【IATF16949攻略】5.1.1.2:プロセスの有効性及び効率の要求事項徹底解説!

IATF16949:5.1.1.2「プロセスの有効性及び効率」は、トップマネジメントが製品実現プロセス及び支援プロセスの有効性と効率を評価・改善するためにレビューし、その結果をマネジメントレビューへのインプットとして含めることを要求しています。

シンプルな条文ですが、「有効性と効率の違いは何か」「全プロセスにKPIが必要か」「どの会議体で対応すればよいか」など、実務上の判断に迷うポイントが多い条項です。

本記事では、IATF公式解釈(SI)の内容を踏まえ、KPI設定例、会議体との連動方法、品質マニュアルへの記載方法、審査・内部監査での確認ポイントまで実務目線で徹底解説します。


この記事の実務解説
QMS認証パートナー
専属コンサルタント

南野 弘明

製造業25年・自動車業界15年以上の実務経験

IATF16949・ISO9001・VDA6.3を、現場で使える形に落とし込む視点で解説しています。

規格要求事項の解釈だけでなく、審査で説明できる規定づくり、現場で使える帳票、内部監査・顧客監査への対応まで、実務で迷いやすいポイントを中心に整理しています。特に多くの企業様が知りたい「審査機関・顧客はどこを見るのか」の勘所も徹底解説していますので、是非ご活用ください。

専門領域
IATF16949・ISO9001・VDA6.3。初期段階の構築から認証後まですべて対応可能。
得意分野
規定・帳票・監査対応の実務化。大企業・中小企業問わず支援実績多数。
支援内容
教材提供・メール相談・個別コンサル。特に24時間対応可能なメール相談がおすすめ。

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第5章:リーダーシップ及びコミットメント「要求事項リスト」
ISO・IATF 5章
※IATF運用には、ISO9001の要求事項の運用が必須です。
条項 題目 ISO9001 IATF
第4章 組織の状況 〇 〇
第5章 リーダーシップ 〇 〇
第6章 計画 〇 〇
第7章 支援 〇 〇
第8章 運用 〇 〇
第9章 パフォーマンス評価 〇 〇
第10章 改善 〇 〇
条項 題目 ISO
9001
重要
帳票
IATF
16949
重要
帳票
5.1.1 一般(リーダーシップ) ○   ○
5.1.1.1 企業責任 ○  
5.1.1.2 プロセスの有効性及び効率 ○  
5.1.1.3 プロセスオーナー ○ ●
5.1.2 顧客重視 ○   ○
5.2.1 品質方針の確立 ○ ● ○
5.2.2 品質方針の伝達 ○ ● ○
5.3 組織の役割・責任及び権限 ○ ● ○
5.3.1 組織の役割・責任及び権限ー補足 ○ ●
5.3.2 製品要求事項及び是正処置に対する責任及び権限 ○ ●
A: 当サイトの情報提供スタンスについて

当サイトでは、ISO9001およびIATF16949について、規格要求の解説にとどまらず、実務でどのようにルールや記録へ落とし込むかを重視して情報を整理しています。

規格の理解とあわせて、「現状とのギャップをどう捉えるか」「どこから手を付けるべきか」といった判断に迷いやすい点を、現場目線で分かりやすく解説することを目的としています。

記事内容を自社へ当てはめる際の考え方や、判断に迷うポイントについては、別ページで整理した情報も用意しています。

B: IATF16949で必要な規定25本・帳票82様式の一覧

「自社に足りない文書は、どれか」——その答えを出すための一覧です。章別に規定と帳票をすべて並べ、審査で指摘されやすい5領域と、手戻りの少ない作成順序まで解説しています。

⇒ 有料級:詳細記事はこちら

C: 有料記事42本を読み放題|審査での答え方を公開

審査で差がつくのは、規格の知識量ではなく、自社の運用を説明できるかどうかです。部門別の想定問答30選、コアツールの実務、負荷軽減の具体策——42本すべてが、パスワード1つで読み放題。記事は随時追加され、追加分も追加料金はかかりません。

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D: 現地・オンライン・メールコンサルの違いと選び方

「この解釈で合っているか」を確認したいのか、「何から手をつけるか」を決めたいのか。課題の性質によって、選ぶべきコンサルの形態は変わります。3形態の費用と特性を比較し、自社に合う選び方を整理しました。

