
ISO9001:4.4.2では、プロセスの運用に関する文書化した情報をきちんと維持・管理することを要求しています。例えば、業務手順書や指示書などの重要文書類は管理された状態でなくてはなりません。また必要に応じて改訂を行いましょう!
今回の記事は、ISO9001:4.4.2の規格解釈、構築ポイントについて解説いたします。

条項 | 題目 | ISO9001 | IATF16949 |
4.1 | 組織及びその状況の理解 | ○ | ○ |
4.2 | 利害関係者のニーズ及び期待の理解 | ○ | ○ |
4.3 | 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定 | ○ | ○ |
4.3.1 | 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定-補足 | ○ | |
4.3.2 | 顧客固有要求事項 | ○ | |
4.4(4.4.1) | 品質マネジメントシステム及びそのプロセス | ○ | ○ |
4.4.1.1 | 製品及びプロセスの適合 | ○ | |
4.4.1.2 | 製品安全 | ○ | |
4.4.2 | 題目なし(文書管理要求) | ○ | ○ |
ISO9001:4.4.2の規格解釈
ISO9001:4.4.2では、品質マネジメントシステムの運用にするにあたっての文書類は、利用者にわかりやすい状態にし、きちんと管理された状態にすることを要求しています。
例えば、皆さんの会社が製造業であれば、作業手順書や工程指示書などのありませんか?
それらは製品を製造するにあたって作業者の方に確実に指示できる大事な文書であり、教育訓練等の際にも重要な書類ですよね!
これらはすべて品質マネジメントシステムを確実に運用するための「文書類」に該当し、生産するために決められたルール(手順)が書かれているため、権限者によって承認された書類になっていると思います。
また、実際に作業した結果は、工程記録などによってデータを記載する帳票なども存在すると思います。
決められたことを決められた通りに実施できた記録も保持することが大事です。
ISO9001:4.4.2では、これらの文書類の維持・管理(保持)についての要求事項となります。
維持・保持とは何?
ISO9001:4.4.2の中に「維持」「保持」の2つの重要なワードが出てきます。ISO9001の運用の際に要求事項を読むとこれらの言葉が散見されると思います。
この2つのワードは非常に重要なので、次のことを覚えておきましょう。
必要に応じて改訂し、継続的に使用可能な状態にする。
例:規定・帳票(記録用紙のフォーマット)・作業手順書など
定められた期間、内容を変更せず保管すること。
例:工程チェックリスト
この2つの意味を間違いないようにきちんと対応するようにしましょう。
必要に応じた改訂と管理
ISO9001:4.4.2には、以下のような条文が記載されています。
b)プロセスが計画通り実施されたと確信するための文書化した情報を保持する。
a)の「プロセスの運用を支援するための文書化した情報とは、例えば規定や記録を残す帳票のフォーマット、作業手順書などが挙げられます。
これらは必要に応じて改定することで、常に最新の適切な状態に管理しておくことが重要です。
b)「プロセスが計画どおり実施されたと確信するための文書化した情報」とは「記録」のことです。
品質マネジメントシステムを運用するにあたってそのプロセスきちんと遂行しているかどうかは記録に残すことが重要です。
しかし何でも記録を残すことが重要ではなく、計画通り例えば、生産計画通りに生産されたことを証拠として残すことが大事であるということ。不必要なものまで記録に残してしまうと、余計な工数がかかるので無駄です。
自社の中で何を記録として残すことが重要なのかを決めて取り組むようにしましょう。
ISO9001:4.4.2はどこに記載すればいい?
ISO9001:4.4.2は、品質マニュアルの中に条文をそのまま記載すればOKです。
この要求事項は、7.5項の文書化した情報の要求事項で合わせて確認されることがほとんどなので、管理方法は、7.5項を参照するようにしましょう。
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ISO9001:4.4.2:まとめ
ISO9001:4.4.2の規格解釈および構築ポイントは如何でしたでしょうか?
この要求事項で大事なことは、品質マネジメントシステムに関わる文書の「維持」と「保持」です。これらの文言を的確に把握し、管理することで対応可能です。
文書管理の要求事項は、7.5項で確認されることがほとんどなので合わせって確認しておきましょう。
それではまた!
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