【ISO14001攻略】6.1.1項:リスク及び機会の一般要求を徹底解説!

ISO14001の6.1.1項「リスク及び機会の一般要求」は、環境マネジメントシステム(EMS)の実効性を左右する中核部分です。環境側面や順守義務、組織の課題を踏まえ、どのようなリスクや機会に取り組むべきかを明確にすることで、組織は環境パフォーマンスの継続的改善を実現できます。しかし「どこまで分析すべきか」「文書化は必要か」など、実務上の疑問も多い項目です。

本記事では、ISO14001 6.1.1項の要求事項をわかりやすく解説し、リスク及び機会の特定から運用、審査対応までを具体例とともに紹介します。


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条項 規格題目 14001 9001
第4章 組織の状況
第5章 リーダーシップ
第6章 計画
第7章 支援
第8章 運用
第9章 パフォーマンス評価
第10章 改善
条項 題目 14001 9001
6.1.1 リスク及び機会への取組み(一般)
6.1.2 環境側面
6.1.3 順守義務
6.1.4 取組の計画策定
6.2.1 環境目標
6.2
6.2.2 環境目標を達成するための取組の計画策定
6.3

ISO14001 6.1.1項とは?リスク及び機会の一般要求の目的

ISO14001の6.1.1項「リスク及び機会の一般要求」は、環境マネジメントシステム(EMS)を構築・運用する上で中核をなす要求事項です。この項目では、組織が4.1項で特定した課題や4.2項で把握した利害関係者のニーズ及び期待を踏まえ、リスクと機会を明確に特定することが求められています。これにより、環境目標の達成を阻害する要因を防止し、改善の可能性を最大化できます。

ISO14001 6.1.1リスク及び機会は、「計画的にリスクを制御し、機会を活かす」ための出発点といえるで、しっかり構築しましょう!審査でも100%重点的に確認される内容です

ISO14001 6.1.1項の要求事項の位置づけ

6.1.1項は、6.1.2~6.1.4項の基礎となる「全体方針」を定義している条文です。ここで組織は、環境側面、順守義務、4.1・4.2項で特定した課題や要求事項を考慮しながら、対応すべきリスク及び機会を決定しなければなりません。つまり、この段階での検討が不十分だと、環境側面評価や順守義務管理、緊急事態対応など後続の要求事項すべてに影響します。ISO14001 6.1.1項は、環境マネジメント計画の「設計図」にあたる部分といえるので、きちんと構築することが求められています。

4.1・4.2項とのつながり(課題・利害関係者との関係)

ISO14001 6.1.1項の理解には、4.1項「組織の状況」4.2項「利害関係者のニーズ及び期待」の関連を把握することが不可欠です。4.1で特定した外部・内部の課題、4.2で明確にした利害関係者の要求を基礎として、組織が直面する環境リスクと成長の機会を抽出します。

たとえば、法改正リスク、顧客要求、社会的期待などがその典型です。この連携により、リスク及び機会の特定が抽象的な分析ではなく、実際の事業環境に即した具体的なEMS戦略に結びつきます。

ISO14001における「リスク及び機会」とは

ISO14001の6.1.1項では、環境マネジメントシステム(EMS)の成果を左右する要素として「リスク及び機会」という考え方を導入しています。これは単に問題を避けるための概念ではなく、組織が持続的に改善を続けるための戦略的要素です。ISO14001リスク及び機会を的確に理解することで、法規制や顧客要求に対する柔軟性が高まり、EMS全体の信頼性を向上させることができます。

「リスク」の定義と考え方

ISO14001における「リスク」とは、望ましくない影響を与える可能性を指し、組織が設定した環境目標の達成を妨げる要因を意味します。たとえば、法令違反、設備故障、気候変動による操業停止、環境汚染などが挙げられます。重要なのは、リスクを単なる“危険”として扱うのではなく、予測・評価・対策を一体化した管理プロセスとして捉えることです。ISO14001 6.1.1リスクは、予防的視点からの管理が求められ、問題発生後の対応よりも「先手管理」を重視します。

「機会」とは何を意味するのか

「機会」とは、環境マネジメントシステムを改善する可能性を持つプラス要因を意味します。たとえば、省エネ技術の導入、新素材による環境負荷の低減、リサイクル活動の強化、地域社会との協働による企業価値向上などです。リスクに比べると軽視されがちですが、機会の特定は企業の成長戦略と密接に関係します。ISO14001 6.1.1機会は、環境課題を「チャンス」として活かすための重要な視点です

