【ISO9001攻略】8.3.5:設計開発からのアウトプットの要求事項徹底解説!

ISO9001:8.3.5項「設計・開発からのアウトプット」では、設計・開発のインプット要求を確実に満たし、後工程(製造・検証・サービス提供など)に正確かつ適切な情報を引き渡すことを求めています。これは、設計段階での不備や伝達ミスによる品質問題を未然に防ぐための重要な要求事項です。

本記事では、ISO9001:8.3.5項「設計・開発からのアウトプット」の要求事項の意味をわかりやすく整理し、実務でどのように設計アウトプットを管理・構築すべきか、そのポイントについて解説します。


この記事を書いた人

品質マネジメントシステム普及の応援が目的のサイトです!「難解な規格を簡単に解説」をモットーに、「ちょっと相談したい」ときに頼りになるコンサルタントを目指しています!まずはお気軽にご連絡ください★

ご利用方法・告知・注意点などはこちら

「無料で学ぶ」「有料で実践する」——皆様の目的に合わせて活用可能です!

QMS・品質管理・製造ノウハウを無料で学びたい方へ
👉 本サイトQMS学習支援サイト」を活用しましょう!「QMSについて知りたい」「品質管理の基礎を学びたい」方に最適!
✔ IATF 16949やISO 9001・VDA6.3の基礎を学ぶ
✔ 品質管理や製造ノウハウを無料で読む
✔ 実務に役立つ情報を定期的にチェック

実践的なツールやサポートが欲しい方へ
👉 姉妹サイトQMS認証パートナーでは、実務で使える有料のサポートサービスを提供!「すぐに使える資料が欲しい」「専門家のサポートが必要」な方に最適!
✔ コンサルティングで具体的な課題を解決
✔ すぐに使える帳票や規定のサンプルを購入
✔ より実践的な学習教材でスキルアップ

皆様の目的に合わせて活用可能です!

・当サイトの内容は、あくまでもコンサルタントとして経験による見解です。そのため、保証するものではございません。
・各規格の原文はありません。また、規格番号や題目なども当社の解釈です。
・各規格については、規格公式サイトを必ず確認してください。
・メールコンサルティングは空きあります(2025年9月現在)。この機会に「ちょっと相談」してみませんか?1質問の無料サービス期間を是非ご利用ください。
サービスのお問い合わせはこちら

2025年:新企画始動告知!
メールコンサルティング初回契約:初月50%以上割引
サービス詳細はこちら

・オンラインコンサル/現地コンサルの空き状況について

【現在の空き状況:2025年9月現在】
・平日:6時間以上ご利用で月1回のみ空きあり
・夜間:19:30-21:00でご相談承ります
・土日:少々空きあります
オンライン会議システムを利用したコンサル詳細はこちら

第8章:運用についての「要求事項リスト」
ISO・IATF 8章
※IATF運用には、ISO9001の要求事項の運用が必須です。
条項 題目 ISO9001 IATF
第4章 組織の状況
第5章 リーダーシップ
第6章 計画
第7章 支援
第8章 運用
第9章 パフォーマンス評価
第10章 改善

※8.1項~8.3.6.1項は主に、①営業プロセス②製品設計プロセス③工程設計プロセスが関係します。

条項 題目 ISO
9001
重要
帳票
IATF
16949
重要
帳票
8.1 運用の計画及び管理
8.1.1 運用の計画及び管理-補足
8.1.2 機密保持
8.2.1 顧客とのコミュニケーション
8.2.1.1 顧客とのコミュニケーション-補足
8.2.2 製品及びサービスに関する要求事項の明確化
8.2.2.1 製品及びサービスに関する要求事項の明確化-補足
8.2.3.1 製品及びサービスに関する要求事項のレビュー
8.2.3.1.1 製品及びサービスに関する要求事項のレビュー補足
8.2.3.1.2 顧客指定の特殊特性
8.2.3.1.3 組織の製造フィージビリティ
8.2.3.2 題目無(レビュー結果の保持ルール)
8.2.4 製品及びサービスに関する要求事項の変更
8.3.1 製品及びサービスの設計・開発
8.3.1.1 製品及びサービスの設計・開発-補足
8.3.2 設計・開発の計画
8.3.2.1 設計・開発の計画-補足
8.3.2.2 製品設計の技能
8.3.2.3 組込みソフトウェアを持つ製品の開発
8.3.3 設計・開発へのインプット
8.3.3.1 製品設計へのインプット
8.3.3.2 製造工程設計へのインプット
8.3.3.3 特殊特性
8.3.4 設計・開発の管理
8.3.4.1 監視
8.3.4.2 設計・開発の妥当性確認
8.3.4.3 試作プログラム
8.3.4.4. 製品承認プロセス
8.3.5 設計・開発からのアウトプット
8.3.5.1 設計・開発からのアウトプット-補足
8.3.5.2 製造工程設計からのアウトプット
8.3.6 設計・開発の変更
8.3.6.1 設計・開発の変更-補足
ISO9001/IATF16949を徹底支援!
商品・サービスを利用して楽々構築

