IATF:6.2.2.1項の品質目標及びそれを達成するための計画策定-補足は、ISO9001の6.2項内容より厳しい要求となっているのが特徴です。
自動車産業では顧客からの要求が厳しいものが多く、その要求は企業ごとに与えられることも多いです。
今回の記事は、IATF:6.2.2.1項の品質目標及びそれを達成するための計画策定-補足の意味・構築ポイントについて解説します。
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知識・経験を活かし、品質マネジメントシステムの規格を幅広い方々に理解いただき、各規格の普及のお手伝いができればという思いで立ち上げました!難解な内容も、知識と経験でわかりやすく解説していきますので、これからもよろしくお願いします!あくまでも個人の見解となりますので、ご理解いただき是非参考にしていただければ幸いです★
条項 | 題目 | ISO9001 | IATF |
第4章 | 組織の状況 | 〇 | 〇 |
第5章 | リーダーシップ | 〇 | 〇 |
第6章 | 計画 | 〇 | 〇 |
第7章 | 支援 | 〇 | 〇 |
第8章 | 運用 | 〇 | 〇 |
第9章 | パフォーマンス評価 | 〇 | 〇 |
第10章 | 改善 | 〇 | 〇 |
条項 | 題目 | ISO9001 | IATF |
6.1 6.1.1 6.1.2 |
リスク及び機会への取組み | ○ | ○ |
6.1.2.1 | リスク分析 | ○ | |
6.1.2.2 | 予防処置 | ○ | |
6.1.2.3 | 緊急事態対応計画 | ○ | |
6.2 6.2.1 6.2.2 |
品質目標及びそれを達成するための計画策定 | ○ | ○ |
6.2.2.1 | 品質目標及びそれを達成するための計画策定-補足 | ○ | |
6.3 | 変更の計画 | ○ | ○ |
目次
IATF:6.2.2.1項の品質目標及びそれを達成するための計画策定-補足の意図
IATF:6.2.2.1項の品質目標及びそれを達成するための計画策定-補足は、6.2項の品質目標の策定とそれを達成するための計画要求とほとんど変わりません。
特に強調されている点が、「顧客から期待されることの取り組み」です。
ISO9001取得企業であれば、品質方針・品質目標の策定は当然ですが、それに加え顧客から個別に与えられた目標については、目標達成に向けPDCAを回しながらの実施が必要です。
IATFでは、ISO9001より更なる顧客満足を追求する必要があるため、トップマネジメントを中心に行動していくことが求められます。
顧客から個別目標が与えられたらきちんとレビューする
自動車業界では、OEMやTire1から個別の品質目標を与えられることが多いです。
その目標に様々な目標値が書かれています。以下は、Tire1メーカーが某サプライヤーに品質目標を与えている事例を抜粋したものです。
某Tire1事例
顧客要求 | 数値目標 |
0km不良 | 3件以下 |
生産ライン内停止不具合 | 1件以下 |
再発防止の徹底 | 1件以下 |
・・・ | ・・・ |
年間目標や月次目標などを各サプライヤーに送付し、1年間のパフォーマンス実績を報告することなど、顧客から指定されることも多いです。
この与えられた目標を達成できるのかをきちんとレビューすることが非常に重要です。
IATF:6.2.2.1項の品質目標及びそれを達成するための計画策定-補足の条文には、以下のようなことが大事です。
その際のレビューのポイントを下記に解説します。
与えられた目標値よりも高い目標を設定する
IATF:6.2.2.1項の品質目標及びそれを達成するための計画策定-補足では、顧客満足度向上が求められます。
自社の品質目標が顧客の要求よりも高ければ達成可能な顧客目標と判断できますが、それよりも低い目標であれば、顧客要求以上の目標を設定しないと達成できない可能性が高くなります。
そのため、顧客目標が与えられた場合は、その要求よりも高い目標を設定する必要があります。
例えば、「0km不良2件以下」とした場合、「1件以下」などの目標を立て実施することで顧客満足を満たせる目標設定ができていると判断されます。
2件以下で実施してしまうと、目標に対するマージンがないため、達成できない場合が出てきてしまいます。
また、その目標は組織内での監視・管理はもちろん、結果についてはトップマネジメントへの報告つまり、マネジメントレビューのインプット情報にするようにしましょう。
IATF:6.2.2.1項の品質目標及びそれを達成するための計画策定-補足はどこに記載すればいい?
IATF:6.2.2.1項の品質目標及びそれを達成するための計画策定-補足の要求事項への対応ルールは、品質マニュアルに記載することで担保できます。
品質マニュアルに顧客の目標が与えられた場合のルールについて記載することで対応可能です。
品質マニュアルの記載例は、以下を参考にしてみましょう。
レビューされた目標値は、自社の品質目標との関連・他顧客/他機種との関連を考慮しなければならい。
また、顧客目標の監視は、品質目標詳細計画にて管理・監視を行い、トップマネジメントに最低1回の年次報告としてインプットする。
顧客から個別に監視要求がある場合は、それに従う。
関連帳票
品質目標詳細計画
ISO9001:6.2項の品質目標及びそれを達成するための計画策定は、トップマネジメントから与えられた品質目標を達成するための具体的な詳細計画策定が大事!でもどうやって作成すればいいのか悩みますよね!簡単にまとめられるテクニック満載の帳票を格安でご提供いたします!
IATF:6.2.2.1に関するFAQ
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IATF:6.2.2.1では、顧客から提示される品質目標に対して組織が適切に対応することが重要です。顧客からの要求は、組織の年次目標や内部・外部のパフォーマンス目標に反映させ、定期的にレビューを行う必要があります。特に、自社の目標と顧客の目標に大きな乖離がないか確認し、必要であれば顧客と目標値を協議することが推奨されます。
IATF:6.2.2.1の補足に基づき、品質目標の達成度はPDCAサイクルに沿って管理されるべきです。具体的には、目標をモニタリングし、組織内での監視や管理を行い、定期的にトップマネジメントに報告します。また、顧客からの目標が達成可能かどうかを確認し、もし達成困難な場合は目標の見直しを検討します。
品質目標の詳細設定には、弊社販売中帳票が参考になります。
⇒【帳票】No.62_品質目標詳細計画
顧客からの個別目標に対して組織の品質目標を更新する際は、目標値のレビュー方法や監視のルールを明確に記載することが必要です。例えば、顧客からの目標が与えられた場合、速やかにレビューを行い、必要に応じて協議し、その結果をトップマネジメントに報告するプロセスを規定やマニュアルに含めることで、IATF:6.2.2.1の要求事項に対応できます。
目標管理については、弊社販売中のサンプル規定を参考にしていただければ幸いです。
⇒【規定】No.6201_目標設定管理規定:IATF版
IATF:6.2.2.1項の品質目標及びそれを達成するための計画策定-補足:まとめ
IATF:6.2.2.1項の品質目標及びそれを達成するための計画策定-補足の要求事項の規格解釈および構築ポイントは如何でしたでしょうか?
自動車産業では、顧客から個別に年次目標が与えられる場合が多いです。
それらが与えられた場合は、各種目標との関連性を確認し、達成可能な目標なのかをきちんとレビューしましょう。
そして、目標についての達成度は、トップマネジメントへのインプットとすることが重要です。
それではまた!
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