ISO/TS16949は、かつて自動車業界向けの品質管理システム規格として使用されていたもので、ISO(国際標準化機構)によって発行されました。
しかし、2016年にIATF(国際自動車タスクフォース)が独自の規格としてIATF16949を発表し、これがISO/TS16949を置き換える形になったトリガーです。
IATF16949は、ISO/TS16949の基盤を引き継ぎつつも、より具体的で厳格な要求事項を追加し、自動車業界特有の品質管理の強化を図っているのが特徴です。
今回の記事は、ISO/TS16949とIATF16949の違いをわかりやすく解説します。
知識・経験を活かし、品質マネジメントシステムの規格を幅広い方々に理解いただき、各規格の普及のお手伝いができればという思いで立ち上げました!難解な内容も、知識と経験でわかりやすく解説していきますので、これからもよろしくお願いします!あくまでも個人の見解となりますので、ご理解いただき是非参考にしていただければ幸いです★
【Ver.2-0にて大幅アップデートした内容】
①審査・監査で見られる構築学習ポイントを大量追加
②図解解説大量追加でさらにわかりやすく
③WEB記事では公開できない「極秘ノウハウ」追加
④特に質問が多い内容を詳細解説追加
⑤どんな規定・帳票が必要かを「表形式」で紹介
多くの方からご要望された内容を大量追加しているので、さらなるご満足がいただけるIATF16949:認証や維持そして、管理のための「サポート教材」となっております。
特に審査・監査で見られるポイントを大量追加しているので、認証取得・維持管理に苦労されている方にもおすすめです!
★お支払いはお振込・クレジットカード払い可能です!
★請求書・領収書発行可能です!
目次
ISO/TS16949とは何か?
まずは、ISO/TS16949について詳しく見ていきましょう。
ISO/TS 16949は、自動車業界における品質管理システムの国際規格です。自動車部品の製造や供給に関わる企業が、製品の品質を確保し、継続的な改善を促進するために策定されたものです。
この規格は、ISO 9001の品質マネジメントシステムを基盤に、自動車業界固有の要求事項を追加したものです。ISO/TS 16949は、顧客満足度の向上や不良品の削減、効率的な生産プロセスの構築を目指し、グローバルなサプライチェーン全体で広く採用されています。
関連記事
ISO/TS16949からIATF16949への変更理由
ISO/TS 16949からIATF 16949への変更の大きな理由は、自動車業界の品質管理において、より一層の信頼性と一貫性を確保するためです。
ISO/TS 16949は、ISO(国際標準化機構)によって策定されていましたが、2016年にIATF(International Automotive Task Force、国際自動車タスクフォース)が主導権を握り、IATF 16949が制定されました。
IATFは、自動車業界のグローバルなプレイヤーで構成される団体であり、業界特有のニーズや問題点に対応するために、ISO/TS 16949の規格を大幅に見直し、より厳格で現代的な要求事項を導入しました。
特に、リスクベースの思考やサプライチェーン全体の管理、製品安全の強化が追加され、これにより、自動車産業における品質保証がさらに向上しました。
IATF 16949は、自動車業界のグローバルな品質基準として、より適合した規格へと進化を遂げたのです。
IATF(International Automotive Task Force)は、自動車業界の主要な自動車メーカーや業界団体で構成されています。主に以下のような企業や団体がメンバーとして参加しています:
【自動車メーカー(OEM)】
①BMW(ドイツ)
②Daimler AG(ドイツ、メルセデス・ベンツの親会社)
③Ford Motor Company(アメリカ)
④General Motors (GM)(アメリカ)
⑤Stellantis(イタリア/アメリカ、旧フィアット・クライスラーとプジョー・シトロエンが合併)
⑥Volkswagen Group(ドイツ)
⑦Renault Group(フランス)
【自動車業界団体】
①AIAG(Automotive Industry Action Group、アメリカ)
②VDA(Verband der Automobilindustrie、ドイツ自動車工業会)
③ANFIA(Associazione Nazionale Filiera Industria Automobilistica、イタリア)
⑦SMMT(Society of Motor Manufacturers and Traders、イギリス)
関連記事
ISO/TS16949とIATF16949の違いについて
それでは、具体的にISO/TS16949とIATF16949の違いを段落ごとに分けて説明していきます。IATF16949では、ISO/TS16949に比べて要求事項が追加されています。
ISO/TS16949からIATF16949への移行に際し、いくつかの重要な要求事項が追加・強化されました。主な追加事項について見ていきましょう。
製品安全の強化
IATF16949では、自動車業界における製品安全の重要性を強調し、製品安全に関するリスク管理の要求事項が追加されました。
これには、製品設計や製造工程において安全性を考慮し、リスクアセスメントを徹底することが求められています。
関連記事
サプライチェーンの管理
サプライヤーの管理に関する要求が強化され、サプライチェーン全体の品質管理をより厳格に行うことが求められました。サプライヤーに対する監査、評価、パフォーマンスのモニタリングが義務付けられています。
関連記事
顧客固有の要求事項
IATF16949では、顧客の特定の要求事項(顧客固有要求事項)に従うことが明確に要求されています。企業は、顧客ごとの特別な要求事項を満たすためのプロセスを定め、それを管理することが求められています。
関連記事
IATF:4.3.2項の顧客固有要求事項を整理・精査し、社内に展開するために大事な「顧客固有要求事項マトリクス表」。簡単にまとめられるテクニック満載の帳票を格安でご提供いたします!作成は結構難易度高めなので、弊社サンプル帳票を基に作成されることをおすすめします!
