ISO9001:8.3.6項の設計開発の変更では、変更プロセスを構築し、変更のリスク分析を行うことで製品・サービスに対する確実な保証ができるQMSの構築を要求しています。
今回の記事は、ISO9001:8.3.6項の設計開発の変更についての意味と構築ポイントについて解説します。
知識・経験を活かし、品質マネジメントシステムの規格を幅広い方々に理解いただき、各規格の普及のお手伝いができればという思いで立ち上げました!難解な内容も、知識と経験でわかりやすく解説していきますので、これからもよろしくお願いします!あくまでも個人の見解となりますので、ご理解いただき是非参考にしていただければ幸いです★
条項 | 題目 | ISO9001 | IATF |
第4章 | 組織の状況 | 〇 | 〇 |
第5章 | リーダーシップ | 〇 | 〇 |
第6章 | 計画 | 〇 | 〇 |
第7章 | 支援 | 〇 | 〇 |
第8章 | 運用 | 〇 | 〇 |
第9章 | パフォーマンス評価 | 〇 | 〇 |
第10章 | 改善 | 〇 | 〇 |
※8.1項~8.3.6.1項は主に、①営業プロセス②製品設計プロセス③工程設計プロセスが関係します。
条項 | 題目 | ISO9001 | IATF |
8.1 | 運用の計画及び管理 | 〇 | 〇 |
8.1.1 | 運用の計画及び管理-補足 | 〇 | |
8.1.2 | 機密保持 | 〇 | |
8.2.1 | 顧客とのコミュニケーション | 〇 | 〇 |
8.2.1.1 | 顧客とのコミュニケーション-補足 | 〇 | |
8.2.2 | 製品及びサービスに関する要求事項の明確化 | 〇 | 〇 |
8.2.2.1 | 製品及びサービスに関する要求事項の明確化-補足 | 〇 | |
8.2.3.1 | 製品及びサービスに関する要求事項のレビュー | 〇 | 〇 |
8.2.3.1.1 | 製品及びサービスに関する要求事項のレビュー補足 | 〇 | |
8.2.3.1.2 | 顧客指定の特殊特性 | 〇 | |
8.2.3.1.3 | 組織の製造フィージビリティ | 〇 | |
8.2.3.2 | 題目無(レビュー結果の保持ルール) | 〇 | 〇 |
8.2.4 | 製品及びサービスに関する要求事項の変更 | 〇 | 〇 |
8.3.1 | 製品及びサービスの設計・開発 | 〇 | 〇 |
8.3.1.1 | 製品及びサービスの設計・開発-補足 | 〇 | |
8.3.2 | 設計・開発の計画 | 〇 | 〇 |
8.3.2.1 | 設計・開発の計画-補足 | 〇 | |
8.3.2.2 | 製品設計の技能 | 〇 | |
8.3.2.3 | 組込みソフトウェアを持つ製品の開発 | 〇 | |
8.3.3 | 設計・開発へのインプット | 〇 | 〇 |
8.3.3.1 | 製品設計へのインプット | 〇 | |
8.3.3.2 | 製造工程設計へのインプット | 〇 | |
8.3.3.3 | 特殊特性 | 〇 | |
8.3.4 | 設計・開発の管理 | 〇 | 〇 |
8.3.4.1 | 監視 | 〇 | |
8.3.4.2 | 設計・開発の妥当性確認 | 〇 | |
8.3.4.3 | 試作プログラム | 〇 | |
8.3.4.4. | 製品承認プロセス | 〇 | |
8.3.5 | 設計・開発からのアウトプット | 〇 | 〇 |
8.3.5.1 | 設計・開発からのアウトプット-補足 | 〇 | |
8.3.5.2 | 製造工程設計からのアウトプット | 〇 | |
8.3.6 | 設計・開発の変更 | 〇 | 〇 |
8.3.6.1 | 設計・開発の変更-補足 | 〇 |
目次
ISO9001:8.3.6項の設計開発の変更の意図
ISO9001:8.3.6項の設計開発の変更の意図は、設計変更のリスクを分析し、その変更をきちんと識別(履歴込み)管理することで、製品・サービスを提供する顧客に影響を与えないことを保証することを確実にするための要求事項ととらえることができます。
ISO9001を取得していない企業を監査する機会が多いのですが、ISO9001を取得し、維持・管理している企業と比較すると、明確に品質的リスクが高いと判断できるのがこの「変更管理」です。
変更を改善ととらえる企業も多いと思うのですが、変更とはリスクを伴うものであり、管理されていない状態での変更は、悪影響を及ぼす可能性があるため、ISO9001では変更についての管理を強く要求しています。
次に、ISO9001:8.3.6項の設計開発の変更の要求事項について詳しく見ていきましょう。
設計開発の変更は検証が重要!
