ISO9001:8.4.1項の外部から提供されるプロセス・製品及びサービスの管理では、外部から提供されるプロセス・製品及びサービスが要求事項に適合していることを確実にするための管理の要求となっています。
今回の記事は、ISO9001:8.4.1項の外部から提供されるプロセス・製品及びサービスの管理の意味と構築ポイントについて解説します。
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目次
ISO9001:8.4.1項の外部から提供されるプロセス・製品及びサービスの管理とは購買部門の仕事!
ISO9001の8.4項全般は、購買部門の仕事を表しています。
そのため、購買部門の方は審査や監査で多くの質問をされる条項となっているのでしっかり要求事項を理解し、構築・受け答えができるようにしましょう!
ISO9001:8.4.1項の外部から提供されるプロセス・製品及びサービスの管理の要求事項は、ISO9001の8.4項の基本内容が記述され、要求事項に沿って構築することが求められます。
「外部から提供される」とは、仕入先(外注先・サプライヤー・ベンダーともいう)のことを指し、これには、物(部品・材料など)だけではなく、アッセンブリメーカーさんや工程の一部の外注先例えば、焼き入れ屋さんなども該当します。
これらの仕入先・外注先さんの管理を求めているのが本要求事項です。
その仕入先・外注先が自社が求める製品・サービス適合しているか・実施できるか・管理されているかなどを評価していくことも求められます。
組織は,次の事項に該当する場合には,外部から提供されるプロセス,製品及びサービスに適用する管理を決定しなければならない。
次に、ISO9001:8.4.1項の外部から提供されるプロセス・製品及びサービスの管理の要求事項を詳しく見ていきましょう。
【基本】購買プロセスのタートル図を作成しよう!
ISO9001:4.4.1項に基づき、購買プロセスの定義つまり、タートル図:タートルチャートの作成が必須です。
購買プロセスの運用に必要なインプット情報や、その仕事によるアウトプットを明確にすることで、購買プロセスの構築に必要な情報を作ることができます。
ISO9001:4.4.1項の品質マネジメントシステム及びそのプロセスで大事なことは、プロセスを表す「タートル図」です。タートル図は、審査で確認されるポイントであり、内部監査・顧客監査でも必要書類として確認されるポイントです。IATF16949は作り変え必須!簡単にまとめられるテクニック満載の帳票を格安でご提供いたします!
a)部品や原材料を管理対象とする
ISO9001:8.4.1項の外部から提供されるプロセス・製品及びサービスの管理の要求事項には、以下のように記載されています。
「組織自身の製品及びサービスに組み込む」つまり、製造業であれば部品や原材料のことを意図しており、それらを管理対象とすることが求められます。
多くの企業では「ベンダーリスト」といった仕入先さんの名前や連絡先などの情報が記載されたリストを保持したり、購買管理システムを導入し対応していることが多いです。
b)外部委託(アウトソーシング)したプロセスも管理対象
ISO9001:8.4.1項の外部から提供されるプロセス・製品及びサービスの管理の要求事項には、以下のように記載されています。
この内容は、例えば商社さんが自動車メーカーさんにメーカーAさんの部品を納入するにあたり、メーカーAさんから自動車メーカーさんに直接製品を発送するようなことがよくあります。
そのような場合も、メーカーAさん(外部提供者)について管理の対象にすることを求めています。
また、最近ではファブレスメーカー(自社で工場を持たないで設計だけ行い、外部の協力工場で生産するといったメーカー)も多く、そのような場合は、協力工場さんを管理対象にする必要があります。
c)外部提供者を評価する仕組みを構築する
ISO9001:8.4.1項の外部から提供されるプロセス・製品及びサービスの管理の要求事項には、以下のように記載されています。
「プロセス又はプロセスの一部」とは、ファブレスメーカーであれば協力工場全体、プロセスの一部とは、一部の生産工程のみ外注している場合や、部品の購入などを意図しています。
それらの管理・評価をどうするのかを組織は決定しなくてはなりません。
