IATF:7.3.1は、ISO9001:7.3_認識の補足として補足(追加事項)要求が含まれています。この要求事項は、ナレッジマネジメントを活用した方法が有効なので、IATFを取得を目指している場合は、きちんと対応できるような仕組みを構築しましょう。
今回はIATF:7.3.1の認識-補足の規格解釈、構築ポイントについて解説いたします。
知識・経験を活かし、品質マネジメントシステムの規格を幅広い方々に理解いただき、各規格の普及のお手伝いができればという思いで立ち上げました!難解な内容も、知識と経験でわかりやすく解説していきますので、これからもよろしくお願いします!あくまでも個人の見解(公式に認められたものではない)となりますので、ご理解いただき是非参考にしていただければ幸いです★
条項 | 題目 | ISO9001 | IATF |
第4章 | 組織の状況 | 〇 | 〇 |
第5章 | リーダーシップ | 〇 | 〇 |
第6章 | 計画 | 〇 | 〇 |
第7章 | 支援 | 〇 | 〇 |
第8章 | 運用 | 〇 | 〇 |
第9章 | パフォーマンス評価 | 〇 | 〇 |
第10章 | 改善 | 〇 | 〇 |
条項 | 題目 | ISO9001 | IATF |
7.1.1 | 一般(資源計画) | 〇 | 〇 |
7.1.2 | 人々 | 〇 | 〇 |
7.1.3 | インフラストラクチャ | 〇 | 〇 |
7.1.3.1 | 工場、施設及び設備の計画 | 〇 | |
7.1.4 | プロセスの運用に関する環境 | 〇 | 〇注記 |
7.1.4.1 | プロセスの運用に関する環境-補足 | 〇 | |
7.1.5 7.1.5.1 |
一般(監視及び測定のための資源) | 〇 | 〇 |
7.1.5.1.1 | 測定システム解析 | 〇 | |
7.1.5.2 | 測定のトレーサビリティ | 〇 | 〇注記 |
7.1.5.2.1 | 校正/検証の記録 | 〇 | |
7.1.5.3.1 | 内部試験所 | 〇 | |
7.1.5.3.2 | 外部試験所 | 〇 | |
7.1.6 | 組織の知識 | 〇 | 〇 |
7.2 | 力量 | 〇 | 〇 |
7.2.1 | 力量-補足 | 〇 | |
7.2.2 | 力量-業務を通じた教育訓練(OJT) | 〇 | |
7.2.3 | 内部監査員の力量 | 〇 | |
7.2.4 | 第二者監査員の力量 | 〇 | |
7.3 | 認識 | 〇 | 〇 |
7.3.1 | 認識-補足 | 〇 | |
7.3.2 | 従業員の動機付け及びエンパワーメント | 〇 | |
7.4 | コミュニケーション | 〇 | 〇 |
7.5.1 | 一般(文書化した情報) | 〇 | 〇 |
7.5.1.1 | 品質マネジメントシステムの文書類 | 〇 | |
7.5.2 | 作成及び更新 | 〇 | 〇 |
7.5.3 7.5.3.1 7.5.3.2 |
文書化した情報の管理 | 〇 | 〇 |
7.5.3.2.1 | 記録の保管 | 〇 | |
7.5.3.2.2 | 技術仕様書 | 〇 |
目次
IATF:7.3.1の認識-補足の規格解釈
この要求事項の意図は、ISO9001:7.3_認識について品質方針・品質目標の確実な展開が必要になります。
IATFではさらに顧客要求事項及び不適合製品が顧客へ流出することへの影響及びリスクについて、きちんと展開・教育される仕組みを構築することを意図しています。
②一人ひとりの仕事の重要さ
③②を疎かにすることでどのような影響があるのか
④品質目標とその達成度を理解しているか
⑤改善活動の意味
これらを自動車産業製品に関わる全ての従業員に教育する必要があるということです。
単純に「説明した」ではなく、文書化した情報を「維持」するところまで求められていますので、教育の記録を残す必要があります。
新入社員教育などで品質教育を実施
IATF:7.3.1_認識-補足の要求事項には、以下のようなことが大事です。
単に「教育しました」だけではなく、実証できなくてはならないので、教育の記録を残すことが必要です。
では従業員一人ひとり仕事の役割が違いますし、IATF運用のなかでどのように教育することがよいのかというと、新入社員研修や階層別研修、年度初めの部門内研修など節目の時期に教育することが大事です。
QMSに関する無料相談承ります!お問い合わせはこちら |
教育は継続して行う
IATF:7.3.1_認識-補足の要求事項には、以下のようなことが大事です。
品質方針・品質目標が変更されることもありますし、顧客要求事項も顧客毎に異なります。その為、変更が行われたら再教育を実施し、従業員へきちんと教育することが求められます。
その都度教育記録を残すことで対応可能なので、きちんと記録を残しましょう。
IATF:7.3.1_認識-補足の仕組みはどこに記載すればいい?
IATF:7.3.1_認識-補足の要求事項には、ISO9001:7.3_認識の仕組みで担保できるので、対応方法を明確に記載することは、7.3のままでOKです。
関連記事
IATF:7.3.1に関するFAQ
よくある質問をFAQ形式で3つご紹介致します!もっと詳しく質問したい場合は、是非メールコンサルティングサービスをご活用くださいね!
IATF:7.3.1では、従業員が顧客要求事項や不適合製品のリスクを十分に理解し、その結果としての業務の重要性を認識することが求められています。そのため、新入社員教育、定期的な研修、部門ごとの研修など、計画的な教育プログラムを実施することが重要です。また、教育の内容と結果を記録として残し、必要に応じて再教育を行うことが推奨されます。
「文書化した情報の維持」とは、従業員に対して行われた教育や訓練の記録を保存することを指します。これにより、教育が実施されたことを実証でき、品質方針や目標の変更があった場合には再教育を行う必要があります。また、顧客要求事項の変化に応じて、関連する教育内容を最新化し、記録を残すことが求められます。
教育は、入社時や役職の変化時、年度の初めなどのタイミングで定期的に実施することが推奨されます。また、品質方針や顧客要求事項に変更があった場合には、その都度従業員に対して再教育を行うことが必要です。定期的な研修スケジュールを組むことで、従業員の認識を常に最新のものに保つことができます。
IATF:7.3.1_認識-補足:まとめ
IATF:7.3.1の認識-補足の規格解釈および構築ポイントは如何でしたでしょうか?
認識の要求事項は、ISO9001よりもレベルの高い内容が要求されています。特に、自動車産業が強く要求している顧客要求事項とリスクに基づく考え方に関する教育が必要になります。
当サイトの記事は、個人的な見解を記載したものであり、各規格の代替を目的としたものでもなく、「確実にこうしてください」というものではありません。そのため、「ここって違う気がする」「こんな解釈もあるんだ!」という気付きの場としてご利用いただければと思います。そのため、一切保証していません。
できるかぎり最新の個人的見解を記載していきますので、温かい目でご利用いただければと思います。
各規格については、公式サイトなどで必ず確認するようにしてくださいね!
これからも応援お願いします★