ISO9001:8.3.6項の設計開発の変更の要求事項は、以下のようなことが大事です。
d)悪影響を防止するための処置
この内容は、「変更してよい」と単純にとらえられがちですが、それでは監査・審査は通りません。
要求事項への対応は、以下の内容を含んでいます。
最低限下記を計画・準備・評価する仕組みを、変更管理規定や設計業務規定などを作成しリスク検証することが求められます。
設計開発の変更評価 | 内容 |
設計担当者の明確化 | 誰がいつまでに実施するのか |
変更に関するリスク検証 | 変更の妥当性確認(試作・信頼性試験など)によるリスク分析 |
リリース後の影響評価 | 顧客製品との組付け・顧客要求などを評価する |
評価記録の保持 | 実施した検証結果を保持し、変更後にも確認できるようにする |
これらをまとめるうえで役立つのが、変更申請書などの変更プロセス管理帳票です。
また、変更を実施する前に、変更計画段階で設計部長や品質保証部門長などから承認を得る仕組み作りも重要です。
【帳票のポイント】
・変更のリスク分析プロセスがわかる!
・変更承認プロセス完全対応(PPAP記入欄あり)
・変更の事例付き!
※ISO9001・IATF両方対応可能です!
⇒IATF版:変更管理規定はこちら
【ご購入について】
・お買い物カゴに入れて簡単決済!
・クレジットカード/銀行振込対応可能です。
・請求書/領収書発行可能です!
品質マネジメントシステムにおける重要要求事項である変更管理。多くの企業が審査や監査で指摘される要求事項の一つです。変更管理規定のルール化はもちろん、変更マネジメントで欠かせないのが変更申請書です。ISO9001及びIATFの変更管理全てに対応して変更申請書を格安でご提供します!
変更のリリースは承認が必要
ISO9001:8.3.6項の設計開発の変更の要求事項は、以下のようなことが大事です。
c)変更の許可
「レビューの結果」が求められているので、変更申請書にリスク分析・検証の結果を添付し、関係部門のチェックを行ってもらうなどが必要です。
必要に応じでDR:デザインレビューを含めた変更審議会を開催することが求められます。
会議が必要か否かの判断は、変更の程度(大なり小なり)で決定してもOKです。
また、変更の許可というのは、変更承認いわゆるリリース承認(例えば、変更を実施して量産してよいなど)が必要です。
この承認権限は、設計部長や品質保証部長などの役職者が適当ですが、ISO9001:5.3項の組織の役割・責任及び権限の職位分掌表などで承認の権限が記載されていることが必要です。
ISO9001:8.3.6項の設計開発の変更はどこに記載すればいい?
ISO9001:8.3.6項の設計開発の変更は、ISO9001:8.5.6項の変更管理と強い関係があります。
それぞれに対して変更プロセスを構築するのではなく、二つを含めた変更プロセスを構築することが求められます。
よって、変更管理規定を作成し、変更ルールを明確にするとともに変更申請書を作成し、変更の計画からリリース(承認込み)における文書化したプロセスと記録の保持を行うことで、本要求事項は対応可能です。
ISO9001:8.3.6に関するFAQ
ISO9001のメールコンサルティングでよくある質問をFAQ形式で3つご紹介致します!もっと詳しく質問したい場合は、是非メールコンサルティングサービスをご活用くださいね!
製品やサービスの設計段階で顧客要求、法規制、または技術的な要件が変更された場合、設計変更が必要です。また、市場のフィードバックや内部監査での不具合が原因で設計の改善が求められるケースもあります。
変更は、製品品質や顧客満足度への影響を総合的に評価する必要があります。影響範囲には、材料、工程、法規制の適合性、コスト、納期が含まれます。リスク分析(FMEAなど)を用いると効果的です。
すべての変更は、適切な文書に記録し、関係部門と顧客の承認が必要な場合はその確認を得ます。さらに、変更後の製品やプロセスの追跡可能性を確保するために、バージョン管理と変更履歴の保存が求められます。
ISO9001:8.3.6項の設計開発の変更:まとめ
ISO9001:8.3.6項の設計開発の変更の要求事項における規格解釈はいかがでしたか?
