IATF:8.7.1.5項の修理製品の管理の要求事項では、手直しプロセスを構築すると修理プロセスも構築できますが、「顧客からの正式許可をもらってからの作業」という点が大きく異なるので注意してください。
今回の記事は、IATF:8.7.1.5項の修理製品の管理の要求事項の意味と構築ポイントを解説します。
品質マネジメントシステム普及の応援が目的のサイトです!「難解な規格を簡単に解説」をモットーに、「ちょっと相談したい」ときに頼りになるコンサルタントを目指しています!まずはお気軽にご連絡ください★
・当サイトの内容は、あくまでも個人の見解です。そのため、保証するものではございません。
・各規格の原文はありません。また、規格番号や題目なども当社の解釈です。
・各規格については、規格公式サイトを必ず確認してください。
・メールコンサルティングは空きが少しあります(2024年12月現在)。この機会に「ちょっと相談」してみませんか?1週間の無料サービス期間を是非ご利用ください。
→サービスのお問い合わせはこちら
2025年:新企画始動告知!
メールコンサルティング初回契約:初月50%以上割引★
サービス詳細はこちら
・オンラインコンサル/現地コンサルの空き状況について
【現在の空き状況:2025年1月現在】
・平日:6時間以上ご利用で月1回のみ
・夜間:19:30-21:00でご相談承ります
・土日:少々空きあります
オンライン会議システムを利用したコンサル詳細はこちら
条項 | 題目 | ISO9001 | IATF |
第4章 | 組織の状況 | 〇 | 〇 |
第5章 | リーダーシップ | 〇 | 〇 |
第6章 | 計画 | 〇 | 〇 |
第7章 | 支援 | 〇 | 〇 |
第8章 | 運用 | 〇 | 〇 |
第9章 | パフォーマンス評価 | 〇 | 〇 |
第10章 | 改善 | 〇 | 〇 |
※8.5項~8.7.2項は主に、①製造プロセス②生産管理プロセス③品質管理プロセスが関係します。
条項 | 題目 | ISO9001 | IATF |
8.5 8.5.1 |
製造及びサービス提供 | 〇 | 〇注記 |
8.5.1.1 | コントロールプラン | 〇 | |
8.5.1.2 | 標準作業-作業者指示書及び目視標準 | 〇 | |
8.5.1.3 | 作業の段取り替え検証 | 〇 | |
8.5.1.4 | シャットダウン後の検証 | 〇 | |
8.5.1.5 | TPM | 〇 | |
8.5.1.6 | 生産治工具並びに製造・試験・検査の治工具及び設備の運用管理 | 〇 | |
8.5.1.7 | 生産計画 | 〇 | |
8.5.2 | 識別及びトレーサビリティ | 〇 | 〇注記 |
8.5.2.1 | 識別及びトレーサビリティ-補足 | 〇 | |
8.5.3 | 顧客又は外部提供者の所有物 | 〇 | 〇 |
8.5.4 | 保存 | 〇 | 〇 |
8.5.4.1 | 保存-補足 | 〇 | |
8.5.5 | 引き渡し後の活動 | 〇 | 〇 |
8.5.5.1 | サービスからの情報のフィードバック | 〇 | |
8.5.5.2 | 顧客とのサービス契約 | 〇 | |
8.5.6 | 変更の管理 | 〇 | 〇 |
8.5.6.1 | 変更の管理-補足 | 〇 | |
8.5.6.1.1 | 工程管理の一時的変更 | 〇 | |
8.6 | 製品及びサービスのリリース | 〇 | 〇 |
8.6.1 | 製品及びサービスのリリース-補足 | 〇 | |
8.6.2 | レイアウト検査及び機能試験 | 〇 | |
8.6.3 | 外観品目 | 〇 | |
8.6.4 | 外部から提供される製品及びサービスの検証および受入れ | 〇 | |
8.6.5 | 法令・規制への適合 | 〇 | |
8.6.6 | 合否判定基準 | 〇 | |
8.7 8.7.1 |
不適合なアウトプットの管理 | 〇 | 〇 |
8.7.1.1 | 特別採用に対する顧客の正式許可 | 〇 | |
8.7.1.2 | 不適合製品の管理-顧客規定のプロセス | 〇 | |
8.7.1.3 | 疑わしい製品の管理 | 〇 | |
8.7.1.4 | 手直し製品の管理 | 〇 | |
8.7.1.5 | 修理製品の管理 | 〇 | |
8.7.1.6 | 顧客への通知 | 〇 | |
8.7.1.7 | 不適合製品の廃棄 | 〇 | |
8.7.2 | (不適合製品関連の記録保持) | 〇 | 〇 |
【教材】 | No.1-001 | QMSノウハウ_学習教材 |
【教材】 | No.2-001 | コアツール_学習教材 |
【教材】 | No.7-001 | 内部監査概説_学習教材 |
この記事の目次
IATF:8.7.1.5項の修理製品の管理の要求事項は「手直しの管理」とまったく同じ!
IATF:8.7.1.5項の修理製品の管理の要求事項は、8.7.1.4の手直し製品の管理の要求事項とほぼ同じです。
そのため、手直し/修理プロセスはまったく同じ方法をとればOKです。
ここでポイントとなるのが「修理」「手直し」の何が違うのかを理解しておかないと、修理なのか手直しなのかの判断がつかなく、要求事項の解釈が異なってしまいます。
次にその意味の違いについて見ていきましょう。
「手直し」と「修理」何が違うの?