・規格の理解:ノウハウ教材
・構築の支援:帳票/規定サンプル
・運用のコツ:有料版記事
・相談したい:メール/オンラインコンサル
・現地で相談:コンサルティングサービス

ISO9001/IATF16949の構築・運用のコツは「規格の理解」と「ルールと記録の構築」の2つがカギ!現在とのギャップを埋める教材とサンプルを利用しつつ、相談しながら低コストで対応可能なノウハウをご提供いたします!
【QMSおすすめ商品】

👑 教材No. タイトル:詳細はこちら
1 No.1-001 IATF16949+ISO9001学習支援教材
2 No.2-001 コアツール学習支援教材(IATF)
3 No.3-001 ISO9001学習支援教材

○:お振込・クレジットカード払いが可能です。
○:請求書・領収書の発行は簡単ダウンロード!
→インボイス制度に基づく適格請求書発行事業者の登録番号も記載しています。
○:お得なキャンペーン情報などは本記事トップをご確認ください。

ISO9001:8.3.5項「設計・開発からのアウトプット」を理解するにはタートル図が不可欠

【ISO9001攻略】8.3.5:設計開発からのアウトプットの要求事項徹底解説!

ISO9001:8.3.5項「設計・開発からのアウトプット」を正しく理解するためには、タートル図(タートルチャート)の作成が欠かせません。タートル図における「インプット(③)」に基づいて設計開発の活動(①)を実施し、その結果として得られる成果物が「アウトプット(⑥)」にあたります。

このアウトプットこそが、ISO9001:8.3.5項で求められている要求事項の核心部分です。つまり、設計開発の成果が後工程(製造・検査・サービス提供など)に適切に引き渡され、次のプロセスで有効に活用できる状態にあることが求められています。

次に、ISO9001:8.3.5項「設計・開発からのアウトプット」で示されている具体的な要求内容をひとつずつ見ていきましょう。

プロセス定義用教材のご紹介

帳票名 タートル図(タートルチャート)
納品形式 ダウンロード
ファイル形式 Excel:貴社にて自由にカスタマイズ可能です
特徴 IATF16949/ISO9001運用で超重要
プロセス定義の効率化を徹底サポート!タートル図単品または
タートル図を含むプロセス定義用帳票3点セットで、明確なプロセス構築と品質マネジメントシステムの強化を実現。
詳細 商品詳細はこちら
帳票まとめ買い No.5-105_プロセス定義用帳票3点セット

a)設計・開発へのインプット要求を確実に満たす

ISO9001:8.3.5項「設計・開発からのアウトプット」では、ISO9001:8.3.3項「設計・開発へのインプット」で定義された要求事項を確実に満たすことが求められています。つまり、設計段階で与えられた条件(法令・機能要求・性能・安全性・適合性など)を、検証および妥当性確認の結果として満たしていることを示す必要があります。

この要求の意図は、設計開発の成果物が「意図した目的を果たすか」「顧客や規格要求を確実に反映しているか」を明確にすることです。したがって、設計アウトプットは必ずインプットとの対応関係が確認できるよう、設計記録やレビュー結果などの文書化された情報として残すことが重要です。

b)後工程に対して適切なアウトプットを提供する

【ISO9001攻略】8.3.5:設計開発からのアウトプットの要求事項徹底解説!

ISO9001:8.3.5項「設計・開発からのアウトプット」では、設計結果が後工程(購買プロセス・製造工程設計プロセスなど)に適切に引き渡されることが求められています。設計段階で不備や曖昧な情報が残ったまま次の工程へ移行すると、製造現場でのトラブルや品質不良、手戻りといったリスクを引き起こします

特に、課題や懸念点が残っているにもかかわらず、デザインレビュー(DR)で承認して後工程へ引き渡すような運用は避けなければなりません。これは顧客に影響を与えるだけでなく、後工程に大きな負担をかける結果となります。

後工程との関係を明確にするためには、プロセスマップ(ISO9001:4.4.1項)を参照し、設計プロセスとその後のプロセスのつながりを整理しておくことが効果的です。これにより、情報伝達の抜け漏れを防ぎ、スムーズな工程移行が可能になります。

c)検査に必要な基準を明確にする

【ISO9001攻略】8.3.5:設計開発からのアウトプットの要求事項徹底解説!