緊急事態対応計画
予期しない事態に備えるため、企業は緊急事態対応計画を策定することが求められます。これは、災害や供給の中断が発生した場合に、迅速に対応できる体制を整えることを目的としています。
関連記事
これらの追加要求により、IATF16949は、より厳格で包括的な品質管理体制を実現し、自動車産業における信頼性の向上を図っています。
IATF:6.1.2.3項の緊急事態対応計画は構築が大変な要求事項の一つ!対応計画が不十分な場合、審査のみならず顧客監査でも不適合になることが多いです。簡単にまとめられるテクニック満載の帳票を格安でご提供いたします!
リスクベースの思考
IATF16949は、ISO/TS16949と比べて、リスクベースの思考が強調されています。
これは、企業がリスクを特定し、分析し、管理することを重視しています。リスク管理の取り組みが整っていれば、事業の持続性が向上し、企業が競争力を維持・向上させることができます。
関連記事
IATFの目玉要求事項の一つであるFMEA。コアツールであるFMEAの帳票は、AIAG準拠であることが必須。見てすぐわかる工程FMEA(PFMEA)帳票を格安でご提供致します!メールコンサルティングとの併用が人気★
サプライチェーンの強化
IATF16949では、サプライチェーン全体の品質管理がより重要視されています。これにより、自動車産業におけるサプライチェーン全体の品質向上が期待されます。企業は、サプライヤーとの連携を強化し、品質問題の未然防止に取り組むことが求められます。
そのため、サプライヤーと取引を開始する前からのステップに対する要求事項が追加されました。
関連記事
IATF:8.4.2.4.1項の第二者監査では、ISO19011に基づく監査のみならず、8.4.1.2項との整合が取れた監査を要求しています。監査員が適切に第二者監査を行った証拠となる文書が必要であり且つ、評価結果の妥当性が求められるため、IATF完全網羅版の仕入先監査シートが必須!簡単にまとめられるテクニック満載の帳票を格安でご提供いたします!
【同時購入おすすめ:必要帳票はこちら】
・【帳票】No.84241-3_仕入先自己監査シート
・【帳票】No.84241-2_第二者監査計画書
・【帳票】No.84241_工程・品質監査報告書
継続的改善
IATF16949では、継続的改善の取り組みが強化されています。企業は、品質マネジメントシステムの効果的な運用と改善に対する経営陣のコミットメントを明確にし、定期的な監査や評価を行い、改善活動を継続的に推進することが求められます。
関連記事
ISO/TS16949とIATF16949の違い:まとめ
今回の記事では、ISO/TS16949とIATF16949の違いについて詳しく解説しました。
IATF16949は、ISO/TS16949よりも要求事項が増え、リスクベースの思考やサプライチェーンの強化、継続的改善が重視されています。これにより、自動車産業における品質マネジメントシステムが一層強化され、企業が競争力を向上させることができます。
IATF16949の認証取得・維持を行っている企業様にとって、この記事がお役に立てれば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました!
IATF16949&ISO9001の構築ご支援:メールにて承ります!
A:月額20,000円のメールコンサルティングサービスには、IATF・ISO9001における品質マネジメントシステムに関する質問への回答、プロセス構築と改善のアドバイス、規格要求事項に関するご説明などが含まれます。メールでのやり取りを通じて、貴社の状況に応じた具体的なサポートを提供しいたしております。
A:基本的には月に何度でもメールで質問を送っていただいてOKです。ただし、回答には通常1〜3営業日を頂いております(多くはその日の内に回答可能です!)。やり取りの回数に制限はありませんが、1つのメールにつき明確な質問やテーマを設定していただくようお願いしております。
A:現在のサービスはメールのみの対応となっておりますが、追加料金にて電話やビデオ会議での相談も承ります。詳細については別途お問い合わせください。
※2024年現在は、メールコンサルティング以外数カ月先まで予約がいっぱいとなっております。空き次第、弊社HPでアナウンス致します。
A:はい、もちろんです。初心者の方でもわかりやすく丁寧にサポートいたします。初めての導入に必要なステップや、どのように進めていくべきかも具体的にアドバイスいたしますので、安心してご利用ください。
A:サービスの解約は、次回請求日の2週間前までにメールにてご連絡いただければ対応いたします。解約にあたって特別な手続きは必要なく、解約後は翌月から請求されません。また、一度解約しても何度でも契約できますのでご安心ください。ただし、銀行振込の場合、一度でもその月に質問されますと請求が発生しますので、あらかじめご了承ください。
『IATF 16949』はInternational Automotive Task Force(IATF)の登録商標です。当サービスはIATFの認定を受けたものではなく、独自に認証取得を支援するサービスを提供しています。
※当サービスおよび教材は、IATF16949の認証取得を支援するための情報を提供するものであり、認証取得を保証するものではありません。認証の可否は審査機関の判断によります。