⇒ 記事の詳細はこちら

IATF16949 5.1.1.2プロセスの有効性及び効率の規格要求の全体像

5.1.1.2が求めている2つのポイント

5.1.1.2の要求事項は、大きく2つのポイントで構成されています。

ポイント1:トップマネジメントによるプロセスのレビュー
トップマネジメントは、プロセスの有効性及び効率を評価し改善するために、製品実現プロセス及び支援プロセスをレビューしなければなりません。ここでいう「レビュー」とは、プロセスの現状を確認し、問題点を特定し、改善の方向性を判断する行為です。
ポイント2:プロセスレビューの結果をマネジメントレビューへインプット
プロセスレビュー活動の結果は、マネジメントレビュー(9.3.2.1項参照)へのインプットとして含めなければなりません。プロセスの評価が個別の活動で完結するのではなく、経営レベルの意思決定に確実に反映される仕組みが求められています。

ベースは、ISO9001:5.1.1となるので、併せて確認しておきましょう!

「有効性」と「効率」の違い

5.1.1.2の理解にあたって最も重要なのは、「有効性」と「効率」の違いを正確に把握することです。この2つは似ているようで評価の視点が異なります。

完全理解:有効性と効率について

▶有効性(Effectiveness)
「計画した活動が実行され、計画した結果が達成された程度」を表す指標です。例えば、不良率1%以下の目標を立てた場合、実績が0.8%であれば目標を達成しており「有効」と判断できます。有効性の評価は、目標に対する達成度で判断します。

▶効率(Efficiency)
「達成された結果と使用された資源との関係」を表す指標です。計算式で表すと以下の通りです。

効率=成果物(アウトプット)÷投入資源(インプット)

同じ成果を得るために投入資源が多ければ効率は低く、少ない資源で同等の成果を得られれば効率は高いと判断します。

例えば、2つの製造ラインが同じ不良率0.8%(有効性は同等)であっても、Aラインが10人で達成し、Bラインが6人で達成しているなら、Bラインの方が効率的です。「有効だが非効率」「効率的だが成果が出ていない」という状態を区別して評価することがポイントです。

ISO9001にはない独自要求であること

ISO9001 5.1.1(リーダーシップ及びコミットメント-一般)では、トップマネジメントのQMSへの関与を一般的に要求していますが、「製品実現プロセス及び支援プロセスのレビュー」を明示的に要求してはいません。5.1.1.2はIATF16949独自の追加要求であり、トップマネジメントが個々のプロセスレベルまで踏み込んでレビューすることを明確に求めています。

ISO9001からIATF16949への移行を目指す企業にとって、「トップマネジメントがプロセスの有効性と効率の両面をレビューする仕組み」を新たに構築する必要があります。

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製品実現プロセスと支援プロセスのレビュー

【IATF16949攻略】5.1.1.2:プロセスの有効性及び効率の要求事項徹底解説①

製品実現プロセスとは何か

【IATF16949攻略】5.1.1.2:プロセスの有効性及び効率の要求事項徹底解説②

製品実現プロセスとは、顧客要求のインプットから製品の出荷・納品に至るまでの一連のプロセスです。IATF16949では、APQP(先行製品品質計画)のフレームワークに沿って、以下のプロセスが含まれます。

製品実現プロセス概要

↓見積・受注プロセス:RFQ(引合い)対応、フィージビリティ評価
↓製品設計プロセス:DFMEA、設計検証・妥当性確認
↓工程設計プロセス:PFMEA、コントロールプラン策定
↓量産準備プロセス:PPAP、工程能力確認、量産試作
↓量産プロセス:製造、検査、出荷

これらの各プロセスに対して、有効性と効率の両面からレビューを行います。特に自動車部品の製品実現プロセスでは、APQPの各フェーズ(Phase1〜5)の節目で実施されるデザインレビュー(DR)が、プロセスレビューの重要な機会となります。

支援プロセスとは何か

支援プロセスとは、製品実現プロセスを支える間接的なプロセスです。以下のプロセスが代表的です。

支援プロセス概要

↓人的資源管理:採用、教育訓練、力量管理
↓設備・インフラ管理:設備保全(TPM)、治工具管理、ユーティリティ
↓文書・記録管理:文書管理システム、記録の保管・廃棄
↓購買・調達プロセス:仕入先選定・評価、発注管理
↓品質保証プロセス:内部監査、是正処置、不適合品管理
↓経営管理プロセス:事業計画、マネジメントレビュー

