【ISO9001攻略】8.3.3:設計開発へのインプットの要求事項徹底解説!

ISO9001:8.3.3項「設計・開発へのインプット」では、設計開発を行うために必要な情報を漏れなく収集し、顧客要求を確実に満たす製品およびサービスを実現することを目的としています。

インプットとは、設計・開発活動を進めるうえでの「出発点」となる重要な情報です。顧客要求、法令・規制、過去の設計実績、製造上の制約条件など、必要な情報を正確に整理し、次工程で活用できる形にすることが求められます。

今回の記事では、ISO9001:8.3.3項の設計開発へのインプットの意味と構築のポイントについて、実務で役立つ観点からわかりやすく解説します。


この記事を書いた人

品質マネジメントシステム普及の応援が目的のサイトです!「難解な規格を簡単に解説」をモットーに、「ちょっと相談したい」ときに頼りになるコンサルタントを目指しています!まずはお気軽にご連絡ください★

ご利用方法・告知・注意点などはこちら

「無料で学ぶ」「有料で実践する」——皆様の目的に合わせて活用可能です!

QMS・品質管理・製造ノウハウを無料で学びたい方へ
👉 本サイトQMS学習支援サイト」を活用しましょう!「QMSについて知りたい」「品質管理の基礎を学びたい」方に最適!
✔ IATF 16949やISO 9001・VDA6.3の基礎を学ぶ
✔ 品質管理や製造ノウハウを無料で読む
✔ 実務に役立つ情報を定期的にチェック

実践的なツールやサポートが欲しい方へ
👉 姉妹サイトQMS認証パートナーでは、実務で使える有料のサポートサービスを提供!「すぐに使える資料が欲しい」「専門家のサポートが必要」な方に最適!
✔ コンサルティングで具体的な課題を解決
✔ すぐに使える帳票や規定のサンプルを購入
✔ より実践的な学習教材でスキルアップ

皆様の目的に合わせて活用可能です!

・当サイトの内容は、あくまでもコンサルタントとして経験による見解です。そのため、保証するものではございません。
・各規格の原文はありません。また、規格番号や題目なども当社の解釈です。
・各規格については、規格公式サイトを必ず確認してください。
・メールコンサルティングは空きあります(2025年9月現在)。この機会に「ちょっと相談」してみませんか?1質問の無料サービス期間を是非ご利用ください。
サービスのお問い合わせはこちら

2025年:新企画始動告知!
メールコンサルティング初回契約:初月50%以上割引
サービス詳細はこちら

・オンラインコンサル/現地コンサルの空き状況について

【現在の空き状況:2025年9月現在】
・平日:6時間以上ご利用で月1回のみ空きあり
・夜間:19:30-21:00でご相談承ります
・土日:少々空きあります
オンライン会議システムを利用したコンサル詳細はこちら

第8章:運用についての「要求事項リスト」
ISO・IATF 8章
※IATF運用には、ISO9001の要求事項の運用が必須です。
条項 題目 ISO9001 IATF
第4章 組織の状況
第5章 リーダーシップ
第6章 計画
第7章 支援
第8章 運用
第9章 パフォーマンス評価
第10章 改善

※8.1項~8.3.6.1項は主に、①営業プロセス②製品設計プロセス③工程設計プロセスが関係します。

条項 題目 ISO
9001
重要
帳票
IATF
16949
重要
帳票
8.1 運用の計画及び管理
8.1.1 運用の計画及び管理-補足
8.1.2 機密保持
8.2.1 顧客とのコミュニケーション
8.2.1.1 顧客とのコミュニケーション-補足
8.2.2 製品及びサービスに関する要求事項の明確化
8.2.2.1 製品及びサービスに関する要求事項の明確化-補足
8.2.3.1 製品及びサービスに関する要求事項のレビュー
8.2.3.1.1 製品及びサービスに関する要求事項のレビュー補足
8.2.3.1.2 顧客指定の特殊特性
8.2.3.1.3 組織の製造フィージビリティ
8.2.3.2 題目無(レビュー結果の保持ルール)
8.2.4 製品及びサービスに関する要求事項の変更
8.3.1 製品及びサービスの設計・開発
8.3.1.1 製品及びサービスの設計・開発-補足
8.3.2 設計・開発の計画
8.3.2.1 設計・開発の計画-補足
8.3.2.2 製品設計の技能
8.3.2.3 組込みソフトウェアを持つ製品の開発
8.3.3 設計・開発へのインプット
8.3.3.1 製品設計へのインプット
8.3.3.2 製造工程設計へのインプット
8.3.3.3 特殊特性
8.3.4 設計・開発の管理
8.3.4.1 監視
8.3.4.2 設計・開発の妥当性確認
8.3.4.3 試作プログラム
8.3.4.4. 製品承認プロセス
8.3.5 設計・開発からのアウトプット
8.3.5.1 設計・開発からのアウトプット-補足
8.3.5.2 製造工程設計からのアウトプット
8.3.6 設計・開発の変更
8.3.6.1 設計・開発の変更-補足
ISO9001/IATF16949を徹底支援!
商品・サービスを利用して楽々構築

