VDA6.3の監査についてよくお問合せいただく疑問・質問をFAQ形式でまとめました!下記にない内容がありましたらお気軽にお問合せください。
知識・経験を活かし、品質マネジメントシステムの規格を幅広い方々に理解いただき、各規格の普及のお手伝いができればという思いで立ち上げました!難解な内容も、知識と経験でわかりやすく解説していきますので、これからもよろしくお願いします!あくまでも個人の見解(公式に認められたものではない)となりますので、ご理解いただき是非参考にしていただければ幸いです★
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VDA 6.3は、(VDAはドイツ自動車工業会:Verband der Automobilindustrieのドイツ語の頭文字の単純な略語です。)が開発したプロセス監査のための標準で、自動車産業におけるサプライヤーのプロセスが顧客の要求にどれだけ準拠しているかを評価するために使用されます。
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VDA 6.3プロセス監査は、自動車産業におけるサプライヤーの製品開発、生産、およびサービスプロセスの品質を評価し改善するための方法論です。
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監査は、定められた基準に従って専門の監査員により実施され、プロセスが顧客の要求と規制要件にどの程度準拠しているかを評価します。これには専用のチェックシートがあるので、IATF16949の要求に加え、VDA6.3の内容も理解しなくてはなりません。
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自動車産業のサプライチェーンにあるすべての組織、特にOEM(元装備製造業者)のサプライヤーが対象です。IATF16949を取得しているサプライヤーでもよくて80%程度の合格点です。
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主な領域には、プロジェクト管理(P2)、製品開発プロセス(P3,P4)、生産プロセス(P6)、サービス(P7)、およびサプライヤー管理(P5)が含まれます。
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監査頻度は組織のリスク評価や過去の監査結果に基づきますが、通常は1〜3年ごとに行われます。
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成功の鍵は、適切な内部プロセスの確立と継続的な改善、準備と社内でのコミュニケーション強化です。IATF16949を最低限完全に理解し、その上でVDA6.3の規格を理解することが重要です。
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最新版は時期によって異なるため、VDA公式サイトまたは関連資料を参照して最新情報を確認してください。
※2024年現在は、VDA6.3:2023第4版となっています。
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監査結果は、プロセスの改善、品質管理体制の強化、および顧客満足度の向上に向けた行動計画の策定に使用されます。特に、ポテンシャル分析の結果は、サプライヤーの選定評価の重要な結果となります。
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VDA 6.3監査員になるには、認定トレーニングコースを受講し、関連する資格試験に合格する必要があります。資格試験はかなり難しいので、しっかり対策しないと簡単に落とされます。
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VDA 6.3は自動車産業特有のプロセス監査に焦点を当てたもので、ISO 9001はより広範な産業に適用可能な品質管理システムの標準です。
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高い評価を受けるためには、監査基準に準拠したプロセスの文書化、関連する証拠の整理、従業員の教育と意識向上、および内部監査の実施が重要です。
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問題点に対しては、原因分析を行い、是正措置と予防措置を計画して実施し、その効果を評価するプロセスを通じて対処する必要があります。特に原因分析については、IATF16949の問題解決手法が役立ちます。
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状況に応じてリモート監査が可能な場合もありますが、これは監査を実施する団体・企業のポリシーや特定の要件に依存します。最終的には現場監査が実施されます。これらは、第4版の変更点でも言及されています。
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監査報告書には、監査の範囲、評価されたプロセス、識別された不適合、ポジティブな発見、および改善のための推奨事項が含まれます。
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VDA 6.3はプロセス監査に特化しており、IATFはより広範な品質管理システム要件をカバーしていますが、両者は自動車産業における品質向上を目的として相互に補完的な関係にあります。
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文書化の不備、プロセスの不適合、従業員の訓練不足、内部監査の欠如などが一般的な落とし穴です。特にVDA6.3のプロジェクト管理については理解できていない企業様が多いのが私の経験的な所感です。
