
ISO9001:7.1.1項の一般(資源)は、品質マネジメントシステムに必要な資源を明確にし、それらの資源を提供することで、滞りなく品質マネジメントシステムが運用できるよう組織に提供することを意味しています。
今回の記事は、ISO9001:7.1.1の一般について解説します。

当サイトは、品質マネジメントシステムの普及を目的に、難解になりがちな規格要求を、できるだけ分かりやすく解説しています。実務の中で「少し確認したい」「判断に迷う」といった場面で、参考にしていただける情報提供を目指しています。
※本記事の内容は、実際の現場支援経験をもとに整理しています。
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| 条項 | 題目 | ISO9001 | IATF |
| 第4章 | 組織の状況 | 〇 | 〇 |
| 第5章 | リーダーシップ | 〇 | 〇 |
| 第6章 | 計画 | 〇 | 〇 |
| 第7章 | 支援 | 〇 | 〇 |
| 第8章 | 運用 | 〇 | 〇 |
| 第9章 | パフォーマンス評価 | 〇 | 〇 |
| 第10章 | 改善 | 〇 | 〇 |
| 条項 | 題目 | ISO 9001 |
重要 帳票 |
IATF 16949 |
重要 帳票 |
| 7.1.1 | 一般(資源計画) | 〇 | ● | 〇 | |
| 7.1.2 | 人々 | 〇 | ● | 〇 | |
| 7.1.3 | インフラストラクチャ | 〇 | ● | 〇 | |
| 7.1.3.1 | 工場、施設及び設備の計画 | 〇 | ● | ||
| 7.1.4 | プロセスの運用に関する環境 | 〇 | ● | 〇注記 | |
| 7.1.4.1 | プロセスの運用に関する環境-補足 | 〇 | ● | ||
| 7.1.5 7.1.5.1 |
一般(監視及び測定のための資源) | 〇 | 〇 | ||
| 7.1.5.1.1 | 測定システム解析 | 〇 | ● | ||
| 7.1.5.2 | 測定のトレーサビリティ | 〇 | 〇注記 | ||
| 7.1.5.2.1 | 校正/検証の記録 | 〇 | ● | ||
| 7.1.5.3.1 | 内部試験所 | 〇 | ● | ||
| 7.1.5.3.2 | 外部試験所 | 〇 | ● | ||
| 7.1.6 | 組織の知識 | 〇 | 〇 | ||
| 7.2 | 力量 | 〇 | 〇 | ● | |
| 7.2.1 | 力量-補足 | 〇 | |||
| 7.2.2 | 力量-業務を通じた教育訓練(OJT) | 〇 | |||
| 7.2.3 | 内部監査員の力量 | 〇 | ● | ||
| 7.2.4 | 第二者監査員の力量 | 〇 | ● | ||
| 7.3 | 認識 | 〇 | 〇 | ||
| 7.3.1 | 認識-補足 | 〇 | |||
| 7.3.2 | 従業員の動機付け及びエンパワーメント | 〇 | |||
| 7.4 | コミュニケーション | 〇 | ● | 〇 | |
| 7.5.1 | 一般(文書化した情報) | 〇 | 〇 | ||
| 7.5.1.1 | 品質マネジメントシステムの文書類 | 〇 | |||
| 7.5.2 | 作成及び更新 | 〇 | 〇 | ||
| 7.5.3 7.5.3.1 7.5.3.2 |
文書化した情報の管理 | 〇 | 〇 | ||
| 7.5.3.2.1 | 記録の保管 | 〇 | |||
| 7.5.3.2.2 | 技術仕様書 | 〇 |
当サイトの情報提供スタンスについて
当サイトでは、ISO9001およびIATF16949について、規格要求の解説にとどまらず、実務でどのようにルールや記録へ落とし込むかを重視して情報を整理しています。
規格の理解とあわせて、「現状とのギャップをどう捉えるか」「どこから手を付けるべきか」といった判断に迷いやすい点を、現場目線で分かりやすく解説することを目的としています。
記事内容を自社へ当てはめる際の考え方や、判断に迷うポイントについては、別ページで整理した情報も用意しています。
この記事の目次
ISO9001:7.1.1の一般についての意図

