【IATF16949攻略】5.3.2:製品要求事項及び是正処置に対する責任及び権限の要求事項徹底解説!

IATF16949:5.3.2「製品要求事項及び是正処置に対する責任及び権限」は、トップマネジメントが製品の品質問題に対して出荷停止・生産停止の判断を下せる要員を任命し、是正処置を迅速に実行できる体制を構築することを求める条項です。

さらに、全てのシフト(日勤・夜勤)にわたって製品要求事項への適合を確実にする責任者を配置することも要求されています。

本記事では、出荷停止・生産停止の権限設計、トップマネジメントへの上申プロセスの構築、シフト別の責任権限マトリクス、封じ込め処置の具体的な手順、審査・内部監査での確認ポイントまで実務目線で徹底解説します。


この記事を書いた人

所属:QMS認証パートナー専属コンサルタント
年齢:40代
経験:製造業にて25年従事(内自動車業界15年以上)
得意:工場品質改善・プロジェクトマネジメント
目標:ちょっとの相談でも頼りにされるコンサルタント
※難解な規格を簡単に解説がモットー!

Hiroaki.M

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第5章:リーダーシップ及びコミットメント「要求事項リスト
ISO・IATF 5章
※IATF運用には、ISO9001の要求事項の運用が必須です。
条項 題目 ISO9001 IATF
第4章 組織の状況
第5章 リーダーシップ
第6章 計画
第7章 支援
第8章 運用
第9章 パフォーマンス評価
第10章 改善
条項 題目 ISO
9001
重要
帳票
IATF
16949
重要
帳票
5.1.1 一般(リーダーシップ)  
5.1.1.1 企業責任  
5.1.1.2 プロセスの有効性及び効率  
5.1.1.3 プロセスオーナー
5.1.2 顧客重視  
5.2.1 品質方針の確立
5.2.2 品質方針の伝達
5.3 組織の役割・責任及び権限
5.3.1 組織の役割・責任及び権限ー補足
5.3.2 製品要求事項及び是正処置に対する責任及び権限

当サイトの情報提供スタンスについて

当サイトでは、ISO9001およびIATF16949について、規格要求の解説にとどまらず、実務でどのようにルールや記録へ落とし込むかを重視して情報を整理しています

規格の理解とあわせて、「現状とのギャップをどう捉えるか」「どこから手を付けるべきか」といった判断に迷いやすい点を、現場目線で分かりやすく解説することを目的としています。

記事内容を自社へ当てはめる際の考え方や、判断に迷うポイントについては、別ページで整理した情報も用意しています。

IATF16949 5.3.2製品要求事項及び是正処置に対する責任及び権限の規格要求の全体像

5.3.2が求めている3つのポイント

5.3.2の要求事項は、大きく3つのポイントで構成されています。

ポイント(a):製品要求事項に適合しない場合の出荷停止・生産停止権限の付与

トップマネジメントは、製品要求事項に適合しない品質問題が発生した場合に、出荷停止および生産停止の判断を下せる責任と権限を持つ要員を任命しなければなりません。不適合品が顧客に流出する前に「止める権限」を持った人物が組織内に明確に存在していることが求められます。

ポイント(b):是正処置の迅速な実施と情報共有

品質問題が発生した際に、是正処置を担当する要員に対して速やかに情報が報告され、迅速に是正処置が実行される体制を構築することが求められます。問題の発見から是正処置の開始までの情報伝達経路が明確であることが重要です。

ポイント(c):全てのシフトにおける責任者の配置

全てのシフト(日勤・夜勤・交替勤務)にわたって、製品要求事項への適合を確実にする責任を持つ要員が配置されなければなりません。夜勤時に品質判断できる責任者が不在という状態は、審査で確実に指摘されます。

5.3.1との関係

【IATF16949攻略】5.3.2:製品要求事項及び是正処置に対する責任及び権限の要求事項徹底解説!①

5.3.1(組織の役割、責任及び権限-補足)は、顧客要求事項を満たすための6つの活動領域に対する責任者の任命を求める条項です。5.3.2は、5.3.1の中でも特に製品の適合性と是正処置に焦点を当てた条項であり、品質問題発生時の「即時対応」に特化しています