・規格の理解:ノウハウ教材
・構築の支援:帳票/規定サンプル
・運用のコツ:有料版記事
・相談したい:メール/オンラインコンサル
・現地で相談:コンサルティングサービス

ISO9001/IATF16949の構築・運用のコツは「規格の理解」と「ルールと記録の構築」の2つがカギ!現在とのギャップを埋める教材とサンプルを利用しつつ、相談しながら低コストで対応可能なノウハウをご提供いたします!
【QMSおすすめ商品】

👑 教材No. タイトル:詳細はこちら
1 No.1-001 IATF16949+ISO9001学習支援教材
2 No.2-001 コアツール学習支援教材(IATF)
3 No.3-001 ISO9001学習支援教材

○:お振込・クレジットカード払いが可能です。
○:請求書・領収書の発行は簡単ダウンロード!
→インボイス制度に基づく適格請求書発行事業者の登録番号も記載しています。
○:お得なキャンペーン情報などは本記事トップをご確認ください。

ISO9001:8.3.3項の設計開発へのインプットはタートル図が重要!

ISO9001:8.3.3項「設計・開発へのインプット」では、顧客要求を確実に満たすために、必要な情報を漏れなく収集・整理することが求められています。そのため、設計開発の初期段階で「どのような情報をインプットすべきか」を明確に定義することが極めて重要です

ここで有効なのが、プロセス構築の基本ツールである「タートル図(タートルチャート)」です。タートル図の要素の中でも、③番目にあたる「インプット」は、まさにISO9001:8.3.3項の要求を反映しており、設計プロセスを体系的に整理するための中心的な役割を果たします。

タートル図を活用することで、設計・開発に必要な情報源(顧客要求、法規制、製造条件、過去の不具合情報など)を明確にし、抜けや重複のない形でプロジェクトに反映させることが可能になります。

次に、設計開発における具体的なインプット内容を詳しく見ていきましょう。

a)顧客からの要求および期待

ISO9001:8.3.3項「設計・開発へのインプット」では、まず顧客からの要求事項や期待を正確に把握することが最も重要です。設計の出発点となる情報が曖昧なまま進めてしまうと、後工程での手戻りやクレームにつながる可能性が高くなります。

具体的には、顧客から提供される「製品要求仕様書」「技術仕様書」「検査基準書」などの文書がこれに該当します。これらの資料を基に、顧客の意図や要求水準を正しく理解し、設計条件へ落とし込むことが求められます。

また、自社開発製品の場合は、直接的な顧客要求がないケースもあります。その場合は、市場調査やユーザーインタビューなどを通じて「市場が期待する機能・性能・デザイン」などを明確化し、同様にインプット情報として整理することが重要です。

b)類似機種・製品情報

ISO9001:8.3.3項「設計・開発へのインプット」では、過去の経験や既存製品の情報を活用することが重要なポイントです。顧客からの要求(a項)を受け取った後、それに類似する既存モデルや過去製品の設計情報を参照することで、効率的かつ信頼性の高い設計開発が可能になります。

この「類似機種情報」には、過去の設計図面や試験データだけでなく、開発段階での成功事例・失敗事例、トラブル情報(過去トラ情報)なども含まれます。これらを参照することで、同じ不具合を繰り返さず、設計品質の継続的な改善につなげることができます。

特に製造業では、既存製品の構造・材料・工程条件などの再利用が開発コストの削減とリードタイム短縮に直結します。そのため、過去の設計記録を体系的に管理し、必要な時に取り出せるようにしておくことが、ISO9001の要求を満たすうえでも非常に有効です。

c)法令・規制要求事項

ISO9001:8.3.3項「設計・開発へのインプット」では、法令および規制要求事項を確実にインプットすることが必須とされています。これらを考慮せずに設計を進めてしまうと、製品が法規不適合となり、重大な不具合やリコール、さらには市場からの信頼失墜につながる恐れがあります。

法令・規制要求事項は、対象とする業界や市場によって内容が異なります。たとえば、自動車業界では「道路運送車両法」や「安全基準」、電気製品では「電気用品安全法(PSE)」、機械装置では「労働安全衛生法」などが該当します。

