
IATF16949:5.3.2項では、製品要求事項及び是正に対してトップマネジメント自ら関与し実施することを要求しています。しかし一般的には、その権限は委譲され現場レベルで管理されていることが殆どではないでしょうか?
今回の記事は、IATF16949:5.3.2項の製品要求事項及び是正処置に対する責任及び権限の意味と構築ポイントについてわかりやすく解説します。
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条項 | 題目 | ISO9001 | IATF |
第4章 | 組織の状況 | 〇 | 〇 |
第5章 | リーダーシップ | 〇 | 〇 |
第6章 | 計画 | 〇 | 〇 |
第7章 | 支援 | 〇 | 〇 |
第8章 | 運用 | 〇 | 〇 |
第9章 | パフォーマンス評価 | 〇 | 〇 |
第10章 | 改善 | 〇 | 〇 |
条項 | 題目 | ISO 9001 |
重要 帳票 |
IATF 16949 |
重要 帳票 |
5.1.1 | 一般(リーダーシップ) | ○ | ○ | ||
5.1.1.1 | 企業責任 | ○ | |||
5.1.1.2 | プロセスの有効性及び効率 | ○ | |||
5.1.1.3 | プロセスオーナー | ○ | ● | ||
5.1.2 | 顧客重視 | ○ | ○ | ||
5.2.1 | 品質方針の確立 | ○ | ● | ○ | |
5.2.2 | 品質方針の伝達 | ○ | ● | ○ | |
5.3 | 組織の役割・責任及び権限 | ○ | ● | ○ | |
5.3.1 | 組織の役割・責任及び権限ー補足 | ○ | ● | ||
5.3.2 | 製品要求事項及び是正処置に対する責任及び権限 | ○ | ● |
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この記事の目次
IATF16949:5.3.2項の製品要求事項及び是正処置に対する責任及び権限の意図
自動車産業関連の製品の開発・製造・販売を行っていれば、現場レベルでのトラブルや場合によっては、自動車産業顧客によってクレームをいただくこともあると思います。
それらの状況を把握しておくことは、プロセスのパフォーマンスを監視する現場とトップマネジメントの間で共通の認識あるこが重要です。もちろんトップマネジメントが全ての製品要求事項やトラブルなどの是正に対応することはできない為、現場で判断すべき事項については「責任及び権限」を与える企業がほとんどです。
IATF16949:5.3.2項の製品要求事項及び是正処置に対する責任及び権限は、それらの責任と権限についてトップマネジメントが力量がある要員への権限委譲した証拠と結果を把握する仕組みを要求しているので、次にその構築ポイントを解説します。
製品要求事項の適合についての責任と権限を与える
IATF16949:5.3.2項の製品要求事項及び是正処置に対する責任及び権限の要求事項の対応ポイントを以下に記述します。
①出荷停止権限は「品管責任者」が妥当
一つ目は、「出荷停止の責任及び権限」です。生産中に何らかのトラブルがあり、生産され製品に不良品が混入してしまっている場合も想定できます。
また、不具合を是正するまで出荷を停止して顧客への影響を完全に食い止め且つ、次回生産時にはそのトラブルはきちんと是正されていることが求められます。
このように製品要求事項が適合しない製品への出荷停止権限を委譲して対応することが求められ、その責任と権限の委譲は、品質管理責任者が通常担うといったことが殆どです。
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②生産停止権限は「工程管理部門」が妥当
品質管理部の責任者は製品要求事項の適合に対して保証するのことは的確ではありますが、生産停止の権限については必ずしもよいとは言えません。
なぜなら生産には、生産管理部が発行する生産計画に基づく生産や、製造部の人員配置、顧客への納期などあらゆる面を考量した判断が求められます。
その為、自社における工程管理を実施している部門が不具合の影響度によって生産停止をできる権限を持たせることが重要となるので、現状を踏まえ責任と権限を委譲するようにしましょう。
これらは自社の現状を踏まえ設定することが重要です。
私が在籍していた企業は、品質管理部門が最高権限があったため、生産停止・出荷停止の2つの権限を品質管理部門と設定しておりました。しかしこの方法は必ずしも良い状態とは言えません。なんでも品管部門に押し付け責任転換を行っている状態でもあります。なので、この二つの権限は「部門を分けて考える」ことが構築でもめないポイントでもあります(笑)。
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【補足】直ちに生産が停止できない場合とは?
