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【IATF】8.5.1.1:コントロールプランの要求事項徹底解説!

IATF:8.5.1.1項のコントロールプランの要求事項は、ズバリ!QC工程図(QC工程表)の作成を必須とした要求事項です。

今回の記事は、IATF:8.5.1.1項のコントロールプランの要求事項の意味と構築ポイントについて解説します。


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IATF:8.5.1.1項のコントロールプランは超重要!

IATF:8.5.1.1項のコントロールプランの要求事項は、IATFの要求事項の中でもトップクラスに重要な要求事項です。

まず意味不明な「コントロールプラン」ですが、簡単に言うと「QC工程図」です。皆さんの会社で当然あると思われるこのQC工程図ですが、IATFでは以下のような要求があります。

ISO9001では必須ではないQC工程図(コントロールプラン)ですが、IATFでは、必須要求であることがポイントです。

コントロールプラン≒QC工程図となるのですが、そのQC工程図を作成するにあたる様々な資料もコントロールプランの一部となるので、全て特定された状態であることが求められます

 

つまり、コントロールプランとは、全ての工程情報を表すまとめ資料と認識しておけばOK!

 

また、このコントロールプランは、以下の段階で作成されることが要求事項となっているのが注意点!

コントロールプラン作成タイミング
①試作:試作用のコントロールプラン(要求があれば)
②量産試作:量産試作(PP段階)のコントロールプラン
③量産:PPAP提出時のコントロールプラン

つまり、試作からブラッシュアップされて最終的に量産用コントロールプランが作成されるイメージです。

ファミリーコントロールプランはOK

IATF:8.5.1.1項のコントロールプランの要求事項には、以下のようなことが大事です。

ファミリーコントロールプランとは、ある機種と類似の工程で生産される場合、そのコントロールプランや関連資料の使いまわしOKという意味です。

原材料生産の場合などは、特にファミリーコントロールプランが多用されていますよね!

自動車製品のバルク材とは何?
①バルクの意味:ひと塊(ひと山)になった状態やモノのこと。
②バルク材の意味:一つひとつの商品を個別に包装せずに、バラ積み・バラ包装・バラ売りにされている材料のこと。

コントロールプランの作成ポイント

IATF:8.5.1.1項のコントロールプランの要求事項には、以下のようなことが大事です。

コントロールプランを作成する際に超重要なインプット情報が、FMEAです。この情報と工程フロー図の流れが一致しているようにコントロールプランを作成することが求められます。

また、コントロールプランに基づき量産試作を実施したり、初期流動管理状態で量産を実施した場合、その時のデータを顧客に要求されることが多いので、必ず記録として保管してください。

 

「コントロールプランを作成する時に要求事項が抜けているとアウト!」

そんなことが無いように、コントロールプランチェックリストを使用して作成したことを確実にしておくと、審査や監査でも正当性を主張することが可能です。

コントロールプラン作成への具体的要件

IATF:8.5.1.1項のコントロールプランの要求事項は、コントロールプラン作成時の具体的な要件をa)からi)で説明しています。これら全てをコントロールプランの中でわかるようにしないと不適合です。

次にその要求事項の中身を見ていきましょう。

a)工程管理手順の記載

IATF:8.5.1.1項のコントロールプランの要求事項には、以下のようなことが大事です。

この要求は、コントロールプランに記載すべき工程監視の管理手順の要求です。例えば、工程管理する際に必要な記録を書き留める帳票(XbarR管理図・チェックシート)などがあげられます。

また、作業段取り替え検証(8.5.1.3項)の際に確認すべきデータ記録もそこに記載することが必要です。

b)妥当性確認の記録

IATF:8.5.1.1項のコントロールプランの要求事項には、以下のようなことが大事です。

妥当性確認とは、あるタイミングでその工程の管理項目が確実に管理できているかを確認する行為を指すことが一般的です。

例えば、自動機を運転する中で操業開始時・操業終了時にその自動機で生産したものが同等の品質特性を満たしているかをマスターサンプルを用いて確認するといった行為が妥当性確認になります。

またそのサンプル確認数(例えばN=5個)などもコントロールプランに記載する必要があります。

c)特殊特性の管理

IATF:8.5.1.1項のコントロールプランの要求事項には、以下のようなことが大事です。

特殊特性の管理は要注意!IATF:8.3.3.3項の特殊特性でも明確に示されている戦略的管理が必要です。

この戦略的管理とは、例えば全数検査・抜き取り検査・統計的工程管理(SPC)・破壊試験などの管理を指します。

特殊特性の管理は、SPC管理規定の中で言及することはもちろん、それらの管理方法は必ずコントロールプランに記載するようにします。

審査・監査で必ず重点的にみられるので注意してください!

d)顧客固有要求事項を記載

IATF:8.5.1.1項のコントロールプランの要求事項には、以下のようなことが大事です。

この顧客情報とは、IATF:4.3.2項の顧客固有要求事項で抽出された工程管理の要求です。その代表ともいえるのが、特殊特性の管理です。特にCpk≧1.67は、自動車産業では一般的な要求なので、指定された場合必ずコントロールプランに記録し監視してください。

e)不適合発生時の処置手順

IATF:8.5.1.1項のコントロールプランの要求事項には、以下のようなことが大事です。

不適合が発見された場合や工程が不安定(Cpkが低下)と認識した場合、直ちに対応計画に基づき上申プロセスを発動します。

例えば、作業者Aさんが発見したら班長さん→品質管理主任→品質管理責任者などの上申されるルール。また、各段階で何が行われるのかを記した対応計画が必須です。

その方法が記されている一般的な手順書が、異常処置手順などが該当します。

「何を見るのか」「誰に報告するのか」をコントロールプランに必ず記載しましょう。

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IATF:8.5.1.1項のコントロールプランは「変更管理」についても記述されている