ISO9001:8.3.5項「設計・開発からのアウトプット」では、量産やサービス提供の段階で適切な合否判定が行えるよう、検査に必要な基準や条件を明確にすることが求められています。設計開発の段階で判定基準が曖昧なままでは、後工程で不良や判断ミスが発生しやすくなります。

たとえば、製品寸法の設計において公差が設定されていなければ、量産後に検査担当者がどの値を基準に合否を判断すべきか迷ってしまいます。こうした事態を防ぐために、寸法・性能・外観・機能などの検査基準を明文化し、検査方法や使用する測定器も明確にした状態でアウトプットすることが重要です。

このように、検査に必要な基準を設計段階で整備しておくことで、量産移行後の品質の安定と検査効率の向上していくことに期待できます。

QMS認証パートナー:メール相談サービス①

QMS認証パートナーの人気サービスのご紹介
📩 QMSメール相談サービス
サービスの詳細はこちら

ISO9001・IATF16949・VDA6.3に関するちょっとした疑問や不安。「誰かに聞けたらすぐ解決するのに…」と感じたことはありませんか?
そんな現場の声に応える「質問1回から使える専門相談サービス」です。
面談不要、メールだけで完結。
初回は無料で1回質問OKなので安心
月額プラン(サブスク形式)なら何度でも安心相談!
→審査直前の駆け込み対応や、日々の運用相談もまとめてサポートいたします。

d)製品の「意図した目的」を明確にする

ISO9001:8.3.5項「設計・開発からのアウトプット」では、設計・開発した製品がどのような目的で使用されるのか、その「意図した目的」を明確にすることが求められています。これは、製品の使用条件を明確にすることで、誤使用や想定外のトラブルを防止し、顧客満足を確実にするための要求です。

具体的には、顧客と取り交わす納入仕様書や取扱説明書などに、「冷却を目的とする」「加熱用」「使用温度範囲」「使用電圧」「湿度条件」などの情報を明記します。これにより、製品の性能が発揮される範囲や、使用上の制約を正確に伝えることができます。

このように、設計段階で製品の「意図した目的」を定義し、後工程(製造・品質保証・顧客対応など)へ確実にアウトプットすることが、品質保証を行う上でとても重要です。

e)設計・開発のアウトプット結果は必ず文書化し、保持する

ISO9001:8.3.5項「設計・開発からのアウトプット」では、設計結果を文書化し、記録として保持することが求められています。後工程に対して口頭や断片的な説明で情報を伝達すると、誤解や認識のズレが生じ、重大な不具合や品質問題につながるリスクがあります。

そのため、設計・開発のアウトプットは必ず正式な文書として引き渡すことが必要です。代表的な文書としては、設計図面、技術要求書、仕様書、基礎検証記録、設計レビュー記録などが挙げられます。これらは後工程が設計意図を正確に理解し、要求通りに製造・検証を行うための重要な情報源なので、必ず保管してください。

また、これらの文書は変更や改訂が発生した際にも追跡できるよう、版数管理(改訂履歴の保持)を徹底することが望まれます。これにより、設計内容の正確性と一貫性を長期的に保証できることに期待できます。

ISO9001:8.3.5項「設計・開発からのアウトプット」はどこに記載すればよい?

ISO9001:8.3.5項「設計・開発からのアウトプット」への対応は、プロジェクト管理規定の中に、製品設計開発における「インプット」と「アウトプット」の関係を明確に定義することで担保できます。設計プロセスのどの段階で、どの情報が次工程へ引き渡されるのかを文書化しておくことが重要です。

また、このインプット・アウトプットの対応関係は、タートル図(タートルチャート)で示すことも有効です。プロジェクト管理規定の中に「製品設計プロセスは、タートル図に基づきインプットおよびアウトプットを管理する」といった一文を記載しておくことで、文書構成を簡潔に保ちながら、プロセスアプローチの要求にも適合できます。

このように、プロジェクト管理規定とタートル図を連携させることで、設計アウトプットの妥当性と引き渡しの確実性を一体的に管理することが可能になります

ISO9001の社内システムを「サンプル」を利用して構築しませんか?