また、業界標準(例:JIS、ISO、IECなど)も、製品の安全性・互換性・信頼性を担保する上で重要なインプット情報です。これらを設計段階で明確に参照し、文書化した形で設計インプットリストに反映させることが、ISO9001の要求を満たすうえで不可欠です。

困ったときこそ、メールで頼れるパートナーを!
質問1回から使える専門相談サービスです

ISO9001・IATF16949・VDA6.3に関するちょっとした疑問や不安。「誰かに聞けたらすぐ解決するのに…」と感じたことはありませんか?「これでいいのかな…」そんな不安を、メールで一緒に解消しませんか?小さな疑問からでも遠慮なく相談できます。

・面談不要、メールだけで完結
・初回は、1質問無料!納得してからご利用可能です
・月額プラン(サブスク形式)なら自動更新!何度でも安心相談可能!

d)組織のノウハウ

ISO9001:8.3.3項「設計・開発へのインプット」では、組織が有する技術的ノウハウや知識を設計段階で活用することが求められています。これは、顧客要求に対して自社の持つ技術力や経験を反映させ、より高品質な設計アウトプットを生み出すための重要な要素です。

具体的には、社内で蓄積された技術標準書、設計ガイドライン、工法標準書、設計チェックリストなどが該当します。これらの文書は、過去の経験から得られた知見を体系的にまとめたものであり、設計品質の安定化や属人化防止にもつながります。

設計初期の段階で「どのノウハウが顧客要求に関連するのか」を明確にし、該当する社内基準や技術資料をインプットリストに反映していれば、この要求は満たされます。つまり、自社の強みを的確に活かした設計プロセスが構築できていればOKです。

プロジェクト管理対応用教材のご紹介

帳票名 プロジェクト計画書
納品形式 ダウンロード
ファイル形式 Excel:貴社にて自由にカスタマイズ可能です
特徴 IATF16949構築に必須とならざる得ないプロジェクト管理ツール!計画書・管理表・管理規定の3点セットでプロジェクトの効率的な運用と品質確保を徹底サポートします!
詳細 商品詳細はこちら
帳票まとめ買い No.5-102-プロジェクト管理帳票8点セット
関連規定 No.8111_プロジェクト管理規定

e)アウトプット後の結果もインプットに反映する

ISO9001:8.3.3項「設計・開発へのインプット」では、設計開発の過程で得られた結果を再びインプットとして活用することも重要なポイントです。設計プロセスは一方向ではなく、アウトプット→検証→再インプットという循環的な流れで改善を重ねることを意図しています

たとえば、設計図面をアウトプットした後、実際に試作用部品を購入・評価してみると、図面上では気づかなかった干渉や加工上の問題が判明することがあります。このような場合、得られた結果を再度設計インプットとして反映し、設計内容を修正・最適化することが求められます。

この「アウトプット結果をインプットに戻す仕組み」は、タートル図(タートルチャート)におけるプロセスの循環構造を理解する上でも非常に重要です。つまり、インプットは一度決めたら終わりではなく、検証結果や実績データに基づき継続的に更新されるべき情報であることを意識しましょう。

設計開発へのインプット文書は必ず保持する

ISO9001:8.3.3項「設計・開発へのインプット」では、設計開発に必要な情報を明確に定義し、文書化して保持することが求められています。あいまいな情報のままでは、設計の方向性がぶれたり、顧客要求を満たさない製品となるリスクが高まります。

顧客から要求仕様書などの文書が渡された際には、まず内容をレビューし、曖昧な点や不明確な要求があれば、必ず顧客と協議して明確化しましょう。設計に着手する前に、要求仕様が妥当であることを双方で確認しておくことが重要です。

また、これらのインプット情報は設計・開発の全期間を通して参照される基本データとなるため、常に最新の状態で保持し、改訂履歴が追えるように管理する必要があります。これにより、設計の一貫性を維持し、審査や監査時にも正確なエビデンスとして提示することができます。

顧客オーダー対応用教材のご紹介

帳票名 顧客オーダー評価表
納品形式 ダウンロード
ファイル形式 Excel:貴社にて自由にカスタマイズ可能です
特徴 営業プロセスの構築におすすめ!顧客からの情報を「確実に社内・プロジェクトにインプット」できるようになります。何をインプットすべきかも一目瞭然!
詳細 商品詳細はこちら
関連規定 No.8210_受注契約プロセス管理規定
おすすめ教材 No.2-001_コアツール学習教材

ISO9001:8.3.3項「設計・開発へのインプット」はどこに記載すればよい?

