ISO9001:8.3.4項の設計開発の管理の意味は、設計開発段階の詳細プロセスの管理に関する要求です。プロジェクト計画で定めた達成すべき目標に対しての結果の管理・対応を行いましょう。
今回の記事は、ISO9001:8.3.4項の設計開発の管理の意味と構築ポイントを解説します。
品質マネジメントシステム普及の応援が目的のサイトです!「難解な規格を簡単に解説」をモットーに、「ちょっと相談したい」ときに頼りになるコンサルタントを目指しています!まずはお気軽にご連絡ください★
・当サイトの内容は、あくまでも個人の見解です。そのため、保証するものではございません。
・各規格の原文はありません。また、規格番号や題目なども当社の解釈です。
・各規格については、規格公式サイトを必ず確認してください。
・メールコンサルティングは空きが少しあります(2024年12月現在)。この機会に「ちょっと相談」してみませんか?1週間の無料サービス期間を是非ご利用ください。
→サービスのお問い合わせはこちら
2025年:新企画始動告知!
メールコンサルティング初回契約:初月50%以上割引★
サービス詳細はこちら
・オンラインコンサル/現地コンサルの空き状況について
【現在の空き状況:2025年1月現在】
・平日:6時間以上ご利用で月1回のみ
・夜間:19:30-21:00でご相談承ります
・土日:少々空きあります
オンライン会議システムを利用したコンサル詳細はこちら
条項 | 題目 | ISO9001 | IATF |
第4章 | 組織の状況 | 〇 | 〇 |
第5章 | リーダーシップ | 〇 | 〇 |
第6章 | 計画 | 〇 | 〇 |
第7章 | 支援 | 〇 | 〇 |
第8章 | 運用 | 〇 | 〇 |
第9章 | パフォーマンス評価 | 〇 | 〇 |
第10章 | 改善 | 〇 | 〇 |
※8.1項~8.3.6.1項は主に、①営業プロセス②製品設計プロセス③工程設計プロセスが関係します。
条項 | 題目 | ISO9001 | IATF |
8.1 | 運用の計画及び管理 | 〇 | 〇 |
8.1.1 | 運用の計画及び管理-補足 | 〇 | |
8.1.2 | 機密保持 | 〇 | |
8.2.1 | 顧客とのコミュニケーション | 〇 | 〇 |
8.2.1.1 | 顧客とのコミュニケーション-補足 | 〇 | |
8.2.2 | 製品及びサービスに関する要求事項の明確化 | 〇 | 〇 |
8.2.2.1 | 製品及びサービスに関する要求事項の明確化-補足 | 〇 | |
8.2.3.1 | 製品及びサービスに関する要求事項のレビュー | 〇 | 〇 |
8.2.3.1.1 | 製品及びサービスに関する要求事項のレビュー補足 | 〇 | |
8.2.3.1.2 | 顧客指定の特殊特性 | 〇 | |
8.2.3.1.3 | 組織の製造フィージビリティ | 〇 | |
8.2.3.2 | 題目無(レビュー結果の保持ルール) | 〇 | 〇 |
8.2.4 | 製品及びサービスに関する要求事項の変更 | 〇 | 〇 |
8.3.1 | 製品及びサービスの設計・開発 | 〇 | 〇 |
8.3.1.1 | 製品及びサービスの設計・開発-補足 | 〇 | |
8.3.2 | 設計・開発の計画 | 〇 | 〇 |
8.3.2.1 | 設計・開発の計画-補足 | 〇 | |
8.3.2.2 | 製品設計の技能 | 〇 | |
8.3.2.3 | 組込みソフトウェアを持つ製品の開発 | 〇 | |
8.3.3 | 設計・開発へのインプット | 〇 | 〇 |
8.3.3.1 | 製品設計へのインプット | 〇 | |
8.3.3.2 | 製造工程設計へのインプット | 〇 | |
8.3.3.3 | 特殊特性 | 〇 | |
8.3.4 | 設計・開発の管理 | 〇 | 〇 |
8.3.4.1 | 監視 | 〇 | |
8.3.4.2 | 設計・開発の妥当性確認 | 〇 | |
8.3.4.3 | 試作プログラム | 〇 | |
8.3.4.4. | 製品承認プロセス | 〇 | |
8.3.5 | 設計・開発からのアウトプット | 〇 | 〇 |
