品質記録の管理は、製造業におけるISO9001などの国際品質管理基準遵守の鍵です。この記事では、品質記録の識別、収集、ファイリング、保管、維持、そして廃棄に至るまでのプロセスを解説し、品質管理システムの効率性と効果を最大化するための重要な手順を紹介します。
適切な品質記録管理は、プロセスの透明性を高め、継続的な改善を促進し、組織の信頼性を確保しますので、是非参考にしていただければ幸いです。
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この記事の目次
ISO9001のいっている「品質記録」とは何?
ISO9001における「品質記録」とは、組織が品質管理システムの要求事項を満たしていることを証明する文書の紙または電子媒体の証拠を指します。
これらの記録は、製造プロセス、品質検査、顧客満足度、是正措置など、品質に関連する活動の結果を示すものです。具体的な記録には、様々な形式があり、製造業における例を以下に示します。
製造業における品質記録の例
具体的な記録 | 内容 |
製造ロット記録 | 製造された各ロットやバッチの詳細情報。これには、製造日、使用された原材料のロット番号、製造に関わったオペレーターの情報などが含まれます。 |
検査記録及び報告書 | 製品が品質検査を通過した際の記録。検査結果、使用された検査機器、検査を行った日時や担当者の情報、製品が規定の品質基準を満たしているかどうかの証拠が含まれます。 関連記事:【ISO9001攻略】8.6:製品及びサービスのリリースの要求事項徹底解説! |
校正記録 | 測定機器や検査機器が定期的に校正されていることを示す記録。これには、校正を行った日付、校正結果、使用した基準器具の情報が含まれます。 関連記事:【ISO9001攻略】7.1.5.2:測定のトレーサビリティの要求事項徹底解説! |
顧客からのフィードバックと苦情の記録 | 顧客からのフィードバックや苦情、それに対する対応の詳細が記録されます。これにより、顧客満足度の向上や再発防止のための是正措置の追跡が可能になります。 関連記事:【ISO9001攻略】9.1.2:顧客満足の要求事項徹底解説! |
是正処置と予防処置の記録 | 発生した問題や潜在的な問題に対して行われた是正措置や予防措置の詳細。これには、問題の説明、分析結果、取られた措置、措置の効果を評価するためのフォローアップの情報が含まれます。 関連記事:【ISO9001攻略】10.2(10.2.1/10.2.2):不適合及び是正処置の要求事項徹底解説! |
製品リリース記録 | 製品が品質基準を満たしており、出荷または販売のためにリリースされたことを示す記録。この記録には、製品の識別情報、リリースの承認者、日付などが含まれます。 関連記事:【ISO9001攻略】8.6:製品及びサービスのリリースの要求事項徹底解説! |
研修記録 | 従業員の品質管理に関する研修や教育の履歴。研修を受けた従業員、研修の日付、研修内容の概要が記載されます。 関連記事:【ISO9001攻略】7.2:力量の要求事項徹底解説! |
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品質記録の保管の重要性
品質記録の適切な管理と保管は、組織が直面する様々な課題に対処する上で極めて重要です。例えば、顧客からの品質に関する苦情があった場合、品質記録を迅速に参照することで、問題の原因を特定し、是正措置を講じることが可能になります。
※これらのことを「トレーサビリティがとれている」といいます。
また、法的な要求や業界の規制に対応するためにも、品質記録は不可欠です。品質記録の存在は、組織が法的な要件を満たし、場合によっては訴訟を避けるための証拠となり得ます。
加えて、品質記録は組織内の知識共有と継続的な改善のプロセスに貢献します。過去の記録を分析することで、プロセスの改善点を見つけ、将来的な問題を防止するためのアクションを起こすことができます。
品質記録は、組織の記憶として機能し、経験と知識の蓄積を可能にするのデータとしてとても重要です!
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ISO9001/IATF16949/VDA6.3
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品質記録の管理プロセスを構築しよう!
品質記録の管理プロセスは、組織が品質管理システムの一環としてISO9001などの国際品質管理基準を満たすために必要な手順です。
各ステップは、品質記録が正確に、かつ効率的に管理され、必要な時にすぐにアクセスできるようにするための重要な役割を果たします。以下に、各ステップを詳細に解説します。
識別
- 目的:品質記録を迅速に識別し、必要な情報を容易に見つけることができるようにするため。
- 方法:記録には、一意の識別コードやラベルを割り当て、その内容、起源、責任者、保存場所などの詳細情報を含めます。これにより、検索や参照が容易になり、記録の追跡が可能になります。
収集
- 目的:必要なすべての品質記録をシステマティックに収集し、整理すること。
- 方法:収集プロセスは、製造プロセス、品質検査、顧客フィードバックなどから必要な記録を確実に捕捉し、適切なデータベースやファイルシステムに入力するための手順を確立します。収集された記録は、後のステップで効率的に管理されます。
見出し付けとファイリング
- 目的:記録を体系的に整理し、迅速なアクセスを可能にするため。
- 方法:各記録には、その内容を反映した見出しを付け、関連する情報や文書と一緒にファイリングします。デジタルシステムでは、タグやメタデータを使用して記録を分類し、検索しやすくします。
保管
- 目的:記録を安全に保管し、損傷や紛失、不正アクセスから保護すること。
- 方法:記録は、適切な環境条件(例えば、湿度と温度が制御された場所)で保管され、電子記録の場合はセキュアなサーバーまたはクラウドサービスを使用します。アクセス制御を確立し、許可された人員のみが記録にアクセスできるようにします。
維持
- 目的:記録の完全性と読み取り可能性を長期にわたって維持すること。
- 方法:紙の文書の場合は、劣化を防ぐために適切な方法で保管します。電子記録の場合は、定期的なバックアップとフォーマットの更新を通じて、技術の変化に伴う読み取り可能性の問題を防ぎます。
廃棄
- 目的:保管期間が終了した記録を安全かつ責任を持って廃棄すること。
- 方法:廃棄プロセスには、保管期間の終了を監視し、記録を安全に削除または破棄するための手順が含まれます。保管期間については必ず定めるようにしてください。
ISO9001:品質記録の保管まとめ
品質記録の管理プロセスは、組織が品質管理システムを効果的に運用し、製品やサービスの品質を維持・向上させるための重要な基盤です。
識別から収集、保管、維持、そして廃棄に至るまでの各ステップは、記録が適切に管理され、必要な時に迅速にアクセスできることを保証します。
ISO9001などの品質管理基準に準拠することで、組織はその品質目標を達成し、顧客満足度を高めることができます。
品質記録の管理は、ただの文書作業ではなく、組織の品質文化の中心的な部分であり、その成功に不可欠な要素なので、是非今回の記事を参考にしていただければ幸いです。
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