IATF:8.7.1.5項の修理製品の管理の要求事項の重要なポイントは、修理と手直しの意味の違いを理解することです。
手直しは部品メーカーでも多いかもしれませんが、修理は少ないでしょう。また、ユニットで納品するような組立メーカーでは、修理は行われていると思います。
そのため、手直し/修理プロセスは、IATFの要求事項に基づいて管理していないと不適合なので、ISO9001の管理レベルと大きくことなります。
ISO9001/IATF16949/VDA6.3
QMSに関するお悩みや疑問は、ぜひお気軽にご相談ください!
✔ 無料相談で解決できる事例が多数!
✔ 教材販売や継続契約の無理な営業は一切なし!
初めてのご利用でも安心サポート。ご契約後は、経験豊富な専門コンサルタントが徹底的にサポートし、課題解決をお手伝いします。疑問の解消から認証取得、さらに運用改善まで、貴社の品質管理を強力にサポートいたします!
修理を実施する場合は「顧客からの承認」必須!
IATF:8.7.1.5項の修理製品の管理の要求事項では、以下のようなことが大事です。
手直しの場合、「顧客から要求される場合」ですが、修理は実施する前に確実に顧客からの承認を得ていないと(証拠も必要)不適合になるので、注意してください。
正式許可の記録は、特別採用のプロセスと関係するので、そちらも参考にしてください。
関連要求事項
修理工程も文書化したプロセスが必要
IATF:8.7.1.5項の修理製品の管理の要求事項では、以下のようなことが大事です。
文書化したプロセスなので不適合品管理規定に修理のルールを明記し、修理プロセスを実施した記録は「修理申請書」を作成して対処すればOK。
【サンプルで楽々構築】
QMSの不適合品の管理を強化!手直し申請書と不適合品処理管理規定で、現場の問題解決をスムーズに。効率的な運用と品質向上をサポートします!
【帳票サンプル】 | No.8714_手直し申請書 |
【規定サンプル】 | No.8710_不適合品処理管理規定 |
修理/トレーサビリティ記録は保持する
IATF:8.7.1.5項の修理製品の管理の要求事項では、以下のようなことが大事です。
上記一連の内容をまとめ「修理申請書」を作成することで対応可能です。これは手直し申請書とまったく同じ帳票で対応可能ですが、修理申請書と分けて利用した方がいいでしょう。
②修理申請書としての帳票を一つ
※ニコイチにすると管理が大変!
組織によっては「修理禁止」としているので、修理の要求事項は該当せず、修理を伴う場合は廃棄にしているメーカーさんも多々あります。
そのため申請書は二つに分けておくと便利なので、手直し→修理に変更して二つの帳票を準備するようにしてくださいね!
IATF:8.7.1.5に関するFAQ
メールコンサルティングでよくある質問をFAQ形式で3つご紹介致します!もっと詳しく質問したい場合は、是非「メールコンサルティングサービス」をご活用くださいね!どんな疑問についても丁重にお答えします!
手直しは、完成品に対する軽微な修正や調整を指し、例えばラベルの貼り直しなどが該当します。一方、修理は、完成品の部品交換や再組み立てが必要な場合を指し、例としては外観の傷を修正するためにケースを交換することなどが挙げられます。
はい、修理を実施する前に、必ず顧客から正式な承認を得る必要があります。この承認プロセスは文書化され、顧客からの特別採用許可が必須です。これらは顧客から渡される顧客固有要求事項(SQM:CSRsともいう)に記載されていることが多いので必ず修理前に確認してください。
組織によっては修理を禁止し、修理を伴う製品は廃棄とする場合があります。そのため、手直し申請書と修理申請書を分けて管理することを推奨します。これは管理の透明性と効率を向上させるためなので、組織の状況によって検討してください。ただし、修理申請書を準備しない場合は、不適合品処理管理規定などにその理由は必ず明記してください。
IATF:8.7.1.5項の修理製品の管理:まとめ
IATF:8.7.1.5項の修理製品の管理の要求事項はいかがでしたでしょうか?
本要求事項のポイントは、手直しプロセスを構築すると修理プロセスも構築できますが、「顧客からの正式許可をもらってからの作業」という点が大きく異なるので注意することが重要です。
手直しは多くの企業で実施していますが、修理を行う企業はユニット製品として自動車産業顧客に納品している場合がほとんどです。
部品メーカーであれば修理禁止とし「廃棄」とした方が確実なので、その点を考慮してプロセスを構築してみてくださいね!
それではまた!
メールにて有料サポート、簡易コンサルを行うプランです。現地コンサルタントのような顔を突き合わせてのコンサルティングがなく、Emailで24時間好きな時間に質問できるのが特徴です。また、リアルタイムでの対応が無い分、一般的なコンサルタントへ依頼するより 1/100以下のコストで済むという特徴があります。1週間の無料お試し期間がございますので、十分ご納得いただいてからのご利用が可能です!
【サポート内容】
要求事項規格解釈相談OK/品質マニュアルの作成アドバイス/規定の作成アドバイス/帳票の作成アドバイス/運用/構築アドバイス/審査アドバイス/社内認証プロジェクトの進め方アドバイス/社内教育アドバイス内部監査/第二者監査アドバイス/その他気になることなんでもOKです。
ISO9001・IATF16949・VDA6.3対応の教材や規定・帳票サンプルで、規格の理解と実践力を効率的に強化しませんか?わかりやすい解説と具体例を豊富に盛り込んだ教材で、複雑な規格もスムーズに学習・習得可能です。さらに、経験豊富な専門コンサルタントによる「メールコンサルティング」で、認証取得・運用・維持管理の課題を徹底サポート!遠隔対応だからこそ、迅速かつ柔軟に対応できます。初めての導入から継続的改善まで、貴社の品質向上を力強くバックアップいたします。