
ISO9001:6.3項の変更の計画の要求事項では、品質マネジメントシステムの変更が必要と判断したときに計画的に行うための方法についての手引きを意図しています。
今回の記事は、ISO9001:6.3項の変更の計画の要求事項の意味と構築ポイントについて解説します。

条項 | 題目 | ISO9001 | IATF16949 |
6.1 6.1.1 6.1.2 |
リスク及び機会への取組み | ○ | ○ |
6.1.2.1 | リスク分析 | ○ | |
6.1.2.2 | 予防処置 | ○ | |
6.1.2.3 | 緊急事態対応計画 | ○ | |
6.2 6.2.1 6.2.2 |
品質目標及びそれを達成するための計画策定 | ○ | ○ |
6.2.2.1 | 品質目標及びそれを達成するための計画策定-補足 | ○ | ○ |
6.3 | 変更の計画 | ○ | ○ |
目次
ISO9001:6.3項の変更の計画の要求事項の意図
ISO9001:6.3項の変更の計画の要求事項の意図は、品質マネジメントシステムの全体の大きな変更が発生する場合、計画を立て変更することを意図しています。
例えば、昨今頻繁に行われている企業買収などで他社に吸収された場合や他社を吸収合併する場合などにより、品質マネジメントシステムの範囲が変更してしまうこともあり得ます。
また、外部の市場変化によりISO9001取得企業が、自動車産業の品質マネジメントシステムであるIATF16949などを取得することにより、品質マネジメントシステムの運用が大きく変化するといったことも想定できます。
これらの変化が生じたとき、変更の計画を立て実施することを6.3項では要求しています。
特に重要なのが、「完全に整っている状態」ということが求められているため、要求事項に抜けが見つかってしまうと審査で不適合と判断される場合も多いので要注意です。
変更の計画についての構築ポイントについて次に解説します。
変更の計画は「変更トリガー」と「ゴール」のイメージが大事
品質マネジメントシステムの認証を受けた数年後、認証範囲の変更を行うことはよくあります。
例えば、適用範囲の製品群がA・Bの二つだったものがCという製品の需要拡大により、Cも適用範囲に含めたいといったことです。またその逆もあり得ます。
そういった場合、Cも適用範囲に含めるために、変更の計画は立案されるでしょう。
しかしCという製品を認証範囲に含めるための課題などを考慮しておかないと計画がうまく進まないことも考えられます。
C製品は複雑な製品且つ、職人技がないと作れないような製品(作業手順書に落とし込めないなど)となると認証範囲に含めるためのハードルは非常に高いです。
そういったことがないように、ISO9001:6.3項の変更の計画の要求事項a)では、次のように記載されています。
変更によりQMS構成要素に漏れがないように検証必須!
ISO9001:6.3項の変更の計画の要求事項には、以下のように記載されています。
変更するというのは、よいことでもあり悪いことでもあります。特に悪いことが発生する=リスクが非常に高い変更もあり得ます。
よくあるのが、品質マネジメントシステムの変更を行ったことにより、要求事項に一部対応が漏れ、それが審査によって発見される重大な不適合になるパターンです。
よういった不都合が起きないように変更が発生した際の内部監査などで、変更内容が確実にインプットされる仕組みの構築が必要不可欠です。
人・物の必要性と再構築
ISO9001:6.3項の変更の計画の要求事項には、以下のように記載されています。
d)責任及び権限の割当て又は再割当て
品質マネジメントシステムに変更が発生してしまうと、今まで使用できた資源が利用できなくなる場合もあります。
例えば、今までの従業員への新たな教育や新設備導入などもあり得ます。
また、合併などがあった場合は、責任と権限の内容が大きく変更になることも想定できます。
変更の計画を策定し変更に取り組む場合は、6.3項に基づく変更の要素に対してきちんと取り組まれたかどうかというのは重要なポイントになるので、しっかり対応するようにしましょう。
ISO9001:6.3項の変更の計画の対応はどこに記載すればいい?
ISO9001:6.3項の変更の計画の要求事項の対応は、基本的なことのみを品質マニュアルに記載することで対応可能です。
変更に必要な資源についての検討は、本マニュアルの第七章を参照する。
ISO9001:6.3項の変更の計画:まとめ
ISO9001:6.3項の変更の計画の要求事項の規格解釈及び構築ポイントは、いかがでしたか?
ISO9001認証取得企業の場合は、特に注意すべき要求事項です。
変更により「完全に整った状態」を維持できないといったこともあり得るので、要求事項などに漏れがないように変更の計画を立てて実施することが求められます。
それではまた!
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