リスク及び機会を特定する目的

リスク及び機会を特定する目的は、環境マネジメントシステムが「意図した成果を達成できるという確信を与える」ことにあります。ISO14001では、リスクを低減するだけでなく、機会を活かしてEMSのパフォーマンスを高めることが求められます。つまり、6.1.1項はネガティブな側面とポジティブな側面をバランスよく管理する枠組みです。組織が環境課題を正しく理解し、行動計画に落とし込むことで、継続的改善の基礎が確立されます。

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リスク及び機会の洗い出しと具体例

ISO14001 6.1.1項では、環境側面や順守義務、そして4.1・4.2項で特定した課題を踏まえたうえで、組織が取り組むべきリスク及び機会を明確にすることが求められます。これにより、環境マネジメントシステム(EMS)の有効性を高め、意図した成果を確実に達成できるようになります。以下では、実務でよく使われる洗い出しの視点と、業種別の具体例を紹介します。

環境側面・順守義務との関係

リスク及び機会の特定は、ISO14001 6.1.2「環境側面」および6.1.3「順守義務」と密接に関連しています。たとえば、「排水処理装置の老朽化」や「新しい環境法令の施行」などは、環境側面と順守義務の両面に関係します。これらの情報をもとに、リスク(法違反・汚染・操業停止など)と機会(省エネ技術導入・廃棄物削減など)を洗い出します。

重要なのは、リスクと機会を同じ視点の中で評価することです。ISO14001 6.1.1リスク及び機会は、単なる危険予測ではなく、改善へのチャンスを見出す活動として理解する必要があります。

リスク及び機会の具体例(製造・サービス別)

業種や事業内容によって、リスク及び機会の内容は異なります。以下は代表的な例です。

製造業の例

  • リスク:廃棄物管理の不備による法令違反、設備トラブルによる排出増加

  • 機会:新エネルギー導入によるコスト削減、再利用素材の活用による環境価値向上

サービス業の例

  • リスク:外注業者の環境意識不足、紙資源の過剰使用による環境負荷

  • 機会:デジタル化による廃棄物削減、環境配慮型サービスの提供

これらをISO14001リスク及び機会例として整理しておくことで、実際の審査でも明確に説明しやすくなります。

一覧表による整理と優先順位づけ

洗い出したリスク及び機会は、一覧表に整理して評価するのが効果的です。以下のように「影響度」と「発生可能性」で分類し、対応方針を設定します。

区分 内容 影響度 発生可能性 対応方針
リスク 廃棄物処理業者の不備 契約前監査を実施
機会 新素材の導入による環境負荷低減 試験導入を計画

このようなISO14001リスク及び機会一覧表を作成することで、文書化が容易になり、6.1.4「計画策定」9.3.1「マネジメントレビュー」にも活用できます。定期的に更新することで、リスク低減と改善活動が継続的に進化しますので、最低でも1回/年で更新することをおすすめします。

ISO14001 6.1.1項の実務対応方法

ISO14001 6.1.1リスク及び機会の要求事項を実務的に満たすには、明確な特定手順と文書化ルールを定め、マネジメントレビューで継続的に見直す仕組みを整えることが大切です。このプロセスは、単に審査対応のためではなく、環境マネジメントシステム(EMS)の改善活動を確実に機能させるための管理基盤になります。以下では、実務で効果的な進め方を解説します。

リスク及び機会の特定手順(入力→評価→対応)

参考)【ISO9001攻略】6.1:リスク及び機会への取組みの要求事項徹底解説!

6.1_6.1.1_6.1.2_リスクと機会への取組み

リスク及び機会の管理は、「入力→評価→対応」という流れで実施します。まず、入力として4.1項・4.2項の課題や要求事項、環境側面、順守義務を整理します。次に、リスク(不利益の要因)と機会(改善の可能性)をそれぞれ特定し、影響度と発生頻度で評価します。最後に、取り組む・取り組まないを検討後は、必要な対応策を計画し、担当者と期限を設定して管理します。

ISO14001 6.1.1リスク及び機会を明確な手順で運用することにより、抽象的な議論に終わらず、組織全体で共有・改善できる体制が築けます。

計画要否検討のポイント

リスク大×チャンス小=取り組まない
リスク大×チャンス中=取り組むか検討
・・・
リスク小×チャンス大=必ず取り組む

文書化・記録のポイント

ISO14001 6.1.1要求事項では、「文書化した情報の維持」が明記されています。つまり、リスク及び機会の特定・評価・対応に関する記録を、適切な形式で保存しておく必要があります。一般的には「環境:リスク及び機会一覧表」や「環境:リスク対応計画書」を使用し、関連部署で共有できるようにします。