5.3.1が「平常時の責任体制」を定めるのに対し、5.3.2は「品質問題発生時の緊急対応体制」を定めると理解してください。両方の体制が整備されていることで、平常時も異常時も切れ目のない品質管理が実現します。

トップマネジメントの関与と権限委譲

5.3.2では、トップマネジメントが自ら出荷停止・生産停止の判断を行うことを求めているわけではありません。実務上は、トップマネジメントが力量のある要員に権限を委譲し、現場レベルで迅速な判断ができる体制を構築することが一般的です。

ただし、権限を委譲した場合でも、トップマネジメントは以下の責任を負います。

①権限を委譲された要員の力量を確認すること
②権限委譲の内容を文書化すること(業務・職位分掌表、任命書等)
③品質問題の発生状況と是正処置の結果を把握する仕組みを持つこと(上申プロセス)

トップマネジメントが「知らなかった」では済まされないのが5.3.2の本質です。権限を委譲しつつも、結果を把握する仕組み(上申プロセス)を必ず構築してください。

出荷停止・生産停止の権限設計

出荷停止権限は「品質管理責任者」が妥当

出荷停止の判断は、製品の適合性を最終的に判定する立場にある品質管理責任者(品質保証部長等)に付与することが最も合理的です。

出荷停止は「顧客に不適合品が流出することを防ぐ」ための最終防壁です。この判断には、製品の品質基準、顧客要求事項、法規制要求事項に対する深い知識が必要であり、品質管理部門のトップが最適です。

出荷停止権限の設計例:

項目 内容
権限者 品質保証部長(不在時:品質管理課長が代行)
判断基準 製品要求事項(図面・仕様書・規格値)に対する不適合が確認された場合
実施範囲 該当ロット・該当品番の出荷を停止
報告先 トップマネジメント(社長)へ即時報告
解除条件 原因特定+選別完了+再発防止策の暫定実施後、品質保証部長が解除判断
文書化 出荷停止指示書を発行し、記録を保持

生産停止権限は「工程管理部門」が妥当

生産停止の判断は、製造プロセスを直接管理する工程管理部門(製造部長、工程管理課長等)に付与することが合理的です。

生産停止は「不適合品の追加生産を防ぐ」ための措置です。生産ラインの状況、工程パラメータ、設備の状態を把握している製造部門のキーパーソンが最も迅速に判断できます。

生産停止権限の設計例:

項目 内容
権限者 製造部長(不在時:工程管理課長が代行)
判断基準 工程内検査での不適合検出、設備異常、工程パラメータの逸脱等
実施範囲 該当工程・該当ラインの生産を停止
報告先 品質保証部長+トップマネジメントへ即時報告
解除条件 原因特定+工程復旧+初品確認後、製造部長と品質保証部長の合意で解除
文書化 生産停止指示書を発行し、記録を保持

直ちに生産が停止できない場合の封じ込め処置

自動車部品の製造現場では、工程の特性上、直ちに生産を停止できないケースがあります。例えば、連続炉(熱処理炉)、樹脂成型機の冷却工程、塗装ラインなどは、工程の途中で即座に停止すると設備の損傷や安全上の問題が発生する場合があります。

このような場合でも、5.3.2の要求を満たすために封じ込め処置を講じる必要があります

封じ込め処置の手順:

ステップ1:影響範囲の特定

不適合が発生した時点から、最後に良品が確認された時点までのロットを特定する。トレーサビリティ記録(ロット番号、製造日時、工程記録)を活用して影響範囲を絞り込みます。