支援プロセスは製品に直接関与しないため見落とされがちですが、支援プロセスの効率が低ければ製品実現プロセス全体の生産性に影響します。審査でも支援プロセスのレビュー状況は確認されるため、漏れなく対象に含めてください。

「レビュー」の具体的な実施方法

5.1.1.2の「レビュー」は、必ずしも全プロセスを一度にレビューすることを求めていません。以下の方法を組み合わせて、計画的にレビューを実施してください。

①定期品質会議
月次または四半期ごとに主要プロセスのKPIをレビューする
②デザインレビュー(DR)
APQPの各フェーズの節目で製品実現プロセスをレビューする
③内部監査結果のレビュー
内部監査で検出された不適合やOFI(改善の機会)を経営層で確認する
④マネジメントレビュー
年1〜2回の総括的なレビューとして、全プロセスの有効性・効率を確認する

重要なのは、レビュー結果に対してトップマネジメントが判断・指示を行い、その指示事項が確実にフォローアップされることです。

プロセス評価の方法とツール

KPI(重要業績評価指標)の設定と運用

プロセスの有効性と効率を定量的に評価するために、KPI(Key Performance Indicators)を設定することが最も効果的な方法です。KPIは各プロセスに対して「有効性」と「効率」の両面から設定し、目標値と実績値を定期的に比較します。

KPI設定のポイントは以下の通りです。

①測定可能であること
数値で表現でき、定期的にデータ収集が可能であること
②目標との比較が可能であること
品質目標や事業計画の目標と整合した目標値を設定すること
③トレンドが把握できること
月次・四半期での推移を追跡できること
④責任者が明確であること
プロセスオーナー(5.1.1.3参照)がKPIの管理責任を持つこと

部門別KPI設定例

以下は、自動車部品メーカーにおける部門別KPI設定の一例です。組織の規模や業種に応じてカスタマイズしてください。

製造部門

区分 KPI例 目標例
有効性 工程内不良率 0.5%以下
有効性 工程能力指数(Cpk) 1.67以上
効率 生産性(個/人時) 前年比105%
効率 設備総合効率(OEE) 85%以上

品質保証部門

区分 KPI例 目標例
有効性 市場クレーム件数 前年比50%削減
有効性 是正処置の完了率 期限内100%
効率 検査工数/生産数 前年比95%
効率 不良品質コスト(COPQ) 売上比1%以下

購買部門

区分 KPI例 目標例
有効性 仕入先不良率(受入不良) 100ppm以下
有効性 仕入先納期遵守率 98%以上
効率 調達リードタイム 前年比90%
効率 購買コスト削減率 年間3%削減

営業・受注部門

区分 KPI例 目標例
有効性 受注率 50%以上
有効性 顧客満足度スコア 4.0/5.0以上
効率 見積回答リードタイム 5営業日以内
効率 受注1件あたりの工数 前年比改善

内部監査結果の活用

内部監査は、プロセスが規定通りに運用されているかを第三者的に評価する重要なツールです。内部監査の結果をプロセスの有効性・効率評価に活用する際のポイントは以下の通りです。

  • 不適合の検出傾向からプロセスの弱点を特定する
  • OFI(改善の機会)を効率改善のヒントとして活用する
  • 監査結果の推移(前回との比較)からプロセスの改善傾向を評価する
  • 監査結果をマネジメントレビューのインプットに含める

顧客フィードバック・スコアカードの活用

自動車OEM各社及びTier1は、サプライヤーに対してスコアカード(評価表)を発行していることが多いです。スコアカードには品質実績、納入実績、クレーム対応状況などが含まれており、顧客視点でのプロセスの有効性を評価する重要なデータとなります。

顧客スコアカードの結果を社内のプロセス評価に取り込み、顧客の期待と自社の実績のギャップを可視化することで、改善の優先順位付けに活用してください。OEMによっては、スコアカードの結果が一定基準を下回った場合にサプライヤーへの改善要求やエスカレーション(取引見直し)に至るケースもあるため、定期的な確認が不可欠です。

トップマネジメントが参加する会議体とプロセスレビュー

会議体一覧と経営層の関与レベル

5.1.1.2への対応を新たに専用会議として設ける必要はありません。既存の会議体の中でプロセス評価指標(KPI)がトップマネジメントにインプットされていれば、要求事項への対応が可能です。

