格ですが、焦点が異なります。IATF16949は品質マネジメントシステム全体に対しての規格であり、VDA6.3は特にプロセス監査に焦点を当てた規格です。VDA6.3ではプロジェクトマネジメントや工程管理の詳細な監査が行われ、特に仕入先の能力やリスク管理が厳しく評価されます。IATF16949をしっかり実践している企業でも、VDA6.3における特定の要求事項への対応が必要となるため、違いを理解し、適切に対応することが重要です。
VDA6.3:ポテンシャル分析:まとめ
VDA6.3のポテンシャル分析の解説はいかがでしたでしょうか?
IATF16949の監査とは比較にならないほど厳しい鑑査となるのがVDA6.3監査です。そのため、準備不足が致命的になることを避けるためにも規格解釈をしっかり理解することが重要です。
はじめてVDA6.3ポテンシャル分析を受けることが決まったらまずは、IATF16949と要求事項をリンクさせって理解することが大事。
当サイトのリンク表をうまく活用して構築を目指してみましょう!
それではまた!

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