ステップ2:該当ロットの隔離

影響範囲のロットを合格品と分離し、「保留品」として識別する。保留品は赤色の識別タグや専用の隔離エリアに移動し、出荷されないようにします。

ステップ3:選別作業

隔離したロットに対して全数選別を実施し、適合品と不適合品を分別する。選別基準、選別方法、選別結果を記録します。

ステップ4:出荷済みロットの確認

影響範囲のロットの中で既に出荷済みのものがないかを確認する。出荷済みの場合は、顧客への速やかな通知と対応が必要です。

ステップ5:記録と報告

封じ込め処置の内容、影響範囲、選別結果、顧客への通知状況をすべて記録し、トップマネジメントに報告します。

トップマネジメントへの上申プロセスの構築

上申プロセスが必要な理由

【IATF16949攻略】5.3.2:製品要求事項及び是正処置に対する責任及び権限の要求事項徹底解説!②

5.3.2では、トップマネジメントが品質問題の発生状況を把握できる仕組みが求められます。権限を現場に委譲しても、トップマネジメントへの報告経路(上申プロセス)が未整備だと、「トップマネジメントが品質問題を把握していなかった」として審査で指摘されます。

上申プロセスは、現場で発生した品質問題がトップマネジメントまで確実に伝わる情報の流れを文書化したものです。

上申プロセスの設計(エスカレーションフロー)

品質問題の重大度に応じた上申ルールを設計してください。

レベル1:軽微な品質問題(工程内で完結)

  • 対象:工程内検査で発見された不適合(ロット内不良率が管理限界内)
  • 対応者:工程リーダー
  • 上申先:工程管理課長に報告
  • 上申タイミング:日報で報告

レベル2:重大な品質問題(出荷停止・生産停止を伴う)

  • 対象:製品要求事項に対する不適合、工程パラメータの大幅逸脱
  • 対応者:品質保証部長+製造部長
  • 上申先:トップマネジメント(社長)に即時報告
  • 上申タイミング:発生後2時間以内

レベル3:顧客クレーム・市場不具合

  • 対象:顧客からのクレーム、市場リコールに至る可能性のある不具合
  • 対応者:品質保証部長(全社対応チーム編成)
  • 上申先:トップマネジメント(社長)に即時報告、必要に応じて取締役会
  • 上申タイミング:発覚後1時間以内

上申プロセスは品質管理規定または不適合品管理規定に文書化し、各レベルの判断基準、対応者、上申先、上申タイミングを明記してください。

是正処置への情報伝達経路

5.3.2(b)では、品質問題に関する情報が是正処置担当者に速やかに報告されることを求めています。情報伝達が遅れると、是正処置の着手が遅れ、同一不良の追加生産や追加出荷につながるリスクがあります。

情報伝達で文書化すべき内容:

  • 不適合の発見者は誰に報告するか(第一報の報告先)
  • 是正処置の責任者は誰か
  • 報告手段(口頭→メール→是正処置依頼書の順で正式化)
  • 是正処置の着手期限(例:第一報から24時間以内に暫定対策を実施)
  • 是正処置の進捗管理方法(是正処置台帳、8Dレポート等)

シフト別の責任権限マトリクス

全シフトへの責任者配置が必要な理由

5.3.2は、全てのシフトにおいて製品要求事項への適合を確実にする責任を持つ要員の配置を要求しています。24時間稼働の自動車部品メーカーでは、夜勤時に品質判断できる責任者が不在であることが審査で不適合となる典型的なケースです。

「夜勤の品質問題は翌朝の日勤で対応する」という運用は5.3.2の要求を満たしません。夜勤中に発生した品質問題に対して、夜勤中に判断を下せる責任者が必要です

シフト別の権限マトリクス

以下は、日勤・夜勤の2交替制における責任権限マトリクスの例です。自社のシフト体制に合わせてカスタマイズしてください。

権限 日勤 夜勤
出荷停止の判断 品質保証部長 夜勤品質管理リーダー(品質保証部長の権限代行)
生産停止の判断 製造部長 夜勤製造リーダー(製造部長の権限代行)
封じ込め処置の指示 品質管理課長 夜勤品質管理リーダー
是正処置の着手 品質保証部長 暫定対策は夜勤リーダー、恒久対策は翌日日勤で品質保証部長が指示
トップマネジメントへの上申 品質保証部長が直接報告 夜勤リーダーが電話で品質保証部長に報告→品質保証部長がトップマネジメントに報告
顧客への連絡 品質保証部長+営業部長 翌日日勤で品質保証部長+営業部長が対応

