今回はIATF：5.1.1.2項のプロセスの有効性及び効率の規格解釈、構築ポイントについて解説いたします。皆さんの会社では、トップマネジメントが自らプロセスの有効性及び効率をレビューされていますよね！そのレビューの為にあるのが、マネジメントレビューです。
今回の記事は、IATF：5.1.1.2項のプロセスの有効性及び効率のレビューポイントについて解説します。
重要：【規定】No.5301_組織管理規定：IATF版サンプルはこちら
知識・経験を活かし、品質マネジメントシステムの規格を幅広い方々に理解いただき、各規格の普及のお手伝いができればという思いで立ち上げました！難解な内容も、知識と経験でわかりやすく解説していきますので、これからもよろしくお願いします！あくまでも個人の見解となりますので、ご理解いただき是非参考にしていただければ幸いです★
| 条項 | 題目 | ISO9001 | IATF |
| 第4章 | 組織の状況 | 〇 | 〇 |
| 第5章 | リーダーシップ | 〇 | 〇 |
| 第6章 | 計画 | 〇 | 〇 |
| 第7章 | 支援 | 〇 | 〇 |
| 第8章 | 運用 | 〇 | 〇 |
| 第9章 | パフォーマンス評価 | 〇 | 〇 |
| 第10章 | 改善 | 〇 | 〇 |
| 条項 | 題目 | ISO9001 | IATF |
| 5.1.1 | 一般（リーダーシップ） | ○ | ○ |
| 5.1.1.1 | 企業責任 | ○ | |
| 5.1.1.2 | プロセスの有効性及び効率 | ○ | |
| 5.1.1.3 | プロセスオーナー | ○ | |
| 5.1.2 | 顧客重視 | ○ | ○ |
| 5.2.1 | 品質方針の確立 | ○ | ○ |
| 5.2.2 | 品質方針の伝達 | ○ | ○ |
| 5.3 | 組織の役割・責任及び権限 | ○ | ○ |
| 5.3.1 | 組織の役割・責任及び権限ー補足 | ○ | |
| 5.3.2 | 製品要求事項及び是正処置に対する責任及び権限 | ○ |
目次
IATF：5.1.1.2のプロセスの有効性及び効率の規格解釈
IATFを構築・運用する前提の品質マネジメントシステムがISO9001です。
その為、皆さんの会社ではトップマネジメントへの様々な形でプロセスからのアウトプットを経営層へインプットしているはずです。
経営層へ報告する会議の一般的な会議体は以下のような内容だと思います。
トップマネジメントが参加する会議体例
| 会議名 | 内容 | 経営層出席 |
| 品質会議（定期・臨時） | ①市場クレーム ②工程内不良条項報告 ③仕入先に対するクレーム など |
〇 |
| 生産促進会議 | ①生産計画 ②生産課題 など |
△（必要に応じて） |
| 営業促進会議 | ①売り上げ状況 ②新規・既存顧客の状況 ③マーケティング情報 など |
〇 |
| デザインレビュー | ①新規開発案件の節目検証結果 ②移行前の残課題 など |
△（DR４のみ） |
これらの会議の中で、様々なプロセスからのインプット情報を基に、トップマネジメント自らレビューすることを意図しているのが、5.1.1.2項のプロセスの有効性及び効率の意味です。
プロセス毎に設定した品質目標とプロセス評価指標が確実に経営層にインプットされていることが重要になるので、次にそのポイントを解説します。
プロセスアプローチの意味
関連記事
ISO9001：4.4.1項の品質マネジメントシステム及びそのプロセスで大事なことは、プロセスを表す「タートル図」です。タートル図は、審査で確認されるポイントであり、内部監査・顧客監査でも必要書類として確認されるポイントです。IATFは作り変え必須！簡単にまとめられるテクニック満載の帳票を格安でご提供いたします！
プロセスの有効性と効率の意味
IATF：5.1.1.2項のプロセスの有効性及び効率の要求事項には、以下のようなことが大事です。
IATF：5.1.1.2項のプロセスの有効性と効率についての要求事項で一番理解できないのが「有効性」と「効率」の違いです。
ISO9001：5.1.1でなぜ「数値化した目標」がいいのかというのは、下記の理由からわかります。
「目標が達成された程度」を表す指標。例えば、不良率１％以下の目標（計画）を立てたのであれば、達成したのかどうか一目瞭然で分かります。
▶効率性
投入資源から、意図した成果が得られたかの割合を表す指標。計算式で表すと「効率性＝成果物または結果/投入資源」となり、投入資源が大きいと効率性は悪くなるということです。
すなわち！
目標値（数値化）が設定された効率指標は、有効性も効率性も見ることができるので、目標は数値化すれば簡単に分析できるといことです。
数値化できな表現を使用すると、効率性を評価するのが難しく、目標が曖昧になり評価できないため、指摘事項になりやすいです。
その為にもプロセス評価指標は「数値化した目標値」にすることがポイントです。
マネジメントレビューへインプット！
IATF：5.1.1.2項のプロセスの有効性及び効率の要求事項には、以下のようなことが大事です。
企業活動の中で様々な会議体が必要とされ、必要に応じてトップマネジメントが関与した会議も実施されるでしょう。
その会議体の中でプロセス評価指標がきちんとインプットされていることで、マネジメントレビューとしてのインプット情報とすることができます。
この要求事項に関連するのが、ISO9001：7.4項のコミュニケーションです。
どの会議体がトップマネジメントが関与するのかを明確にすることで、本の要求事項に対応できるので、7.4項と連動した帳票を下記のように準備しましょう。
