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【IATF】6.1.2.1:リスク分析の要求事項徹底解説!

IATFの6.1.2.1項のリスク分析は、IATFを取得・運用するにあたり、超重要な要求事項です。リスクという言葉は、多くの要求事項で散見されるワードなので必ずその意味を理解し、構築することが求められます。

今回の記事は、IATF:6.1.2.1項のリスク分析について詳しく解説します。

重要:【規定】No.6121_リスク分析管理規定:IATF版はこちら


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IATF:6.1.2.1項のリスク分析の意図

組織が事業を運営するにあたり様々なリスクが存在します。

最近では、コロナウイルスによる経営難、ウクライナ危機による材料高騰などで製造業は大打撃を受けています。

それらの世界的なリスクは、6.1項におけるリスク及び機会でリスク分析が行われ行動計画を立てて実施・監視することをお伝えしました。

IATFにおけるリスク分析は更に踏み込み、自動車産業の中で製品を設計・生産するにあたり、リスク分析を要求しています。

特に代表的なリスク分析が設計FMEA(DFMEA:Design FMEA)工程FMEA(PFMEA:Process FMEA)の二つです。

IATF_6.1.2.1_リスク分析②

DFMEAおよびPFMEAはコアツールであるFMEAで詳しく解説しますので、今回は6.1.2.1のみの解説となります。

リスク分析が必要なタイミングを理解する

IATF_6.1.2.1_リスク分析③

IATFが要求しているリスク分析の手法であるFMEA(設計・工程)は、上記の六つの段階での作成または修正・追加・見直しを行われなくてはなりません。

この六つの段階できちんとFMEAに必要なことができているかが、審査や内部監査・顧客監査で確認されます。

これができていない場合は不適合になる可能性が非常に高いです。

その理由は、FMEAはリスク分析の為、その分析結果からきちんと対応されている製品が納品されていることつまり、「顧客要求を満たす製品にリスクが無い事」を保証する必要があるからです。

私自身も多くの内部監査やサプライヤー監査を実施していますが、FMEAで不適合を出すことが多いのも、製品リスクの観点を考慮しているからです。

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リスク分析の要求条項は大量にある!

IATF:6.1.2.1項では、リスク分析を行うことを要求していますが、各要求事項では具体的にリスク分析を実施することを求めています。

下記が具体的にリスク分析を行うことを要求している条項となるので、構築時の規定や作業手順書、業務フロー、タートル図作成の際にはインプット・アウトプットにFMEAを入れることを忘れないようにしましょう!

リスク分析が明言されている条項

条項 題目 書かれていること
6.1.2.1 リスク分析 各段階でのリスク分析概要
6.1.2.2 予防処置 FMEAの予防処置のこと
7.1.3.1 工場、施設及び設備の計画 フロアレイアウト変更におけるリスク分析
8.3.2.1 設計・開発の計画-補足 部門横断でのリスク分析
8.3.3.1 製品設計へのインプット フィージビリティ評価結果の考慮
8.3.3.2 製造工程設計へのインプット DFMEAの引渡
8.3.3.3 特殊特性 FMEAへの記号表記
8.3.5.1 設計・開発からのアウトプット-補足 DFMEAの実施
8.3.5.2 製造工程設計からのアウトプット PFMEAの実施
8.3.6.1 設計・開発の変更 変更規模に応じたFMEAの見直し
8.5.1.1 コントロールプラン コントロールプランへのFMEAインプット
8.5.2.1 識別及びトレーサビリティ-補足 識別及びトレーサビリティ保証は、リスク分析を実施する
8.5.5.1 サービスからの情報のフィードバック 10.2.6とリンク
8.5.6.1 変更管理-補足 変更におけるFMEAの見直し
8.7.1.4 手直し製品の管理 手直しによるリスク分析
8.7.1.5 修理製品の管理 修理によるリスク分析
10.2.3 問題解決 品質是正によるリスク分析
10.2.4 ポカヨケ ポケヨケによるリスク分析
10.2.6 顧客苦情及び市場不具合の試験・分析 クレームによるFMEAの見直し

リスク分析を各帳票のチェックポイントとする

リスク分析(FMEA)が各条項で求められているのですが、監査や審査の際にFMEAの見直しや作成が行われていないケースが散見されます。

これらがサンプリングで見つかると確実に不適合になるので、FMEAを各チェックポイントとして抜けが無いように帳票を工夫するようにしましょう。

新製品立ち上げ段階であれば、プロジェクト計画・監視帳票内にインプット・アウトプットとして明記、変更管理であれば変更帳票の中に明記することがポイントです。

これらを構築段階で考慮することで、審査や監査で指摘されることは少なくなります。

6.1.2.1リスク分析(事例)

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IATF:6.1.2.1項のリスク分析はどこに記載すればいい?