直ちに生産できない場合とは、焼き入れ工程などが考えられます。炉に既に対象物が入っており、炉の焼き入れをすぐに止められない場合もあるというのがそのような意味です。
この場合は、作業工程が完了次第バッチの封じ込めを確実に実施するといった対応が求められます。
①連続鋳造工程(連鋳)
溶けた金属が連続的に鋳造される工程であり、途中停止が難しい。製品に異常が見つかっても炉の停止には時間と手順が必要。
②化学反応工程(塗装・めっき・樹脂硬化)
薬液反応中の部品は中断すると品質が大きく劣化するため、反応完了までは止められない。
③インライン乾燥炉やUV照射装置の連続運転ライン
一度製品を流し始めると、全数通過まで停止できない。中間で止めると取り出しや再処理ができず不良になる。
④大型金型を使用するプレスラインや樹脂成形
一サイクルの時間が長く、プレス途中で止めると製品や設備を損傷するおそれがある。
⑤ロボットによる溶接や組立ライン
複数のロボットが連携して動作しており、途中停止すると衝突や誤作動のリスクがある。
⑥高温焼結や真空炉処理工程
急停止によって炉内環境が乱れ、製品や装置に重大な影響を及ぼす可能性がある。
是正処置についての責任と権限を与える
IATF16949:5.3.2項の製品要求事項及び是正処置に対する責任及び権限の要求事項で大事なことは、トラブル発生時のトップマネジメントへの上申プロセスを構築することです。さらに、上申プロセスを構築するとともに並行して是正プロセスの責任と権限の委譲が求められています。
不具合発見からトップマネジメントへの報告プロセスを作成し、体系的な上申プロセスを導入しましょう。
※上申とは「上司に報告」すること
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夜勤・日勤などのシフトを考慮
IATF16949:5.3.2項の製品要求事項及び是正処置に対する責任及び権限の要求事項では、不適合になることが多い重要な内容が含まれています。それが日勤と夜勤がある企業で、生産停止・出荷停止の責任と権限が考慮されていないパターンです。
責任と権限の委譲は必ず全シフト(例えば夜勤・日勤など)でその権限が委譲されている仕組みが必要です。夜勤中にトラブルが発生した時、「品管責任者へ電話する」となると連絡が付かない場合(寝ているなど)も存在します。
また、品管責任者不在の際(有給・病欠・出張時など)の権限移譲なども明確に示す必要があるので、構築の際は注意してください。
IATF16949:5.3.2項の製品要求事項及び是正処置に対する責任及び権限の対応方法はどこに記載すればいい?
IATF16949:5.3.2項の製品要求事項及び是正処置に対する責任及び権限の要求事項は、「責任と権限」の話(ISO9001:5.3.1項、IATF:5.3.1-補足)との関連性より、「業務・職位分掌表」に記載することがおすすめです。
部門の役割及び、職位の責任と権限欄があるので、「出荷停止」や「生産停止」の責任及び権限を明確に記載することで、要求事項への適合が可能です。
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IATF16949:5.3.2に関するFAQ
IATF16949:5.3.2項では、製品要求事項および是正処置に対して、トップマネジメント自らが責任を持つことが求められています。具体的には、品質問題が発生した場合にトップマネジメントがそれを把握し、対応できる体制を整えることが重要です。現場に権限を委譲する場合も、その結果をトップマネジメントが把握することが求められます。
IATF16949:5.3.2項では、製品要求事項に関する責任と是正処置に関する権限を、適切な担当者に委譲することが求められます。出荷停止や生産停止などの重要な決定権限は、通常、品質管理責任者や工程管理部門に委譲されるべきです。全シフトにわたる対応体制も構築する必要があります。
企業は、品質問題発生時の対応プロセスと、トップマネジメントへの報告体制を構築することが重要です。また、出荷停止や生産停止の責任と権限が適切な担当者に委譲されていることを証拠として示すために、職務・権限の分掌表にこれらの事項を明確に記載することが求められます。
IATF16949:5.3.2項の製品要求事項及び是正処置に対する責任及び権限:まとめ
IATF16949:5.3.2項の製品要求事項及び是正処置に対する責任及び権限の要求事項の規格解釈および構築ポイントは如何でしたでしょうか?
IATF16949の要求トラブル発生時もトップマネジメントがきちんとその内容を把握し、対応責任を負うことを意図した要求事項です。
しかし現場レベルの対応においては、責任者クラス(部門長など)が対応されていることが殆ど。その責任と権限が組織の中で明確にするとともに、トップマネジメントへの上申プロセスを見える化することが構築ポイントとなります。
それではまた!

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