【帳票のポイント】
・マネジメントレビューのまとめ方がわかる！
・トップマネジメンのコメントも残せる！
・部門別でまとめられる！
※事務局ご担当者様におすすめ！
⇒マネジメントレビュー管理規定はこちら
【ご購入について】
・お買い物カゴに入れて簡単決済！
・クレジットカード/銀行振込対応可能です。
・請求書/領収書発行可能です！
IATF：9.3.2.1項のマネジメントレビューへのインプット-補足では、最高経営者や経営陣に対して一括承認をもらうことがポイント！是正や改善事項の管理も簡単できる事務局に優しい「マネジメントレビュー管理表」を作成しました。根本原因追求用「なぜなぜ分析」付き！簡単にまとめられるテクニック満載の帳票を格安でご提供いたします！
IATF：5.1.1.2項の内容はどこに記載さればいい？
IATF：5.1.1.2項のプロセスの有効性及び効率についての内容は、品質マニュアル付表の会議体一覧で対応可能です。
②経営者にプロセス指標がインプットされているか
③経営者からの指示や改善事項が取り組まれているか
記述されていることが大事なのではなく、運用されている記録（結果）が審査で確認されるので、会議での議事録を必ず残すようにしましょう。
特に、トップマネジメントからのコメントに対する対応は審査ポイントになるので、きちんと対応されている仕組みを構築するようにしてください。
IATF：5.1.1.2に関するFAQ
IATFのメールコンサルティングでよくある質問をFAQ形式で３つご紹介致します！もっと詳しく質問したい場合は、是非メールコンサルティングサービスをご活用くださいね！
「有効性」は設定された目標がどれだけ達成されたかを測る指標で、目標達成の程度を評価します。一方、「効率」は、目標を達成するためにどれだけのリソースが投入されたかに基づき、投入資源に対する成果の割合を示します。つまり、少ないリソースで目標を達成できれば効率が高いと言えます。
マネジメントレビューでは、品質目標に対するプロセスのパフォーマンス指標（KPI）や、不良率やクレーム数などの重要な品質データがインプットされる必要があります。特に、経営層に報告する際には、数値化されたデータを基に、プロセスの有効性と効率を明確に評価できることが重要です。
IATFに基づくプロセス評価は、トップマネジメントが関与する品質会議やマネジメントレビューが重要です。これらの会議で、プロセスのパフォーマンスに関するデータが共有され、トップマネジメントからのフィードバックが行われることで、プロセスの改善と効率化を促進できます。
弊社販売中の帳票のように、会議体をまとめ何をインプットするのかをまとめておくと便利です。
⇒【帳票】No.5112_会議体一覧
IATF：5.1.1.2項のプロセスの有効性及び効率：まとめ
IATF：5.1.1.2項のプロセスの有効性及び効率の規格解釈および構築ポイントは如何でしたでしょうか？
プロセスの有効性と効率性の評価は、プロセスオーナーはもちろんトップマネジメントもきちんと確認され、評価された状態でなくてはなりません。
企業には様々な会議があり、その会議の中でプロセス評価指標（KPI指標）が評価された状態であることが求められます。
それら会議の中の代表的な会議が「マネジメントレビュー」です。
この会議の中には、品質目標について必ずインプットしなければならないで、確実に経営層にインプットされる仕組みを構築しましょう。それではまた！
IATF16949＆ISO9001の構築ご支援：メールにて承ります！
A：月額20,000円のメールコンサルティングサービスには、IATF・ISO9001における品質マネジメントシステムに関する質問への回答、プロセス構築と改善のアドバイス、規格要求事項に関するご説明などが含まれます。メールでのやり取りを通じて、貴社の状況に応じた具体的なサポートを提供しいたしております。
A：基本的には月に何度でもメールで質問を送っていただいてOKです。ただし、回答には通常1〜3営業日を頂いております（多くはその日の内に回答可能です！）。やり取りの回数に制限はありませんが、1つのメールにつき明確な質問やテーマを設定していただくようお願いしております。
A：現在のサービスはメールのみの対応となっておりますが、追加料金にて電話やビデオ会議での相談も承ります。詳細については別途お問い合わせください。
※2024年現在は、メールコンサルティング以外数カ月先まで予約がいっぱいとなっております。空き次第、弊社HPでアナウンス致します。
A：はい、もちろんです。初心者の方でもわかりやすく丁寧にサポートいたします。初めての導入に必要なステップや、どのように進めていくべきかも具体的にアドバイスいたしますので、安心してご利用ください。
A：サービスの解約は、次回請求日の2週間前までにメールにてご連絡いただければ対応いたします。解約にあたって特別な手続きは必要なく、解約後は翌月から請求されません。また、一度解約しても何度でも契約できますのでご安心ください。ただし、銀行振込の場合、一度でもその月に質問されますと請求が発生しますので、あらかじめご了承ください。
『IATF 16949』はInternational Automotive Task Force（IATF）の登録商標です。当サービスはIATFの認定を受けたものではなく、独自に認証取得を支援するサービスを提供しています。
※当サービスおよび教材は、IATF16949の認証取得を支援するための情報を提供するものであり、認証取得を保証するものではありません。認証の可否は審査機関の判断によります。
