IATF：9.2.2.2項の品質マネジメントシステム監査の要求事項では、IATFの要求事項を内部監査することだけを要求しているのではなく、暦3年以内に全要求事項＋顧客固有要求事項もサンプリング監査を行うことを意図しています。
今回の記事は、IATF：9.2.2.2項の品質マネジメントシステム監査の要求事項の意味と構築ポイントについて解説いたします。
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| 条項 | 題目 | ISO9001 | IATF |
| 第4章 | 組織の状況 | 〇 | 〇 |
| 第5章 | リーダーシップ | 〇 | 〇 |
| 第6章 | 計画 | 〇 | 〇 |
| 第7章 | 支援 | 〇 | 〇 |
| 第8章 | 運用 | 〇 | 〇 |
| 第9章 | パフォーマンス評価 | 〇 | 〇 |
| 第10章 | 改善 | 〇 | 〇 |
| 条項 | 題目 | ISO9001 | IATF |
| 9.1 9.1.1 |
一般(監視・測定・分析及び評価) | ○ | ○ |
| 9.1.1.1 | 製造工程の監視及び測定(SPC) | ○ | |
| 9.1.1.2 | 統計的ツールの特定 | ○ | |
| 9.1.1.3 | 統計概念の適用 | ○ | |
| 9.1.2 | 顧客満足 | ○ | ○ |
| 9.1.2.1 | 顧客満足-補足 | ○ | |
| 9.1.3 | 分析及び評価 | ○ | ○ |
| 9.1.3.1 | 優先順位付け | ○ | |
| 9.2.1 9.2.2 |
内部監査 | ○ | ○ |
| 9.2.2.1 | 内部監査プログラム | ○ | |
| 9.2.2.2 | 品質マネジメントシステム監査 | ○ | |
| 9.2.2.3 | 製造工程監査 | ○ | |
| 9.2.2.4 | 製品監査 | ○ | |
| 9.3.1 | 一般(マネジメントレビュー) | ○ | ○ |
| 9.3.1.1 | マネジメントレビュー-補足 | ○ | |
| 9.3.2 | マネジメントレビューへのインプット | ○ | ○ |
| 9.3.2.1 | マネジメントレビューへのインプット-補足 | ○ | |
| 9.3.3 | マネジメントレビューからのアウトプット | ○ | ○ |
| 9.3.3.1 | マネジメントレビューからのアウトプット-補足 | ○ |
| 【教材】 | No.1-001 | QMSノウハウ_学習教材 |
| 【教材】 | No.2-001 | コアツール_学習教材 |
| 【教材】 | No.7-001 | 内部監査概説_学習教材 |
この記事の目次
IATF：9.2.2.2項の品質マネジメントシステム監査のポイント
IATF：9.2.2.2項の品質マネジメントシステム監査の要求事項では、IATFの要求事項を内部監査することだけを要求しているのではなく、暦3年以内に全プロセス＋全要求事項＋顧客固有要求事項もサンプリング監査を行うことを意図しています。
また、初回登録審査前には全プロセスのQMS監査が終わっており且つ、全是正が完了した証拠となる結果が求められるので注意してください。
次に、IATF：9.2.2.2項の品質マネジメントシステム監査の要求事項について細かく見ていきましょう。
①QMS内部監査は「プロセスアプローチ」で実施する
IATF：9.2.2.2項の品質マネジメントシステム監査の要求事項では、以下のようなことが大事です。
本要求事項のポイントは、プロセスアプローチを用いてQMS規格への適合を検証する内部監査を実施しなくてはなりません。ここで重要なのが、「プロセスアプローチ」という言葉です。
プロセスの相互作用を確認しながら監査を実施するため、内部監査員はISO19011の監査手法をきちんと理解しておかなければなりません。その他に、品質マネジメントシステム監査を実施する内部監査員は、力量認定された監査員が実施することも併せて要求されています。
品質マネジメントシステムのプロセスを3年間で監査する必要があるので、内部監査計画は短期内部監査計画と中期内部監査計画の二つを作成する企業もあります。