「変更すること=改善されてよいこと」というのはナンセンスであり、変更におけるリスクを検証し、許可の立場にある方が承認した上でリリースすることが重要です。
また、文書化した情報例えば、図面・仕様書なども必要に応じて変更し、変更履歴を残すことが求められます。
当サイトでは、変更プロセス構築に重要な「変更申請書」を格安で販売しておりますので、是非この機会にご購入いただき、貴社内で活用いただければ幸いです。
エクセルで作成していますので、貴社内で自由にカスタマイズしていただける事例付きの帳票となっております!
それではまた!
【Ver.2-0にて大幅アップデートした内容】
①審査・監査で見られるポイントを大量追加
②図解解説を大量追加
③WEB記事では公開できない「極秘ノウハウ」追加
④コンサルティングで特に質問が多い内容を詳細解説追加
⑤どんな規定・帳票が必要かを「表形式」で紹介
約2年ぶりの大幅改定となる電子書籍:第2版のリリースが完了いたしました!コンサルティング業務の中で、多くのお客様からご要望された内容を大量追加しているので、さらなるご満足がいただける電子書籍@PDF版となっております。
特に審査・監査で見られるポイントを大量追加しているので、認証取得・維持管理に苦労されているお客様にも大変おすすめです!割引価格となっておりますので、ご検討いただければ幸いです!
★お支払いはお振込・クレジットカード払い可能です!
★請求書・領収書発行可能です!
弊社では、ISO9001・IATF・VDA6.3の導入支援、運用改善、QMSの認証取得のサポートを提供しています。さらに、業界特有のニーズに応じたカスタマイズコンサルティングも可能です。コンサルティングのご依頼は、下記のフォームよりご連絡ください。
⇒無料相談ご依頼フォームはこちら
料金はコンサルティングの範囲や企業の規模によって異なります。短期的なアドバイスから長期的なプロジェクト支援まで幅広く対応しており、初回の無料相談で見積もりをご案内いたします。一般的なプランについては、下記のリンクをご確認ください。
⇒現地コンサルティング費用について
⇒メールコンサルティング費用について
弊社では、ISO9001・IATF認証及びVDA6,3構築に向けたギャップ分析、文書化支援、内部監査の実施、マネジメントレビューのサポートと認証機関手続き支援など、全プロセスをサポートします。お客様の状況に応じた個別対応も可能です。
2024年現在では以下のようになっています。
1位:【人気教材】IATF/ISO9001_全章対応_構築ノウハウ解説
2位:【まとめ買い】IATF用:内部監査必須帳票6点セット
3位:【IATF/ISO9001】オンライン簡易コンサル
4位:【人気教材】VDA6.3:第4版_規格徹底解説!全プロセス完全網羅版
5位:【規定】No.7151_計測機器・試験所管理規定:IATF版
弊社でご提供している帳票や規定類は、基本的には汎用性の高いものですので、貴社内のニーズに合わせてカスタマイズしていただくことが前提です。メールコンサルティングを併用していただきながら、弊社サポートのうえでカスタマイズされるお客様も多くなっております。
決済購入後、デジタルコンテンツはダウンロード形式でご提供いたしております。すぐに使用可能な状態で、PDFやExcel、Word形式など、お客様のニーズが最も多いファイル形式となっております。デジタルコンテンツの性質上、事前お振込または、クレジットカード払いが基本となりますが、ご要望に応じて柔軟に対応させていただきます。
⇒お問い合わせページはこちら
はい。ただし、QMS認証後は一度契約は打ち切りとなり、その後はサポート契約となります。QMSの運用を継続的にサポートするための定期的なコンサルティングサービスとなり、直近の事例として、月次または四半期ごとのレビューや改善提案、内部監査の実施など、長期的なサポートプランもご利用いただいております。サポートの場合は、メールコンサルティングがお得です。
⇒メールコンサルティングサービスはこちら
弊社のデジタルコンテンツは、法規制や要求事項の変更に対応するために定期的に更新しています。また、よりお客様のご希望に沿うために不定期で更新しております。既にご購入いただいたお客様には、更新版のコンテンツを割引価格でご提供できる場合もございますので、お気軽にお問い合わせください。
⇒お問い合わせはこちら