今回はIATF16949：5.1.1.2項のプロセスの有効性及び効率の規格解釈、構築ポイントについて解説いたします。
皆さんの会社では、トップマネジメントが自らプロセスの有効性及び効率をレビューされていますよね！
そのレビューの為にあるのが、マネジメントレビューです。
今回の記事は、IATF16949：5.1.1.2項のプロセスの有効性及び効率のレビューポイントについて解説します。
| 条項 | 題目 | ISO9001 | IATF16949 |
| 第4章 | 組織の状況 | 〇 | 〇 |
| 第5章 | リーダーシップ | 〇 | 〇 |
| 第6章 | 計画 | 〇 | 〇 |
| 第7章 | 支援 | 〇 | 〇 |
| 第8章 | 運用 | 〇 | 〇 |
| 第9章 | パフォーマンス評価 | 〇 | 〇 |
| 第10章 | 改善 | 〇 | 〇 |
| 条項 | 題目 | ISO9001 | IATF16949 |
| 5.1.1 | 一般（リーダーシップ） | ○ | ○ |
| 5.1.1.1 | 企業責任 | ○ | |
| 5.1.1.2 | プロセスの有効性及び効率 | ○ | |
| 5.1.1.3 | プロセスオーナー | ○ | |
| 5.1.2 | 顧客重視 | ○ | ○ |
| 5.2.1 | 品質方針の確立 | ○ | ○ |
| 5.2.2 | 品質方針の伝達 | ○ | ○ |
| 5.3 | 組織の役割・責任及び権限 | ○ | ○ |
| 5.3.1 | 組織の役割・責任及び権限ー補足 | ○ | |
| 5.3.2 | 製品要求事項及び是正処置に対する責任及び権限 | ○ |
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目次
IATF16949：5.1.1.2のプロセスの有効性及び効率の規格解釈
IATF16949を構築・運用する前提の品質マネジメントシステムがISO9001です。
その為、皆さんの会社ではトップマネジメントへの様々な形でプロセスからのアウトプットを経営層へインプットしているはずです。
経営層へ報告する会議の一般的な会議体は以下のような内容だと思います。
トップマネジメントが参加する会議体例
| 会議名 | 内容 | 経営層出席 |
| 品質会議（定期・臨時） | ①市場クレーム ②工程内不良条項報告 ③仕入先に対するクレーム など |
〇 |
| 生産促進会議 | ①生産計画 ②生産課題 など |
△（必要に応じて） |
| 営業促進会議 | ①売り上げ状況 ②新規・既存顧客の状況 ③マーケティング情報 など |
〇 |
| デザインレビュー | ①新規開発案件の節目検証結果 ②移行前の残課題 など |
△（DR４のみ） |
これらの会議の中で、様々なプロセスからのインプット情報を基に、トップマネジメント自らレビューすることを意図しているのが、5.1.1.2項のプロセスの有効性及び効率の意味です。
プロセス毎に設定した品質目標とプロセス評価指標が確実に経営層にインプットされていることが重要になるので、次にそのポイントを解説します。
プロセスアプローチの意味
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プロセスの有効性と効率の意味
IATF16949：5.1.1.2項のプロセスの有効性及び効率の要求事項には、以下のように記述されています。
IATF16949：5.1.1.2項のプロセスの有効性と効率についての要求事項で一番理解できないのが「有効性」と「効率」の違いです。
ISO9001：5.1.1でなぜ「数値化した目標」がいいのかというのは、下記の理由からわかります。
「目標が達成された程度」を表す指標。例えば、不良率１％以下の目標（計画）を立てたのであれば、達成したのかどうか一目瞭然で分かります。
▶効率性
投入資源から、意図した成果が得られたかの割合を表す指標。計算式で表すと「効率性＝成果物または結果/投入資源」となり、投入資源が大きいと効率性は悪くなるということです。
すなわち！
目標値（数値化）が設定された効率指標は、有効性も効率性も見ることができるので、目標は数値化すれば簡単に分析できるといことです。
数値化できな表現を使用すると、効率性を評価するのが難しく、目標が曖昧になり評価できないため、指摘事項になりやすいです。
その為にもプロセス評価指標は「数値化した目標値」にすることがポイントです。
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マネジメントレビューへインプット！
IATF16949：5.1.1.2項のプロセスの有効性及び効率の要求事項には、以下のように記述されています。
企業活動の中で様々な会議体が必要とされ、必要に応じてトップマネジメントが関与した会議も実施されるでしょう。
その会議体の中でプロセス評価指標がきちんとインプットされていることで、マネジメントレビューとしてのインプット情報とすることができます。
この要求事項に関連するのが、ISO9001：7.4項のコミュニケーションです。
どの会議体がトップマネジメントが関与するのかを明確にすることで、本の要求事項に対応できるので、7.4項と連動した帳票を下記のように準備しましょう。
IATF16949：5.1.1.2項の内容はどこに記載さればいい？
IATF16949：5.1.1.2項のプロセスの有効性及び効率についての内容は、品質マニュアル付表の会議体一覧で対応可能です。
②経営者にプロセス指標がインプットされているか
③経営者からの指示や改善事項が取り組まれているか
記述されていることが大事なのではなく、運用されている記録（結果）が審査で確認されるので、会議での議事録を必ず残すようにしましょう。
特に、トップマネジメントからのコメントに対する対応は審査ポイントになるので、きちんと対応されている仕組みを構築するようにしてください。
IATF16949：5.1.1.2項のプロセスの有効性及び効率：まとめ
IATF16949：5.1.1.2項のプロセスの有効性及び効率の規格解釈および構築ポイントは如何でしたでしょうか？
プロセスの有効性と効率性の評価は、プロセスオーナーはもちろんトップマネジメントもきちんと確認され、評価された状態でなくてはなりません。
企業には様々な会議があり、その会議の中でプロセス評価指標（KPI指標）が評価された状態であることが求められます。
それら会議の中の代表的な会議が「マネジメントレビュー」です。
この会議の中には、品質目標について必ずインプットしなければならないで、確実に経営層にインプットされる仕組みを構築しましょう。それではまた！
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