
IATF16949を取得・維持するためには、法令や規制要求への適合が不可欠です。しかし、「どの規制が対象で、具体的に何を求められるのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。
本記事では、ISO9001の取得要件やRoHS指令、REACH規則など、自動車業界でよく耳にする重要な12の主要法令・規制をわかりやすく解説します。
サプライヤーが対応すべきポイントを押さえ、適切な管理体制を整えましょう。

QMS認証パートナー
専属コンサルタント
H.Minamino
製造業25年・自動車業界15年以上の実務経験
規格要求事項の解釈だけでなく、審査で説明できる規定づくり、現場で使える帳票、内部監査・顧客監査への対応まで、実務で迷いやすいポイントを中心に整理しています。特に多くの企業様が知りたい「審査機関・顧客はどこを見るのか」の勘所も徹底解説していますので、是非ご活用ください。
IATF16949・ISO9001・VDA6.3。初期段階の構築から認証後まですべて対応可能。
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この記事の目次
ISO 9001:2015の取得要求
自動車産業では、安全性と信頼性の高い製品を供給するため、品質管理の徹底が求められます。ISO 9001は、品質保証の基礎となる国際標準であり、すべてのサプライヤーが適用可能な基準です。これにより、製造プロセスの標準化、顧客満足の向上、継続的な改善が促進されます。
※IATF16949では、自動車部品サプライヤーに対して最低限ISO9001の取得を要求しています。
対象となるサプライヤー例
- 金属加工部品メーカー(エンジン部品、シャーシ部品)
- 樹脂成形メーカー(バンパー、ダッシュボード)
- 電子部品メーカー(センサー、制御ユニット)
IATF 16949:2016の取得要求
ISO 9001をベースに、自動車産業特有のリスク管理や欠陥予防、サプライチェーン管理を強化した規格です。自動車メーカーは、部品サプライヤーに対してこの規格の取得を求めることが一般的で、不良品の発生を最小限に抑え、生産効率を向上させることが目的です。
※IATF16949取得顧客であれば、8.4.2.3:供給者の品質マネジメントシステム開発の要求事項があるので必ず要求してきます。
対象となるサプライヤー例
- Tier 1(一次サプライヤー)メーカー(シート、内装部品)
- Tier 2(下請けサプライヤー)メーカー(ゴム部品、ワイヤーハーネス)
RoHS指令(特定有害物質の使用制限)
環境保護と人体への悪影響を防ぐため、電子・電気製品に含まれる鉛、水銀、カドミウムなどの有害物質の使用を制限する欧州の規制です。自動車部品には多くの電子機器が含まれるため、RoHSの適用が求められ、グローバル市場での競争力を維持するためにも遵守が必須です。
対象となるサプライヤー例
- 電子部品メーカー(ECU、ナビゲーションシステム)
- ワイヤーハーネスメーカー(配線、コネクタ)
- LED・照明メーカー(ヘッドライト、室内照明)
REACH規則(化学物質の登録、評価、認可、制限)
EUで流通する製品に含まれる化学物質の安全性を確保するための規制です。特に自動車の塗装やプラスチック部品に使用される化学物質の管理が厳しく、登録が必要になります。サプライヤーは、使用する化学物質が規制に適合していることを証明しなければなりません。
対象となるサプライヤー例
- 塗料・コーティングメーカー(外装塗料、腐食防止剤)
- 樹脂材料メーカー(ダッシュボード、シート素材)
- ゴム部品メーカー(タイヤ、シール材)
ELV指令(廃車に関する指令)
自動車の廃棄時の環境負荷を低減するため、特定の有害物質の使用禁止やリサイクル可能な素材の使用が求められます。特に鉛や水銀、六価クロムの使用が制限され、サプライヤーは部品の設計段階から環境負荷を考慮する必要があります。
対象となるサプライヤー例
- 金属部品メーカー(エンジン、トランスミッション)
- 樹脂成形メーカー(バンパー、インパネ)
- ガラスメーカー(ウィンドウ、ミラー)
ISO 45001:2018(労働安全衛生マネジメントシステム)
自動車業界では、組み立てや塗装、金属加工などの工程で事故や健康被害のリスクがあるため、安全な労働環境を確保するための国際規格です。特に化学薬品を扱う企業や高温・高圧の環境で作業する企業にとっては重要です。
対象となるサプライヤー例
- 塗装・コーティングメーカー(溶剤使用)
- 鋳造・鍛造メーカー(金属部品の製造)
- 組み立て工場(エアバッグ、バッテリー)
ISO/IEC 27001:2022(情報セキュリティマネジメントシステム)
近年、自動車のデジタル化が進み、ECU(電子制御ユニット)や車載ネットワーク、クラウド接続型のサービスが増加しています。そのため、サイバー攻撃や情報漏洩のリスクが高まり、サプライチェーン全体での情報セキュリティ管理が不可欠となっています。ISO 27001は、機密情報の管理、データ保護、不正アクセス防止のための国際規格です。
対象となるサプライヤー例
- 車載ソフトウェア開発企業(ADAS、ナビゲーション)