品質マネジメントシステムを運用のみならず、組織を運営するためには必ず「経営資源」が必要になります。身近な例で言うと、パソコンが無ければ現代社会では仕事をすることが難しいです。その為には、必要な資源・必要な数量・スペックを明確にし、それらを必要なプロセスに適切なタイミングで提供することを求められています。
それを組織の中で確実に実施することを品質マネジメントシステムの中で行うことを意図した要求であるのが第7章全般の要求です。またそれらの資源を明確にすることを7.1項の資源の要求事項として求められており、7.1項の各要求事項は、7.1.2~7.1.6項で資源の明確化にすることができるようになります。
7.1.3:インフラストラクチャ
7.1.4:プロセスの運用に関する環境
7.1.5.1:一般(監視及び測定の為の資源)
7.1.5.2:測定のトレーサビリティ
7.1.6:組織の知識
内部資源を明確にする
ISO9001の運用はもちろん、経営には様々な資源が必要です。経営資源には、以下のような資源が必要になるので、資源について明確にするようにしましょう。
②インフラストラクチャ(電気・水道・ガス・インターネットなど)
③監視及び測定に必要な資源(計測器・生産設備など)
④環境(作業場・クリーンルームなど)
ISO9001取得企業を監査する機会が多いのですが、多くの会社は年度末に資源予算を計画し、次年度に必要に応じて購入するといった仕組みを構築しています。
その予算を編成する為にも、内部資源を管理し、足りない物や今後必要となる資源を計画的に購入され、必要なプロセスに提供することが大事です。
特に人的資源の中に「プロセスに必要な固有の知識・資格を持つ要員」も大事な資源なので、関連した教育計画なども併せて構築が必要です(要求事項:7.1.2)。
力量評価で整理する教育訓練管理の考え方
ISO9001やIATF16949では、業務に必要な力量を明確にし、教育訓練を通じて維持・向上させることが求められます。個人ごとのスキルや目標を整理することで、組織として必要な能力とのギャップを把握しやすくなります。力量と業務内容を結び付けて管理することが重要です。
一方で、教育記録だけが残り、力量の評価や育成計画と連動していないケースも少なくありません。そのため、評価基準や育成目標を整理したうえで運用することが重要になります。こうした整理を進める方法の一つとして、力量評価と教育訓練管理の進め方をまとめた資料を参考にする方法もあります。
規格を理解するうえで、よくある「つまずき」とは?
ISO9001やIATF16949、VDA6.3の要求事項は、条文を読むだけでは自社業務への当てはめ方が分かりにくい場面が少なくありません。理解したつもりでも、文書化や運用判断で迷いが生じることは多く、その違和感こそが改善ポイントになる場合もあります!
※ 個別ケースでの考え方整理が必要な場合は、補足的な確認も可能です。
外部資源を明確にする
外部資源とは、大きく分けて3つの資源を指します。
→外部の専門的な知識・技術を活用し、自社の経営資源を得意分野に集中する仕組み
②ファブレス
→製造工場を持たない製造業の形態。設備投資を大幅に抑えることができる。
③OEM
→自社で生産した製品に相手先のブランドを付けて供給する仕組み
これらの外部資源を活用し、生産拡大・売り上げ拡大を狙うのが外部資源の有効な活用です。
特に、外部委託をする場合、委託先もISO9001の管理下に置くことが重要なので、管理された状態を維持できるような仕組みが必要です。
ISO9001:7.1.1項の一般(資源計画)はどこに記載すればいい?
ISO9001:7.1.1は、後述される要求事項に対しての全体的説明となるのがポイントです。品質マニュアルのISO9001:7.1.1の部分に以下の取組方法を記載することで対応することが可能です。
関連帳票:資源計画表
資源についての詳しい内容は、前述した資源要求の条項に従い管理を行うようにしましょう。
ISO9001・ISO14001構築でつまずきやすい点
ISO9001やISO14001は、「何を決めるべきか」「どう見える化するか」といった判断事項が多く、構築の初期段階で迷いやすい規格です。要求事項は理解できても、実際の規定や帳票をどう整えるかで手が止まってしまうケースも少なくありません。
そのため、実務で使われている規定や帳票の考え方を参考にしながら、自社のペースで整理していくことが重要になります。
ISO9001:7.1.1に関するFAQ
規格対応でよく聞かれる悩み
ISO9001やIATF16949、VDA6.3に取り組む中で、「審査対策として何を優先すべきか分からない」「要求事項に対する構築の考え方が整理できない」といった声は少なくありません。
また、社内にQMSを体系的に理解している担当者がいない場合や、外部コンサルの費用面で継続的な支援が難しいと感じるケースもあります。こうした悩みは、特定の企業に限らず、多くの現場で共通して見られるものとなっています。
はい、必要です。ISO 9001では、組織の規模や複雑さにかかわらず、品質目標を達成するための適切な資源の確保が求められます。人的資源、設備、インフラ、環境など、必要な資源を適切に計画することで、効率的な業務運営が可能になります。
まず、品質目標を達成するために必要な具体的な資源を特定します。次に、これらの資源が不足しないようにするため、入手・維持・改善のプロセスを決めます。リスクや変動にも対応できるよう、資源の可用性も考慮することが重要です。
資源計画は、内部監査やマネジメントレビューの際に定期的に見直します。特に、業務プロセスや顧客要求の変更があった場合、または新しいプロジェクトが開始されたときには、迅速な見直しが推奨されます。これにより、常に適切な資源が確保されます。
ISO9001:7.1.1の一般(資源計画):まとめ

ISO9001:7.1.1項の一般(資源計画)の規格解釈および構築ポイントは如何でしたでしょうか?
ISO9001では、資源計画を立て、適切なタイミングで必要な資源を各プロセス・部門に提供することを求めています。
この要求事項はでは、内部資源・外部資源を明確にすることで品質マネジメントシステムの運用に必要な資源を明確にし、計画的に提供できることが求められます。
年度末に資源計画を立て、次年度に必要な資源を明確にするようにしましょう。
それではまた!