夜勤の権限代行者に必要な力量

夜勤の権限代行者には、日勤の責任者と同等の判断ができる力量が求められます。以下の力量を確認し、スキルマップ(力量評価表)で管理してください。

  • 製品要求事項(図面・仕様書・規格値)の理解
  • 不適合品の判定基準の理解
  • 出荷停止・生産停止の判断基準の理解
  • 封じ込め処置の手順の理解
  • 上申プロセスの理解(誰に何をいつ報告するか)
  • 不適合品の識別・隔離方法の理解

シフト間の情報引継ぎ

シフト交替時の品質情報の引継ぎは、5.3.2の運用で最も見落とされやすいポイントです。以下の引継ぎの仕組みを整備してください。

引継ぎで伝達すべき情報:

  • 当該シフトで発生した品質問題の内容と対応状況
  • 出荷停止・生産停止中の品番・ロットの一覧
  • 封じ込め処置の進捗状況
  • 是正処置の進捗状況
  • 顧客からの連絡事項

引継ぎの方法:

  • シフト引継ぎ日報(チェックシート形式)の活用
  • シフト交替時の5分間ミーティングの実施
  • 品質掲示板(ホワイトボード等)への情報掲示

業務・職位分掌表への記載方法

5.3.2に対応した記載ポイント

5.3.2の要求に対応するために、業務・職位分掌表に以下のポイントを記載してください。

①出荷停止の権限者と代行者出荷停止の判断を行う権限者(品質保証部長)と、不在時の代行者(品質管理課長、夜勤品質管理リーダー等)を明記します。

②生産停止の権限者と代行者生産停止の判断を行う権限者(製造部長)と、不在時の代行者(工程管理課長、夜勤製造リーダー等)を明記します。

③封じ込め処置の責任者封じ込め処置(影響範囲の特定、ロットの隔離、選別作業の指示)を行う責任者を明記します。

④是正処置の責任者是正処置(原因分析、対策の立案・実施・効果確認)を担当する責任者を明記します。通常は品質保証部長が統括し、発生プロセスのプロセスオーナーが実行責任を持ちます。

⑤上申プロセスにおけるトップマネジメントへの報告責任者品質問題をトップマネジメントに報告する責任者を明記します。

⑥各シフトの品質管理責任者全てのシフトにおける品質管理責任者の氏名・職位を明記します。

責任と権限で整理する組織運営の考え方

ISO9001やIATF16949では、各業務に対する責任と権限を明確にし、組織として一貫した運営ができる体制を整えることが求められます。役割分担を整理することで、判断の遅れや責任の所在不明といった問題を防ぎやすくなります。組織図だけでなく、実際の業務との対応関係を明確にすることが重要です。

一方で、形式的な分掌表にとどまり、実務と乖離してしまうケースも少なくありません。そのため、業務内容と責任範囲を具体的に整理したうえで運用することが重要になります。こうした整理を進める方法の一つとして、責任と権限の整理方法をまとめた資料を参考にする方法もあります。

内部監査・審査での確認ポイント

審査員が確認する5つの観点

出荷停止・生産停止の権限者が任命されているか

出荷停止と生産停止のそれぞれについて、権限者が明確に任命され、業務・職位分掌表等で文書化されているかを確認します。「権限者が不明確」「文書化されていない」は典型的な不適合です。

権限者が自らの権限を理解し、実際に行使できるか

審査員が権限者に直接インタビューし、「どのような場合に出荷停止を判断するか」「判断基準は何か」を質問します。権限者が自らの権限を具体的に説明できなければ形骸化と判断されます。

全シフトに品質管理責任者が配置されているか

夜勤や交替勤務時に品質管理責任者が配置されているかを、シフト勤務表や権限マトリクスで確認します。夜勤時の権限代行者の力量もスキルマップ等で確認されます。

上申プロセスが文書化され、機能しているか

品質問題がトップマネジメントに報告される仕組みが文書化されているか、実際の品質問題発生時に上申プロセスが機能した記録(報告書、会議議事録等)があるかを確認します。

封じ込め処置の手順が定められ、実行されているか

直ちに生産停止できない場合の封じ込め処置の手順が文書化されているか、過去の事例で封じ込め処置が実行された記録があるかを確認します。

IATF16949 5.3.2に関するFAQ

規格対応でよく聞かれる悩み

ISO9001やIATF16949、VDA6.3に取り組む中で、「審査対策として何を優先すべきか分からない」「要求事項に対する構築の考え方が整理できない」といった声は少なくありません。

また、社内にQMSを体系的に理解している担当者がいない場合や、外部コンサルの費用面で継続的な支援が難しいと感じるケースもあります。こうした悩みは、特定の企業に限らず、多くの現場で共通して見られるものとなっています。

夜勤時に品質保証部長が不在でも問題ありませんか?

