
「不適合品の管理」。なんだか難しそうなフレーズですね。でも、ISO9001やIATF16949を取得を考えている企業にとって、この言葉は無視できません。
なぜなら、この不適合品の管理が、品質管理の要となるからです。
今回は、ISO9001・IATF16949がどのように不適合品の管理を求めているのか、その要求事項とそのNo.を説明し、不適合品が発生した場合の対応方法、そしてなぜそれが大切なのかについて詳しく解説していきます。
目次
不適合品とは何か?
まずは、基本から説明します。
不適合品とは、設計仕様や規格、法令などに適合しない製品やサービスのことを指します。
つまり、要求された条件に対して「これは違う」と判断されるものが不適合品です。
この不適合品を適切に管理することで、製品の品質を維持し、顧客満足度を高めることが可能となります。
不適合品に関連するIATF16949の要求事項
IATF16949では、不適合品の管理について以下の要求事項を設けています。
- 要求事項No.8.7.1:不適合品の制御と対応。発生した不適合品は、適切に識別し、トレーサビリティを確保すること。
- 要求事項No.8.7.1.1: 不適合品を採用する場合、顧客の許可を得る。
- 要求事項No.8.7.1.2: 不適合品処置に顧客規定があればそれに従う。
- 要求事項No.8.7.1.3:不適合品かどうかわからない場合は、不適合とする。
不適合品が発生した場合の処置・隔離方法
不適合品が発生した場合、まず「処置」が求められます。
これは、不適合品を適切に識別し、他の製品と混ざらないように隔離することを意味します。
また、不適合品の情報を正確に記録し、その状況を理解し、繰り返し発生することを防ぐことも重要です。
これにより、不適合品が顧客や他のプロセスに影響を与えるのを防ぐことができます。
不適合品が発生した後の是正処置方法
不適合品が発生した後には、問題の根本原因を特定し、再発防止のための「是正」処置を取ることが求められます。
これは、問題の再発を防ぐために、プロセスやシステムに改善をもたらす行動を意味します。
是正処置の実施は、不適合品の管理と改善の一部であり、組織の全体的な品質を向上させる役割を果たします。
不適合品とFMEA及びコントロールプランの関係
不適合品の管理は、FMEA(Failure Modes and Effects Analysis)やコントロールプランと密接に関連しています。
これらの工具は、不適合品が発生する可能性のある問題を予測し、それに対する予防策や対策を策定するのに役立ちます。
これにより、不適合品が発生した場合でも迅速かつ効率的に対応することが可能となります。
不適合品を採用する方法とその手順
稀に、特殊な状況下では不適合品を採用することもあります。その場合は、以下の手順を通じて管理します。
- 不適合品の詳細な説明とその採用理由を記録します。
- 必要な場合は、顧客や関係者に通知します。
- 採用が承認された場合、その不適合品を適切に識別し、追跡できるようにします。
ISO9001・IATF16949運用における不適合品の処置の重要性
ISO9001やIATF16949を運用するにあたり、不適合品の処置は非常に重要です。
不適合品の管理が適切でないと、製品の品質が低下し、顧客満足度が損なわれる可能性があります。また、不適合品が再発すると、企業の信頼性や評価も低下する可能性があります。
これらのリスクを回避するためにも、不適合品の適切な処置と是正は不可欠です。
また、IATF16949では、不適合品の管理が強く求められています。
これは、製品の品質を向上させ、顧客への納期を確保するための重要な要素となっています。従って、不適合品の処置と是正を適切に行うことで、組織全体のパフォーマンス向上と顧客満足度の向上に寄与します。
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まとめ
ここまで詳しく説明してきたように、不適合品の適切な管理は、IATF16949を取得する企業にとって重要なポイントとなります。
不適合品の発生は、避けられないものです。しかし、その対応方法、つまり不適合品の適切な処置と是正が、企業の品質管理の成熟度を示す指標とも言えます。
不適合品を適切に管理することで、製品の品質向上や顧客満足度の向上につながります。これは、企業の成功にとって非常に重要な要素となります。
今回の記事を通じて、不適合品の管理がどのようにIATF16949の要求事項に関連しているか、またその重要性について理解していただけたら幸いです。
是正処置と共に不適合品の管理を適切に行うことで、高品質な製品を提供し、顧客の期待を超える企業になれることでしょう。