ISO9001:8.3.3項「設計・開発へのインプット」の内容は、基本的な情報をタートル図(タートルチャート)に整理し、詳細なルールを製品設計業務規定に明記することで対応可能です。これにより、全社的に統一されたルールで設計インプットを管理できる仕組みを構築できます。

まず、タートル図では設計プロセス全体の関係性を俯瞰的に示し、「どのような情報をインプットとして扱うのか」を明確にします。そのうえで、製品設計業務規定には以下の3つの必須事項を必ず記載しておきましょう。

製品設計業務規定の必須事項

①どのような内容がインプットされるのか(顧客要求、法規制、過去トラ情報など)
②どのような技術ルールに基づくのか(設計標準、社内基準、適用規格など)
③設計開発の結果=アウトプットは何か(図面、仕様書、検証記録など)

これら3点を明確に定義することで、設計開発プロセスが一貫性をもって運用できるようになります。ISO9001の構築段階では、これらの内容を早期に整備し、部門間で共有・教育することがポイントです。

ISO9001:8.3.3に関するFAQ

設計・開発のインプットとは具体的に何ですか?

インプットとは、設計・開発を行うために必要な情報や要件です。製品やサービスの性能、顧客要求事項、法規制、業界標準、過去の類似プロジェクトの教訓などが含まれます。これにより、設計が顧客期待や法的基準を満たすことが保証されます。

インプットの妥当性はどのように確認しますか?

インプットの妥当性は、関係者のレビューを通じて確認します。顧客や法規制の要件が正しく理解され、曖昧さがないことを確認する必要があります。組織の内部文書や記録を用いて証拠を残し、すべてのインプットが最新であることも保証します。

インプットが不足している場合、どのように対処すべきですか?

不足が判明した場合、顧客や関連部門と速やかに連携し、追加情報を取得することが重要です。また、プロジェクト開始前にインプットが十分かどうかを確認するプロセスを設けることで、開発中の遅延や手戻りを防ぐことができます。

ISO9001:8.3.3項の設計開発へのインプット:まとめ

ISO9001:8.3.3項の設計開発へのインプット③

ISO9001:8.3.3項「設計・開発へのインプット」の要求事項における規格解釈はいかがでしたでしょうか?

本条項は、設計開発を行う企業、特に製造業において「必要な情報を漏れなく整理し、確実に反映すること」を強く求めています。設計の出発点となるインプット情報に抜けや曖昧さがあると、後工程での手戻りや顧客不適合につながるため、慎重な確認が不可欠です。

特に、法令・規制要求事項や業界標準(JIS・ISOなど)の反映漏れは、重大な不適合の原因となるため注意が必要です。これらを確実にインプット情報として文書化し、設計業務規定やタートル図に明示しておくことで、審査・監査にも強い設計体制を構築できます。

今一度、自社の設計プロセスにおけるインプット管理の抜けがないかを確認し、改善の機会として活用してください。それではまた!

QMS認証パートナーにお任せください!
貴社の課題解決に是非ご利用ください

弊社QMS認証パートナーは、製造業に特化した品質マネジメントシステム(QMS)の認証取得からその後の維持・運用・管理まで実務経験に基づいた実用的なサポートを提供しております。初めての認証取得/取得後の課題に対しても、シンプルかつ現場で活用できる仕組みづくりを重視しています。

・教材(電子書籍)の教育教材
・規定類・帳票類のサンプルによる自力構築支援
・メールコンサルティング
最終的には「自社で回せる品質マネジメントシステム」を目指して、継続的な改善・運用が可能な体制の構築を目指します!

品質マネジメントシステム構築・学習支援

QMS認証パートナーでは、ISO9001・IATF16949・VDA6.3など専門的なコンサルティングサービス並びに、学習支援などを行っております。オンラインやデジタルコンテンツの強みを活かした新しいサービスを提供いたします。
無料で学習可能:QMS学習支援サイト(本サイト)
有料で構築支援:QMS認証パートナー

コンサルティングサービス

現地コンサルティング
課題解決No.1

現場課題を徹底支援!直接訪問コンサルで認証取得徹底支援(好評に付き新規停止中)

学習支援

構築ノウハウ教材
社内構築に最適
転職のメリットを考える
IATF16949構築
コアツール構築
VDA6.3構築
ISO9001構築

帳票サンプル
最重要ポイントがわかる!
IT系を学ぶ
IATF16949対応帳票
コアツール対応帳票
まとめ買い:学習帳票
ISO9001帳票

規定サンプル
ルール構築が楽々♪
面接対策
IATF16949対応規定単品
まとめ買い:学習規定