品質保証部長が常時在社している必要はありません。ただし、夜勤時に出荷停止・生産停止の判断を下せる権限代行者を配置し、その力量を確認しておくことが必要です。権限代行者が判断に迷う場合に品質保証部長に電話で相談できる連絡体制も整備してください。

上申プロセスは品質管理規定に記載すればよいですか?

はい。品質管理規定または不適合品管理規定に、上申プロセス(品質問題の重大度区分、各レベルの対応者、上申先、上申タイミング)を文書化してください。業務・職位分掌表と併せて運用することで、「誰が判断するか」と「いつトップマネジメントに報告するか」の両方をカバーできます。

封じ込め処置の手順はどの規定に記載すべきですか?

不適合品管理規定が最も適切です。封じ込め処置は不適合品の管理プロセスの一部であるため、不適合品の検出→隔離→選別→処置→記録の一連の手順を不適合品管理規定にまとめて記載してください。

5.3.2と10.2.3(問題解決)はどのように連動しますか?

5.3.2(b)で求められる是正処置の実行は、10.2.3(問題解決)と直接連動します。5.3.2が「誰が是正処置を実行するか」の責任体制を定めるのに対し、10.2.3は「どのように是正処置を実行するか」の手法(8Dレポート等)を定めています。5.3.2で任命された責任者が、10.2.3の問題解決手法を用いて是正処置を実行する関係です。

シフト引継ぎ日報は必須ですか?

ISO9001やIATF16949で特定の引継ぎ方法が規定されているわけではありません。ただし、シフト間で品質情報が確実に伝達されていることを審査で証明する必要があるため、引継ぎ日報やミーティング記録等の何らかの記録を残すことを強く推奨します。

品質問題が発生した実績がない場合、5.3.2はどのように審査されますか?

品質問題の発生実績がない場合でも、出荷停止・生産停止の権限体制、上申プロセス、シフト別の責任者配置が文書化されていることは確認されます。加えて、審査員が権限者にインタビューし「品質問題が発生した場合、あなたはどう判断しますか」とシミュレーション質問を行うケースが一般的です。

日勤のみの企業でもシフト管理の要求は適用されますか?

日勤のみで夜勤がない企業の場合、シフト管理の要求は日勤帯に限定して適用されます。ただし、残業や休日出勤時に品質管理責任者が不在となる場合の代行体制は整備しておくべきです。

規格対応で不安・悩むポイント

ISO9001やIATF16949、VDA6.3といった規格対応では、「どこから手を付ければよいか分からない」「社内だけで判断を進めることに不安がある」と感じるケースが少なくありません。

品質マネジメントの構築は、一度に完成させる必要はなく、考え方やサンプルを参考にしながら、少しずつ自社に合った形へ整えていくことも可能です。

IATF16949 5.3.2製品要求事項及び是正処置に対する責任及び権限:まとめ

IATF16949 5.3.2は、製品の品質問題に対して出荷停止・生産停止の判断を下せる要員の任命、是正処置を迅速に実行できる情報伝達体制の構築、全シフトにおける品質管理責任者の配置を求める条項です。

構築のポイントは、出荷停止権限を品質保証部長、生産停止権限を製造部長に付与し、上申プロセスで品質問題の重大度に応じたトップマネジメントへの報告経路を整備し、シフト別の権限マトリクスで夜勤時の代行体制を明確にすることです。封じ込め処置の手順も不適合品管理規定に文書化し、品質問題発生時に迅速かつ体系的に対応できる体制を整えてください。

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