仕入先(外部提供者)の選択は、部品購入ならばQCDの観点から仕入先の選定が必要です。
また、「本当に取引しいいのか」といった仕入先選定評価を行う(仕入先監査ともいう)ことで、信頼のおける仕入先との取引スタートには欠かせないものとなっています。
合格したサプライヤーであれば、契約を締結し購入が開始されます。
購入が進むにあたり、その仕入先が自社が求める製品に適合しているかを検査したり、納期遅れが起きないよう監視するなどのパフォーマンス評価を実施する必要があります。
それらのパフォーマンス結果を見て年度末に再評価するといった仕組み作りが重要です。
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d)評価結果は文書化し保持する
ISO9001:8.4.1項の外部から提供されるプロセス・製品及びサービスの管理の要求事項には、以下のように記載されています。
この要求事項からもわかるように、パフォーマンス評価:パフォーマンス評価表が必要であり、そのパフォーマンス評価が確実に行われている証拠も必要です。
例えば、受入検査の合格率の評価であれば「受入検査結果」や受入検査で不合格が発覚した場合の処置を記述した文書であれば「部品異常対策書」などが該当します。
単純なパフォーマンス結果のまとめではなく、それを作成する根本資料が必要です。
関連要求事項
ISO9001:8.4.1項の外部から提供されるプロセス・製品及びサービスの管理はどこに記載すればいい?
ISO9001:8.4.1項の外部から提供されるプロセス・製品及びサービスの管理は、購買管理規定を作成し対応することが必須です。
タートル図に記載されたインプット・アウトプットを含めた8.4項全体に適合した規定の作成を行いましょう。
最低限記載されている必要がある内容は、下記となります。
購買管理規定の基本内容 | 構築ポイント |
仕入先選定手順 | 選定開始のトリガー(例えば技術から依頼)となる内容と選定基準。 |
新規仕入先評価方法 | 取引を開始する前に調査すべきこと(監査でもOK)。 |
仕入先との契約 | 契約書の締結についての基本内容と流れ。 |
見積・発注・納品について | 購買管理システムの内容。 |
受入検査 | 受入検査方法。 |
仕入先評価(納入パフォーマンス) | 年度評価の内容。 ※仕入先パフォーマンス評価表がおすすめ! |
仕入先再評価手順 | 年度評価の内容。 ※仕入先パフォーマンス評価表がおすすめ! |
評価結果及びトラブル時の対応手順 | 評価結果に対しての行動指針と仕入先起因のトラブル対応方法。 |
ISO9001:8.4.1に関するFAQ
ISO9001のメールコンサルティングでよくある質問をFAQ形式で3つご紹介致します!もっと詳しく質問したい場合は、是非メールコンサルティングサービスをご活用くださいね!
ISO 9001では、サプライヤーの選定・評価基準を組織のニーズに合わせて設定することが求められます。品質、納期、価格、パフォーマンス履歴などが主な要素です。評価は定期的に実施し、基準に合わない場合は是正措置や再評価が必要です。
契約や発注書で、仕様、品質基準、納期、試験・検査要求、認証の有無などを明確に伝えることが重要です。また、品質への責任を果たすために、プロセスの変更や不具合発生時の報告義務も含める必要があります。
受け入れ時の検査プロセスを定義し、不具合が発見された場合は迅速に外部提供者へ通知します。再発防止のための是正措置を要求し、必要に応じてプロセス全体の見直しやサプライヤー変更も検討します。
ISO9001:8.4.1項の外部から提供されるプロセス・製品及びサービスの管理:まとめ
ISO9001:8.4.1項の外部から提供されるプロセス・製品及びサービスの管理の要求事項の規格解釈はいかがでしたでしょうか?
購買プロセスは、審査や監査で非常にしっかり見られるポイントです。
内部と外部の強い連携が求められる購買プロセスなので、タートル図の内容が明確に記載できることから審査員や顧客監査員が指摘しやすいといった特徴があります。
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それではまた!
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