コントロールプランのレビュータイミングについての要求もあります。

そしてそのレビューのタイミングで変更・更新が必要と判断した場合、要求事項に基づき実施するプロセスを構築しなくてはなりません。

またコントロールプランの変更が発生した場合は、顧客から要求があれば承認を得る必要があります(大抵はSQMの中で言及されています)。

これらに対応する規定として変更管理規定の作成が必須なので、以下の要求事項と合わせて確認しましょう。

関連要求事項

ISO9001:8.5.6項の変更管理

IATF:8.5.6.1項の変更管理-補足

f)品質是正が発生するタイミング

IATF:8.5.1.1項のコントロールプランの要求事項には、以下のようなことが大事です。

「顧客へ不適合品を流出したかも・・・」と判断した場合、顧客への通知はもちろん即時品質是正プロセスが発動します。

品質是正が発生する際にQC工程図の管理項目や関連手順書なども確認されるので、コントロールプランの改定要否を検討するプロセスが自動的に発生します。

g)変更が発生する場合

IATF:8.5.1.1項のコントロールプランの要求事項には、以下のようなことが大事です。

例えば自社で手作業から自動作業へ変更を行う場合、製造工程の変更が発生します。手作業から自動機への変更が行われるということは、新たなリスクが発生する可能性があるすなわち、FMEAの改定が行われます。

IATF:8.5.1.1項のコントロールプラン③
関連要求事項

前述したとおり、コントロールプラン作成のインプットであるFMEAが改訂されるということは、コントロールプランも変更になる可能性があるわけなので、レビューを実施し、必要に応じて更新・変更を行う必要があります。

h)顧客クレームが発生した時

IATF:8.5.1.1項のコントロールプランの要求事項には、以下のようなことが大事です。

顧客苦情が発生した場合、クレーム処置プロセスが発動します。この処置フローは一般的に、発生原因対策・流出原因対策が行われますが、その過程でFMEAの改定要否が検討されます。

関連要求事項

つまり、FMEAの改定が行われれば、コントロールプランもレビュー・更新・変更が行われるという仕組みが自ずと構築されことが重要です。

i)リスク分析の見直しのタイミング

IATF:8.5.1.1項のコントロールプランの要求事項には、以下のようなことが大事です。

リスク分析は、何もないからと言って見直しをかけないというのはNG。ある変更が発生した場合、関連製品に波及して変更が発生する場合もあります。

そんな時は、その波及機種のFMEAも見直しをしなくてはなりません。つまり、波及機種のコントロールプランも改定要否を検討することが求められます。

IATF:8.5.1.1項のコントロールプランはどこに記載すればいい?

IATF:8.5.1.1項のコントロールプランの要求事項の内容は、大きく分けて二つのことが記載されています。

コントロールプランの要求事項概要
①コントロールプランの作成・管理要求
②変更時のコントロールプラン管理

つまり、コントロールプラン管理規定変更管理規定の二つの規定を作成し対応することが求められます。

本要求事項に基づき、二つの規定の中でコントロールプランの管理方法を規定しましょう。

IATF:8.5.1.1に関するFAQ

よくある質問をFAQ形式で3つご紹介致します!もっと詳しく質問したい場合は、是非メールコンサルティングサービスをご活用くださいね!

コントロールプランはどのタイミングで更新が必要ですか?

コントロールプランは、製品や工程に変更があった場合、または顧客から特定の要求があった場合に更新が必要です。特にFMEAの見直しや品質是正のタイミングで定期的な更新が求められます。更新すべきときに行わない事例などが発見されると指摘になるので注意しましょう!

コントロールプランとFMEAの関係は何ですか?

コントロールプランは、FMEAの結果を反映した工程管理の詳細を示す文書です。FMEAでリスクが特定された場合、その管理方法をコントロールプランに具体的に記載し、工程で適切に管理されていること確認する必要があります。特に、内部監査などのイベント時はコントロールプランを基に実施するので、しっかりとした作り込みが重要です。

ファミリーコントロールプランを適用できる条件は何ですか?

類似した製造工程を持つ部品やバルク材料に対しては、ファミリーコントロールプランを適用することが可能です。これは同じ工程を複数の部品に適用できるため、効率的な管理が可能となります。ファミリーコントロールプランであれば、複数の製品が同時に量産化した場合でも代表製品のみサンプリング監査することも可能です。

IATF:8.5.1.1項のコントロールプラン:まとめ

IATF:8.5.1.1項のコントロールプラン④

IATF:8.5.1.1項のコントロールプランの要求事項の規格解釈はいかがでしたか?

IATF:8.5.1.1項のコントロールプランの要求事項は、IATFの目玉要求事項です。

要求事項や設計・顧客の要求事項が確実にコントロールプランの中にインプットされているかが審査や監査で確認され、工程監査ではコントロールプラン通りに生産されているかが問われます。

是非本サイトの内容を加味し、貴社の構築に役立ててくださいね!

それではまた!

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掲載:2024年12月1日

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