リスク分析については、品質マニュアルへは要求事項のみ記載し、関連する条項が書かれた要求事項へ飛ばせばOKです。

つまり、関連文書として規定名を記載することが求められます。

6.1.2.1項に対する品質マニュアル記載例
組織は、リスク分析を実施するためにFMEAを用いる。それらの作成・修正・追加タイミングは、下記関連規定にさだめたタイミングで実施しなくてはなならない。
【関連規定】
①プロジェクト管理規定
②変更管理規定
③クレーム管理規定
④不適合品管理規定
⑤監査管理規定

IATF:6.1.2.1に関するFAQ

IATFのメールコンサルティングでよくある質問をFAQ形式で3つご紹介致します!もっと詳しく質問したい場合は、是非メールコンサルティングサービスをご活用くださいね!

IATFにおけるリスク分析は、どのようなタイミングで実施する必要がありますか?

リスク分析は、製品の設計や製造の段階で複数のタイミングで実施されます。代表的な手法としてFMEA(設計FMEAと工程FMEA)があり、新製品立ち上げ時や設計変更時、または顧客からのフィードバックを受けた際にリスク分析を行い、必要に応じてFMEAを見直します。これにより、リスクの適切な管理と顧客要求に適合する製品の提供が可能になります。
これらのタイミングは、規定化しておくと便利なので、弊社販売中サンプル規定を是非参考にしてみてくださいね!
【規定】No.6121_リスク分析管理規定:IATF版

FMEAはどのようにリスク分析に活用されますか?

FMEA(Failure Mode and Effects Analysis)は、製品やプロセスに潜む潜在的な失敗モードを特定し、その影響や原因を分析する手法です。IATFでは、FMEAを用いて設計や工程のリスクを評価し、予防措置を講じることが求められます。DFMEA(設計FMEA)とPFMEA(工程FMEA)の両方を活用し、リスクを最小限に抑えるプロセスを構築します。
この帳票については専用の帳票が必要となります。弊社販売中のFMEA帳票を是非参考にしていただければ幸いです。
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どのようにしてIATFの監査に備えるべきですか?

IATFの監査に備えるためには、FMEAの適切な実施と定期的な見直しが不可欠です。特に、リスク分析に基づいた行動計画の立案と実行が監査の際に重要視されます。FMEAの各タイミングでの作成・修正が確実に行われていることを確認し、関連する帳票や業務フローにも反映させることがポイントです。

IATF:6.1.2.1項のリスク分析:まとめ

IATFについて考える男性

IATF:6.1.2.1項のリスク分析についての規格解釈、構築ポイントはいかがでしたでしょうか?

IATFの目玉要求事項であり、非常に難易度の高いリスク分析要求。

今回の記事では、リスク分析における概念と管理・構築においてのポイントを紹介させていただきました。

具体的には、コアツールのFMEAの章でテクニカルな部分について解説しています。

FMEAはどの審査会社、顧客監査でも厳しく確認される内容なので、各タイミングでFMEAへの遡りを忘れないようにすることがポイントです。

それではまた!

IATF16949&ISO9001の構築ご支援:メールにて承ります!

Q:メールコンサルティングサービスはどのような内容が含まれていますか?

A:月額20,000円のメールコンサルティングサービスには、IATF・ISO9001における品質マネジメントシステムに関する質問への回答、プロセス構築と改善のアドバイス、規格要求事項に関するご説明などが含まれます。メールでのやり取りを通じて、貴社の状況に応じた具体的なサポートを提供しいたしております。

Q:どのくらいの頻度でメールを送ることができますか?

A:基本的には月に何度でもメールで質問を送っていただいてOKです。ただし、回答には通常1〜3営業日を頂いております(多くはその日の内に回答可能です!)。やり取りの回数に制限はありませんが、1つのメールにつき明確な質問やテーマを設定していただくようお願いしております。

Q:メール以外の相談方法(電話やビデオ会議)は可能ですか?

A:現在のサービスはメールのみの対応となっておりますが、追加料金にて電話やビデオ会議での相談も承ります。詳細については別途お問い合わせください。
※2024年現在は、メールコンサルティング以外数カ月先まで予約がいっぱいとなっております。空き次第、弊社HPでアナウンス致します。

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『IATF 16949』はInternational Automotive Task Force(IATF)の登録商標です。当サービスはIATFの認定を受けたものではなく、独自に認証取得を支援するサービスを提供しています。
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弊社サービスについてのよくあるご質問Q&A:まとめ
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