重要ノウハウ！
大企業以外は、毎年一回全プロセスを監査するようにすることをおすすめしています。
なぜなら、3年間で行うことには「理由」を問われるのと、1年間に1回必ずやるルールにしておけば、余計な仕事が減ることもその理由です。
| 【まとめ教材】 | No.5-108-内部監査帳票6点セット |
| 【教材】 | No.7-001_内部監査概説_学習教材 |
②QMS監査で「顧客固有要求事項」をサンプリング監査する
IATF：9.2.2.2項の品質マネジメントシステム監査の要求事項では、以下のようなことが大事です。
ISO9001の内部監査では、顧客固有要求事項を監査基準に入れていない企業も多いかもしれませんが、IATFでは、顧客固有要求事項を監査基準に入れていない場合は不適合です。
また顧客固有要求事項は、IATF：4.3.2項の顧客固有要求事項の対応が必須です。
この帳票がQMS監査のインプットになっていることを確認されるので、しっかり対応しましょう。
| 【帳票:教材】 | No.432-1_SQMマトリクス表 |
| 【教材】 | No.1-001_QMS学習教材 |
③3年間ですべてのプロセスを監査すればOK
IATF：9.2.2.2項の品質マネジメントシステム監査の要求事項では、以下のようなことが大事です。
前述したように、暦3年間ですべてのプロセスを監査すればOKです。ただし、中小企業であれば、最低1年に1回で全プロセスを監査するようにした方が無難です。
また、監査の頻度は、内部・外部のパフォーマンスやリスク・重大性・顧客への影響度によって決定する仕組みの構築も必要です。これらは、ISO9001：9.2.1及び9.2.2項の内部監査で対応できているはずなので、構築上で困ることはないでしょう。
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IATF：9.2.2.2項の品質マネジメントシステム監査はどこに記載すればいい？
IATF：9.2.2.2項の品質マネジメントシステム監査の要求事項の対応は、監査管理規定を作成することが求められます。
9.2.2.1項の内部監査プログラムの中で、その仕組みを構築されているはずなので、QMS監査に関する準備から完了までを明文化するようにしてください。
IATF：9.2.2.2に関するFAQ
メールコンサルティングでよくある質問をFAQ形式で３つご紹介致します！もっと詳しく質問したい場合は、是非「メールコンサルティングサービス」をご活用くださいね！どんな疑問についても丁重にお答えします！
監査の頻度は、工程の複雑さ、リスク、過去のパフォーマンスを考慮して決めます。特に、品質に大きな影響を与えるプロセスや、不具合が発生したプロセスは、頻度を高くする必要があります。最低でも年間一度は全プロセスをカバーすることが求められます。特に、認証1年目は必ず全プロセスの内部監査を実施してください。
監査員は、監査するプロセスから独立した立場であり、かつ適切な知識とスキルを持つ必要があります。また、認証規格や顧客固有の要件に精通していることが望まれます。偏りを防ぎ、客観的な監査を実施することが重要です。特に力量については、審査でも確認されるので評価表を準備しましょう。
監査結果は、記録として保存し、関係部署に迅速に報告します。監査で特定された不適合には、是正処置を迅速に計画・実施し、その効果を追跡します。トップマネジメントとのレビューも重要で、全体的な改善活動の一環として活用されます。
IATF：9.2.2.2項の品質マネジメントシステム監査：まとめ
IATF：9.2.2.2項の品質マネジメントシステム監査の要求事項の規格解釈はいかがでしたでしょうか？
本要求事項は、IATFの要求事項を内部監査することだけを要求しているのではなく、暦3年以内に全プロセス＋全要求事項＋顧客固有要求事項もサンプリング監査を行うことを意図しています。
ISO9001よりもより明確な要求事項且つ、非常に重要な要求事項となっているので、漏れの無いように対応しましょう！
それではまた！
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