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VDA公式ガイドライン、資格を持つコンサルタントのアドバイス、関連するトレーニングコースが準備に役立ちます。コンサルタントとの相性・コンサルタントの理解度経験によっても大きく左右される要素です。ただし前提条件として、IATF16949を取得していないと難しいです。
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監査結果の有効期限は通常、次の監査までとされていますが、これは組織のパフォーマンスや業界の要件によって異なる場合があります。
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最新の更新情報は、VDA公式ウェブサイトや、購読している業界のニュースレターや通知などで理解できます。当サイトでも更新があれば記事にしていますので、参考にしてください。
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監査では、リスク管理、顧客指向、プロセスの有効性、改善の持続性など、組織が顧客満足度を最大化するためのプロセスをどれだけ効果的に実施しているかが重視されます。特に、顧客へ影響するリスクについては点数の優劣のポイントになります。
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リスクベースのアプローチでは、潜在的な問題や不確実性がプロセスのパフォーマンスに与える影響を予測し、これらのリスクを管理し軽減するための措置を講じます。これは、IATF16949の自動車産業プロセスアプローチの理解が必要です。
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プロセスの有効性を示すためには、定量的なパフォーマンス指標、目標達成のための記録、顧客フィードバック、および改善活動の文書が必要です。特に内部監査の結果注目して見られます。
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プロジェクト計画、リスク管理、スケジュールとリソースの管理、顧客とのコミュニケーション、およびプロジェクトの成果物の品質管理などが含まれます。特にP4の範囲ではPPAPの資料として成果物の完成が求められます。
関連記事:【VDA6.3攻略】P4:製品及びプロセス開発の実施の要求事項
サプライヤー選定、評価、および監視プロセス、サプライヤーとのコミュニケーション、およびサプライヤーからの入力品質の管理が評価されます。主にP5の要求事項となります。
関連記事:【VDA6.3攻略】P5:サプライヤマネジメントの要求事項
要求事項には、顧客要件の明確化、設計と開発の計画、設計レビュー、設計検証と検証、および設計変更の管理が含まれます。それぞれに対応するプロセスの担当者が理解する必要があります。
関連記事:【VDA6.3攻略】P4:製品及びプロセス開発の実施の要求事項
生産プロセス監査では、プロセス制御、機器の校正とメンテナンス、製品識別と追跡、不良品の管理、および作業環境の管理が重視されます。特に、特殊特性に関する工程については厳しく確認を行います。
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顧客満足度は、顧客フィードバックの収集と分析、顧客苦情の処理、および顧客要件の達成度に関する定期的なレビューを通じて評価されます。これは、IATF16949の顧客満足度調査と強く関係します。
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継続的改善には、パフォーマンス指標に基づくプロセスのモニタリング、問題の根本原因分析、改善措置の実施、およびその効果のレビューが含まれます。改善と是正を間違えて実施している企業が多いので注意してください。
関連記事:是正と改善・予防は何が違う?
文書化要件には、プロセス手順書、品質マニュアル、作業指示書、監査記録、および改善活動の記録などが含まれます。これらの提示は質問されてから10秒程度で提示できることが望ましいです。
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不適合が識別された場合、組織は是正措置を計画し実施し、その効果を検証するプロセスを通じて対応する必要があります。この是正処置は、3か月以内に完了されていることが望ましいですが、期限については監査員との合意が必要です。
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監査計画には、監査の範囲、目的、基準、監査日程、監査チームのメンバー、および必要なリソースが含まれます。これらはISO19011に基づき実施されていることが必須です。
関連記事:監査成功への道:ISO19011の理解とQMS運用の秘訣
効果的なコミュニケーションは、監査の透明性を確保し、関係者間の誤解を防ぎ、監査結果の受け入れと実施を促進します。これは、監査員の心得としても重要であることです。
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経営層のコミットメントは、必要なリソースの提供、組織全体への改善文化の促進、および改善活動の成功を確実にするために不可欠です。特に上申(上司への報告)として最終的には会社役員まで報告される仕組みについて監査で確認されます。
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評価手法には、ドキュメントレビュー、現地調査、従業員へのインタビュー、プロセスの観察、およびデータ分析が含まれます。これらが、プロセス・製品・システムのリスクが無いかで点数評価されます。
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プロセス指標は、プロセスのパフォーマンスを定量的に評価し、改善のための具体的な目標を設定するために重要です。これらはタートル図の右下のKPI指標で評価されていることが求められます。