8.3.5.1 | 設計・開発からのアウトプット-補足 | 〇 | |
8.3.5.2 | 製造工程設計からのアウトプット | 〇 | |
8.3.6 | 設計・開発の変更 | 〇 | 〇 |
8.3.6.1 | 設計・開発の変更-補足 | 〇 |
【教材】 | No.1-001 | QMSノウハウ_学習教材 |
【教材】 | No.2-001 | コアツール_学習教材 |
【教材】 | No.7-001 | 内部監査概説_学習教材 |
この記事の目次
ISO9001:8.3.4項の設計開発の管理の意図
ISO9001:8.3.4項の設計開発の管理の要求事項の意図は、プロジェクト計画(ISO9001:8.3.2項の設計開発の計画)による細かな計画例えば製造業の場合、検証内容や信頼性試験計画などの詳細計画についての管理を行うことを意図しています。
それらを管理することで、DR(デザインレビュー)の中できちんとレビューすれば本要求事項の妥当性を主張することができるので、是非実施してください。
次に要求事項の内容と構築ポイントについて見ていきましょう。
a)目標を定める
ISO9001:8.3.4項の設計開発の管理の要求事項では、以下のようなことが大事です。
DRを開催する際に、インプット内容が正しく達成できているかは移行判断基準になります。
そのため、製品目標・製造目標の二つの観点から目標値の設定が不可欠です。
主な目標例
目標項目 | 内容例 |
要求仕様値 | 性能・スペックをマージン込みで達成できていること。 |
信頼性試験目標 | 例えば、-40℃から100℃のドリフト試験を10サイクル行って性能を満たすことなど。 |
コスト目標 | 利益率〇〇%以上など。 |
製造目標 | 工程能力・生産タクトなど。 |
これの例を基に、自社が求める管理項目を決め、目標を満たしている証拠となる文書・データを準備しましょう。
b)レビュー=DRの実施
ISO9001:8.3.4項の設計開発の管理の要求事項では、以下のようなことが大事です。
これはDRの実施が要求です!
DRを実施するために必要なインプット・アウトプットを明確にし、それらが確実にDRにインプットされることが重要です。
特に、信頼性に関わる内容をしっかりインプットすることで有効なDRを行うことに着目し、自社の基準や該当する規格に合わせてインプットしてください。
【帳票:教材】 | No.441-1_タートル図 |
c)検証活動を効果的に行う
ISO9001:8.3.4項の設計開発の管理の要求事項では、以下のようなことが大事です。
この検証活動とは、「客観的証拠を提示できることで要求事項を満たすことを証明する」ことを意味します。
つまり、要求事項を満たすことができるデータ取得活動を言うので、量産試作・信頼性試験などを行うことがそれらに該当します。
その際は、客観的証拠が必要になるのでデータを残すようにしましょう。
d)顧客との検証活動も必要に応じて行う
ISO9001:8.3.4項の設計開発の管理の要求事項では、以下のようなことが大事です。
様々な信頼性試験はもとより、必要に応じて顧客へサンプルを提供して検証を行う場合もあり得ます。
一般的にTP(Test-Production)、PP(Pre-Production:量産試作)、MP(Mass Production:量産)など様々なフェーズで顧客へサンプルを提出することがあるので、それらのタイミングは妥当性活動の一部といえます。
e)問題が起きたら処置をとる
ISO9001:8.3.4項の設計開発の管理の要求事項では、以下のようなことが大事です。
検証活動や妥当確認活動中には、様々な問題に出くわします。
例えば「信頼性試験結果が思うような値が得られない」、「量産試作を行ったが生産タクトが予定より悪い」など十分起き得ます。
それらの問題は量産前に解決させないと量産後つまり、顧客に出荷されたあと容易に改善することは難しいです。
そのため、発見した問題は計画を立てて取り組む必要があります。
ISO9001/IATF16949/VDA6.3
QMSに関するお悩みや疑問は、ぜひお気軽にご相談ください!