- 半導体・電子部品メーカー(ECU、センサーチップ)
- クラウドサービス提供企業(車両データ管理)
【この解釈で、審査・監査に通るのか?】
——記事を読んでも、最後に残るのはこの一問だと思います。
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TISAX(自動車業界向け情報セキュリティ評価)
TISAX(Trusted Information Security Assessment Exchange)は、欧州自動車メーカー(特にドイツの自動車メーカー)によって導入された、情報セキュリティの標準評価制度です。機密性の高い設計データやソフトウェアの管理が求められ、サプライヤーがこの認証を取得することで、自動車メーカーとの取引要件を満たすことができます。
対象となるサプライヤー例:
- 自動車メーカーと共同開発を行う企業(部品設計、試作メーカー)
- IT・ソフトウェア開発企業(車両制御システム、AI開発)
- データ管理企業(テレマティクス、ビッグデータ分析)
外部リンク:TISAX認証取得支援について
ITAR(米国国際武器取引規則)
自動車業界では、特に軍用車両や特殊技術を扱う企業が、米国の輸出規制であるITAR(International Traffic in Arms Regulations)の対象となる場合があります。ITARは、米国の国防関連技術や部品が外国へ不正に輸出されることを防ぐための規則で、これに適合しない企業は米国市場での取引が制限される可能性があります。
※特別な車両などが該当するので、あまり要求されることはない。
対象となるサプライヤー例
- 軍用車両向け部品メーカー(装甲車用エンジン、防弾ガラス)
- 高度な電子部品メーカー(軍用通信システム、レーダー部品)
- 特殊材料メーカー(高耐熱合金、炭素繊維素材)
外部リンク:ITARとは?
EAR(米国輸出管理規則)
EAR(Export Administration Regulations)は、ITARとは異なり、軍事用途だけでなく、民間向けの高度技術やデュアルユース技術(軍事と民間の両方に使用される技術)の輸出を管理する規則です。特に先進的な自動運転技術やAI関連技術を開発する企業に影響があります。
対象となるサプライヤー:
- AI・自動運転技術企業(LIDAR、AIチップ)
- 高性能バッテリー技術メーカー(EVバッテリー、燃料電池)
- 通信機器メーカー(V2X通信モジュール、5G関連部品)
外部リンク:EARとは?
日本の輸出貿易管理令
日本国内の企業が、先端技術や戦略物資を海外へ輸出する際に、輸出貿易管理令の規制を受けます。これは、日本の安全保障や国際的な軍事利用の防止を目的としており、自動車業界では特に半導体や高度な電池技術、エンジン関連技術が影響を受けます。
対象となるサプライヤー例
- 精密加工技術メーカー(ターボチャージャー、燃料噴射システム)
- 電池メーカー(リチウムイオン電池、固体電池)
- 半導体・電子機器メーカー(車載プロセッサ、通信モジュール)
外部リンク:輸出貿易管理令とは?
FMVSS(米国連邦自動車安全基準)
米国で販売される自動車や部品は、FMVSS(Federal Motor Vehicle Safety Standards)の適合が求められます。衝突安全性、ブレーキ性能、照明機器の安全性などが規制されており、これに適合しない製品は市場に投入できません。
対象となるサプライヤー例
- ブレーキシステムメーカー(ディスクブレーキ、ABSユニット)
- 照明機器メーカー(ヘッドライト、テールランプ)
- 安全装置メーカー(シートベルト、エアバッグ)
外部リンク:FMVSSとは?
IATF16949:楽々構築リスト
| 販売中:教材・サンプル | 区分 | ISO9001 | IATF16949 |
|---|---|---|---|
| 【重要】IATF16949:帳票ノウハウ集 | 帳票 | × | 〇 |
| IATF16949:規定ノウハウ集 | 規定 | × | 〇 |
| IATF16949:基礎から応用教材特集 | テキスト | × | 〇 |
| IATF16949:オンラインメール相談プラン | コンサル | × | 〇 |
まとめ
IATF16949の法令・規制要求は、自動車業界のサプライヤーが遵守すべき重要な基準です。本記事では、ISO9001の取得要件をはじめ、RoHS指令、REACH規則、ELV指令など、12の主要な法令・規制を解説しました。
各規制は品質管理や環境保護、安全基準に関わり、グローバル市場での競争力維持に不可欠です。
サプライヤーは、これらの規制を理解し、適切な対応を行うことで、ビジネスの信頼性向上と取引先の要求への適合を実現できるようになるので、是非取り組んでみましょう!
QMS認証パートナー
IATF16949・ISO9001・VDA6.3は、要求事項を理解するだけでなく、現場で説明できる仕組みにすることが重要です。判断に迷う部分は個別相談で、資料を整えたい場合は教材・サンプルをご活用ください。
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