IATF:7.5.3.2.2項の技術仕様書の要求事項では、技術規格/仕様書が組織内でタイムリーに検討され、その確認記録を残す仕組みの構築を意図しています。
今回の記事は、IATF:7.5.3.2.2項の技術仕様書の意味と構築ポイントについて解説いたします。
知識・経験を活かし、品質マネジメントシステムの規格を幅広い方々に理解いただき、各規格の普及のお手伝いができればという思いで立ち上げました!難解な内容も、知識と経験でわかりやすく解説していきますので、これからもよろしくお願いします!あくまでも個人の見解(公式に認められたものではない)となりますので、ご理解いただき是非参考にしていただければ幸いです★
条項 | 題目 | ISO9001 | IATF |
第4章 | 組織の状況 | 〇 | 〇 |
第5章 | リーダーシップ | 〇 | 〇 |
第6章 | 計画 | 〇 | 〇 |
第7章 | 支援 | 〇 | 〇 |
第8章 | 運用 | 〇 | 〇 |
第9章 | パフォーマンス評価 | 〇 | 〇 |
第10章 | 改善 | 〇 | 〇 |
条項 | 題目 | ISO9001 | IATF |
7.1.1 | 一般(資源計画) | 〇 | 〇 |
7.1.2 | 人々 | 〇 | 〇 |
7.1.3 | インフラストラクチャ | 〇 | 〇 |
7.1.3.1 | 工場、施設及び設備の計画 | 〇 | |
7.1.4 | プロセスの運用に関する環境 | 〇 | 〇注記 |
7.1.4.1 | プロセスの運用に関する環境-補足 | 〇 | |
7.1.5 7.1.5.1 |
一般(監視及び測定のための資源) | 〇 | 〇 |
7.1.5.1.1 | 測定システム解析 | 〇 | |
7.1.5.2 | 測定のトレーサビリティ | 〇 | 〇注記 |
7.1.5.2.1 | 校正/検証の記録 | 〇 | |
7.1.5.3.1 | 内部試験所 | 〇 | |
7.1.5.3.2 | 外部試験所 | 〇 | |
7.1.6 | 組織の知識 | 〇 | 〇 |
7.2 | 力量 | 〇 | 〇 |
7.2.1 | 力量-補足 | 〇 | |
7.2.2 | 力量-業務を通じた教育訓練(OJT) | 〇 | |
7.2.3 | 内部監査員の力量 | 〇 | |
7.2.4 | 第二者監査員の力量 | 〇 | |
7.3 | 認識 | 〇 | 〇 |
7.3.1 | 認識-補足 | 〇 | |
7.3.2 | 従業員の動機付け及びエンパワーメント | 〇 | |
7.4 | コミュニケーション | 〇 | 〇 |
7.5.1 | 一般(文書化した情報) | 〇 | 〇 |
7.5.1.1 | 品質マネジメントシステムの文書類 | 〇 | |
7.5.2 | 作成及び更新 | 〇 | 〇 |
7.5.3 7.5.3.1 7.5.3.2 |
文書化した情報の管理 | 〇 | 〇 |
7.5.3.2.1 | 記録の保管 | 〇 | |
7.5.3.2.2 | 技術仕様書 | 〇 |
目次
技術仕様書の管理方法を文書管理規定で定める
IATF:7.5.3.2.2項の技術仕様書の要求事項では、以下のようなことが大事です。
顧客から渡される技術規格/仕様書その他要求仕様書は、顧客のスケジュールに基づき、タイムリーなレビュー・配布・必要に応じた顧客への返信が必要です。
そのレビューの結果について必ず責任と権限のある方が承認するようにしましょう。
例えば、承認印+承認日付などを記載するのもOKです。
技術仕様の変更が発生した場合
IATF:7.5.3.2.2項の技術仕様書の要求事項では、以下のようなことが大事です。
顧客より技術規格/仕様書の変更に関するレビューの方法については文書管理規定で定めますが、変更のプロセスについては、各要求事項に対応して変更プロセスを実施する必要があります。
条項 | 題目 | 段階 |
8.3.6 | 設計・開発の変更 | 製品設計段階の変更 |
8.3.6.1 | 設計・開発の変更-変更 | 製品設計段階の変更 |
8.5.6 | 変更の管理 | 量産移行後の変更 |
8.5.6.1 | 変更の管理-補足 | 量産移行後の変更 |
文書管理規定では、上記の段階に基づき変更のプロセスを行うよう記載しましょう。
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IATF:7.5.3.2.2項の技術仕様書はどこに記載すればいい?
IATF:7.5.3.2.2項の技術仕様書の要求事項の対応は、「文書管理規定」を作成し、第7章の要求事項を網羅し且つ管理ルールをすべて記載することが求められます。
各要求事項の詳細は、関連ページより確認してみましょう!
IATF:7.5.3.2.2に関するFAQ
IATFのメールコンサルティングでよくある質問をFAQ形式で3つご紹介致します!もっと詳しく質問したい場合は、是非メールコンサルティングサービスをご活用くださいね!
IATF:7.5.3.2.2項では、顧客の技術規格や仕様書のタイムリーなレビュー、配布、実施を要求しています。文書管理規定を作成し、顧客のスケジュールに基づいて10稼働日以内にレビューを完了するようにすることが推奨されます。また、レビューの結果を記録し、承認されたことを確認するプロセスを設定する必要があります。
技術規格や仕様書の変更が製品設計に影響を与える場合、ISO9001の8.3.6項を参照し、適切な設計・開発の変更プロセスを実施します。変更が生産プロセスに影響する場合は、8.5.6項の変更管理に従います。これにより、変更プロセスを文書管理規定に組み込み、適切に対応する仕組みを構築しましょう。
技術仕様書のレビューや承認は、責任と権限のある担当者によって行われる必要があります。これらの役割は、IATFの5.3.1項「組織の役割、責任及び権限-補足」に基づいて職務分掌表に明確に記載し、文書管理規定にも反映させます。承認には、承認印や日付の記載を推奨します。
IATF:7.5.3.2.2項の技術仕様書:まとめ
IATF:7.5.3.2.2項の技術仕様書の要求事項の規格解釈はいかがでしたでしょうか?
顧客化から渡される技術規格/仕様書は、非常に重要な書類であり、きちんと確認しないで製品設計へと移行すると、「実現不可」となることがあります。これは顧客への迷惑度合いが大きくリスクになることから、IATF:7.5.3.2.2項の技術仕様書の要求事項が存在します。
文書管理規定できちんと対応を定め、レビューを実施した記録が残る仕組みを構築しましょう!
それではまた!
当サイトの記事は、個人的な見解を記載したものであり、各規格の代替を目的としたものでもなく、「確実にこうしてください」というものではありません。そのため、「ここって違う気がする」「こんな解釈もあるんだ!」という気付きの場としてご利用いただければと思います。そのため、一切保証していません。
できるかぎり最新の個人的見解を記載していきますので、温かい目でご利用いただければと思います。
各規格については、公式サイトなどで必ず確認するようにしてくださいね!
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