以下は、一般的な自動車部品メーカーにおけるトップマネジメントが参加する会議体の例です。

会議名 主な内容 経営層出席 頻度
品質会議(定期・臨時) 市場クレーム報告、工程内不良報告、仕入先クレーム、品質目標の達成状況 ○(必須) 月次
生産促進会議 生産計画、生産実績、生産課題、設備稼働状況 △(必要に応じて) 週次〜月次
営業促進会議 売上状況、新規・既存顧客の状況、マーケティング情報、受注見込み ○(必須) 月次
デザインレビュー(DR) 新規開発案件の節目検証、残課題確認、量産移行判定 △(DR4のみ) 案件ごと
マネジメントレビュー QMS全体のパフォーマンス評価、品質目標の達成確認、改善方針の決定 ○(必須) 年1〜2回

ISO9001 7.4コミュニケーションとの連動

5.1.1.2への対応で見落とされがちなのが、ISO9001 7.4(コミュニケーション)との連動です。7.4では、QMSに関する内部・外部のコミュニケーションについて、「誰が」「いつ」「誰に」「何を」「どのように」伝達するかを決定することを求めています。

どの会議体でトップマネジメントがプロセスのレビューに関与するのかを7.4の帳票(コミュニケーション一覧表)に明記することで、5.1.1.2と7.4の両方の要求に同時に対応できます。具体的には以下の3点を明確にしてください。

①どの会議に経営者が出席するのか
②経営者にプロセス指標(KPI)がインプットされているか
③経営者からの指示や改善事項が取り組まれているか

会議体からマネジメントレビューへの情報フロー

各会議体で評価されたプロセスの結果は、最終的にマネジメントレビューへ集約されます。情報フローは以下のように設計してください。

↓各会議体(月次)
→プロセス別KPIの評価と課題抽出
↓品質会議(四半期まとめ)
→主要プロセスの総括評価
↓マネジメントレビュー(年次)
→QMS全体のパフォーマンス評価+改善方針の決定

各段階でトップマネジメントからのコメント・指示事項を議事録に記録し、その対応状況をフォローアップすることが審査対応のポイントです。「会議はやっているが議事録がない」「指示は出たが対応記録がない」という状態は審査で指摘される典型的な問題です。

マネジメントレビューへのインプットとアウトプット

【IATF16949攻略】5.1.1.2:プロセスの有効性及び効率の要求事項徹底解説③

9.3.2.1との連携(インプット要求)

5.1.1.2は、プロセスレビューの結果をマネジメントレビュー(9.3.2.1)へのインプットとして含めることを要求しています。9.3.2.1では、マネジメントレビューへのインプットとして以下が求められています。

  • 不良品質コスト(内部及び外部不適合のコスト)
  • プロセスの有効性の測定指標
  • プロセスの効率の測定指標
  • 製品適合性
  • 顧客満足に関するフィードバック

5.1.1.2でレビューしたプロセスの結果(KPI実績、改善進捗、課題等)を、9.3.2.1のインプット項目に整合させて報告することで、一貫性のある運用が可能です。

プロセスレビュー結果の報告形式

マネジメントレビューへの報告形式は自由ですが、以下のフォーマットを推奨します。

プロセス別評価報告(例):

プロセス KPI 目標 実績 判定 改善事項
製造 工程内不良率 0.5%以下 0.3% ○ —
製造 OEE 85%以上 78% × 設備Aの保全計画見直し
品質保証 クレーム件数 前年比50%減 前年比30%減 △ 再発防止対策の強化
購買 仕入先不良率 100ppm以下 85ppm ○ —

このように、有効性と効率の両面からプロセスごとに目標・実績・判定・改善事項を一覧化することで、トップマネジメントが迅速に判断を下せる状態を作ります。

トップマネジメントからの指示事項のフォローアップ

マネジメントレビューからのアウトプット(9.3.3.1参照)として、トップマネジメントから出された指示事項・改善事項は、次回のマネジメントレビューで進捗を確認する必要があります。

フォローアップの仕組みとして、以下を整備してください。

  • 指示事項の一覧管理(対応責任者、期限、進捗状況の記録)
  • 次回マネジメントレビューでの前回指示事項の確認をインプットに含める
  • 未完了事項のエスカレーションルールの設定

【品質マネジメントシステムの総括攻略】
マネジメントレビューは「何をインプットし、どう意思決定へ結び付けるか」が要点。インプット項目と進め方は〔マネジメントレビュー インプット整理表〕で整理し、トップマネジメントへ引き渡しをしましょう。そのルールは〔マネジメントレビュー管理規定〕に落とし込み、プロセスをしっかりすることがポイント。