審査では、これらの文書が定期的に更新されているか、6.1.2~6.1.4項の内容と整合しているかが確認されます

したがって、文書化は単なる記録ではなく、「EMSの実効性を示す証拠」として位置づけることが重要です。

マネジメントレビューへの反映方法

特定・評価されたリスク及び機会は、マネジメントレビューでの報告・評価に反映させる必要があります。ここでは、前期からのリスクの変化、対応効果、未対応項目の進捗を確認します。特に、ISO14001 6.1.1項で求められる「意図した成果の達成」や「継続的改善」に関する指標をレビューすることが重要です。

このプロセスを継続的に実施することで、EMS全体の改善サイクル(PDCA)が確立し、環境リスクへの耐性と経営の一体化が進みます。

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ISO14001:6.1.1と関連の深いISO9001の要求事項一覧

以下に、ISO14001:6.1.1「リスク及び機会の一般要求」と関連の深いISO9001の要求事項一覧をまとめました。両規格は同じ構造に基づいており、リスクベース思考を共通基盤としています。そのため、品質と環境の両マネジメントで「リスク及び機会」への取り組みを統合管理できます。

関連するISO9001要求事項 関連の内容・整合ポイント
6.1リスク及び機会への取組み 両規格で同一の考え方を採用。組織が意図した成果を達成するために、リスクを抑え、機会を活かす仕組みを計画することを要求している。
4.1組織及びその状況の理解 4.1項で特定した外部・内部の課題が、リスク及び機会の識別の出発点となる。ISO14001と構造的に連携。
4.2利害関係者のニーズ及び期待の理解 4.2項で把握した利害関係者の要求が、リスク及び機会の判断材料となる。品質・環境ともに同様の流れ。
5.1.1リーダーシップ 経営層がリスク及び機会への取組みをリーダーシップとして推進する点で共通。EMS・QMSの双方で経営責任が重視される。
9.3.1マネジメントレビュー 両規格で共通する見直しプロセス。リスク及び機会の有効性や変化をレビュー対象とし、改善につなげる。

ISO14001 6.1.1項のよくある質問(FAQ)

Q1.「リスク及び機会の定義が曖昧」と指摘されるのはなぜですか?

ISO14001 6.1.1リスク及び機会に関する最も多い指摘は、「リスク=危険」「機会=良いこと」と単純に捉えているケースです。本来の定義は、「環境マネジメントシステムの意図した成果を達成できるかに影響する要因」であり、環境側面や順守義務、利害関係者の要求事項など、組織全体の文脈を踏まえて判断する必要があります。リスクと機会は対立概念ではなく、「管理すべき影響と改善の可能性」を同時に扱うものとして理解することが重要です。

Q2.リスク評価が形骸化していると指摘されます。どのように改善できますか?

ISO14001 6.1.1項でのリスク評価が形骸化する主な原因は、「評価の目的が不明確」「数値化だけに依存」「実施後の対策が見えない」ことです。改善のポイントは次の3点です。
①評価前に「何を守り、何を改善したいか」を明確化する。
②影響度・発生頻度などの評価基準を統一する。
③評価後は、必ず具体的な改善策(例:設備更新、教育強化)を設定する。
この流れを確立すれば、リスク及び機会が日常業務に直結し、審査員からの信頼度も高まります。

Q3.審査員は「リスク及び機会」をどのように確認していますか?

審査員の方は、ISO14001 6.1.1に基づき、リスク及び機会がどのように特定され、文書化され、運用されているかを重点的に確認します。特にチェックされることが多いのは以下の3点です。
①4.1項・4.2項との関連性が説明できるか(課題・利害関係者との整合)
②リスク対応策が実際に実施されているか(記録・証拠)
③機会が環境目標や改善活動に反映されているか
つまり、審査では「仕組みの存在」よりも、「運用の一貫性」と「実効性」が評価されていると判断できます。

ISO14001_6.1.1項:リスク及び機会の一般要求まとめ

ISO14001 6.1.1項「リスク及び機会の一般要求」は、環境マネジメントシステム(EMS)の継続的改善を推進するための中核的要素です。組織は、環境側面や順守義務、外部・内部の課題を踏まえてリスクと機会を明確にし、計画的に管理することが求められます。

これにより、望ましくない影響を防止し、改善のチャンスを活かす仕組みが整います。ISO14001リスク及び機会の理解を深め、審査でも説明できる運用を確立することが、真に機能するEMS構築へと繋がります。

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