関連記事:【ISO9001攻略】4.4.1:品質マネジメントシステム及びそのプロセスの要求事項
従業員の能力とトレーニングは、役割ごとの能力要件、定期的なトレーニングの実施、およびトレーニングの効果の評価を通じて評価されます。特に、特殊特性に関わる要員の力量評価は必ず見られるので準備してください。
関連記事:【IATF16949攻略】7.2.1:力量-補足の要求事項
顧客関連プロセスの評価では、顧客要求の特定と理解、顧客要求に基づいたプロセスの設計と実施、および顧客満足度の定期的な評価が重要です。特に、市場故障分析の手法については監査の中で細かく確認されます。
関連記事:【IATF16949攻略】10.2.6:顧客苦情及び市場不具合の試験・分析の要求事項
環境および安全管理には、作業環境のリスク評価、環境影響の監視と管理、緊急時対応計画の策定、および従業員への健康と安全に関する教育が含まれます。特に、緊急事態対応計画(BCP)についてはかなら厳しくチェックされるので、万全の準備が必要です。
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是正措置と予防措置のプロセスには、問題の識別、原因の根本原因分析、是正および予防措置の選択と実施、および措置の効果評価が含まれます。
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変更管理では、製品やプロセスの変更に伴うリスクの評価、変更の文書化、関係者への通知、および変更後の監査を通じて、変更が適切に管理されることが求められます。特に、FMEAとコントロールプランが遡って改訂されていないと厳しい評価がされます。
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データ分析は、プロセスのパフォーマンスを定量的に理解し、品質の問題を特定し、改善活動の優先順位付けを支援するために重要です。
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顧客指向性には、顧客のフィードバックの積極的な収集と評価、顧客苦情の迅速な対応、および顧客満足度向上のための継続的なプロセス改善が含まれます。顧客満足の調査がこれに該当します。
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効果的な内部コミュニケーション戦略には、監査プロセスと期待に関する明確な情報提供、従業員への監査準備トレーニング、および監査結果と改善措置の透明な共有が含まれます。これらの総括活動として内部監査が行われます。VDA6.3には特別な質問表があるので、それらを理解した監査員が内部監査をした証拠が求められます。
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技術的な能力と専門知識は、プロセスや製品に関する複雑な要求事項を理解し、監査中に有効な評価と助言を提供するために不可欠です。これには、最新の業界標準、技術的なベストプラクティス、および特定の技術分野における深い理解が含まれます。特に、P3の範囲の製造フィージビリティスタディの結果は、顧客提出が求められるのできちんと実施してください。
関連記事:【VDA6.3攻略】P3:製品及びプロセス開発の計画の要求事項
組織文化への影響は、従業員の監査に対する態度、品質に対するコミットメント、および継続的改善への取り組みを通じて間接的に評価できます。結果論ですが、監査結果がよい=組織文化もよいと考えることもできます。
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持続可能性と環境責任は、環境影響評価、資源使用と廃棄物管理のプラクティス、および環境管理システムの有効性を通じて評価されます。これらはISO14001の取得が求められることも多いので、IATF16949・ISO9001・ISO14001は3点セットで必要です。
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外部監査員(顧客)は、監査員資格を保持した監査員として、サプライヤー組織のプロセスとシステムを評価し、客観性を提供します。サプライヤーの内部監査員は、組織内での継続的な改善と自己評価をサポートし、内部での監査プロセスを実施します。いずれの監査員もVDA6.3の監査員資格を保持していることが重要です。
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行動計画の作成には、明確な目標設定、実行可能な改善措置の特定、責任者の割り当て、タイムラインの設定、および進捗の定期的なモニタリングと調整が含まれます。これらはISO19011に基づき実施してください。
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フォローアッププロセスには、是正措置と予防措置の実施、これらの措置の効果のモニタリング、および必要に応じて追加の改善活動の実施が含まれます。
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見落としがちな要素には、非公式プロセスや手順の評価、組織の知識管理と情報共有のプラクティス、および従業員のモチベーションと参加度が含まれます。非公式なプロセスで実施している場合、それらは正規の方法ではない生産と捉えられ、リスク大になります。
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情報セキュリティとデータ保護には、機密情報の取り扱い、データアクセス制御、情報セキュリティ管理システムの実装、およびデータ保護規制への準拠が含まれます。VDA6.3:2023で強化されている内容の1つです。
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