SI(公式解釈)による補足事項

「全プロセスに効率性指標が必要ではない」の解釈

IATFのSanctioned Interpretations(SI:公式解釈)では、5.1.1.2について重要な補足がなされています。

要約すると、全プロセスに対して有効性と効率の両方のKPIを設定することは必須ではありません。組織自らが「どのプロセスに効率性指標が必要か」を判断し、その根拠を説明できることが求められます。

実務的な対応としては、以下のアプローチを推奨します。

①製品実現プロセス(製造、検査等)
→有効性と効率の両方のKPIを設定する
②支援プロセス(文書管理、教育訓練等)
→有効性指標を設定し、効率指標は必要に応じて設定する
③判断根拠を文書化する(品質マニュアルまたはプロセス管理規定に記載)

審査では「なぜこのプロセスには効率性指標を設定していないのか」と質問される可能性があります。その際に、組織としての判断根拠を説明できるようにしてください。

問題解決プロセスの有効性レビュー要求

SIでは、さらに問題解決プロセス(8D、なぜなぜ分析、FTA等の不適合対応プロセス)が実際に機能しているか——すなわち、是正処置が根本原因を除去し再発防止に有効であるか——をトップマネジメントがレビューすることが求められています。

具体的な確認ポイントは以下の通りです。

①是正処置の完了率と期限遵守率
②同一原因による再発の有無
③問題解決にかかるリードタイム
④顧客クレームの再発傾向

問題解決プロセスの有効性がレビューされていない場合、審査で不適合となる可能性があるため、マネジメントレビューや品質会議でのレビュー項目に含めてください。

    品質マニュアルへの記載方法

    品質マニュアル付表の会議体一覧での対応

    5.1.1.2への対応は、品質マニュアルの付表として「会議体一覧」を作成することで効率的に対応できます。会議体一覧には以下のような内容が記載しおくとよいでしょう。

    • 会議名
    • 目的・主な議題
    • 開催頻度
    • 出席者(トップマネジメントの出席要否を明記)
    • 関連するプロセス・KPI
    • 議事録の作成・保管方法

    品質マニュアル記載例

    記載例としては、以下を参考にしてください。

    トップマネジメントは、製品実現プロセス及び支援プロセスの有効性及び効率を評価し改善するために、品質マニュアル付表〇〇(会議体一覧)に定める会議体においてプロセスのレビューを実施する。

    プロセスレビュー活動の結果は、マネジメントレビュー(9.3.2.1参照)へのインプットとして含めることも併せて記載しましょう。トップマネジメントからの指示事項は議事録に記録し、次回会議でフォローアップを実施することのルールも重要です。

    内部監査・審査での確認ポイント

    審査員が確認する5つの観点

    IATF16949 5.1.1.2に関する審査では、以下の観点が重点的に確認されます。

    トップマネジメントがプロセスのレビューに関与しているか

    トップマネジメントが実際にプロセスレビューに参加し、判断・指示を行っている証拠(議事録等)を確認します。「形式的に出席しているだけ」ではなく、具体的なコメントや指示が記録されていることが求められます。

    KPIまたはプロセス評価指標が設定されているか

    製品実現プロセスと支援プロセスに対して、有効性と効率を評価できる指標が設定されているかを確認します。全プロセスに効率指標は不要ですが、設定しない判断の根拠を説明できる必要があります。

    プロセスレビューの結果がマネジメントレビューにインプットされているか

    プロセスレビューの結果が、マネジメントレビュー(9.3.2.1)のインプット資料に含まれていることを確認します。「品質会議の議事録」→「マネジメントレビューのインプット資料」への情報の流れが追跡可能であることが重要です。

    レビュー結果に基づく改善が実施されているか

    レビューで特定された課題に対して、具体的な改善策が立案・実行されているかを確認します。「改善が必要」と判定されたKPIに対して何も対応がない場合、指摘の対象となります。

    問題解決プロセスの有効性がレビューされているか(SI要求)

    是正処置の完了率、再発率、問題解決リードタイムなど、問題解決プロセスの有効性がトップマネジメントによってレビューされているかを確認します。

    IATF16949 5.1.1.2に関するFAQ

    【注目】お知らせ
    規格対応で迷ったら、メールで確認できますFAQで一般的な考え方を確認できますが、自社の規定・帳票・審査対応へどう反映するかは、会社ごとに判断が変わる場合があります。
    解釈
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    審査
    審査指摘や回答方針に不安がある

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    「有効性」と「効率」は具体的にどう違いますか?