規定・帳票などゼロから作成のムダをカット。
品質マニュアル/規定//監査チェックリストなど、審査対応に必要な「使えるサンプル」をご提供いたします。
サンプルを社内ルールに合わせた微調整だけで、1か月後に運用を開始できるところまで到達することも可能です。
まずはメールで現状をお聞かせください!無料で貴社に適したサンプルのご紹介も可能です。

ISO9001:8.3.5に関するFAQ

設計・開発からのアウトプットとは何を指しますか?

設計・開発のアウトプットとは、製品やサービスの仕様書、作業指示書、図面、製造手順書など、次のプロセスに必要な情報を指します。具体的には、製品の品質要件を満たし、顧客のニーズに合致することが求められます。

アウトプットの管理に必要な要件は何ですか?

アウトプットは、使用前に検証され、設計目標と整合する必要があります。これには、性能・安全性・法令遵守が含まれ、また顧客の合意を得る場合も重要です。さらに、実行可能で分かりやすい形式で提供されることが求められます。

設計・開発のアウトプットが不十分な場合のリスクは何ですか?

アウトプットが不十分だと、製品の不良やプロセスのエラー、顧客満足度の低下を招くリスクがあります。また、再設計が必要になる場合、コストや納期の遅延につながります。品質マネジメントでは、リスク軽減のためのアウトプットの十分な評価が不可欠です。

ISO9001:8.3.5項の設計開発からのアウトプット:まとめ

ISO9001:8.3.5項の設計開発からのアウトプット④

ISO9001:8.3.5項「設計・開発からのアウトプット」の要求事項では、設計・開発プロセスで得られた成果物(アウトプット)を、次の工程に正確かつ適切に引き渡すことが求められています。この要求は、設計段階でのインプット要求を満たすだけでなく、後工程がスムーズに作業を進められるようにするための重要なポイントです。

また、本要求事項はデザインレビュー(DR)と密接に関連しており、プロジェクト全体を俯瞰して管理するためには、製品設計プロセスのタートル図の作成が不可欠です。これにより、設計プロセスの流れと責任を明確にし、変更や問題発生時の対応も容易になります。

当サイトでは、設計・開発段階の進捗や課題を一元的に管理できる「プロジェクト計画書」や「プロジェクト管理表」も販売しております。実務に合わせて簡単にカスタマイズできる便利なツールですので、ぜひこの機会にご活用ください。

新感覚のメールコンサルティングサービス
IATF16949・ISO9001・VDA6.3に特化したメールコンサルティング
【このサービスが人気の理由】
①:本当に必要な部分だけを相談できるから、コスパが抜群
②:難しい要求事項も、実際の現場に合わせたわかりやすい説明がもらえるから
③:初めてでも安心!専門用語をかみ砕いた、丁寧なサポートが受けられるから

【サービスの特徴】
品質マネジメントの悩みは、お気軽にご相談ください。IATF16949・ISO9001・VDA6.3に精通した専門家が、メールで丁寧にお応えします。「これって聞いていいのかな?」という疑問も、まずは1回お試しください。初回は無料。1質問から気軽に使えるから、コンサル契約前の“確認用”としても最適です。
お客様からいただいたお声はこちら

相談内容:3つの約束
IATF16949・ISO9001・VDA6.3に関する疑問や実務の悩みに対応しています。
要求事項の意味を分かりやすく解説し、現場での実践につながるポイントまで丁寧にお伝えします。
審査対応や文書作成、FMEA・CPの見直し、品質目標やKPI設定など、幅広いテーマに対応可能です。
「この質問はしていいのかな?」と悩む前に、まずはお気軽にご相談ください!
お問い合わせページはこちら

品質マネジメントシステム構築・学習支援

QMS認証パートナーでは、ISO9001・IATF16949・VDA6.3など専門的なコンサルティングサービス並びに、学習支援などを行っております。オンラインやデジタルコンテンツの強みを活かした新しいサービスを提供いたします。
無料で学習可能:QMS学習支援サイト(本サイト)
有料で構築支援:QMS認証パートナー

コンサルティングサービス

現地コンサルティング
課題解決No.1

現場課題を徹底支援!直接訪問コンサルで認証取得徹底支援(好評に付き新規停止中)

学習支援

構築ノウハウ教材
社内構築に最適
転職のメリットを考える
IATF16949構築
コアツール構築
VDA6.3構築
ISO9001構築

帳票サンプル
最重要ポイントがわかる!
IT系を学ぶ
IATF16949対応帳票
コアツール対応帳票
まとめ買い:学習帳票
ISO9001帳票

規定サンプル
ルール構築が楽々♪
面接対策
IATF16949対応規定単品
まとめ買い:学習規定