ISO9001:5.3項の組織の役割・責任及び権限の要求事項は、経営者によって与えられた組織の役割に対して責任及び権限が、会社組織の中できちんと伝達され、実施されることを意味しています。今回の記事は、ISO9001:5.3項の組織の役割・責任及び権限について解説いたします。ISO9001:5.3項の組織の役割・責任...
条項 | 題目 | ISO9001 | IATF |
第4章 | 組織の状況 | 〇 | 〇 |
第5章 | リーダーシップ | 〇 | 〇 |
第6章 | 計画 | 〇 | 〇 |
第7章 | 支援 | 〇 | 〇 |
第8章 | 運用 | 〇 | 〇 |
第9章 | パフォーマンス評価 | 〇 | 〇 |
第10章 | 改善 | 〇 | 〇 |
ISO 9001の第5章「リーダーシップ」は、組織のトップマネジメントが品質マネジメントシステム(QMS)に対して取るべき責任と役割に焦点を当てています。この章は、組織のリーダーがQMSの効果を確実にし、その目的と方向性を支持し、顧客満足を向上させるためのコミットメントを示すことの重要性を強調しています。
主な内容としては、次のような項目が含まれます:
- リーダーシップとコミットメント:組織のトップマネジメントがQMSの確立、実施、維持、そして継続的改善において主導的な役割を果たす必要があることを強調します。また、顧客要求と法規制要求の満足を確保し、QMSの効果を向上させるためのリソースの提供も含まれます。
- 顧客焦点:組織が顧客要求を理解し、これを満たすこと、さらには超えることを目指すべきであることを示します。これには、顧客満足度の向上や顧客フィードバックの活用が含まれます。
- 方針:品質方針が組織の目的と文脈に合っている必要があり、品質目標とQMSの要求に適合すること。また、品質方針は定期的にレビューされ、コミュニケーションと理解のために組織全体に広められる必要があります。
- 組織の役割、責任および権限:役割と責任が明確に定義され、伝達されること。これには、QMSの効果を報告し、従業員がそのプロセスの効果に貢献するために必要な支援を受けられるようにすることも含まれます。
ISO 9001のこの章は、組織の成功がリーダーシップによって大きく左右されること、そして品質マネジメントが単なる形式的な手続きではなく、組織文化の核となるべきであることを示しています。
リーダーはQMSを通じて組織の方向性を示し、従業員を動機付け、顧客満足度を最大化するために積極的な役割を果たす必要があります。