    有効性は「計画した結果が達成された程度」、効率は「達成された結果と使用された資源の関係」です。有効性は目標達成度で判定し、効率は成果÷投入資源の比率で判定します。同じ目標を達成していても、投入資源が少ないほうが効率は高いと評価されます。両者は独立した評価軸であり、「有効だが非効率」「効率的だが成果が出ていない」を区別して評価することがポイントです。

    プロセスレビューとマネジメントレビューは別に実施すべきですか?

    必ずしも別会議として実施する必要はありません。重要なのは、プロセスの有効性・効率の評価が行われ、その結果がマネジメントレビュー(9.3.2.1)のインプットとして扱われていることです。月次の品質会議でプロセス別評価を行い、その集約をマネジメントレビューに反映する運用が一般的です。

    KPIは全プロセスに設定する必要がありますか?

    IATF公式解釈(SI)では、全プロセスに効率性の指標を設定することは要求されていないと明記されています。組織がQMSの中のどのプロセスに対して効率性指標を必要とするかを自ら決定します。ただし、その判断根拠を説明できるようにしてください。有効性指標については、主要プロセスに設定することが望ましいです。

    トップマネジメントはどの程度まで関与すべきですか?

    現場の細部まで直接確認する必要はありませんが、KPIやレビュー資料をもとにプロセスの傾向や課題を理解し、改善が必要な領域を認識し、必要な資源配分や方針変更を判断・指示する立場として関与することが求められます。審査では、議事録に記録されたトップマネジメントの具体的なコメントや指示事項が確認されます。

    プロセス評価の結果はどのような形式で報告すべきですか?

    特定の様式は規定されていませんが、プロセスごとにKPI(目標・実績・判定・改善事項)を一覧化した報告形式が推奨されます。トップマネジメントが迅速に判断できる状態を作ることが目的であり、グラフや推移表を活用して視覚的にわかりやすくすることが効果的です。

    小規模企業でも同じレベルのプロセス評価が必要ですか?

    組織規模に応じた運用で問題ありません。小規模企業の場合、主要プロセスを絞り、KPIを最小限に設定し、レビュー記録を残すことで、実態に合った形で要求を満たすことが可能です。重要なのは「評価し、判断し、改善につなげている」ことが証明できることです。

    改善が進まない場合の原因と対策は?

    よくある原因は、評価結果が抽象的で改善テーマが明確でないこと、改善策の責任者や期限が決まっていないこと、マネジメントレビューでのフォローアップが弱いことの3つです。評価→改善策立案→実行→効果確認のPDCAを仕組みとして回すこと、特にトップマネジメントからの指示事項の対応状況を次回会議で確認するフォローアップ体制が重要です。

    SI(公式解釈)で追加された要求は何ですか?

    SIでは2つの重要な補足がなされています。第一に、全プロセスに効率性指標を設定する必要はなく、組織が必要なプロセスを自ら決定すること。第二に、問題解決プロセスの有効性レビューをマネジメントが実施する必要があること。特に後者は見落とされがちですが、是正処置の完了率や再発率を経営層がレビューする仕組みが求められています。

    IATF16949:楽々構築リスト

    販売中:教材・サンプル 区分 ISO9001 IATF16949
    IATF16949:規定ノウハウ集 規定 × 〇
    IATF16949:基礎から応用教材特集 テキスト × 〇
    IATF16949:オンラインメール相談プラン コンサル × 〇

    IATF16949 5.1.1.2プロセスの有効性及び効率:まとめ

    IATF16949 5.1.1.2は、トップマネジメントが製品実現プロセス及び支援プロセスの有効性と効率を評価・改善するためにレビューし、その結果をマネジメントレビューへインプットすることを求める条項です。

    構築のポイントは、既存の会議体(品質会議、デザインレビュー等)を活用してプロセスレビューを実施し、KPIによる定量的な評価を行い、結果をマネジメントレビューへ確実に反映する情報フローを設計することです。IATF公式解釈(SI)で示された「全プロセスに効率性指標は不要」という点を正しく理解し、組織として必要なプロセスを判断したうえでKPIを設定してください。また、問題解決プロセスの有効性レビューがSIで追加要求されている点も見落とさないようにしてください。

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