✔ 無料相談で解決できる事例が多数!
✔ 教材販売や継続契約の無理な営業は一切なし!
初めてのご利用でも安心サポート。ご契約後は、経験豊富な専門コンサルタントが徹底的にサポートし、課題解決をお手伝いします。疑問の解消から認証取得、さらに運用改善まで、貴社の品質管理を強力にサポートいたします!
f)これらの活動についての文書化した情報を保持する。
ISO9001:8.3.4項の設計開発の管理の要求事項では、以下のようなことが大事です。
これらは、DR開催における各節目での議事録や検証活動・妥当性確認活動、それらに問題があれば対処した記録などを文書化した情報として保持する必要があります。
これらの記録は、審査や監査で必ず確認されるので準備してください。
ISO9001:8.3.4項の設計開発の管理はどこに記載すればいい?
ISO9001:8.3.4項の設計開発の管理の内容は、基本的な管理内容をプロジェクト管理規定に記載し、細かい内容は製品設計業務規定を作成し社内ルールの統一化が必要になります。
②どのような技術ルールに基づくのか
③設計開発の結果つまり、アウトプットは何か
上記3つは最低限必要になるので、ISO9001構築段階でしっかり作成するようにしてください。
ISO9001:8.3.4に関するFAQ
メールコンサルティングでよくある質問をFAQ形式で3つご紹介致します!もっと詳しく質問したい場合は、是非「メールコンサルティングサービス」をご活用くださいね!どんな疑問についても丁重にお答えします!
設計・開発の各段階での管理には、進捗のレビュー、検証(仕様通りの結果か)、および妥当性確認(顧客ニーズを満たすか)が含まれます。また、各段階での承認や問題の是正措置の記録も求められます。これにより、製品やサービスの品質を確保します。
設計アウトプットには、製品仕様や作業手順書などが含まれ、製品やサービスが要求通りであることを保証する必要があります。さらに、納品後の問題回避のために検査基準も含めることが必要です。
設計変更は、影響の評価と記録を含む正式なプロセスで管理されている必要があります。変更の結果が品質、納期、コストに与える影響を評価し、関係者へ速やかに通知することが求められます。
ISO9001:8.3.4項の設計開発の管理:まとめ
ISO9001:8.3.4項の設計開発の管理の要求事項における規格解釈はいかがでしたでしょうか?
設計開発を行う企業(主に製造業)では当たり前のことかもしれませんが、特に抜けが無いよう要求しているのが本条項です。
DR(デザインレビュー)の概念がない企業にとってはかなり構築が大変だと思うので、下記のプロジェクト管理帳票をうまく活用し、自社に合った形にカスタマイズすることをおすすめします。
忘れがちな法令・規制要求事項などは特に注意しましょう!
それではまた!
メールにて有料サポート、簡易コンサルを行うプランです。現地コンサルタントのような顔を突き合わせてのコンサルティングがなく、Emailで24時間好きな時間に質問できるのが特徴です。また、リアルタイムでの対応が無い分、一般的なコンサルタントへ依頼するより 1/100以下のコストで済むという特徴があります。1週間の無料お試し期間がございますので、十分ご納得いただいてからのご利用が可能です!
【サポート内容】
要求事項規格解釈相談OK/品質マニュアルの作成アドバイス/規定の作成アドバイス/帳票の作成アドバイス/運用/構築アドバイス/審査アドバイス/社内認証プロジェクトの進め方アドバイス/社内教育アドバイス内部監査/第二者監査アドバイス/その他気になることなんでもOKです。
ISO9001・IATF16949・VDA6.3対応の教材や規定・帳票サンプルで、規格の理解と実践力を効率的に強化しませんか?わかりやすい解説と具体例を豊富に盛り込んだ教材で、複雑な規格もスムーズに学習・習得可能です。さらに、経験豊富な専門コンサルタントによる「メールコンサルティング」で、認証取得・運用・維持管理の課題を徹底サポート!遠隔対応だからこそ、迅速かつ柔軟に対応できます。初めての導入から継続的改善まで、貴社の品質向上を力強くバックアップいたします。